教材は、自分で書店へ行って実際に手に取って、見て選びましょう!

  • 投稿者:駒里さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月半

はじめに

 「3級は簡単、3級は誰でも受かる」とよく聞きましたが、そんなことはありません。なぜなら、合格率は平均で38.9%という、10人のうち6人落ちているのが現状だからです。「あの言葉」は、合格した4人のうちの誰かが言っているのです。

 「受かった人が言っている」ということを肝に銘じた方が良いと思います。ナメてかかると恐らく合格は遠のくと思います。半数以上が不合格なのですから。

 「合格体験記を先に読んでおけば良かった。」これは試験後私が思ったことです。理由は…計算用紙にTフォームを書く際にバランスよく書くことがいつもできず気持ちが悪かったのですが、その解決方法が掲載されていたからです(下の「試験日の1日の流れ」で触れています)。

 これをお読みの方の何人かに少しでもお役に立てればと思います。

心構え

 私は、「独学」というより「自力」という感覚で勉強していました。当たり前ですが、試験問題は一人で解くものですから。

 そして、(1)自力で解いた問題だけが本物の力になるということ、(2)簿記3級の勉強というのは、現時点の自分の知識量を正確に把握し、そこから合格点の知識量までの差を縮めていく作業であること、を常に意識していました。

使用したテキスト&モノ

  • 入門書:『マンガ版 これだけで簿記がはじめられる入門の入門』…以下『マンガ版』
  • 過去問題集:『日商簿記3級 出題パターンと解き方 137回過去問題集』…以下『パタ解き』
  • テキスト:『サクッとうかる日商3級商業簿記テキスト』…以下『サクテキ』
  • 仕訳コレクション:上記テキストの書籍購入者特典をプリントアウトしたもの
  • 仕訳問題対策簿記検定ナビのダウンロードコンテンツ
  • 電卓:CANON LS-80TU-WH
使用教材
使用教材

 上記のほかには、問題を解いて解答を書くノート、今日何をしたか&何をどう感じたかを書き留める用のメモ帳、目的別に使い分けたペン(計8色)、家にあった付箋…などを使いました。

 また、簿記検定ナビの他にも「わかりやすい簿記」や「YAHOO!知恵袋」など、ネット上のサービスを利用しました。仕訳問題の解説は「簿記検定ナビ」のものが面白かったので、iBookに保存して利用しました。

勉強方法

 簿記3級合格知識の得方(=試験○日前・○/○に、何を、どう考え、合格するためにどのように実行してきたのか)を、より具体的に第5段階に分けて以下に書きました。

★第1段階(56日前・4/13~【とりあえずやってみよう期から申込】

 簿記3級受験&合格を決意し、書店で『マンガ版』『パタ解き』を購入しました。

 『マンガ版』の購入基準は、暗記すべきことがゴロ合わせになっていることと読みやいからです。しかしこの時、『これだけで簿記がはじめられる入門の入門』というタイトルだったにも拘らず、これだけ読めば何とかなる(=試験問題が解ける)と思い込んで購入していました。その間違いに気付いたのは、試験28日前・5/11のでした。

 『パタ解き』の購入基準は、過去12回分という多くの過去問が掲載されており、パターン毎に解き方があるということのわかりやすいからです。

 勉強方法としては、まず『マンガ版』を読み例題を解くことをしました。一通り読んだ後、『パタ解き』の第一問・仕訳問題を解いてみました。しかし、知らない勘定科目ばかりあり圧倒的に知識不足だと感じました。

 次に、『パタ解き』の第二問~第五問のパターン化された例題部分を解けば知識不足は解消されると思い読みました。しかし、『パタ解き』の第一問・仕訳問題に出てきた勘定科目を網羅していないことがわかり、ネット上で「わかりやすい簿記」を発見し、これをテキストとして読んでいました。

 37日前・5/1 試験日の約1ヶ月前にも拘らず申込手続きを行なっていないことに気付き、パソコンで調べると申込期間が終わっていて茫然自失しました。

 しょうがないので、11月受験を考えパソコンで情報を探すと…地域によって申込期間が違うということがわかり、まだ申込み可能な商工会議所を見つけてネット申込をしました。というわけで、試験当日は自宅から遠い受験地で受験することになりました。

★第1段階修正(~26日前・~5/11【なぜかいつまで経っても過去問が全然解けない期】

 第二問・第三問・第四問・第五問の例題を一通り解いてみましたが、『マンガ版』だけでは太刀打ちできないことに今更ながら気付きました。

 「簿記検定ナビ」を読んでいると「テキスト本が必要」との記載があり、当たり前のことですが「テキストが必要なのだ」ということに気付きました。紹介されているテキストのタイトルをメモし、翌日近所の書店でテキスト本を購入することに決めました。

★第2段階(27日前・5/12~【テキスト本(サクテキ)を購入し、テキストの使い方のスケジュール(7日目標)通りに読んでみる期】

 『サクテキ』の購入基準は、(1)『パタ解き』と出版社が一緒、(2)カラフルでなく、黒・赤の文字のみで読みやすい(目がチカチカしない)という理由からでした。

 また、この本の冒頭にはテキストの使い方が書かれており、さらにスケジューリングまでされています。試験日まで1ヶ月切っている状態でしたので、とりあえず最短でテキスト本を読み終われるスケジュールを参考にして3日間続けました。

 しかし、このやり方では自分の知識不足過ぎで一気に読んでも知識が脳内から消えてしまい、何度も繰り返しテキストを読む時間的余裕すらないということに気付きました。このやり方は、私には合わないと判断しました。

 そこでもう一度、今後の勉強方法を考えることにしました。25日前・5/14の出来事でした。

★第3段階(24日前・5/15~【しっかり勉強期】

 残り20日間余りで合格知識量に達するためには、仕訳問題が解けなければ他の問題(第二問~第五問)も解けないという考えに至り、兎にも角にもまず仕訳問題を制覇しなければならない!!ということに行き着きました。

 「簿記検定ナビ」より過去10年分の「仕訳問題対策」を印刷し、5月中に解くこと&全て解けるようになることを目標としました。100回~136回分あったので、単純に計算して1日3回分を解けば12日(=2週間)で終わらせることができるという計算になります。

 そして、最初の3回分・6回分・9回分…を解くことはとてもキツかったけれども、ある程度(=半分の18回分)解けばそれなりに知識もついているだろうし、解くスピードも早くなっているはずだと考えました。

 具体的には、1日3回分を解く→答え合わせをする→『サクテキ』で該当箇所を読む→『サクテキ』の例を解く→『サクテキ』の確認問題を解く→再度過去問を解く→理解度によって「簿記検定ナビ」の解説を読む、という流れでした。

 つまり、「テキストを読んでから問題を解く」という通常の勉強方法と真逆のことを行ないました。最初は5問中1問正解など散々なものでしたが、とにかく必死になって続けた結果、少しずつ正解率が上がっていきました。

 また、この時期は(も)、試験までの残りの日数が非常に限られていたので、「同じ論点の問題が出題されたら必ず解けるように繰り返すこと」を意識しました。『仕訳コレクション』はテキストと連動していたので、記憶を呼び戻すのに最適な復習材料になりました。

★第4段階(18日前・5/23~【5月中に仕訳問題を完璧にするぞ期】

 この時点で117回まで(=18回分)を解いていたので半分達成。残り8日間で19回分を解けばいい計算になるので、この時点で目標の達成が可能であると確信しました。

 仕訳問題対策の一定の目処が立ったので、第二問~第五問の勉強方法を考えることにしました。まず『パタ解き』を参考にし、優先順位(第三問・第五問が大事)を決めました。

  • 第三問

 『パタ解き』のWEB解説のある問題をまず2問やりました。そして解説動画を見ながら思考過程をメモしました。少し時間がかかる作業でしたが、この方法が最短ルートだと判断して進みました。

 講師によると「第三問は25分で満点近い点数を取る必要がある」とのことでしたが、この時点での私のレベルは「1時間かかるがほぼ正確に解けるレベル」でした。つまり、残りの2週間で(正確性を保ったまま)解答時間を半分にしなければいけない、ということになります。

 これに関しては、Tフォームの書き方を練習することにより40分に短縮することができました。あとは同じ問題を繰り返すことで、20分で解けるようになりました。

  • 第五問

 第三問と同様、『パタ解き』のWEB解説のある問題を2問やって、解説動画を見ながら思考過程をメモしました。その後、解き方のチェックをしました(具体的には、以下の4項目を徹底的にやりました)。

  1. 資産・負債・純資産と費用・収益のグループ分けをする
  2. 勘定科目ごとに金額を記入する欄には○・絶対に記入されない欄には×をつける
  3. 未処理事項と誤記入に関する仕訳をして精算表に記入する
  4. 決算整理仕訳をして精算表に記入する
第5問・精算表対策
第5問・精算表対策

 上記のような感じで第三問・第五問対策をしたことにより、簿記の理解がどんどん深まっていきました。ここまでくると先が見えてきて、残り時間を最大限に使うよう努力しました。

★第5段階(5日前・6/3~【直前期】

 本来は5月中に仕訳問題を終わらせるという目標でしたが、結果的に2日オーバーしました。「急げ急げ。ギリギリ間に合う!間に合わせる!」との気持ちで、残り1週間弱を過ごしました。具体的には仕訳問題を復習しつつ、第二問と第四問の過去問を全て解きました。

 また、第五問の「決算整理事項の費用と収益の繰延べ・見越し」が苦手だったので、ノートにまとめました。そして、第五問の過去問を全て解く時間的余裕が全く無かったので、第五問の苦手箇所だけ問題文に印を付け(だいたい下の方に出題されている)、そこだけ全ての回を一気に解きました。

決算整理事項の費用と収益の繰延べ・見越し1
決算整理事項の費用と収益の繰延べ・見越し1
決算整理事項の費用と収益の繰延べ・見越し2
決算整理事項の費用と収益の繰延べ・見越し1

 試験前日6/7の夜、今まで夜はほとんど勉強しませんでしたが、リラックスするために床に座って椅子をテーブル代わりにして、最終チェックを0時まで行ないました。その後、布団に入り即寝しました。

試験日の1日の流れ

試験当日

 朝5時半に起床し、枕元に置いてあった今まで使用した全ての勉強道具を鞄に入れました。また、「簿記検定ナビ」の持物チェックシートに書かれていた物も忘れずに入れました。そして、「最後まで諦めない心」も忘れずに持っていきました。

 自宅を7時に出て試験会場へ向かい、電車内では仕訳コレクションで印を付けていた気をつけたい箇所を復習しました。

試験会場の様子

 会場に到着し受験票を受付に渡すと、教室番号と席順が書かれた紙を渡されました。

 教室に入るとちらほらと人が座っており、3人掛けの連なった長机が横に3列。それぞれ後ろに15人並んで着席でした。3人掛けのうち真ん中を空けて両サイドに着席するというスタイルでした。

 私は中央列の1番後ろの右側の席に着席しました。教室内は58人分の受験席がありましたが、棄権者は10名くらい居たと思います。

試験開始までの過ごし方

 早めにお手洗いに行ってから自分の席に戻り、リラックスするために周りを見渡しました。ひとつ前列の人は来ていなく、その前にはオシャレなボタンの大きな電卓を持った人が座っていました。左隣は私が到着したときには既に着席をして、電卓をずっとカタカタと叩いていました。

 試験開始前に問題用紙と解答用紙が配布され、解答用紙に受験番号と氏名を書くように言われました。その際に、少し遠くの斜め前に座っていた女の子が計算用紙を縦半分に折っているのが目に入りました。

 「!!!なるほど!」計算用紙を折ったらTフォームがバランスよく書きやすい!ということで、私もその技をいただきました。試験当日の直前まで勉強させてもらいました。これは本当にありがたかったです。

 しかし今更ですが、気付いたら合格体験記に「更に折って良い方法」が書かれていました…。合格体験記は時間があるときに読んでおくことをおすすめします。

  • 試験開始!

 第一問の仕訳問題は難なくクリア→第三問はTフォームがバランスよく書けて時間内にクリア→第五問は苦手なところも気を付けてクリア。

 そして、いつも最終合計が合わなかったので「(時間短縮のため)最終合計を書かない!」という作戦にでたのですが、時間的に余裕があったので合計も計算しました。すると、なんと本番だけ合計が一致するという奇跡が起きました。

 その後、第二問を解き、悩むところもありましたが、ギリギリ合格の目標点はクリア→第四問もギリギリ目標点はクリア…という感じの出来でした。時間は25分余りました。

 その後は見直し作業。第一問・仕訳問題のミスが無いかの確認OK→第五問の苦手部分も確認OK→第三問…最初に解いたときに「あれ?」と思った部分があったものの、時間との勝負だったのでそのまま突っ走ったんですが、このとき「やはり何かがおかしい」と思ったのです。

 残り時間20分。「解き直しはできなくはない!」と思い、計算用紙の裏に再度Tの字を8つ書いてみたものの、やっぱり間に合いそうにありません。そこで「最初に計算用紙書いた物を1つずつ見直してチェックしていこう。それで間違っている物があれば修正しよう!」と頭を切り替えました。

 とにかく時間との戦いだったのですが、なんとかギリギリ時間内に解き直し完了。ドキドキのまま解答用紙は集められていきました。

帰宅後

 解答速報が気になりネットで確認したところ、仕訳は全問正解。しかし、合格ギリギリな気がしてきちんと解答速報を見る事を拒否してしまいました。

合格発表

 ネットにてそっと合格を確認し、家族や友達に報告をしたあと、自己採点をしました(83点)。

 今回は短期間の勉強でしたが、とても楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

 中でも「簿記検定ナビ」の「仕訳対策問題」はとても役立ちましたし、解説も面白く読ませていただきました。このようなサイトを作成してくださった田口様、ありがとうございました。大変お世話になりました。

管理人から駒里さんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
★『マンガ版』…80点
 この本で合格レベルまで望んでいた勘違いをしていたので、その期待値からマイナス20点。

★『パタ解き』…90点
 WEB解説がよかったです。「第1部解き方編」に出題された中でWEB解説のある問題をコピーし、解説の思考過程をメモして利用しました。それだけで確実に実力が上がったと実感できたのでプラス10点。
 また、表紙の裏に攻略チャートが書いてあり、これを利用するのが楽しかったのでプラス10点。
 ただ、書籍の構成が少々わかりにくく、把握するのに時間がかかったためにマイナス30点。

表紙裏の攻略チャート
表紙裏の攻略チャート

★『サクテキ』…100点
 とてもわかりやすい構成&説明でした。テーマ毎に細かく例が掲載されており、更にテーマの最後に確認問題があり、これを解き直すことにより最小の問題数で確実に基礎力を養えたと思います。
 購入者特典の『仕訳コレクション』と対応しており、簡単な数字で解答できるようになっているので、テーマ毎のつながりを感じながら基礎力を養成できたと思います。

サクテキの為替手形のページ
サクテキの為替手形のページ

★簿記検定ナビの仕訳対策問題…130点
 A4用紙を横にして2回分の仕訳問題を1枚に印刷しました。半分に折るとA5サイズになります。持ち歩きに便利で電車の中でも隙間時間に利用できる携帯性がgoodなのでプラス10点。
 「仕訳が出来なければ他の問題は解けないのだ」ということを理解してから、私はこの仕訳対策問題をメイン教材として利用しました。問題文の店名が本試験とはちょっと違って面白く、勉強していて楽しかったのでプラス10点。更に、苦手なため替手形の解説が面白く理解の手助けになったのでプラス10点。
 掲載されている問題全てを完璧にこなせば、確実に仕訳問題に対して自信を持つことが出来るでしょう。私はこれを完璧にすることにより本試験でも仕訳問題は満点でした。自信を持ってオススメします!

 今回使用した教材はこれだけです。他の合格者がよく使用している『サクトレ』や『過去問厳選ナビ』の使用も考えたのですが、時間が無さすぎたため諦めました。

 圧倒的に問題練習量が少ないという不安を解消するため、「仕訳対策問題」と『仕訳コレクション』を繰り返すことでアウトプット量をこなし、あとは『パタ解き』で実践問題をこなしました。

 今回、勉強に使われた電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 一部の人(3級受験者)にしかオススメはできません。なぜなら、簿記検定では「12桁の電卓が必要」というのが定説(?)のようで、この電卓は8桁だからです。(1級になるとガチで12桁必要になるそうです。1級受験者に聞きました。)

使用電卓
使用電卓

 私の経験から言うと、3級の受験であれば8桁で乗り切れます。「電卓が大きくて重くて持ち歩くのが億劫」という私のような方ならこれで十分です。また機能(00キー・→キー・メモリーキーがある)とデザインが私の好みだったのでお気に入りでした。

 1つ気を付けておくべきことは、軽い電卓は打っていると電卓がどんどん前へ移動していってしまうということです。電卓が移動しないように100均で売っていた地震の耐震マットを購入して電卓の裏に貼付けて使用しました。ということで、電卓代に+108円かかりました。

 駒里さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 体調が良くなく静養している時期だったので、「何もすることが無い環境だった」というのが1番の理由です。

 せっかく自分の時間を持てたのだから『1つのことを成し遂げた』という客観的事実が欲しい・何かに集中したい・余計なことは考えたくない。その思いが強かったことが、常にモチベーションの維持になったのだと思います。

 また、1日6時間しか起きていられないため「その時間内でやりくりすることが必要」でした。時間の使い方を工夫せざるを得ない状態だったのも、モチベーションの維持に関係していたと思います。

 そして、高校時代からの友人の「私1級持ってるよ!駒里ちゃんなら大丈夫だよ!」という言葉にとても勇気付けられましたし、以前勤めていた会社の方々に飲みに誘っていただいたことも気分転換になり「また頑張ろう」と思えました。

 周りの人に恵まれていることがモチベーション維持に非常に効果があったと思います。自分の味方でいてくれる人、応援してくれている人がいるというのは、本当にありがたいことでした。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 勉強方法に関しては、その人の置かれている環境によってかなり変わるのではないかと思います。合格体験記を参考にしたり自分で試行錯誤しながら、自分にとって最適な勉強方法を見極めることが大切だと思います。

 教材に関しては、自分で書店へ行って実際に手に取って見て、心地良いと思う教材を選ぶのが良いと思います。

 有名どころの参考書はどれでも合格に必要なことは書いてあるはずです。つまり同じ内容が書かれているのです。その中でわかりやすさが大事であることはもちろん、紙質・カラー・デザインなどといったことを選ぶ基準にすることも充分大事なことだと私は感じています。

 お気に入りのテキストで、お気に入りのノートで、お気に入りの筆記用具で、お気に入りの電卓で…お気に入りのものに囲まれて勉強することは、とても心地良く楽しいことだと思います。

 「ここをこうしておけば良かったかなぁ…」という点は2つあります。1つは、「余計なものは印刷しない!」ということです。損益計算書・貸借対照表のひな形は結局必要ないものでした。

 もう1つは、体系的な理解がもう少しできていれば良かったなと思います。飽くまでも目的は3級に合格することなので結果オーライなのですが、体系的な理解が不足していると感じていた試験前に、脳内整理をするために目次をコピーして関連するところを線で結んでメモ書きをしましたが完成には至りませんでした。

 もう少し時間的に余裕があれば体系的な理解ができ、気持ち的にも余裕を持って試験に臨めたのではないかな、と思います。これは2級受験&合格を決意した私の今後の課題です。

管理人コメント

 駒里さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!かなり細かいところまで書いていただいたので、読みごたえのある合格体験記に仕上がっていると思います。

 個人的に、一番参考にしていただきたいのは「教材に関しては、自分で書店へ行って実際に手に取って見て、心地良いと思う教材を選ぶのが良いと思います。」という点です。

 教材は内容の良し悪しだけでなく、相性の良し悪しもあるので「WEBで市販教材の情報収集をする→書店で実物を確認する→そのまま購入するorWEBで割引購入する」という流れで教材を選ぶのがベストだと思います。

 また、電卓に関しては、2級以降は8桁では苦しくなるので、2級以上を考えている方は最初からきちんとした電卓を購入することをおすすめします。

 簿記検定ナビのおすすめテキスト・問題集・過去問・電卓ページでは、おすすめの教材や電卓を紹介してありますので、ぜひ参考にしてください。

 最後に、本試験で配られる下書き用紙(計算用紙)ですが、私のように「全く折らない派」もいれば、簿記の教室メイプルの南先生のように「5回折って32マス作る派(参考ページ)」など、いろんな使い方があります。

 イメージ的には1回または2回ぐらい折って使っている人が多いような気がしますが、絶対的な正解はないので、練習時からいろいろ試して、自分にしっくりくる使い方を見つけてください。

日商簿記検定の申込受付期間について

 試験の申込受付期間は商工会議所ごとに異なりますが、だいたい試験の2か月前から1か月前のところが多いです。申込受付期間内でも定員数に達した場合は受付が打ち切られることもあるので、受験予定の方はなるべく早めに申し込んでください。

 なお、3級・2級は合格発表日も商工会議所ごとに異なります。早いところは試験後1週間で発表されますが、東京23区・横浜市は1か月以上かかるので、申し込む際は「合格発表日」も考慮することをおすすめします。

 簿記検定ナビの全国の商工会議所&申し込み日程情報ページでは、次回の日商簿記検定の申込受付期間および合格発表日(一部のみ)を都道府県別にまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。

駒里さんが使われた教材や電卓のまとめ