カテゴリー: 簿記2級

  • 第130回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.93

    「理解する」を重視して、最後まで諦めないことが大事!

    • 投稿者:九十九さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月

    はじめに

     私は大学で日本文学を専攻しています。大学生活最後の春休みは、卒業記念に自動車免許を取るための合宿に参加しようと思っていましたが、祖母が入院する事になったためお見舞いに通う日々。自宅を離れられなくなってしまいました。そんな中、ふと、商学部の友人が「簿記は勉強して損はない」と話していた事を思いだし、自動車免許の代わりに簿記に挑戦する事に決めました。

     動機は単純で、半ば気まぐれで始めたようなものでしたが、簿記の世界は本当に面白い!簿記の面白さは実際に勉強してみないとわからないと思います。教養にもなり就職にも役立つとのことで、勉強して良かったと心から思います。パズルゲームで遊んでいるかのように楽しく勉強できました。

    使用参考書一覧

    • 『新検定簿記講義 3級/商業簿記〈平成23年度版〉』 渡部 裕亘ほか 中央経済社
    • 『日商簿記2級 とおるテキスト 商業簿記』 桑原 知之 ネットスクール出版
    • 『日商簿記2級 とおるテキスト 工業簿記』 桑原 知之 ネットスクール出版
    • 『日商簿記2級第130回を完全予想!ラストスパート模試』 ネットスクール株式会社
    • 『合格トレーニング 日商簿記2級商業簿記Ver.7.0』 TAC簿記検定講座
    • 『合格するための過去問題集 日商簿記2級』 TAC簿記検定講座

     使用した時期は後述しますが、どのテキストもお勧めです。参考書以外では仕訳クイズや簿記の情報をまとめたホームページも利用させていただきました。

     電卓は特に拘りはなく、家にある物を2つ使っていました。家にある電卓は古くて安い電卓なので「0」のみで「00」がありません。きちんと理解している方でしたら、電卓のスピードは合否に関わるほどの大きな影響はありませんが、早く計算できる方が良いに決まっていますし、「00」はあった方が便利だと思いました。

    勉強スケジュール

     私は簿記3級を持っておらず、2級の一発合格に成功しました。簿記のテキストに始めて触れたのは10月、2月の試験で合格したので勉強期間は5ヶ月になります。4ヶ月はダラダラと勉強し、過去問で50点前後の点数が取れる程度に把握し、春休みの1ヵ月で80点くらいに上げました。

    • 10月~12月

     5ヶ月で簿記2級と言っても、突然2級の勉強を始めた訳ではありません。向き・不向きがあると思いますし、簿記の基本を知るためにも、まずは解説が親切な3級参考書を一冊購入する事をお勧めします。

     私は『新検定簿記講義 3級/商業簿記〈平成23年度版〉』を購入しました。2級の範囲に3級の範囲も含まれているとはいえ、無理して覚える必要はありません。本当に読むだけで良いです。解説を読みながら内容が理解でき、簿記がどんなものなのか何となく掴めれば充分だと思います。

     簿記3級の参考書は2週間程度で読み終え、次に『とおるテキスト』を購入しました。簿記3級の範囲は商業簿記、簿記2級は商業簿記と工業簿記です。工業簿記は3級には含まれていない範囲なので、基礎的な事だけでも既に知っている商業簿記から読み始めた方が良いと思います。

     とおるテキストの商業簿記は1つのChapterが20ページくらいです。1日2Chapterを目標に読んで、大まかなイメージを掴みます。簿記2級は3級と比べて難しくなりますが、1回で覚えようとしないでまずは読むだけで構いません。

     工業簿記の方はChapterによってページ数の差が大きく(数ページ~40ページ)難易度も差があるためChapterは気にせず、20~30ページくらいを読んだ方が良いと思います。

     どちらも1回ずつ読み終わったら、次は何度も読み返してじっくり理解していきます。工業簿記は電卓を使わないと計算できない場面が多いため、電車の中やちょっとした休み時間では商業簿記、休日は工業簿記、と分けて勉強しても良いと思います。

     他には、暇な時間に簿記のホームページを見てクイズを解いたり勉強の参考にしていました。簿記検定ナビの「簿記クイズ」も活用させていただきました。

    • 1月

     商業簿記はわかっているつもりになっても解けていなかったりド忘れが多いので、『合格トレーニング 日商簿記2級商業簿記Ver.7.0』を購入しました。簿記の面白さがわかるようになってくるのはこの辺りからです。

     精算表や仕分日計表が左右ぴったりと一致させるのはパズルを解いているよう。実際には一致=満点とは限りませんが、一致した時にはほぼ正解しているので「やった!解けた!」と気分がスッキリです。…が、私は精算表と本支店会計が苦手で現実はなかなか一致しません。だからこそ楽しかったのかもしれません。(笑)

     私は問題集に直接鉛筆で薄く書き込み、ノートなども特に取りませんでしたが、TAC出版のテキストはホームページで解答用紙をダウンロードできるサービスがあるため、そちらを利用した方が良いと思います。

     1月の下旬頃『合格するための過去問題集 日商簿記2級』を購入し、過去問を2~3回解きました。点数は40~50点後半。この時点では合格は程遠い点数です。

    • 2月前半

     2月は春休みになったので、1日3~5時間集中して勉強できました。過去問を中心に取り組み、深夜や空き時間に仕訳(問1)と工業簿記(問4、5)を勉強しました。

     仕訳の能力は問2、問3の部分点に繋がりますし、問1対策の方が問2、問3対策よりも短い時間で気軽に勉強できます。問2、問3が苦手な方でも、仕訳を強化して部分点だけを狙い、工業簿記でカバーすれば合格は充分に可能です。

     問2、問3があまり理解できなくてもある程度の点数が取れる一方で、工業簿記は原価計算表などが出題された場合、最初に躓くと全ての数字がずれていき一気に10点以上失います。工業簿記の問4、問5の両方で躓くと致命的になるので、特に力を入れて勉強しました。

     ケアレスミスをしてしまったり、理解できない部分がある場合はほとんど解けませんが、工業簿記の難易度自体はあまり高くありません。得意分野は8割以上の点数が可能なので、工業簿記の得意分野は積極的に増やすべきです。

     過去問でできない部分があれば、解説を読んで完全に理解し、別の日に改めて解き直すと本当に理解できているかがわかります。

     とおるテキストでは「簿記は80%わかっていても解けないが、100%わかると100%解ける」と解説しています。実際100%解けるようにはなりませんでしたが、得点が急上昇するのは本当で、簿記は突然解けるようになります。

     過去問と工業簿記をひたすらやり込んだためか、今まで50点止まりだったにも関わらず、集中して勉強してから1週間で80点以上の点数が急に出始めるようになりました。私は最後の追い込みで成功したので、試験直前の過去問で低い点数を取ってしまっても、諦めないで頑張る事をお勧めします。

    • 2月後半

     試験2週間前くらいから『日商簿記2級第130回を完全予想!ラストスパート模試』の登場です。ラストスパートは「試験を予想する問題集」というコンセプトで、全部で4パターンの模試が体験できます。しかし、4パターンも予想をしていればどこかしら実際の試験でも似たような問題が出てくるでしょう。(苦笑)

     問題集としてはとても役立ちましたが、「予想」よりも「復習」のように感じました。ラストスパートは、ひねった問題や完全に理解していないと解けない問題が多く、難易度は実際の過去問、試験よりも高いです。

     過去問で75~85点くらい取れる段階で挑戦しても70点前後、「ウラ予想」はまさかの50点台でした。ラストスパート模試は難しいですが、解き終えた時は「これより難しい問題は実際には出ないだろう」と安心感があります。

     試験直前の時期で難易度の高い模試に挑戦し、苦戦する事でモチベーションの維持に繋がりました。初受験で実際の試験形式がわからない方、過去問を解いても不安な部分がある方にはお勧めです。ラストスパート模試で平均70点以上取れるようであれば合格はほぼ間違いないと思います。

     しかし、ひねった問題ばかり練習すると変な癖が付き、逆に簡単な問題が解けなくなってしまう事もあるので、試験前日などは、やはり一般の過去問題集に取り組んだ方が良いと思います。前日は過去問の工業簿記をひたすら解きました。

    試験日の1日の流れ

    • 10時:起床

     普段通り朝ごはんを済ませ、試験会場へ向かいました。

    • 12時:会場到着

     近所の会場でしたが、家にいても特にする事がないため、かなり早い時間に到着しました。教室に移動する時、エレベーターのボタンを押し間違え「電卓も押し間違えるのでは…」と不安になりました。

     私以外にも数名が既に到着しており、模試や過去問に取り組んでいる方もチラホラ。私は一般的な仕訳の総復習をしたり、万が一の事態に備え、出段頻度の低い問題を解いていました。

     試験30分前の1時頃に到着している方が多かったですが、女性が意外と多くて一安心。簿記=男性のイメージがあり、女性の私は浮いているのでは…と思っていましたが、3割前後いらっしゃいました。

    • 13時半:試験開始

     まず、問題用紙を一通り確認。問2は比較的難易度も低く私の得意な仕訳日計表が出て「やった!」と思いきや、問3は苦手な本支店会計…。問4は工程別原価計算。見慣れない問題です。問5は単純総合原価計算で予想の範囲内でした。

     得意で時間を消費しない問題から解いていきたかったので、1→2→5→4→3の順番で解く事を確定。電卓は2つ用意していましたが、エレベーターのボタンを押し間違えた事もあり、キーの大きい方の電卓を使用しました。

     難易度は、問1が普通、問2が簡単、問3が難しい、問4は普通、問5はやや簡単に感じました。問1、問2に関しては過去問と比べても特別な変化はなかったと思います。問4の工程別原価計算は先述したように過去問などでも頻度の低い問題でしたが、その代わり問題の難易度を下げていたようで、じっくり読めばある程度解けるようになっていました。

     簿記検定ナビでも問4の難易度アンケートは「かなり簡単」と「かなり難しい」に票が集中していますが、落ち着いて理解すれば簡単に感じる一方で、突然の予想外の問題でパニックになるケースもあるような問題でした。

     問5も問題自体は簡単でしたが、過去問では頻度の低いパターンも出題された事、間違っていそうな数字になった事もあり、人によっては難しく感じるのではないかと思います。

     問3は苦手でしたし、本当に難しかったです。満点は諦めて部分点狙いにしました。日頃の過去問の勉強でもそうでしたが、残り時間は全て問2、問3の確認に使いました。

     今回の試験は、難易度自体は特別高くありませんでしたが、従来の形式から少しだけひねった問題、ミスを誘発し易い問題が多かったです。私は工業簿記は落ち着いて解けましたが、商業簿記ではそれらの問題にかなり躓き、危ない部分の多い試験となりました。

    試験に合格して

     脳内採点では問1:14か16点、問2:20点、問3:10点、問4:16点、問5:16点でした。75点前後だと予想していましたが、写し間違えなど気が付かないケアレスミスをしている可能性もあり、辛口に採点した場合70点を切ってしまうため合否発表まで不安でした。

     実際の点数は不明ですが、合格していたという事は、脳内採点とほとんど誤差のない結果だと思います。また時間に余裕ができた時には1級に挑戦したいです。

    管理人から九十九さんへ追加の質問

     九十九さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     私の苦手な論点は今回出題された本支店会計でした。克服に関しては、とにかく数をこなして感覚で覚えるのが一番良いと思います。

     ただ、毎日苦手な問題ばかり解いていると疲れてしまい、モチベーションの低下につながるので嫌だと思ったら苦手部分をそのままにする代わり、7割以上取れる得意分野をさらに伸ばして満点をほぼ確定させる状態まで仕上げるのも一つの方法です。

     どうしても苦手な論点は100%理解しようと考えなくても大丈夫ですが、部分点で6割以上は取れるようにしないと他の部分でのフォローが難しくなります。

     6割以上取れず、勉強するのも嫌な論点がある場合、試験の一週間くらい前に勉強する事が一番です。ギリギリになると、嫌でもやらなきゃいけない気持ちになるので。(笑)

     九十九さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     私は合格点が4回に3回くらい取れるようになった辺りから「何もしなくても多分受かるだろう」と思いモチベーションが低下しました。

     また、2月は楽しみにしていたゲームソフトの発売日という誘惑もありました。(結局発売日当日に買って遊んでしまいました。でも遊んだ後は集中して勉強できるのでリラックスも大事だと思います。3時間ダラダラ勉強するより、1時間遊んで2時間しっかりやった方が絶対に良いです。)

     そんな中でモチベーションを維持できたのはラストスパート模試の存在です。過去問と比べると明らかに低い点数を出してしまった事に不安を感じ、「もう少しだから頑張らなくては」と思い勉強を続けることができました。

     難易度が高めなので過去問より低い点数になる事が一般的のようですが、難しいとは言え本番の難易度、内容を想定して作られた模試で合格点を取れなかったことはプレッシャーになります。

     予想的中率を誇るラストスパート模試は、今回はかなり予想を外してしまったようですが、(新傾向があったので、それを当てることは難しいですが)仕訳の復習、モチベーションの維持には一番役立ちました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     最後まで諦めないでください。某簿記関係のインターネット掲示板(○ちゃんねる)では、「今~~点しか取れないやつは落ちる」だの辛口の書き込みもありました。その掲示板基準だと1月下旬で半分しか取れない私は確実に合格圏外です。でも合格しました。

     簿記は「0からなんとなく意味がわかるまで」「なんとなくからしっかり理解できるまで」の2つの壁があると思っています。1つ目の壁は参考書を数週読み終えた後に乗り越え、2つ目の壁は気がつかないうちに越えています。

     壁は越えた実感がなく、しかもその瞬間から急に解ける問題が増え始め、過去問の点数は20点以上上がります。急に点数が上がり合格点が取れるようになった時は自分でも不思議でした。おそらく過去問で45~60点しか取れない人は、2つ目の壁が前にあって「なんとなく意味がわかるけど…」の状態です。

     1日オフの日を2~3日作り、1日簿記に専念する日を作ったりする事でその壁を越せるのだと思います。私はとおるテキストの商業、工業を2日で全部読み終え、例題も解いた日がありました。その翌日は過去問を3回分解きました。(昼に2回、夜に1回)振り返ると、それが壁を越えるきっかけであり、点数が変わり始めてきたのだと思います。

    管理人コメント

     九十九さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!簿記3級・簿記2級はきちんと勉強すれば誰でも合格できる試験なので、「最後まで諦めない」というのは本当に大事だと思います。

     あとは、九十九さんもおっしゃっていますが、勉強は「量」よりも「質」を重視してください。テレビを見ながらだらだらと3時間勉強をするよりも、2時間集中して勉強をした後にゆっくりTVを見るほうが効果的かつ効率的です。

     なお、九十九さんは「新検定簿記講義 3級/商業簿記〈平成23年度版〉」を使われていますが、初学者向けの教材とは言い難いので、出来ればもっと分かりやすいものをおすすめします。

     初学者が参考程度に読む教材は…ネットスクール出版の「すいすい簿記」なんか個人的にはおすすめです。マンガ形式で簿記の概略を紹介するつくりになっているので、勉強と言うよりもマンガ感覚で読み進めていくことが出来ます。

    九十九さんが使われた教材のまとめ

  • 第130回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.92

    継続は力なり!3級を飛ばして2級を1発満点合格!

    • 投稿者:優希さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月半

    はじめに

     現在フリーターをしていて、このままでは就職することが困難と思い、広く評価してもらえる簿記に興味を知識0の状態からですが、やってみようと軽い気持ちで始めることにしました。

    テキストについて

    • TAC スッキリシリーズ 3級&2級
    • TAC プラス8点のための問題演習
    • TAC 第130回を当てる直前予想 2級
    • とりい書房 電卓操作完ぺき自習帳

     最初は本屋で直接選ぼうと思いましたが、数が多くて迷いネットで評判を見ることにしました。サクっとシリーズorスッキリシリーズのどちらかにしようと思い、もう1度本屋で見比べたらスッキリシリーズのほうが私には読みやすそうだったのでスッキリシリーズにしました。

     合テキも考慮しましたが、文章が多くて頭の中で理解するのに苦労しそうなので、私には不向きと思いました。

     プラス8点のための問題演習は今回一番お世話になった教材です。解説がテキスト以上に丁寧で手順も載っており、試験の不安は問題を全部解くことで自信へと変わっていきました。

     過去問集を買おうか迷いましたが、試験前に全部できるか不安だったのでこの教材を繰り返して本番に臨むことにしてました。出題傾向にある問題があり、解答の出し方まであるので私は過去問をやる必要をあまり感じませんでした。

     電卓操作完ぺき自習帳については、電卓は四則演算しか扱ったことがなく、2級をやっていくうちに時間が気になるようになり購入を決めました。

     今まで知らなかった機能を知ることに感動を覚えたり、計算が速くなるし間違いが少なくなり良い事だらけでした。2級に入ってから読んだのですが、勉強を始めたときに読んでおけばよかったと後悔するばかりです。

     直前予想は総仕上げで。スッキリとプラス8点が一通り終わった後にやりました。計算ミス以外はほとんどあってましたが、満点でないことに不安を覚え、そこから最後まで気を引き締めて勉強しようと思う機会になりました。

    勉強スタイル

     思い立って約3ヶ月半、正直予定と言えるほどの予定は立てていませんでした。1週間で3級をやるけど2日前後してもいいや、2級の商業を2週間でやるけど3日前後してもいいや、2級の工業を2週間でやるけど3日前後してもいいや、と結構いい加減でした。その代わり勉強しない日は作らないと決め、わからないところには付箋をつけて毎日見直すように心がけました。

     結果的には予定以上のペースで終えることができたので、テスト2週間前からは苦手なところの復習に時間を使うことができたので私としてはよかったと思います。

     テキストを一周 → プラス8点演習を一周 → もう1度テキストを一周 → もう1度プラス8点演習を一周、をしてから付箋が残っている箇所の問題だけを集中的にやるようにしてから直前予想に移りました。

     直前予想を終えてできなかった部分の類似問題をテキスト、プラス8点の問題演習から探してもう1度やり直し、直前演習を2度目で予想問題4回とも満点取ることができました。

     私は出来ない問題があると不安でしょうがなかったので、予想される出題分野に限定せず、まんべんなく勉強することにしました。そうすることで勉強に時間を大変割くことになりましたが、試験前には「受かって当然、満点で合格できるかな」と心に余裕を持つことができました。

    試験日の1日の流れ

     試験当日はバイトでお休みを貰い10時まで寝ていました。10時に起きて早めに準備をして復習しようと思いプラス8点のための問題演習に手を伸ばしましたが、不安になってきたので復習するのはやめにして、「今日まであれだけ勉強してきたから大丈夫だ」と自分に言い聞かせることにしました。

     試験までの間、緊張したくなかったので家を出るまでは携帯変えたら何にしようと全く関係のないことを考えていました。

     午後の1時になったのを確認すると、会場に向かいました。近場なので5分程度で着いたのですが、やはりテキストに手を伸ばすと不安になったので見るのはやめてしまいました。

     試験時間になり解答用紙・問題用紙が配られ解答用紙に名前を記入するとき問題を少し確認すると、これなら大丈夫だと思ってすごく気持ちが楽になったのを今でも覚えています。

    • 試験開始!

     1→2→4→5→3の順で解いて行きました。1の仕訳に関しては1,2問落としても仕方ないくらいの気持ちでいたのですが想像以上に楽でした。勘定の確認を最後にしてすぐ2に移りました。この時点で11分と予定より早く終わっていて安心しました。

     2の伝票も仕訳を書いて合計してくだけだったのですぐ終わりました。合計が合っていることも確認し、3を少しだけ見て、やっぱり最後に時間かけてやろうと思って4に移りました。この時点では35分を回っていました。

     4も特に問題なく解くことができました。費目別計算だったら1,2問落とすのを許容範囲としていましたので、ラッキーだったと思います。この時点で53分を回っていました。

     5は最初少し戸惑いました。材料の追加投入(材料Bは平均法)。これに気をつけてボックス図を書いていくだけでした。累加法と先入先出・平均法は苦手意識がなかったので特に問題なかったです。

     最後に3を解きました。残高試算表の減価償却累計額を足し忘れを頻繁にするので特に気をつけました。内部利益の控除も苦手意識なかったのですが本番当日は何故か焦りました。

     内部利益については後回しすることにして他を先に埋めました。時間が余っているのを確認して、2~3分ボーっとしてから内部利益を計算し、合計を出したら数値がピッタリだったのを覚えています。

     精算表・財務諸表・本支店で数値がピッタリだったことが数えるほどしかありませんでした。試験前はほとんど第3問演習に時間を使っていたので、減価償却累計額の足し忘れ等、自分が間違えやすいところを意識していたのが本番になって発揮されたのだと思います。

     5にかかった時間を計ってませんでしたが、3が終わった時点で30分以上時間が余っていました。30分で解答を写しながら間違いないかを確認し、合格を確認しながら試験を終えることができました。

    合格発表

     結果は合格でした。点数が気になるので商工会に行って聞いたら満点だったそうです。満点かどうか気になっていたのでスッキリして簿記2級を合格することができました。

    管理人から優希さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     今回使った教材はTACのスッキリわかるの商業と工業、プラス8点のための問題演習、予想問題、日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳です。スッキリわかるは80点、プラス8点が100点、予想問題が80点、電卓操作が80点くらいだと思います。
     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓は、canonのHS-1210TUを今回使いました。四則演算以外のために電卓を使うことは今回が初めてだったので最初は苦労しましたが、慣れたら使いやすかったと思います。メーカーによって配置などが違うようなので、自分が使いやすいと思うものをオススメします。
     優希さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意分野は工業簿記です。費目別計算、仕訳問題で単純ミスする以外は満点取れる自信がありました。

     苦手と思う論点はあまりありませんでした。ただし、自分は単純ミスが比較的多かったと思います。第3問の減価償却累計額の計上忘れ、第4問の費目別計算で計上する項目を間違える等でした。同じところで間違えるので問題用紙で該当するところに○で囲んで忘れないようにすることにしました。

     優希さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     自分で2月に受験すると決めたから、ただそれだけだと思います。落ちて言い訳をしたくなかった、だから受かるために勉強を続けられたのだと思います。

    管理人コメント

     優希さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!優希さんは3級は受験せずに一気に2級を受験されたようですが、ダブル受験よりも2級対策に時間を割けるので時間に余裕のある学生やフリーターの方にはおすすめです。

     中身についてですが、優希さんの合格体験記で一番参考にしていただきたいのは、「勉強しない日は作らないと決め、わからないところには付箋をつけて毎日見直すように心がけました」という部分です。

     「簿記はスポーツ」と言われることがありますが、実力アップには地道な反復練習が欠かせません。忙しい日は5分、10分の細切れの時間だけでも構いませんので、なるべく毎日勉強するようにしてください。まさに「継続は力なり」です。

     なお、電卓本の「日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳」は簿記検定ナビでもおすすめしている1冊です。受験にあたっては、最低でもメモリー機能は使いこなせるようにしておきましょう。

    優希さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第129回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.91

    苦手論点は放置せずに、「まとめ解き」で得点源にしましょう!

    • 投稿者:とりこさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月半

    はじめに

     私は30代後半の男性で、某団体の企画部門に勤務しています。数年前、それまで広報関係の経験しかなく経理関係の知識が全くなかったことに焦りを感じ、基礎的な知識だけでも身に着けておこうと3級を受験し、合格しました。

     その後、そのままの流れで2級の勉強も始め、受験申し込みまでしたものの業務の繁忙期と重なり、また、業務上の必要性も特段なかったこともあり、いつしかフェードアウトしてしまいました。

     しかし、途中で挫折したという悔しい思いは消えることがなく「いつか、必ず…」という思いは持ち続けており、その後、再挑戦を志して参考書を買ったものの、仕事が忙しいこと等を言い訳にして、結局数ページ読んでそれっきり…ということが2度ほどありました。

     しかしその後、経営企画関係の業務に従事することとなり、経営企画の立案の際、経理データを裏付けとして使うことが多かったことがきっかけとなって、数年ぶりに2級に取り組むことにしました。

     夏を過ぎると業務が一段落することが見込まれたため、11月20日の129回に照準を合わせ、9月上旬から2ヵ月半での合格を目論みました。

     余談ですが、今回改めて挑戦するにあたり、これまでに買った2級の参考書・問題集の数を数えたところ10冊!もあり、やっぱり簿記は向いてないかも…と弱気になりかけましたが、「今回こそは絶対にやり遂げるぞ!」と気合を入れなおしました。

    勉強スタイル

    • 勉強時間

     前回3級の受験勉強をしていた際と大きく異なるのは、結婚し子供が出来たことです。3級受験時は、仕事から帰ったらひたすら勉強することも可能でしたが、今は子供が寝ている時間だけがフリータイムです。そのため、平日は通勤電車内、週末は早朝の勉強がメインとなりました。

    • 勉強の基本方針

     テキストを通読して全体像をぼんやりとでもつかんだ後、問題を繰り返し解いて知識を頭に叩き込み、知識が蓄積されたところでテキストを改めて読んで、知識を体系化するという方法を取りました。

     また、問題を解いたりテキストを読みこむ際は、じっくりと時間をかけて1回やるよりも、同じ時間ですばやく2回繰り返すことを基本としました。こうしたやり方のほうが、理解度の点でも記憶の定着の点でも、自分には向いていることをこれまでの経験からわかっていたためです。

    • スケジューリング

     短期間で合格するためには、事前のスケジューリングも重要でした。2か月半後の試験日から逆算して1週間のノルマを決め、さらに日毎のノルマに落とし込み、それをさらに電車内、帰宅後というように具体的に割り振っていきました。

     また、日毎のノルマが達成できず後にずれこむことを想定して、各週に1日は調整日としてノルマを設定しない日を設けました。案の定、予定は毎週必ず遅延し、この調整日が毎週機能することとなりました。

    • 使用電卓:SHARP・EL-S872

     電卓は、以前より仕事で使用していたSHARPのEL-S872を使用しました。実は、今回勉強を始めるにあたって簿記検定ナビさんが勧めておられるCANON・HS-1210TUを購入しようと思い、電気店で試し打ちしてみたのですが、数年間使用して使い慣れているSHARPのEL-S872のほうがキータッチが好みであったため、こちらを使用することにしました。

     最近の電卓はキーの部分がソフトな素材(ビニール?か何か)になっており、購入前に打鍵感の比較が出来ますので、AMAZON等で評価の高い商品を実際に試し打ちしてみて、自分に最もしっくりくるものをお勧めしたいと思います。

     普段の業務では、電卓は簡単な四則演算程度しか使わないので、「M+-」キーの使い方も知らなければ、「→」キーの使い方すら知りませんでした。簿記検定ナビさんの電卓の使い方の説明ページで「M+-」キーの使い方を知り、もっと早く知っておけば…と後悔したぐらいです。

     これから勉強を始める方は、まずこのページをチェックされることをおすすめします。「M+-」キーが使えるだけでも、計算スピードは格段に上がります。

    3級のおさらい:9月上旬~中旬(2週間)

     3級の勉強をしてから数年が経過していたことから、3級のおさらいから始めることにしました。前回3級を受験した際に使用したLECの参考書及び問題集が手元にありましたが、内容が古くなっていると思われるため改めて購入しました。

     AMAZONの書評をもとに好評の数冊を書店で見比べた結果、TACの「スッキリわかる日商簿記3級」を購入しました。「スッキリ~」は、他の参考書に比べて解説がわかりやすかったこと、参考書と問題集が1冊になっていること(3級については、知識のブラッシュアップが目的だったため、問題量は最低限が望ましかったため)が選択理由となりました。

     3級は2級の勉強の基礎となる部分のおさらいとの位置づけですので、14日間で勉強を終えることを目途として、次のように進めました。

    テキスト読み込み(1回目)

     まず、1回目は多少理解があやふやな個所があっても気にせず、とりあえず全体像をつかむことを目的として、問題は解かず最後まで通して読みました。

     ただし、決算整理や財務諸表等、重要なポイントは時間をかけて読みました。全体で19章あるので、一日4章をノルマとしてその日の割り当て章を読み終えるまでは、眠い目をこすりながらでも読み続け、5日で読み終えました。

     この時点で、3級の内容を期待していたほど覚えていないという現実に直面しました。

    テキスト読み込み(2回目)&問題解答(1回目)

     2回目は主に電車内で各章の解説を読み、帰宅後、寝る前の1時間程度の間に問題に取り組みました。本文を読んだ際は「なるほど!」と納得しながら読み進めたものの、いざ実際に問題を解いてみると直前に納得していたのがうそのように、3割から4割くらいは間違いました。

     間違った問題にはチェックをつけておき、翌日に、その日の割り当て章の勉強を始める前に改めて解きなおしました。これは言うまでもなく忘れる前に復習することで、記憶が定着することを狙ったものです。

     しかし、それでもやっぱり間違える問題もありました。そうした問題は「殿堂入り」として付箋でマークしておき、改めてまとめて解きなおすことにしました。なお、2回目は問題の解答とその復習も併せて行ったことから、1日の割り当ては3~4章とし7日間で終えました。

    問題解答(2回目)

     14日を目途としていたので、残る2日間で「殿堂入り」した問題を再度解きなおしました。なぜ間違えたのか、どこが理解しづらいのか、ということを確認することに留意しながら一通り解き直し、理解しづらい個所は改めてテキストを熟読しました。

     2日間で6時間というまとまった時間を確保するため、2週間前の月曜から勉強をスタートさせ、殿堂入り問題との最終決戦は週末に早朝のマクドナルドで行いました。さすがにこれだけやると、一通りの論点は再確認できました。

    2級の基礎養成期:9月下旬~10月中旬(1か月)

     2級のテキストも、商簿・工簿ともにTACの「スッキリわかる日商簿記2級」を使用しました。実は、以前挫折した時に、これまた有名な「サクッとうかる~」と「パタ解き」を使用していたのですが、今回改めて他社の参考書も含めていろいろと見比べました。

     その結果、「スッキリわかる~」の解説が私には一番すんなりと理解が出来るような気がしたため、「スッキリ~」を使うことに決めました。またテキストと問題集が1冊になっていることも、あまり勉強時間がとれないことが予想された私には大きな魅力でした。正直、最初は「あわよくばこれ1冊で…」と目論んでいました。

     まず最初に、3級をおさらいすることで基本論点を押さえていた商簿から勉強を始め、一通り終わったら次は工簿、というふうに両科目を交互に勉強することにしました。先に書いたように記憶の定着を意識したためで、商簿が完全に終わってから工簿に取り組むと、工簿が終わった頃には商簿は忘却の彼方…ということを避けるためです。

    テキスト読み込み1回目(9月下旬:1週間)

     3級のおさらい時と同様に、最初はとりあえず全体像を把握するためにテキストを読み、問題は解きませんでした。1週間で商簿・工簿ともに読んだため「読み飛ばした」という表現が正確かもしれません。ちなみに、数年前に2級を挫折した際は工簿まで到達していなかったので、工簿を勉強するのは今回が初めてでした。

    テキスト読み込み2回目&問題解答1回目(10月上旬~中旬:1週間)

     次に、電車でテキストを読み、帰宅後もしくは翌朝の出勤前に1時間程度、その日にテキストを読んだ章の問題を解き、間違った問題にはチェックを付して、翌日にその日の割り当て章の勉強前に復習することにしました。これを1週間で終え、2周させることで記憶の定着を図ることとしました。

     「スッキリ~」の解説は本当にわかりやすかったのですが、実際に問題を解いてみると3級のおさらい時以上にさっぱり解けませんでした。ということはつまり、翌日の間違った問題の復習も多いということで復習に時間を要し、その日の割り当て章に十分な時間が割けない状態でした。

     そのため、やり方を改めて2日続けて同じ内容を繰り返すことにしました。つまり、○章の解説を読み問題を解く→翌日に、前日と同じ章の解説を改めて読み全問題を解きなおして、ここで間違った問題は週末にまとめて解きなおすようにしました。

     問題を解かず解説を読んでいるだけでは、わかった気になっているだけだということを痛感しました。解答に至るプロセスのうち、どこがわかっていないのかということは、問題を解いて初めてわかることです。早い時点から手を動かして、問題を実際に解いてみることを強くお勧めします。

     これらに加えて、簿記検定ナビさんで提供されている「仕訳問題対策」の問題と解答・解説を数回分プリントアウトして常に持ち歩き、移動時間等で10分程度のすきま時間があれば、すかさずこれを取り出して解いていきました。

     1回目は全て解答し、2回目以降は前回間違ったもののみを解きなおすという方法で、試験直前までに5周程度はこなしたと思います。「仕訳問題対策」の解説は、類題がいつの検定で出題されたかについても記載されているため、苦手な論点については試験の直前期に類題をまとめて解きました。

     こうすることによって、仕訳に関しては苦手な論点がなくなりました。129回検定の第1問では「スッキリ~」や「プラス8点~」では扱われていなかった(私の記憶が正しければ…)論点も出題されましたが、結果として20点満点が取れたのは「仕訳問題対策」に取り組んでいたおかげです。

    問題解答3回目

     例によって週末に朝マックを食べながら、その週の勉強で間違った問題を解きなおしました。ただ、この段階になってくると何が問われているかはある程度分かるのですが、問題を解くプロセスがもう一つよくわからず、結果として問題がとけないというケースが多々あり、正直言って「スッキリ~」以外に、解説がより充実した問題集の必要性を感じました。

    2級の応用力養成期:10月下旬~11月上旬(2週間)

     そこで、AMAZONのレビューを参考にしながら書店で比較検討した結果、「日商簿記2級 プラス8点のための問題演習(TAC)」を使用することにしました。知識を解答に結び付けるためのプロセスが詳細かつ分かりやすく記載されており、まさに目からウロコが何枚も落ちました。

     はじめの1週間で全問題を一通り解き、間違った問題にはチェックを付し、2回目はチェックが付された問題だけを解き、3回目は2回目で間違った問題だけを解き直しました。

     3回目が終わる頃には、工簿はほぼ完全に解答できるようになりました。この問題集に取り組む前は工簿のほうが理解が進んでいなかったので、大きな進歩でした。

     しかし、商簿はまだまだ論点ごとの得点のバラつきが大きく、この時点で試験を受けていれば確実にアウトだったと思います。

    試験直前期:11月中旬(1週間)

     最後の1週間で「ラストスパート模試」に取り組みました。本当は「ラストスパート模試」に2週間程度を充てたかったのですが、「プラス8点~」を用いての応用力養成を重視したため、結果として1週間前に着手することになってしまいました。

     この時点では70点が取れない状態であることは自覚していましたので、残りの1週間で出題が予想される最重要論点だけでも完璧に解けるようにしようと考え、1週間で「ラストスパート模試」を3回こなすことにしました。

     得点は平均すると50~70点程度。1問目はどの回も満点でした。ただ、2~5問は得意な論点の場合は満点近くとれる一方で、それ以外の論点は10点程度の部分点にとどまっている状態でした。特に商簿は得意・不得意が得点差にはっきりと表れていました。ちなみに特に苦手だった論点は本支店会計です。

     直前期にもなって、論点ごとの得点力に相当の差があることに今更ながら気がついた私は、簿記検定ナビさんが勧めておられるように、苦手論点の類題をまとめて解きまくることにしました。

     「プラス8点~」には例題と関連問題を含めると、各論点について数問の類題が掲載されていることから、苦手な論点についてはそれらをまとめて解きました。

     切り口の異なる類題をまとめて解くことで、各問題の共通項、つまり解答のポイントやアプローチ方法に気づくことも多く、その後改めて「ラストスパート模試」の問題を解くと、おもしろいように正答率が上がりました。

     睡眠時間を削り「ラストスパート模試」を予定通り3回解いた結果、「ラストスパート模試の予想さえ当たればいけるかも!?」というレベルまで何とか持っていきました。

     なお、今回も「ラストスパート模試」の的中率は92%だったらしいので、本当に時間のない場合は、第2問~第4問は予想論点だけに絞るのも一つの考え方かもしれません。

     また、最直前期には、「ラストスパート模試」についていた論点カード「ラスパカード」を、トイレ中(失礼!)や通勤途中等に歩きながら確認し、仕訳問題に関する知識のブラッシュアップを図りました。

    試験日の1日の流れ

     普段どおり6時に起床し、ラスパカードをめくりながら朝食をとり、ラスパの第1予想から第3予想の第2問~第5問の問題と解答に目を通し、解答のプロセスを確認する。

     試験会場まで電車と徒歩で30分程度で到着する距離ですが、電車が事故等で遅れる可能性を考慮に入れ、試験開始1時間30分前の12時に自宅を出発。電車は通常どおりに運行しており、試験の1時間前に会場に到着。「日商簿記2級 プラス8点のための問題演習」で、よく間違っていた論点を一通り確認しました。

     また、昼食は到着直後にカロリーメイト2本とウィダーインゼリー、試験開始直前に更にカロリーメイト2本を摂取しました。昼食をカロリーメイトとゼリーだけにするのは満腹による眠気を回避するためですが、これだけだと大食漢の私の場合、2時間ほど経つと空腹感を感じ始めます。

     2段階にわけて食べることはそれに対応するためで、試験開始1時間前に摂取したカロリーメイトとゼリー飲料が試験開始時から栄養として機能し、それらが燃え尽きるころに30分程度ずらして摂取したカロリーメイトが燃焼を続けており、結果として2時間の間、常に脳に栄養が供給されている、という私の何の根拠もない想像です。

     これはこれまで様々な試験を受ける際に試行錯誤を繰り返した結果の方法であり、今回もこのやり方で2時間の試験時間中、眠気も空腹感も感じることはありませんでした。

     13時30分から試験説明、問題用紙及び解答用紙の配布。解答用紙を切り離し、名前を記入するように指示があったため、解答用紙を切り離しながら解答欄を確認すると、私が苦手としている本支店会計が出題されていないこと、工簿で私の大好きな論点である部門別原価計算と組別原価計算が出題されていることがわかりました。

     ここで一気に肩の力が抜け、合格を確信した私は一人でほくそ笑んでいました。しかし、後で考えるとここで肩の力が抜けたのと同時に、気合も少々抜けてしまっていたようです。

    • 試験開始!

     解答は、ラスパのアドバイス通り1→4→5→2→3の順で取り組むことに決めており、一通り問題を確認したところ、全体的にオーソドックスな問題で解答順を特段変更する必要もないように感じたので、予定通りに進めることにしました。

     第1問は1題あたり2分程度で計10分、全問正解を目標としていたのですが、1問目の(のれん)と第4問(商品保証引当金)は一見すると「スッキリ~」や「プラス8点~」では扱われていなかったと思われる問題が出題されていたので、かなり焦りました。

     しかし、第100回以降の仕訳問題全問をこなしていたため、おぼろげな記憶を必死に呼び戻しつつ何とか解答をひねり出しました。正解の確信はなかったのですが、結果的には全問正解していました。ただし、この時点で予想外の20分が経過していました。

     続いて第4問を解答。(1)はひねりのない基本的な問われ方で、問題なくすんなりと解答できましたが、(2)は、記憶にない問われ方で正直とまどいました。しかし、粘れば20点満点がとれそうだったので、粘りに粘ってなんとか解答。これも満点がとれましたが、時間は30分要し、これまた想定外。

     次に第5問を解答。組別総合原価計算でしたが、基本的な問われ方でしたので完答し、20点満点ゲット。しかし、途中で計算の単純ミスに気づき、計算をやりなおしたため25分を要しました。

     続いて第2問を解答。残高試算表でしたがオーソドックスな問題で完答し、20点満点ゲット。しかし、ここまである程度手ごたえがあったので「これを完全に正解すれば合格だ!」との思いから、計算を慎重にやりすぎて30分を要しました。

     最後に第3問。損益計算書の作成でしたがこれまたオーソドックスな問題で、本来なら全問正解したいところですが、着手した時点で残り時間は15分となっており、部分点狙いに切り替えました

     しかし、決算整理仕訳をした時点で残りは5分。配点されてそうな部分を3問解答しましたが、各専門学校が公表している模範解答を参照すると、そのうち一つしか配点されてなかったようです。

     という訳で、解答用紙をみた瞬間に感じた「いただき!」という感触とは裏腹に、時間配分のミスでほぼ4問しか解答できないという結果に終わりました。しかし、解いた問題は全問正解しており、82点で合格という結果と相成りました。

    試験に合格して

     私は学生時代に経営学を専攻していたため、知識のブラッシュアップのために経営学関係の本をよく読むのですが、会計関係、特に管理会計については格段に理解度が上がりました。以前一読してイマイチ意味がわからなかった本でも、2級合格後に再読すると内容がすんなりと頭に入り、感動を覚えました。

     今のところ1級を目指すつもりはないのですが、2級の勉強の最終盤に問題を解いている際に感じた、クロスワードパズルを解くようなおもしろさは捨てがたいので、1級用の「プラス8点のための問題演習」が出版されれば、挑戦するかもしれません。

     いずれにしろ、長年、心のどこかにひっかかっていた2級に合格できほっとしました。手を付けては投げ出し、手を付けては投げ出しを3回繰り返し、「自分は簿記に向いてないのかも」と苦手意識を持っていましたが、気持ちの持ちようとやり方次第でなんとかなると再認識できたことは、少々大げさかもしれませんが自分にとっては大きかったです。

    管理人からとりこさんへ追加の質問

     とりこさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     本文にも書いたように、これまでに2級の勉強を始めてはすぐにあきらめ…ということが何度かあったので、今回は、勉強を始めるために、モチベーションの維持方法を考えました。実際に行ったのは、以下の方法です。

    ・長期間モチベーションを維持することは難しいので、2か月強という短期のスケジュールを組んだこと

    ・勉強場所を適宜変えること(主にマック)で、気分転換しつつ勉強すること

    ・「あと○日しかない…」と考えるのではなく、「70点を取るためには、残った○日で何をすればよいか」と考えるようにしたこと

    ・それでもモチベーションが途切れそうなときは、簿記検定ナビの合格体験記を読み、やる気を奮い立たせたこと(合格者のみなさんも勉強中にはスランプや焦りを感じておられたことを知っただけでも、少しほっとしたのを憶えています)

    管理人コメント

     とりこさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!勉強方法や試験日当日の様子をかなり詳しく書いていただきましたので、読み応えのある合格体験記に仕上がったと思います。

     まず電卓についてですが、とりこさんがおっしゃっているように、自分目で確かめて実際に触ってから購入するのが一番だと思います。メモリーやグランドトータル等の機能も使いこなせるに越したことはありませんので、電卓本を参考にしたり、簿記検定ナビの電卓講座等で対策をしておいてください。

     あと、とりこさんも実践されていますが、苦手論点については「まとめ解き」が有効です。ひとつの論点を集中的に取り組むことによって、ひっかけ方に規則性があること、効果的・効率的な解き方があることが分かるはずです。

     最後に、本試験でうまくペース配分をするのは難しいですが、どうしても時間が足りなくなってしまった場合は部分点狙いに切り替えましょう。上から順番に解いていくのではなく、配点のありそうなところから優先的に勘定科目・金額を埋めていってください。

    とりこさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第129回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.90

    過去問対策は大事!インプットよりもアウトプットを重視しよう!

    • 投稿者:ちくわさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月半

    はじめに

     自分は現在大学二年生で、簿記とは全く関係のない文系の学部に所属してます。元々大学で経済を学びたかったなどお金に関することに興味があり、また就職で使えるとのことだったので簿記をとることにしました。費用をかけたくなかったので最初から独学で勉強を進めました。

    メインテキストについて(ダイエックス出版の最短合格シリーズ)

    • 日商簿記2級最短合格テキスト 商業簿記―10日30時間で受かる!
    • 日商簿記2級最短合格テキスト 工業簿記―10日30時間で受かる!
    • 日商簿記2級最短合格問題集 商業簿記―10日30時間で受かる!
    • 日商簿記2級最短合格問題集 工業簿記―10日30時間で受かる!

     テキストと問題集は同じシリーズのものを使った方が良いと思ったので、最短合格シリーズで揃えました。テキストは、イラストを使ってイメージしやすいように工夫してあり、単元の最後に簡単な確認問題があります。

     問題集は、前半が実際の試験より簡単な問題、後半が試験レベルの問題となってます。2級に必要な知識がコンパクトにまとまっているので、自分みたいに時間のない人には使いやすいです。

     ただ、時間に余裕があって、確実に合格したい人は別のシリーズを使った方が良いです。あまりいないとは思いますが、10日30時間で受かるというのは真に受けない方がいいです。

     これは商業と工業それぞれのテキストと問題集が5日分にわけられていて、10日でテキストと問題集が一周できるというだけです。簿記2級は一周すればうかる程簡単な資格ではありません。

    補助教材について

    • 日商簿記3・2級 受かる勉強法落ちる勉強法
    • これだけ仕訳マスター 日商簿記2級

     独学での勉強法・計画のたて方・お勧めのテキストと問題集・直前に役立つテクニックなどが載っており、独学で勉強する人にお勧めです。独学する人の弱点である情報不足を補うことができます。

     仕訳マスターは、かなり簡単な仕訳問題が載ってるポケットサイズの本です。大きさが小さく暗算で解けるレベルの問題集なので、電車の中やちょっとした空き時間に使えます。まとまって勉強時間をとれない人の強い味方になってくれます。

    過去問・予想問題について

    • 出題パターンでマスター過去問題集 日商簿記2級〈129・130回検定対策〉
    • 第129回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級

     検定の回に関係なく分野毎に過去問が並べられてるので、効率よく全ての範囲を網羅できます。問題に難易度と目安の解答時間がついているので、解く時の目安になります。弱点は実際の試験のように一回分を通して解くことが出来ないことです。

     TACの直前予想は他の予想問題と比べてないのでわかりませんが、ごく普通の予想問題集だと思います。予想問題に関してはどれも大差ないと思ったので適当にこれを選びました。これで使用した過去問の弱点を補いました。

    教材についてのまとめ

     合格に最低限必要なものは大きく分けて、テキスト・問題集・過去問・予想問題集の四つです。テキストと問題集はないと勉強が始まらないので言うまでもないですが、過去問と予想問題もかなり重要です。

     たまに過去に出された問題は出されないから過去問は大切じゃないと考える人がいますが、そうではないです。確かに数字や問題文などが全く同じ問題は出ませんが、同じ考え方をする問題は出されます。

     更に言えば、出題されやすい問題の傾向を知ることで効率良く勉強することが出来ます。もちろん、それ以外にも問題を解くことでインプットした知識を自分で使えるものに変えたり、試験レベルの問題に慣れるという役割もあります。

     簿記は出題される問題にある程度パターンがあるので、予想問題は意外と当たります。ただし、過度な期待は禁物です。また、頻出の問題がまんべんなくちりばめられてるので、最後の総復習に役立ちます。

    勉強期間

     10月の上旬から始めたので大体1カ月半です。大学生とは言っても丁度バイトが忙しかったり、予定がかなり詰まってたりしたので、特別勉強時間が多かったわけではないです。恐らくトータルの勉強時間は働きながら勉強してる方とあまり変わらないと思います。

    計画と戦略

     勉強出来る時間が限られていたので、難しい問題は部分点を稼ぎ、基本的な問題を確実に得点できるように勉強しました。一つ一つの分野の質をある程度犠牲にしながらも、全ての範囲を最低限のレベルまでは引き上げるといった感じです。このことを頭に入れて読んでもらえると良いと思います。

     勉強を進めていく上でインプットよりもアウトプットを重視しました。簿記の勉強は頭で覚えるというよりも、体で覚えると言った方が正しいと思います。もちろん最低限の決まりや単語の意味は暗記しなければなりませんが、それよりも実際に電卓を操作して書きこんでいくことの方が重要です。

     時間がなかったので闇雲に多くの問題を解いて数をこなすよりも、標準的な問題を繰り返し解いて確実に解けるようにしました。イメージとしては量より質といった感じです。そして復習をしっかりするようにしました。

     人間は忘れる生き物なので、一度勉強しただけではなかなか記憶に定着しません。このような資格の勉強をしたことがある人なら、テキストを最後まで終わらせて最初の方を見たらほとんど覚えてなかった…ということは誰にでも経験があるとは思います。

     それが勉強をする時一番忘れてはいけない点です。2級のように覚えることがそれなりにあるものでは、一度テキストを読んだだけで全てを習得できる人はなかなかいないと思います。だからこそ早い復習が大切になります。

     一度完全に頭から抜けてしまってからもう一度覚えなおすのでは、初めて覚えた時と同じくらい大変です。しかし、頭の中に知識はあるがそれを上手く取り出せないだけの状態なら、復習するのは思い出すだけなのでそこまで大変ではありません。頭にある程度残ってる間に復習をする、それを意識して勉強しました。

    具体的な勉強の進行状況

     10月上旬から中旬にかけては商業、中旬から下旬は工業を勉強しました。どちらもテキストを読んで、それに該当する部分の問題集を解くという形でしました。ただ、工業の勉強を始めてからは商業を忘れないために商業のテキストを空き時間に読んでました。机に向かう時は工業、電車の中や大学の休み時間とかに商業って感じです。

     11月に入ってからは過去問を解き始めました。本当は問題集をもう一度解いてから入りたかったんですが、それでは間に合わないと考え過去問にとりかかりました。過去問を解いていてわからない問題はテキストに戻って確認しました。

     そして過去問を解きながら繰り返し間違えたり苦手なことは小さいノートにまとめ、空いた時間に繰り返し確認するようにしました。間違えたこと以外にも本支店会計の考え方や原価差異分析の図などの重要なことは書きました。

     同時に過去問を始めてからも商業工業両方のテキストを空いた時間に読んでました。最初は読むのにとても時間がかかりましたが、理解していくうちにどんどん早く読めるようになりました。過去問に取り組んでいて苦手だと思った分野は問題集の簡単な問題で練習しました。結局、過去問は全部解きませんでした。

     応用問題は最初から部分点が取れれば良いくらいにしか考えてなかったので、まずは全ての分野の難易度が優しいか普通の問題だけ解いてそれらが完璧になるよう間違えた問題は何回か繰り返しました。その上で今回の試験で出題されると予想されていた分野だけ応用問題までやりました。

     試験の二週間前辺りから予想問題を始めました。これは総復習と2時間で問題を解く訓練だと思っていたので、正解できたりケアレスミスで間違えてしまった問題に関しては特に何回も解いたりはしませんでした。ここで出来なかった問題は過去問で似た問題を探して解きました。こうしたことで効率よく弱点を克服できたと思います。

    まとめノート1
    まとめノート1
    まとめノート2
    まとめノート2

    試験でのポイント

     まず、問題にかける時間や解く順番をあらかじめ決めておいた方が良いです。これをしないと全部解き終わる前に試験が終わってしまったなんてことになりかねません。自分は一問にかける時間は20分、解答の順番は1、2、4、5、3と決めました。第3問は時間がかかる問題が多いためです。

     次に、問題文で大切なことには下線を引いたり囲んだりしましょう。直接法で計算したければならない問題を間接法で計算したりするミスを防ぐためです。こんなミスで失点した結果不合格になってしまったら泣くに泣けません。

     あとは、当然と言えば当然なのですが、なるべく冷静でいられるようにする。例えば、全く見たこともない問題が出た場合、焦ってしまうことが多いですが、焦ってしまってはいけません。焦りそうになった場合に備えて、見たこともない問題を見た時はいきなり解答し始めないで、一旦目を閉じて冷静になってから始めるなど、何かしらの決まりを決めておくと良いです。

    今回を振り返って

     勉強は時間よりも質だと改めて感じました。どんなに勉強時間が多くても落ちる人は落ちますし、少なくても合格する人は合格します。この両者の違いは勉強の質の違いによるものだと思います。何も考えずただがむしゃらに勉強しただけでは合格まで遠回りするだけではなく、最悪の場合不合格になります。

     目標を定め、試験の分析を行い、合格するための戦略を練り、その上で計画を立てて、それを実行に移す。この一連の作業を最初にしっかりするかしないかで結果は大きく違ってくると思います。

     そして当然ですが、少しでも多く勉強時間を捻出することも大切です。電車の中、人を待ってる時間、ぼーっとしてる休憩時間など勉強に充てられる時間は探せば結構あります。これらの隙間時間を有効活用できると合格にぐっと近づきます。拙い文章ですがこれを読んで何かしら参考になることがあれば幸いです。

    試験日の1日の流れ

    • 9時頃 起床

     前日寝たのが遅かったので遅く起きました。朝食をとって最後の確認と準備をして出発。

    • 12時半頃 会場到着

     最後はテキストで付箋の付いたページと間違いノートで勉強しました。会場に色々持っていく人がいますが沢山のことはできないので、重要なことや苦手なことを確認するために前もって準備した方が良いです。

    • 13時半ちょっと前 説明やら色々配布してる時間

     配布している間に解答用紙を確認。第3問が本支店会計だと予想していて力を入れていたので、それがはずれてちょっとへこむ。しかし、第4問が簡単な部門別なので内心ガッツポーズすると同時に、どこかに難問が来ると予想。

    • 13時半 試験開始

     まずは全部の問題に目を通して大まかに把握。第3問は時間がかかりそうだったので、1、2、4、5、3の順で回答することに決定。一問にかける時間を20分以内としていたので、新しい問題に取り掛かるたび切り上げる時間を書く。

     第1問の1、2が明らかに新しいパターンで一瞬焦る。でも、それはみんな同じだと考え落としても良いやくらいの気持ちで取り組む。他は特に問題なく第1問終了。第2問で最後の借方と貸方の合計が一致しなかったが気にせず次へ。

     第4問の原価差異の出し方がよくわからなかったので飛ばしたが、配賦表はちゃんと埋められたので問題なし。第5問は比較的得意な工程別の計算。平均法など問題文の重要な個所に印をつけて解答を始める。無事第3問以外を終えたので第3問へ。

     これが難問だったので部分点を稼ぐつもりで解答。空欄を無理やり埋めてとりあえず終わった段階で残り10分。ケアレスミスがないか確認したら3問くらい見つけました。やはり人間はプレッシャーのかかってる状態だとミスをしやすくなりますね。

    • 15時半 試験終了

      たぶん合格しただろうと思いました。夜、解答速報を見てわかる範囲で自己採点をし、よほどのミスがない限り落ちなそうだったので安心しました。

    管理人からちくわさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     管理人様がお勧めしてたCANON HS-1210TUを使いました。3級をとった時は家にあったものを使いましたが、何かと使いにくかったのでちゃんとしたのを買おうと思いました。そんな時知ったのが検定ナビで紹介されてたこれです。

     これは機能や操作性など全てにおいて満足で、他の方にも胸をはっておすすめ出来ます。低価格なのも魅力の一つですね。本体が大きいので自分のように手が大きい方におすすめです。

     ちくわさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は製造間接費の配賦です。工業自体が商業に比べて簡単であり、これはその工業の中でも簡単な論点なせいもあると思いますが。

     苦手な論点は特殊仕訳帳でした。独学だったので質問する相手もおらず、ネットで調べてもいまいち理解できませんでした。苦手なとこは簡単な問題を繰り返し、間違えるたびにテキストに戻るというスタイルが一番良いと思います。

     ちくわさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     短期間だったのでモチベーションの維持に苦労することはありませんでした。でも、周りに2級を受けると言いふらして自分を追い込みました。

     浪人時代やっていたことになりますが、毎日勉強時間を正確に記録して残すということをやってました。そうすることで今までこれだけ勉強したんだから頑張ろうと思えました。

    管理人コメント

     ちくわさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ちくわさんは、合格体験記の中で過去問対策の重要性を説かれていますが、これについては全面的に賛成です。

     ここ最近ですと、第126回試験の第2問(特殊商品売買のオンパレード問題)のように、新形式の問題が出題されることもありますが、基本的に過去問ベースの問題が出題される傾向は変わっていません

     事実、第129回試験の第2問(帳簿組織)も第125回・第127回と同じ形式でしたので、きちんと対策をしていれば余裕で20点が取れる問題でした。

     電卓については、簿記検定ナビでもおすすめしていた「CANON HS-1210TU」を使われたとのことですが、現在は「CANON HS-1220TUG」にモデルチェンジしていますので、興味の有る方は簿記電卓「CANON HS-1220TUG」の詳細レビューページをご覧ください。

    ちくわさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第129回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.89

    全ての基礎は仕訳にあり!ウォーミングアップをかねて毎日取り組もう!

    • 投稿者:こうさん
    • 勉強形態:通信→独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約1年半
    • 備考:通信はZ会を利用

    はじめに・きっかけ

     手さぐりで自営業の経理を10年続け、この経験を形にしたくて試験に挑戦しました。3級からはじめるよりも一気に2級をとってしまおう、と何の下調べもせず始めました。

    教材と経過

     はじめはZ会の通信教材を申込み(安価で2級がとれるということで)勉強を進めていきました。まあ、わかりやすかったと思います。

     はじめに覚える仕訳問題は日常業務のなかでもおこなっていた作業なので楽しく進められました。しかし商業簿記の終盤にもなると難しく、工業簿記に関しては困難を極めました。

     家事・育児・仕事や役員業務のかたわらの勉強であった事と、もともと数字が大嫌いで苦手だったもので。そして、暗記と違って考えて解かないといけないため、ある程度の集中できるまとまった時間の確保が必要でした。

     だめもとで第127回を受けてみましたが、時間内に終わらず理解度も乏しかったという事に気付かされました。スタート直後から響き渡る、皆さんのスピーディーに電卓をはじく音にも圧倒されました。

     自信を無くし、日々も忙しく、しばらく勉強も離れてしまいましたが、やはり最後までやり通そうと思い再び勉強をはじめたのが、子供の夏休みが明けた9月。いままでの復習を1からハイスピードで行いました。

     通信での教材の限界を補うためネットで調べていたところ、簿記検定ナビにヒット。おすすめの問題集を購入して問題慣れをするとともに、掲載されている仕訳問題を毎日繰り返しました。

     自力で問題が解けるまで、何度も繰り返しです。問題集を解く事で、また違った指導方法の記載があるため、分かりずらかった箇所が解決されたり、要領をつかめたりもしました。

     ラスト2週間は第129回用の予想問題と、仕訳問題の苦手分野の繰り返し。暇さえあれば取り組みました。子供の使いかけのノートやプリントの裏などに、にかく書き続けたので、腱鞘炎気味になったほどです。

     アドバイスを参考に、問題の解答順番は「第1問→第4問→第5問→第2問→第3問」で練習しました。手持ちのテキストも時間内にこなせることも確認し、本番に挑みました。

    試験日の1日の流れ

     試験前日は早めに寝ました。その方が頭の中が整理できるタイプなので。当日もあまり問題を確認すること無く、筆記用具や持ち物の確認を済ませ、会場へ向かいました。

     30~40分前には会場に着き、事前にトイレも済ませ携帯電話をOFFに。会場ではラストスパートの予想問題集を確認している方を多数見かけました。私もさっと見直し、苦手な仕訳問題の確認をし、あまり自分を追い詰めない程度にしました。

     試験開始後は、テキストのアドバイス通り、1→4→5→2→3という順番で取り組みました。第1問を解き始めると、私にとっては少しひねりの利いた問題になっており考え込んでしまい、時間がかかりました。

     第4問・第5問もどうすればよかったかな?と解答を導き出す時間がかかり、得意だった第2問では最後の貸借が合わず最初から見直しをする始末…結局、電卓の打ち間違いという単純ミスで時間のロス。

     最後に残った第3問目は残り時間わずかとなり、慌てて空欄を必死で埋めるもすべては記入できませんでした。私のゆっくりとした電卓打ちに比べて、会場内はとてもリズミカルに打込み音が鳴り響いていました…。

    感想

     きちんと勉強をしていくと、仕訳問題がすべての基礎であることが良くわかりました。ウォーミングアップを兼ねて毎日やるべきです。

     あとは、問題慣れかと思います。問題数をこなしながら苦手を確認・消化していく作業が大切だと感じました。一度理解した問題も、違った問われ方をするとわからなくなりましたので。

     私の場合、試験当日時間切れで埋まらなかった第3問は、他の問題の出来具合でカバーできましたが、時間内に出来なかったことは当日かなり後悔しましたので、時間の確認も日ごろからトレーニングできるとよいかもしれません。

     試験前1か月は簿記検定ナビにアクセスしっぱなしで、仕訳問題のトレーニングやアドバイスをいただいていました。とてもためになりました。ありがとうございます。

    管理人からこうさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材を教えてください。またその教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「サクッとうかる日商簿記2級 厳選過去問ナビ」「日商簿記2級プラス8点のための問題演習」→解答・解説を見ても分からない所はありました。とりあえず問題慣れに使いました。

     「ネットスクールのラストスパート模試」→最終の神頼みのようなものでした。試験会場に持ってきている人も多くみられました。当日実際に出た問題は私的にはひねりもきいていて、的中率を聞いてもピンとはこなかったのですが、やって良かったとは思います。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     試験用にと小さいサイズのものも購入したのですが、結局普段から使い慣れている「SHARP ELSIMATE EL-136H」というデカい電卓を使用しました。

     数字が見やすいのと、ボタンを押している感じがきちんとするので。00キーもありますし。これから受験される方にはおすすめしませんが…。

     こうさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意を挙げるなら、問題2に出てくる特殊仕訳や伝票整理です。まず間違えることはありませんでした。

     苦手は肝心の仕訳問題。荷為替手形なんかもよく分からなかったので、弱点克服講座を参考にさせてもらいました。

     仕訳問題対策は毎日解き、間違った所は繰り返し解きました。全て解きましたが自信がつくまでいかず、問題1の結果は12点と一番点がとれませんでした・・やっぱり難しい。けど全ての基本なのでとても大切なのは確かです。仕訳問題は毎日やりましょう!

     こうさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     「これが最後!」と思ってやっていました。家族の応援もあったので、頑張れたのかもしれません。勉強嫌いな子どもたちへの見本になれば、とも思いました。

     最後のほうになると以前より理解も出来てきて、「今回落ちても次はいけるかも・・」なんてことも思っていました。一番は「意地」です。

    管理人コメント

     こうさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!仕事・家事・育児・勉強の両立は大変だったと思いますが、お母さんの「意地」で見事合格されました。

     こうさんもおっしゃっていますが、仕訳は簿記の基礎部分になりますので、「通勤・通学時の細切れの時間」や「寝る前の10分」等を上手に使って、出来るだけ多くの問題を解くようにしてください。

     なお、仕訳問題については簿記検定ナビでも過去問類題を無料配布していますし、最近は市販の仕訳問題集なども充実しています。管理人もネットスクール出版から仕訳問題集を出していますので、ぜひお買い求めいただき有効活用していただければと思います(宣伝です・笑)

     あと、総合問題を解く際は必ず時間を計って記録するようにしてください。毎回時間を計ることによって、どの問題にどれぐらいの時間がかかるのか大体分かるようになりますので、時間切れで大問1つを丸々解けなかった…なんてことがなくなります。

    こうさんが使われた教材や電卓のまとめ