カテゴリー: 簿記2級

  • 第146回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.143

    解けない問題を極限まで無くす、という姿勢が重要です!

    • 投稿者:ぽぽぽさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:6回
    • 勉強期間:約2年

    はじめに

     私は会社員です。高い学歴もなく、仕事で簿記の知識を使うことはほぼありませんが、簿記自体にはなんとなく興味がありましたので挑戦することにしました。

     ちなみに、3級は意味がないと考えて受験していません。これは3級が必要ないということではなく、私の目的達成には必要がないという意味です。合格するまでの過程において、3級というか基本の重要性を認識できました。

     なお、本体験記は、一人でも多くの皆様に読んで頂きたい (しかも楽しく)、という私の思いから、あえて崩した表現をしています。不快な点があるかもしれませんが、私の思いを受け取って頂き、ご容赦頂ければ幸いです。

    これまでの勉強の歩み

    第141回(2015年11月)試験

     ネットや過去問題を見ながら勉強。商業簿記も工業簿記もひととおり、2級の範囲に限って基本は分かったが、応用力は全く無し。つまり、とりあえず勉強したという感じで、こんなもんで合格できるだろうと思っていた。

     答えを見れば納得できるが、実際に問題になると解けない状態。勉強時間は、1~2時間程度を週に5回程度。141回本試験の結果は、おそらく10点前後。

    第142回(2016年2月)試験

     前回のひどい結果にも関わらず、このままなんとやくやっていれば合格できるだろうと思っていた。簿記ナビの過去仕訳問題と工業簿記全般を中心に問題を解く。

     第2問や第3問対策はなんとかなるだろうと考えて、たまに解く程度。勉強時間は、相変わらず1~2時間程度を週に5回程度。

     142回本試験の結果は、またもやおそらく10点前後。ここで自分のアホさに気付くと同時に、片手間程度から本気にならねばとやっと気付く。

    第143回(2016年6月)試験

     勉強時間は諸事情によりあまり変えられなかったが、明らかに意識や本気度が変わり、一問一問に対する取り組み方が濃くなった。

     第2問の固定資産や有価証券等を中心に問題を解き進めるうちに、ある程度は解けるようになったが、依然として初見の問題に対する対応力が不足していたとは思う。

     143回本試験の結果は、50~60点。仕訳は3問解けた。部門別も解けた。第2問と第3問は、半分くらい解けた。第5問の標準原価がほとんどできなかった。

    第144回(2016年11月)試験

     基本が分かったつもりでいたのではないかと自分に疑問を感じる。3級と2級の教科書をようやく購入する (実教出版とTAC)。

     ここで、工業簿記の確実性を得ることの重要性も強く感じる。知っているだけで満足していて、完璧に解けるようにするという詰めが甘いことにも気付く。

     さらに、得意を伸ばすのではなく、苦手を無くすという意味を体感する。丸善で実教出版のテキストに偶然、めぐり合う。中身を見た瞬間に、何故かこれだ!!!と電流が走る。

     ひたすらテキストを読んで、問題を解いたところ、費目別・部門別・標準・総合・直接…工業簿記がどんどん得意になっていく。ただ、個別原価計算だけはなかなか上手く解けず、苦手意識が残ったままでした。

     商業簿記は正直、何をしたら良いか分からなかった。実教出版のテキストを使って3級を中心に勉強する。勉強時間の割合は以前と変わらず、商業3・工業7ぐらい。

     144回本試験の結果は、60点前後。商業簿記が足を引っ張った。特に第2問。確かに試験の環境では苦戦したが、後からじっくり考えるとなんて事はないと思った。まだまだ対策不足なのか…。

    第145回(2017年2月)試験

     模擬問題では70点以上の確率も増えたし、初見の問題に対する対応の考え方も分かってきた。ひたすら解くの繰り返し。

     商業簿記は依然としてどうすれば良いか分からなかったが、実教出版をターゲットにどんどん繰り返す。勉強時間の割合は商業7・工業3ぐらい。

     本試験後は、合格できたかも…という良い感触があった。問題の難易度は高くは無かったが、解答速報を見てまさかの第2問の単位ミスに気付く。頭が真っ白になる。

     計算中に違和感を感じながらも強行突破して失敗した。気付けていれば、70点以上は確実だった。かなり落ち込む。ストレスで大食い。。。

     今でもこの瞬間は、昨日の事の様に覚えているし、これからも忘れる事は無いだろう。そのぐらい自分が情けなかった。

    第146回(2017年6月)試験

     商業簿記は、間違いノートを作った。同時に、商業簿記の苦手分野の克服 (有価証券の売却処理など) に努めると、段々と正解率が上がってきた。

     第2問対策は予想問題のみとし、苦手分野の仕訳と新論点に時間を費やした。工業簿記は対応力も付いたし、基本を忘れないように簡単な問題を繰り返す。

     これまでは、本試験前にネット等で試験予想問題を参考にして狙いをつけていました。でも、今回はそれを止めました。どの論点がきても最低70点は狙える対応力があると思ったからです。

     ただ、TACとNSの予想問題は解きました。あくまで商業簿記の苦手の克服に重点を置きました。本試験2週間前からは、勉強時間の割合を予想問題5:商業簿記3:工業簿記2くらいにしました。

     146回本試験の結果は、自己採点では20→15→16or18→20→17 (88or90点) くらい。神様、どうもありがとうございます。

    勉強時間と勉強形態

     勉強時間は、基本的には平日の夜が中心です。土日は動画等を中心にして、あくまで仕事に影響が無い範囲にしました。

     勉強形態は、私は人の話が聞けないのと、自分のペースで処理したかったので独学で行いました。講座等に通うのは、検討の余地無く検討外でした。

     疑問点については、全くの初心者であった事が幸いして、解説を見てそういうものかと割り切る事ができた為、寝れなくなるほど引っかかる様な疑問は起きませんでした。

    使用した教材

    • 実教出版 商業簿記・工業簿記の模擬問題
    • TAC 簿記の教科書 (商業簿記) 2級と3級
    • TAC 完全網羅型問題集 2級
    • ネットスクールのラストスパート、TACの直前対策 (各回)

     テキストは、実教出版が私にあっていました。ある程度基本が身につけば、実教出版のテキストはあらゆるパターンが網羅されているので、とても良いです。

     テキスト自体も分厚くもないし、価格も安いです (しかも量が多い)。私は実教出版の関係者ではありませんが、あまり推薦されていないのがとても不思議なくらいです。事実、私は偶然、丸善で見つけました。

     簿記の教科書は分かり易さという点で、初心者に良いと思います。また、TACやNSと同じくらい知名度があるパブロフは、あっさりしすぎて解説が不足していて、私には合いませんでした。

     予想問題集は、TACとNSを選ぶ人が多いと思います。個人的にはNSをお勧めします。基本的処理を問う問題が多いからです。

     TACは、本試験を想定しすぎて基本を理解している前提での深い問題になります。要するに難しいので、解いていて時間もかかるし、点数が取れないので自信も無くします。

     なお、電卓には全くこだわりがありませんので、学生の頃から使っていた物を引っ張り出して使いました。

    簿記に対する私の考え方

     簿記をマスターするために決定的な対策は、現状の実力を把握して、テキストや勉強時間など自分にベストな方法を試行錯誤しながら見つけていく事に落ち着くのではないかと思います。

    学習上の攻略法①

     苦手というか、解けない論点やパターンをどれだけ減らすことができるかに尽きると思います。可能な限り多くの情報に触れて挑戦をして、フィードバックすれば自然と実力は上がります。解けない問題を極限まで無くすという姿勢が重要だと思います。

    学習上の攻略法②

     学習の段階では、自分の実力で解ける問題は確実に得点する、解けないならスパッと諦めるという事も重要だと思います。

     手をつけた問題は100%確実に得点する、中途半端になるなら手をつけないという考え方を私は持っています。諦める時は、さっさと解説を見ながら答えを出す訓練に切り替えました。

    試験日1日の流れ

    2:30

     就寝。金曜の夜から土曜の朝にかけて寝すぎた為、遅めの就寝。

    8:30

     休日のいつもと同じ起床時間。軽い風邪をひいたのか、少し身体が重い感じがしました。ソファでまったりリラックス。たまに商業簿記のポイントを思い出してみる。

    10:00

     コンビニでハンバーグ入りカレードリアを買ってきて堪能。辛かったですが、水分は必要最小限に抑えました。その後、12:00まで好きな音楽を聴いてリラックス。

    12:00

     車で移動。渋滞はなく、風が心地良い。6回目の受験ともなるとあまり緊張していない。服装は、今度こそという気持ちを込めて、あえてスーツにしようかと思いましたが、リラックスが大事だと思い直し、普段着にしました。

    12:15

     試験会場の駐車場に到着。車内でいつも間違えるポイントを整理した資料を再確認。鏡を見て、眉毛を整え、鼻毛を確認してから降車。これで身も心も一段と引き締まった。

    12:55

     会場に移動。一番乗り。受験者は10名程度の様子。机は一人に1台。しかも長机。また、他受検者との距離もゆったり。しかも椅子は学校にあるような小さくて硬いのではなく、大きくて役員さんが座るようなフカフカさ。思わず寝てしまう様な、かなり良い環境だ。室温もバッチリだ。

     机上に鉛筆や受験票などを置いてから、ネットスクールのラスパの商業簿記の仕訳を解く (今回が3回目くらい)。これで頭と指のウォーミングアップ。調子は悪くない。むしろ、集中できる感覚がある。

    13:15

     お手洗い。水分はいつもより控えているが、特に身体に影響はない模様。起床時に感じただるさも緊張の為か感じられなくなっている。

    13:25

     荷物を片付ける。電卓を軽く叩いて指の動きをさらに滑らかにする。

    13:30

     試験案内と配布物の受取り。解答用紙に名前等を記入しながら試験問題を予想。第2問は銀勘、第3問は精算表、第4問は標準原価、第5問は総合原価計算と把握。そして、単位が全て円であることを確認。よしっっ。いけるかも。

    13:35

     試験開始。他の問題は見ないで真っ先に第4問へ。得意の標準原価計算だ。数字やカンマが、緊張であまり上手く書けず、何回か書き直す。読みやすい丁寧さを忘れてはいけない。落ち着け、自分。

     原料と仕掛品の処理について、仕掛品は簡単に解けたが、原料の差異計算で苦戦。とりあえずこの段階でストップ。

    13:45

     第5問へ。これも得意の総合原価計算だ。わぉ、これは簡単だ。これで良いのか (これで良いのだ) と思いながら電卓を打つ。とにかく打つ。字を書く手も安定してきた。気持ちもかなり落ち着いてきたぞ。

     単価計算で減損を含めるか含めないかで迷う。含めると小数第2位になるが、含めないと端数は出ない。どっちだ。端数は出ないのが正解なのか…。

     今回の問題は完成品のみ負担の仕損減損だ。完成品数量に減損を含めるのだから、とりあえず含めた単価を記入するが、後から再度考えると決める。

    13:55

     第1問へ。特に現金預金と当座預金に注意して、勘定科目がリストにあるかを確認しながら解く。漢字が上手く書けず、何回か消し直す。再度、落ち着けと自分に言い聞かせる。数分後、あれっ、終わっちゃった。迷った問題は、一つもない。

    14:05

     第2問へ。当社の修正仕訳にとりかかる。②の借方が現金か売掛金か迷う。とりあえず相手振出の小切手だから現金と書いて、後から考えると決める。

     次に銀行残高へ。あっさりとできたが、両者区分調整法で算出した額と合っていない。何かが違うと気付く。色々と考え直して、何パターンか計算してみるが、合わない。焦る。まずい、銀勘での失点は致命的だぞ。さらに焦る。いったん、気持ちを持ち直すためにここでストップ。

    14:25

     第3問へ。残り70分くらいだ。少し気持ちは焦っている。

     特に問題なく、仕訳が終わる。そして、精算表に記入。あっさりと埋まる。精算表は、部分点狙いの方針だ。繰越利益剰余金と当期純利益 (損失) を残して、ストップ。あまりのスムーズさに一気に合格の気が高まる。しかし、まだまだ油断はできないんだ。

    14:50

     第4問へ。原料の差異をゆっくり考える。価格と数量のボックス図を作り、当てはめる。帳簿から借方 (不利) 差異になるはずだ。最終的にはばっちり解けたが、思いのほか時間がかかったように感じた。でも、これでいよいよ合格へのカウントダウンが始まったぞ。

    15:15

     第2問へ。自分の計算した銀行残高があっているのか、両者区分調整法があっているのか、いずれも違うのかと深く考える。どっちも合っている様にしか思えない。何故だ…。

     さらにパターンを考えて、解答用紙の銀行残高を何回も書いては消してを繰り返す。とにかく繰り返す。おっとここで残り10分コールが室内に響き渡る。やばいぞっっっ。

     結局、両者区分調整法で当社側に修正仕訳の①と④を含めていた事に気付く。修正する。もちろん、銀行残高と両者区分調整法の数値が合致した。転記等を終える。やった合格だ。確信した。

     そして、修正仕訳の②を何故か現金から売掛金に書き変える。最後の最後に私は何をやっているのだ…。

    15:32

     時計を見る。合格の安堵感と、終わったという余韻に浸り、見直す気力なし。

    15:35

     試験終了。これでしばらくは、簿記の事を忘れられる。辛かった…特に145回の後は。

    管理人からぽぽぽさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓の機種は「AURORA DT160TA」です。

     液晶の角度が変えられませんので、使用場所の照明の位置により、見にくい時があります。他人にお勧めしようというレベルではありませんが、ごく一般的な電卓として二級程度ならば問題ないと思います。

     良い点は、文字盤が大きくて、キーの間隔も広いので、私の様なゆっくり正確に打つ性格の人には向いていると思います。

     ぽぽぽさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    商業得意

     得意という分野は特にありませんが、変わりにこれは絶対無理という論点もありません。第1問の仕訳形式ならどんな問題でもかかってこいという感じです。

     間違えやすいのは、第3問型式の貸倒引当金繰入額の計算です。仕訳は卒なくできるのですが、先に処理した売上債権の増減を見落としてしまう事はあります。

     あとは減価償却の問題も建物か備品のどちらが複数処理の場合がほとんどですので、一方を出すのを忘れてしまう時もあります。

     また、三級を飛ばしているので、記帳は苦手では無いけれど時間がかかります。たまに借方、貸方がごっちゃになりますので。その意味では第2問の有価証券や固定資産は苦手と言えるかもしれません。

    工業得意

     個別原価計算以外は好きだし、得意です。標準原価計算は特に得意になり、どんな問題でも対応できるようになりました。総合原価計算も全てのパターンをこなせる自信があります。

     その他、費目や部門別、本支店会計も実教出版のおかげで卒なく解けるようになりました。

    管理人コメント

     ぽぽぽさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     ぽぽぽさんの合格体験記でぜひ参考にしていただきたいといいますか、反面教師にしていただきたい(ぽぽぽさん、ごめんなさい)のは、「3級を飛ばして2級から受験する場合も、ひととおり3級の勉強をしたうえで2級に進むこと」「最初からきちんとテキストを買って勉強すること」の2点です。

     簿記の学習においては、王道スタイルで勉強することが短期合格・一発合格への一番の近道になります。まずはテキスト・トレーニングで基礎固めをし、その後、過去問や予想問題などで応用的な力を身につけましょう。

     また、学習上の攻略法①の欄で「解けない問題を極限まで無くすという姿勢が重要」と書いていただきましたが、この点は私も同感です。ぜひ見習っていただきたいです。

     得意論点の問題はスラスラ解けて高得点が取れるので楽だと思いますが、得意論点をさらに伸ばしても全体の点数はなかなか伸びません。

     一方、苦手論点の問題は解くのに時間がかかりますし、最初はほとんど点数が取れないので精神的にきついと思いますが、苦手論点を克服すると一気に点数が伸びます。

     個人的には、苦手論点の問題を集めて短期間に集中して解く「まとめ解き」がおすすめです。

    ぽぽぽさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第145回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.142

    学習の途中で理解できない点があっても、立ち止まらず走り続けましょう!

    • 投稿者:マエストロさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約6か月
    • 備考:1回目は通信講座、2回目は独学

    はじめに

     私はIT企業で営業職をしている30代後半の者です。営業の仕事ではありますが、商品を顧客企業と直接取引をするのではなく間接的な営業であるため、代金回収等もしたことがありません。

     「売掛金」とか「減価償却」といった言葉は聞いたことがあっても、意味は細かく理解まではしていませんでしたし、企業の財務諸表を見ても、どのように作られるのか、何がポイントなのかといったこともイマイチ、という状態でした。

     社会人歴15年ほどになるのですが、まだ今後30年ほどあるであろうビジネスパーソン人生を考えたときに、なるべく早いうちに簿記会計の基礎を全般的に学習しておいた方が良いのでは、と漠然と考えていました。

     仕事とは関係ない資格ですが、もともと興味を持っていたFPの勉強を2016年1月から行っており、通信教育「フォーサイト」を利用して、2016年5月にFP技能検定2級を受けて、一発で合格。

     その後ひと段落して、勉強する習慣を忘れないうちに2016年7月から、同じく簿記もフォーサイトの通信講座を利用して簿記の学習をスタートさせました。簿記知識ゼロからのスタートではありましたが、最初から2級のみの受検と決めていました。

     こちらの簿記検定ナビさんには、とくに「出題傾向・過去問分析」「試験問題予想」といった実践的な内容がとても有用でお世話になりましたので、合格した証を残させていただきたいという思いもあり、体験記を投稿させていただきました。

    使用したテキスト・教材・電卓

    使用したテキスト・教材・電卓

    • 第144回 挑戦時
      • フォーサイト 簿記講座 3級+2級セット
    • 第145回 挑戦時
      • スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第8版 (TAC)
      • スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第5版 (TAC)
      • 日商簿記2級 みんなが欲しかった問題演習の本 第2版 (TAC)
      • 2016年度版 スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題 (TAC)

     1回目の受検(第144回)に向けては、フォーサイトの教材のみで学習していました。フォーサイトの通信講座を選んだ理由は、簿記知識ゼロからのスタートで独学では挫折してしまうかもという不安と、FP講座の内容が良かったので、あまり考えずに、簿記講座にも申し込みをしました。

     2級&3級セットで、テキスト・講義DVD・問題集&過去問(6回分)・eラーニングでの確認テスト&講師への質問15回分が含まれており、内容は充実してはいますが、3万円強しますので、独学よりは高くついてしまいます。今考えると最初から独学でも良かったと思っています。(※あくまでも個人的な感想です)

     1回目の受検で不合格となった後、再度2級にチャレンジするにあたっては、簿記ナビのおすすめテキストのページを参照させていただき、TACのスッキリシリーズと過去問、問題演習の本を購入し学習しました。

     電卓については、FP2級の受検のために「カシオ DF-120GT-N」という機種を購入していたので、簿記でもこれを使いました。個人的に、「0」のボタンが他の数字部分から離れているところに配置されている(1の左下に0がある)のは嫌だったので、この機種を選びました。

     横幅がちょっと大きめなので、持ち歩きを考えるともう少しコンパクトな方が良かったですが、打鍵感、使い心地は問題なかったですし、液晶部分が好みの角度に調整できるのが便利でした。

    テキスト以外で役立った本

     簿記の学習に取り掛かる前にまずしたことは、図書館で簿記の入門本を借りてきて読むことでした。

     私は新しい分野の学習をする際には、入門書をまず数冊読むことが多いのですが、簿記では下記の本を読んで大まかな概要をつかみました。どちらの本も、イラスト入りでとっつきやすく、本格的に学習に入る前の導入として役立ちました。

    • はじめての人の簿記入門塾 (浜田 勝義)
    • 数字が苦手な人のための簿記「超」入門 (今村 正)

     また、財務諸表をしっかり読めるようになることが、簿記の勉強を始めた動機の一つでしたので、その点で下記の本もとても有用でした。ドリル形式で実際に数字を書き込んでいきながら、財務3表のつながりが理解できる仕組みになっています。

    • 書いてマスター! 財務3表・実戦ドリル (國貞 克則)

     2級商業のインプットが終わった段階で、おさらいがてら取り組んでみるのも良いと思います。(私はだいぶ前に購入していたのですが、実際にやってみたのは145回の受検が終わった後でしたが)

    学習の進め方 <第144回受検時>

     2016年7月半ばから学習をスタート。3級の学習は1カ月ほどで終わらせて、2級の学習を3カ月位かけてじっくり取り組む予定でした。しかし実際は、内容がなかなか頭に入らず時間がかかり、3級の学習で2カ月かかってしまいました。

    インプット

     上記の入門本2冊を読んだ後に、フォーサイトの講義DVDを見ながら3級の始めから順にテキストを読み進めていきました。DVDを見ていると眠くなってしまうことも多々あったのですが、動画をダウンロードして移動中にスマホでも見るなどして、毎日何かしらの学習を続けるよう心がけました

     後述もしていますが、なかなか内容が理解できない点については、2-3回テキストを読み、答えを見ながら問題を解いて、先に進むようにしていました。

    アウトプット

     フォーサイトのテキストでインプットを行い、単元ごとに、付属の問題集を解いていきました。簿記の問題の解き方になじむためにも、A4コピー用紙を大量に用意して、手を動かしてどんどん仕訳を書いていきました。

     3級のインプットと問題集を終えて、同じく付属の過去問集(135回~140回の6回分が収録)を解いた後、2級の学習に入りましたが、この時点で9月下旬。2級も同じ要領で進めましたが、時間切れのため2級の過去問は138回~140回の3回分を各1回ずつしかできませんでした。

    反省点

     2級の学習に入る前に、3級の内容をしっかりマスターしておきたいと思い、3級の仕訳をみっちりやりこみました。この方針自体は悪くなかったと思っています。

     しかし、11月に2級に合格するというターゲットにおいては、学習のスケジューリングが不十分で、2級の問題を解く量が絶対的に不足していました。試験直前は、土日には8時間ほど勉強しましたがキャッチアップできず、結果は 8/2/18/10/12 の50点という結果で惨敗となりました。

    学習の進め方 <第145回受検時>

     144回受検を終えた12月は年末でバタバタしていて、一時的に簿記の勉強から遠ざかっていました。しかし、146回からは新たに追加される論点があるため、なんとか145回で合格したいと思い、2017年1月中旬から再始動しました。

     再挑戦にあたっては、簿記ナビのおすすめテキストも参照させていただき、TACの教材を購入しました。また、スマホのStudyPlusアプリを使い始めたのですが、自分の学習ペースのトラッキングもできるし他の受検者の学習状況が刺激となるので使ってよかったです。

     週ごとの学習時間のグラフが、試験日が近づくにつれて右肩上がりに伸びていったのが、達成感にもつながりました。

    インプット

     1カ月ほど学習のブランクがありましたが、3級レベルはクリアできていると思ったので、2級の学習からやり直しました。アウトプットを重視する方針にしたので、商簿・工簿ともに「スッキリ」のテキストを始めから読みこんで、1月末までにさらっと内容をおさらいしました。

    アウトプット

     まず、「スッキリ」に収録されている問題を単元ごとに解いていきましたが、その際に、日付と下記のしるしをつけていきました。

    • 迷わず正解できた問題⇒
    • 間違えた問題⇒ ×
    • 解けたけど自信が無い問題⇒

     2巡目に、×と△のみを、もう一度解きなおしました。その後、過去問に入る前に、「みんなが欲しかった問題演習の本」をやりました。“解き方の道しるべ”として、答えに至るまでのプロセスを、冊子に直接書き込みながら理解することができる点がとても良かったです。

     「2回目のチャレンジでもダメだった場合に、もう一度この問題集を使おう」といった気がおきないように、色々書きこんだり要復習のページに折り目を付けたりして使い倒しました。

     この「問題演習の本」を基点として、理解が不十分だった論点についてはテキストを読み直し、確実に問題に解答できるよう復習を行いました。

     その後に、「スッキリとける過去+予想問題」に取り組んだところ、過去問で80~90点ほど取れるようになりました。過去問を解く際には、きっちり2時間計って、その間は机から離れず、本番のような緊張感をもって取り組みました

     なお、試験直前期には、これまでの問題で引っかかったところや忘れてしまいそうな点を、「まとめメモ」としてA4用紙1枚にまとめておきました。具体的には下記のような内容を箇条書きにしたものです。

    • 配当金領収証や期限到来後の公社債利札⇒現金として扱う
    • 工場消耗品・消耗工具器具備品⇒間接材料費
    • 安全余裕率の計算式
    まとめメモ

    試験日1日の流れ

    試験当日の午前中

     2級の試験は午後からなので、普段の週末と同じように8時半頃起床し、軽く朝食。その後ウォーミングアップがてら、工業簿記の問題を数問解きました。軽く昼食をとってから12時前に会場へ向けて出発しました。

    試験会場の様子

     都内の大学が会場だったのですが、最寄り駅を降りると、ものすごい人数がぞろぞろ列になって会場方向へ歩いていました。

     会場に到着し席に着いてからは、まとめメモや、一番有用だった問題演習の本を見ながら、落ち着いて試験開始を待ちました。周りを見ると、簿記の教科書シリーズや合格テキストなど、TACの教材を開いている人が多かったです。

    試験中の状況

     問題用紙と解答用紙が配布され、解答用紙に名前を書く際に、株主資本等変動計算書の解答欄が目に入りました。

     株主資本変動計算書は比較的得意な論点でしたが、数字を記入する ( ) が無い解答用紙の形式だったらちょっと不安だなぁと思っていました。しかし、今回の問題の解答形式は( ) ありで、内心で「これはもらった!」と思いながら試験開始となりました。

     これまで過去問を解く際には、第1問→第4問→第5問→第2問→第3問の順で解いていましたが、第2問が満点を狙えそうだったので、第1問を終えた後に、第2問を解きました。

     正確を期すため落ち着いてじっくり解き、どちらも満点の手応えでしたが、40分程使ってしまいちょっとゆっくりしすぎてしまいました。

     その後急いで第4問、第5問へ。工簿の中で直接原価計算は比較的好きな論点だったのですが、今回の第5問は今まで見たことのない形式でうろたえてしまいました。

     第1問・第2問で満点取れているとすれば、この第5問は6割、いや5割でもいいから点を取ろうと考えて部分点だけでも取ろうと思い何とか回答しました。

     ここまでで1時間20分経過。残りの40分となってしまいましたが、落ち着いて第3問に取り掛かりました。未払法人税等と繰越利益剰余金については、捨てる判断をして、それ以外のところで部分点を取れるようきっちり仕訳を書いて解答用紙を埋めていきました。

    試験終了後

     試験開始後の前半では、第1問・第2問を好調に解けたこともあり合格できると思っていたのですが、第5問で失敗し、また、第3問もかなり難しい印象だったため、合格は厳しそうという気になり落ち込みました。各社の解答速報を見て自己採点したところ、68点~72点ほどでした。

     さすがに3度目の挑戦に向けて始動、という気には全くならず、3月16日のweb合否速報の日を待ちました。いよいよ速報発表の日の午前中、ページにアクセスし確認すると、なんと合格していました!20/20/12/12/8 の合計72点で、かなりギリギリでしたが、合格することができて本当に嬉しかったです。

    簿記2級受検を振り返って

     一発合格とはいきませんでしたが、自分の意志で受検を決めて学習を継続し、無事に簿記2級に合格することができたことは、大きな達成感となりました。合格につながった、自分なりのポイントは下記の3点だと思います。

    学習の途中で理解できない点があっても、立ち止まらず走り続ける

     私は性格的に、自分が納得して腹落ちしないと物事を前に進められないタイプなので、特に最初の方は、簿記のインプットにかなり苦労しました。3級の損益振替や、工簿の総合原価計算の仕損の発生点ごとの処理の違いなどは、なかなか理解できませんでした。

     しかし時間も限られているので、どんな形式で問題が出るのか確認のため、実際に理解できない部分も答えを見ながらまず問題を解いてみて、先に進むようにしました

    小さな達成感や成長の過程を実感できるようにする

     過去問を解く際には、実施日・かかった時間・点数を毎回記載して、「今回は、前回よりも点数が10点UPして、時間も15分短縮して解き終えられた!」というように、ちょっとした達成感を味わえるようにしました。StudyPlusアプリも、自分の学習時間が視覚化されるので、非常に有効でした。

     また、問題を解く際の仕訳や計算はA4コピー用紙を使用していましたが、3級の学習開始から累計すると400~500枚ほどになりました。積みあがった紙の束を見て、2回目受検の直前には「これだけやったんだから大丈夫だろう」という自信にもつながりました。

    簿記の学習は、スキル向上につながることを自分に言い聞かせる

     簿記の学習するにあたって、私の場合、工業簿記は最初まったくモチベーションがわきませんでした。

     商業簿記については、財務諸表の理解には必須だし、もしも自分が将来マネージメント層になったり起業したりする際には欠かせない知識だろうという思いがあり、学習することについて最初から腹落ち感がありました。

     一方、工簿についてはなんとなく、”製造業以外には関係ないもの”という先入観があったのです。そのような意識もあったので、工簿は最初なかなか内容が頭に入ってきませんでした。

     しかし、差異分析の考え方は無駄の把握・改善に役立つし、目標利益を達成するための売上高を求めるCVP分析などは業種を問わず実用的な内容である、と意識して、この機会にしっかり身につけようと思い、最後まで集中力を維持して学習を続けることができました。

    管理人からマエストロさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた講座・教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    ■フォーサイト 簿記講座 3級+2級セット [80点]

     教材一式に加えて、講義の動画ファイルやテキスト・問題集・解答用紙のPDFファイルもすべてeラーニングのサイトからダウンロードできるなど、教材としては充実していると思います。
     ただ、講義の動画を長時間視聴することになりますし、眠気に耐えながらの視聴となることも多々ありました。2級レベルまでであれば、TACなどのテキストで独学で進めた方が、時間的にも費用的にも良いと思います。

    ■スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第8版 (TAC) [75点]
    ■スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第5版 (TAC) [70点]

     スッキリわかるの2冊は、とっつきやすいという点ではよかったですし、価格も良心的だとおもいます。ただ、説明がかなりあっさりしている印象で、本試験レベル問題とのギャップも感じました。特に工簿は自分が苦手意識があったこともありますが、総合原価計算の部分は数回読んでも、「何故そうなるのか?」という疑問が残って、内容が腹落ちしませんでした。

    ■日商簿記2級 みんなが欲しかった問題演習の本 第2版 (TAC) [100点]

     これはおすすめです。私は2回目の受検時に、スッキリでのインプットを終えてから過去問に入る前に取り組みました。論点ごとにまず例題があり、解く手順が“解き方の道しるべ”として示されています。
     道しるべには空欄があり、実際に自分で数字を書き込んでいきながら、解答に至る考え方・手順を理解していくことができました。この「書き込んでいく」という形式が私は好きでした。
     いちいち解答用紙や計算用紙を用意せずとも、電卓とこの本だけあれば勉強ができるので、隙間時間などにもどんどん進めることができました。

    ■2016年度版 スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題 (TAC) [90点]

     サイズが、スッキリわかるシリーズと同じくA5版でコンパクトなことと、値段がリーズナブルであることから、これを選びました。答案用紙も小さいので書きにくのは仕方ないですが、解説も必要十分といったところで、コストパフォーマンスがとても良いと思います。
     合格するための過去問題集(TAC)も検討したのですが、実物を書店で見たところ電話帳のようなサイズ感にひるみ、購入に至りませんでした。

     マエストロさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    ■得意な論点

     有価証券や銀行勘定調整、伝票問題(もう2級では出題されないでしょうが…)は、最初から比較的スムーズに解けていました。
     覚える事項も少ないですし、解答パターンを覚えるというより、その都度仕訳をして、「この仕訳だから、こうなるよね」とパズル感覚で問題をこなすことができていました。

    ■苦手な論点

     工業簿記全般、とくに総合原価計算の仕損減損や標準原価計算の差異の分析は、最後まで苦手意識が抜けませんでした。
     また、商簿の役務原価・役務収益も、問題がスムーズに解けず苦労しました。このような苦手な論点については、週末に丸一日、「役務祭り!」や「総合原価計算Day!」を開催して、丸一日その分野のテキストおさらい・過去問&予想問題解き直しを行うことで、克服に努めました。
     直前期にやったので、もう自分の理解や腹落ち感は置いておいて、とにかく出題パターンと解答へのステップを再現できるようになることを心掛けました。

    管理人コメント

     マエストロさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     「学習の進め方」のところで赤字にさせていただいた「毎日何かしらの学習を続けるよう心がけました」「過去問を解く際には、きっちり2時間計って、その間は机から離れず、本番のような緊張感をもって取り組みました」の2点はぜひ見習っていただきたいです。

     本番を想定して問題を解く順番やペース配分を考えたり、手も足も出ないような難問に遭遇した場合にいかにして部分点を取るかを考えたり…これらの実戦的な練習をするためには、時間を計って解く必要があります。

     仕事や家事・育児で忙しい方もいらっしゃると思いますが、早朝の時間を有効活用するなどして、(直前期は特に)まとまった勉強時間を捻出してください。

     また、「簿記2級受検を振り返って」のところに書いていただいた「学習の途中で理解できない点があっても、立ち止まらず走り続ける」というのも非常に重要だと思います。

     勉強において「理解」することは大事ですが、受験生の中にはこの「理解」に固執しすぎるあまり、分からないところが出てくるたびに勉強がストップしてしまう方が結構いらっしゃいます。

     勉強時間が限られている受験の世界では、分からないところは「とりあえずこんなもんか」と計算方法のみを押さえて前に進むことも大切です。勉強が進むと、ある日突然「あーこういうことだったのか!」と腑に落ちることもよくあります。

     分からないところが出てくるたびに勉強がストップしてしまい、なかなか前に進めない…という方は、ぜひマエストロさんの考え方を参考にしてください。

    マエストロさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第145回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.141

    勉強中も試験本番も「冷静さ」を失わないことが重要です!

    • 投稿者:hdsさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月半

    はじめに

     私は現在、簿記や経理などとは全く違う業界で働きつつ、その業界において有資格者として働くための定時制の専門学校にも通っています。

     元々はこの業界でやっていこうと思い就職・入学しました。しかし、現在の業界ではいまいち自分の能力を生かしきれていない現状に悶々としながら生活していました。

     ある時漠然と「世の中にはどんな仕事があるんだろう?」と様々な仕事を調べました。この時に経理や会計・簿記検定というものを知り、とても魅力的で楽しそうだと感じました。

     ただ、せっかく足を踏み入れた現在の業界。すぐには簿記検定を受験してみようという考えには至りませんでした。

     簿記検定の事は忘れ約2年ほど経ち、在籍している専門学校の卒業が1年半後という時期にさしかかりました。このままいけば現在の業界において有資格者となり、働くことになります。

     そんな時、「このままでいいのか?」と自分に問いかけたところ、ここで経理や会計の道に興味を持ったことを思い出しました。「せっかくの自分の人生、興味を持ったことを諦めるべきではない」と思い、簿記検定の受験を決めました。

     簿記検定受験に際し、簿記検定ナビにはとても助けられたので、何か貢献できればと思い合格体験記の投稿に考えが至りました。

    使用したテキスト・教材・電卓

    テキスト

    • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記
    • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記
    • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記総仕上げ問題集
    • 合格するための過去問題集 17年2月検定対策 日商簿記2級 TAC簿記検定講座
    • 第145回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級

     パブロフくんのテキストは4コマ漫画を読む形で仕訳を学ぶことができます。私のような全くの初学者でもとっつきやすい内容であったため、メインのテキストに選びました。

     パブロフくん以外に使用したTACの2冊の問題集ですが、やはりネットで検索しても評価がかなり高かったため使用しました。

    テキスト以外の教材(スマートフォンアプリ・ネット上にある予想問題)

    • パブロフ簿記2級 商業
    • パブロフ簿記2級 工業
    • パブロフ流テキスト付録 実践問題6回分
    • 簿記検定ナビ 2級 第145回予想問題

     通勤通学時間・専門学校での休憩時間等にも勉強時間を確保したかったため、アプリでも学習していました。簿記に関しては多くのアプリが存在していますが、問題中の数字が小さくて暗算しやすく、且つ解説が丁寧だったため、私にはパブロフ簿記が合っていました。

     簿記検定ナビの予想問題も活用させて頂きました。初回は50点程度しか取得できず、がっかりしたことを覚えています(笑)私にとっては難易度の高い問題で、非常に参考になりました。

    電卓(CANON HS-1220TUG)

     電卓に関しては、簿記検定ナビでおすすめされていたため購入しました。「万・千」キーの存在が、桁間違いを減らしてくれたように思います。値段も手頃で素晴らしいと思っています。

    学習の進め方

     まず受験を決めたのが2016年9月です。そこから勉強を始め、同年11月20日の第144回の3級に合格しました。3級の試験直後に2級の教材を買うために書店に行きました。

     2017年1月中旬から2月初めまでの期間は在籍する専門学校での実習があり、十分な勉強時間がとれなかった為、実質勉強時間は12月~2月25日までの約2ヶ月半でした。

    12月

     商業簿記に関しては3級の範囲で学んだ事である程度対応できるだろうと思っていた為、まずは一切何も知らない工業簿記をメインに勉強を進めようと思いました。

     工業簿記:専門学校での休憩時間(たまに授業中暇な時)・帰宅してからの時間で、テキストを読み進めていく。テキストを読み、必ず章末問題を解く。初めから解ければよし、分からなければ1回解説を読みながら解く。2回目は何も見ずに解く。

     商業簿記:通勤通学の電車内での時間(往復約30分)にパブロフくんのアプリで仕訳を学ぶ。アプリの解説だけではよく分からなかったものはテキストで確認する。

     上記の方法で勉強を進めて行き、12月末頃までには商業簿記に関しては試験範囲にある全ての勘定科目が何となく分かる。基本的な仕訳なら全て出来る。という状態にしました。

     工業簿記に関してはテキスト(パブロフ工業簿記)と問題集(パブロフ工業簿記総仕上げ問題集)はとりあえず一周(テキストを読み終え、問題集にある問題は全て解いた)させました。

     12月末時点での工業簿記の理解度ですが、仕訳・総合原価計算・個別原価計算・標準原価計算・本社工場会計・CVP分析は基本的な問題ならなんとか解ける。費目別計算は分かっているつもりだがあまり問題が解けない。直接原価計算・全部原価計算の損益計算書の問題はよく分からない…というような状態でした。

    1月

     簿記の試験対策は「インプットは短く、アウトプットに時間をかける」というのが鉄則だと思っていましたので、まだ未熟でしたが早速過去問に移ることにしました。TACの「合格するための過去問題集」の問題を144回から始め、どんどん過去に遡って解いていきました。

     とは言ってもまだ工業簿記の理解はいまいち、商業簿記に関しては仕訳しか分からない状態でした。その為そもそも解き方が分からない問題がほとんどだったため、試験時間の2時間というタイムリミットは意識せず、テキスト片手に解き方を学びながら問題をこなしていきました。

     テキストを見ながらではありますが、解いている問題の解説を途中で見るということはしませんでした。結果はひどいもので、144回、143回は解くのに4時間程度かかったのに点数は50点代でした。

     その後142回の問題は3時間ほどかけて、何故か87点取れました(まぁテキストを見ているので当たり前ですが)。141回の問題はテキストを見ながらでもよく分からなかったため、解説を見ながら解いたので点数ナシ。

     と、ここらでなんとなく本試験の問題がどんなものかというのが分かってきたので、まぁ時間はまだ計らないまでも、「初めからからテキストを片手に問題を解く」というスタイルは卒業しました。

     この後もどんどん遡って解き進めていきました。点数は70点~90点あたりでムラがありましたが、70点を下回る事はなくなってきました。

     過去問を一通り解き終えたので、次にパブロフくんテキストの付録の6回分の実践問題を解いていきました。全6回の問題で、初回は60点前後得点し、2回目は80~90点得点するといった状態でした。

     パブロフくん付録の問題を解いている合間に、腕試しに簿記検定ナビさんの予想問題を2時間計って解きました。結果は上にも書いてある通り50点程度しか取れずがっかりです(笑)。

     1月中に調子よく点がとれるようになってきたような気がします。勉強のスタイルは、1日過去問・予想問題を解く→翌日は前日に解いた問題の解説を熟読する。というようなものでした。

     解説を読んで理解した事なのですが、過去問にとりかかり始めた時から、解けなかった問題・苦手分野の「まとめ紙」を作っていまして、そちらに自分なりに理解した内容を簡潔に書き留めておきました。

    まとめ紙1
    まとめ紙1

    まとめ紙2
    まとめ紙2

    2月

     手元にある問題は1月中にひと通り解いてしまいました。(過去問12回分・パブロフ総仕上げ問題集の予想問題2回分・パブロフ予想問題6回分・簿記検定ナビさんの予想問題1回分 計21回分)

     ここからは2時間以内に出来るだけ早く問題を解けるようにするための練習に取り掛かりました。毎晩2時間計って問題を解き続けました。

     問題を解いた直後に解説を読んで解けなかった問題を振り返る→さらっと読んでもいまいちよく分からない部分は翌日の通勤通学時間にも読む・専門学校の休憩時間中、授業中にもたまに読む(授業を聞かないのは悪いことですが)→分かったらその都度まとめ紙に書き留める。

     ↑上記のようなサイクルを地道に続けたところ、2月20日くらいには手元の問題は全て90~100点取れるようになりましたが、不安が尽きませんでした。

     点が取れる理由が、問題の解き方を理解できているのか、それとも手元の問題に慣れているだけなのかよく分からなかったからです。

     「本番は見た事のない問題が出てくるわけだ。いま手元の問題でとれてるような点数が取れるか?恐らくそう上手くはいかない。見たことのない問題が解きたい。」という考えに至りました。

     既に2月23日で試験3日前だったのですが、ここでTACの「あてる」を購入しました。簿記検定ナビさんに「今回の『あてる』は難しい」というような内容が書かれていたため、心して取り掛かりました。

     結果は…ひどいものでした。全4回分の問題が収録されていましたが、取った点数は50点代~90点代とかなりムラがありました。自分の不安定な実力を悔しく感じました。

     もし50点代を取った試験問題が本番だったなら、私は不合格だったわけですから。25日の午前中までに解説を読み込み、分かっていない部分をまとめ紙に書き留め、4回分の試験問題を2周させました。2周目には全て90点以上取得しました。

     少しは軽減されましたが、不安は残ったままでした。25日の午後は、まとめ紙や「あてる」に付録してあった仕訳カードを眺めて過ごしました。

    TACの「あてる(予想問題集)」について

     ちなみに…私が「あてる」の問題で初回ひどい点をとってしまった原因は、やはり「詰めが甘かった」のだと思います。基本的な問題なら解けるというレベルにしか達しておらず、応用が効かなかったのです。

     例えば、初回うまく解けなくてすごく悔しかったのが、「あてる」のプラスワン予想の第5問です。「材料Bは工程の50%で投入している」という一文がありましたが、「それは…どう処理するんだっけ?」と長考に入ってしまいました…がこれ、別に大したことない問題だと思います。

     なぜ終点での投入が解けて途中での投入の問題が解けないのか。その理由は、私が加工進捗度と追加材料の投入点の関係をよく理解していなかったからです。「あてる」の問題を解いた事によって、私には今まで見たことがないタイプの問題に立ち向かえる力が付いていなかったという事が分かったのです。

     試験日が近づいてから新しいテキストや問題集を買うことを推奨している簿記学習系サイトは目にしたことがありませんが、私は買って良かったと思っています。命拾いしました。

    試験日1日の流れ

    試験当日の朝

     8時頃に起床して、朝食をとりました。その後前日に引き続いて、まとめ紙や仕訳カードを眺めていました。「あてる」の問題をもう一度見直して、ちょっとでも分からないところがないか、しつこくチェックもしました。

     そして何度も問題を解いたけど、いまいち本質が理解できている気がしない直接原価計算・全部原価計算を勉強しなおしました(テキストを見たり、パブロフ著者である「よせだあつこさん」がYoutubeにアップして下さっている解き方ビデオを眺めたり)。

     緊張していても食欲はあるため、11時半ごろに昼食をとりました。そして12時過ぎに家を出て、試験会場に着いたのは12時40分くらいでした。

    試験会場の様子

     試験会場は3級受験時と同じ公立の商業高校でした。私の席は最前列。私の他にはまだ1人しか会場の教室に入っていませんでした。さっきから同じことをばかり書いてくどいかもしれませんが、試験開始時間まではまとめ紙と仕訳カードを見て過ごしました。

     試験開始15分前くらいになると、試験会場となっている商業高校の生徒がどどっと会場に入ってきて騒がしくなったのを覚えています。「第2問、頼むから複雑な問題来ないでくれ…」と願いながら過ごしました。

    試験中の出来事

     試験開始と同時に、まず全5問の問題を確認しました。第2問が株主資本変動計算書…。「これはもらった!145回は当たり回だ!」と思いました。第5問に関しては直接原価計算の損益計算書ですが、見たことのない形式…。なんとかやれそうだ!という印象を持って、試験に臨みました。

     問題を解く順番ですが、多くの簿記検定の学習サイトや参考書でも紹介されている通り、第1問→第4問→第5問→第2問→第3問の順にしました。過去問や予想問題を解く際にもこの順番で解いていたので、本番でもその通りにしました。

     第1問は本支店会計の仕訳をど忘れしてしまっていたために5番目は勘での解答になったが、恐らく16点はある。第4問は簡単な部門別計算の問題で、これは恐らく20点取れた。第5問はなんとなく分かるがそんなに自信はない、12~14点くらいか。

     第2問は高得点を狙えるはず。うまくいけば20点とれているだろう。第3問はややこしいが、まぁなんとかなりそうかな?しかし法人税や繰越利益剰余金まで求めようとするのは時間が勿体無い、捨てる。12~14点はあるのではないか。

     ↑このような印象を持ちつつ、一通り問題を解き終えたのは試験開始から1時間半ほど経過した時だった。残りの30分は見直しに費やしました。明らかな間違いは発見できなかったため、特に書き直すことはなく試験が終了した。

    試験終了後

     「これは多分合格している!やったぞ!」という手応えを感じつつ帰宅し、大手予備校の解答速報を待ちました。解答速報がで始めた夕方頃、自己採点のために速報を確認したところ愕然としました。

     第4問の答えが私の書いたものと違う。12点しかない。そして第2問も満点ではなく16点。色々な予備校の配点予想を見たが、どれを見ても70点ぴったりしかない。

     「これは落ちたな。やってしまった。」と思いました。いままで生きてきて、こういうシーンで良い結果が出たことは一度もありませんでした。ため息が50回くらい出ました。

     しかし、落ち込んでいても仕方がない。経理・会計の業界が年齢に厳しいという情報を見ていました。早い段階で足を踏み入れなければ、道を断たれるかもしれない。とりあえず私のような未経験者が採用担当者に相手にしてもらうには簿記2級が必要と思っていました。

     しかし、簿記2級は試験範囲が改訂され、今後さらに難しくなる。今いる専門学校も最高学年になり忙しくなる。146回の2級受験は難しい。それでもなんとか簿記2級程度の知識があるという証明が欲しい。ということで、すぐに日商より合格の可能性が高そうな全経の簿記能力試験1級の情報収集に入っていました。

    合格発表&今後の目標

     上で長々と不合格を悟った時のメンタルを書いてしまいましたが、結果的にはギリギリ合格していました。得点は自己採点と同じで、第1問16点・第2問16点・第3問12点・第4問12点・第5問14点で合計70点です。

     第4問のミスはみっともなかったですが、まあ専門学校の勉強と仕事と並行させて何とか合格した自分を褒めてあげることにしました。

     今後の目標ですが、まだ20代の間に出来るだけ早い段階で経理・会計の道に商売替えしたいと思っています。すぐにでも日商簿記1級もしくは全経簿記上級の受験勉強を始めたいところですが、今の私に必要なのは実務ですぐ使える即戦力となるための能力です。

     次はMOS Excelのエキスパートレベル、日商PC検定の文書作成あたりを取得したいと思っています。無事に経理・会計業界で拾ってもらえれば、ゆくゆくは日商簿記1級・全経簿記上級の更に上のレベルを目指したいです。

    私が思う簿記検定2級受験のポイント

     試験勉強中から試験当日まで、常に大切なことだと意識していたのは「冷静さ」です。簿記2級は3級に比べると難易度が高く、初見では「は?」となる論点が多いと思います。

     しかし、そこで分からない分からないと言って足踏みするのは時間が勿体無いです。分からないなら分からないで良し。そこは置いといて先に進めます。先の方で分かる論点があれば、例えばその論点の理解が、前に分からなかった論点の理解につながるかもしれません。

     分からない論点があったからって熱くなってはいけない。70点あれば合格できるので、そこは冷静に対処すべきだと思いました。試験本番でも冷静さは大切です。

     合計で70点あれば良いわけなので、解けない問題があっても気にせずさっさと先に行く事が必要だと思います。試験勉強中と同じ要領で、さっき分からなかった問題でも時間をおけば解けるようになるかもしれないので。

    終わりに

     「資格試験」自体は緊張するので現実逃避したくなる事があります。それでも、簿記の勉強は今までやってきた勉強のなかで最高に面白かったです。簿記と出会えた事を嬉しく思います。文を書くのが好きな為、ついだらだらと長く書いてしまいました。

     読みにくい部分も多い文章になっているかと思いますが、合格体験記の一部となることが出来れば幸いです。簿記検定受験に際し、予想問題や過去問分析、更にはオススメの電卓情報まで掲載してくださっている簿記検定ナビさんにとても感謝しております。ありがとうございました。

    管理人からhdsさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われたパブロフさんの教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     あくまで私の個人的な意見ですが、パブロフくんシリーズのテキストには100点をつけたいです。特にマイナス点をつけるような要素は思い当たらないです。

     もともと初めにこのシリーズのテキストを使おうと思った理由は、キャラクターであるパブロフくんがとても可愛かったからです(笑)。「パブロフくんは、この取引の時はどういう顔をするのか」という興味で、どんどん読み進められました。

     もちろん絵がかわいいだけでなく、内容も素晴らしかったです。まず1つの論点についての説明が、ほぼ確実に見開きの2ページで終わっている点が良かったです(他のテキストでそういう作りになっている物もあるのかもしれませんが)。

     例えば「売買目的有価証券の時価評価」という論点について、それが現実にはどういう事が起きているのかというのが左側のページに4コマ漫画で示してあります。

     そして右側のページにはそれについての仕訳や、簡潔にまとまった説明が書いてあります。これがとても理解しやすかったです。

     ネットでパブロフくんのテキストについてのレビューを見たことがあります。ほとんどが高評価ですが、若干の低評価が見られました。低評価の理由としては「論点の理解に必要な情報が不足している、少ない」という事が書かれていました。

     しかし、私としてはそれこそがこのテキストのメリットであると感じました。受験に際し、頭に入れておくべき論点はとても多いです。

     1つ1つを完全に理解しようとしては、時間がかかってしまいます。まずは全論点について浅く、ざっくりとした情報を頭に入れるのが良いと、私は思いました。

     応用問題を解くレベルの理解については、過去問や予想問題を解いて、その解説を用いて行えば良いと思いました。少なくとも私には、その勉強方法が合っていました。

     1冊のテキストで完全な知識を身につけたいという人には向かないかもしれません。しかし、まずは簿記2級にはどんな論点があるのかというのをざっくり頭に入れてしまいたいという人には、すごく適したテキストではないかと思います。

     hdsさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     結果的に本試験では70点に留まったので、「得意な論点」などと言える立場にはないのですが…。強いて言うならば、工業簿記の原価差異分析の問題は好きでした。

     図を覚えてさえしまえば点が取れる場合が多いので、ラッキーな問題という印象を持っていました。145回試験でも出題してもらえればもう少し点が取れたのではないかと思うのですが、残念です(笑)

     苦手な論点といえば、こちらも工業簿記ですが、全部原価計算・直接原価計算の損益計算書の問題です。「固定費調整」についてはいまだによく分かっていません。これが分かっていれば、145回試験の第5問でもう少し点が取れたのかもしれません。

     日商1級もしくは全経上級の試験を受験するとなれば、2級の範囲については完全に理解することが必要になると思います。それらはまだすぐには受験しようとは思っていないので、テキストをしっかり読み込んで、2級の範囲は完璧にしてから挑みたいと思っています。

     hdsさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     そもそも3級を学び始めた頃から簿記の面白さにはまっていました。2級となるとその上位級になるので、より勉強は楽しかったです。

     会社で行われる取引やお金の流れのシステムなど、今まで全く知らなかった世界が分かるようになるということが嬉しかったです。なので、特に「やる気が出ない…」というような事にはならなかったです。

     モチベーション低下はなかったのですが、よりモチベーションを上げるための思考はありました。「私が落ちるはずがない。絶対合格できる。当然だ!」という、試合前のモハメド・アリ的強引なプラス思考です(笑)。

     第141回試験より合格率が10%代まで下がっており、問題が難化傾向にあるという状態も、かえってやる気に繋がりました。難化傾向にある試験に合格すれば、自分への自信に繋がると感じたからです。

    管理人コメント

     hdsさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     hdsもおっしゃっていますが、「完ぺきに理解すること」に固執するよりも、理解できないところは「そういうものか」と割り切って処理だけ押さえておいて、ひとまず先に進むことはとても重要です。

     その時点では理解できなくても、勉強が進んで知識を増えたり、様々な角度から考えられるようになると、ある日突然「そういうことだったのか!」と一気に理解できることが多々あるからです。

     また、画像を提供していただいた「まとめ紙」ですが、各問題のポイントを一覧で確認することができてなかなか良さげな感じです。

     間違いノート(まとめノート)に絶対的に正しい形はありませんので、hdsさんの「まとめ紙」や私がサイト上で公開している「間違いノート」などを参考にして、ぜひご自身にぴったりの形を考えていただければと思います。

    hdsさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第144回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.140

    仕訳力の強化は、第1問だけでなく第2問・第3問にも効果があります!

    • 投稿者:継続さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約9か月

    はじめに

     私は32歳会社員で、現在総務課に所属しております。仕事内容は主たる業務として給与計算を行っております。

     第142回(平成28年2月開催)で3級に合格し、今回の第144回で2級を受験しましたが、勉強中は毎日のように簿記ナビにお世話になりました。

     皆様のお役に立てるかは分かりませんが、今回私の勉強法を投稿させて頂きます。皆様に少しでもお役に立てれば幸いでございます。

    使用したテキスト・電卓

    • スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記(TAC)
    • スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記(TAC)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC)
    • ステップアップ問題集 日商簿記2級 商業簿記(大原)
    • 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集(TAC)
    • 簿記2級弱点克服のための特別講座(大原)
    • 無料公開模試(大原)
    • ND-26S(CASIO)

     TACのスッキリわかる(2冊)は内容、例え話など、とても分かりやすかったです。100点

     TACの過去問は、(特に工業簿記の)初学者にはもう少し噛み砕いた説明があっても良いと感じましたが、経験者にとっては問題なかったです。80点

     大原のステップアップ問題集は、銀行勘定調整表の理解には1番役に立ちましたが、それ以外の内容は少し簡単すぎるかもしれません。70点

     TACの網羅型問題集は工業簿記が難しく、一周目はこなすのでいっぱいいっぱいでししたが、きちんとやれば間違いなく力がつくと思います。95点

    勉強法

     3級の合格発表前の平成28年2月にTACのスッキリわかる(2冊)と過去問題集を購入し、3月1日より勉強を開始。最初から過去問を解き始めました。

     解くといっても、解答を読み込んで問題を見るというスタイルでした。最初に門前払いとなったのは、第131回の問4のシュラッター図です。全く理解が出来ず、何を聞かれているのかさえ理解出来ない状態でした。(基本的に工業簿記は3月~7月頃まで何を聞かれているかさえ分からないという状態でした…)

     次に、3級で馴染みのあった商業簿記の仕訳問題だけは自信をつけようと第130回~第141回までの過去問の仕訳のみを行い、少しずつ力がついていくのがわかりました。

     その時、間違えた仕訳に〇をつけてその部分を繰り返し勉強しました(時間が経つとすぐに忘れてしまいますが…)。

     また、6月頃から「間違いノート」を作成し、間違えた部分をノートに書き、朝と寝る前に見直すことを習慣にしました(正直、何回間違えるんだよ!と自分に腹が立つほど、何度も同じ論点での間違いもありましたが、結果的にはそういう論点ほど明確に覚えることができました)。

    商業簿記
    商業簿記

    工業簿記(差異分析)
    工業簿記(差異分析)

     7月の上旬に大原の無料特別講座があり、少し考え方が変わりました。それまで工業簿記の出来が悪い分を商業簿記でカバーする考えで勉強していましたが、講師の先生方より「最近の傾向を踏まえると逆である」とのアドバイスを頂きました。

     また、この時期から昼休みに簿記ナビさんの仕訳を最低5問解くことを習慣とし、自信をつけることができました(仕訳の力がつくと第3問でも活きてくることが実感し、一石二鳥でした)。

     9月に入り、新試験範囲の内容を踏まえた「網羅型完全予想問題集」を開始しました。ネット上のレビューでは「工業簿記の難度が高い」と書かれていましたが、予想以上に難しく、解答を何度も読んでも分からない部分がありました。

     あまりにも分からないため、車の移動時間の合間にコピーしたプリントを何度も読み込んだりして、細切れ時間を有効利用して根気強く取り組んだところ、徐々に理解できるようになりました。また、この月から休日は3時間勉強することとし、1か月かけて全10回分を1周しました。

     10月からは本番と同様に2時間の制限時間を計り、テストの模擬練習をしました。

     ただ、あまりにも点数が酷いとモチベーションが下がってしまうので、前夜に翌日朝に行うテスト内容を見て、寝ている間に脳に整理してもらったうえで、翌朝に2時間計り問題を解きました。70点に届かない回も何回かありましたが、とにかく前向きに取り組むように心がけました。

     その後、10月下旬に開催された大原の無料公開模試を受けましたが、まさかの50点台…改めて日商簿記2級の怖さを思い知りました。

     本来であれば得点源にしなければならない工業簿記(今回は部門別計算・CVP分析)は、どこから手を付けていいのか分からず、ほぼ白紙の状態で終了時間を迎えてしまいました。

     答え合わせ後、先生に勉強方法の確認に行くと「(合格ラインのボーダーラインにいる方は)工業簿記は満点か、白紙に近い状態になってしまう両極端になる傾向があります」とのことでした。

     つまり、問題文を読んだときに「この問題は解き方を知っている」と脳が判断できれば普段の力を発揮することができるが、そうでなければ今回のように手も足もでない悲惨な状況になるということです。

     そこで私は、色んな問題を解き応用力をつけたほうが良いと考え、新しい問題集を買おう!…と決めかけましたが、まずは今ある問題集を完璧に仕上げるほうが先だと思い直し、とにかく理解が浅かった工業簿記を何度も繰り返し解き直しました。

     11月からは特に苦手な問題をかき集めて集中的に解き直ししました。また、簿記ナビさんと大原の“出題予想”を参考にし、「やらない論点」を絞り、今回は工業簿記では直近の試験で2回連続出題されていた標準原価計算は完全に「やらない論点」としました。

     また、商業簿記では一部が1級の出題範囲に移行された本支店計算は第3問では「やらない論点」としました。(※第1問の仕訳では勉強しました)。

     ポイントを絞ることはある意味勇気がいることと感じますが、広い範囲をやろうとすることによりその弊害で点数が伸びない事態に陥るより、諸先輩方の今までのご経験と実績を元に予想されている出題予想の論点を繰り返し解き、「これが出たらまず大丈夫」という状態にするほうが合格する確率は高いであろうと考えました。

     11月の本試験1週間前は平日3時間・休日6時間勉強し、最後の追い込みをかけました。しかし、働きながら勉強時間を3時間確保するのは難しいので、通勤時間やお昼の休み時間等の細切れ時間を有効活用しました。

    試験日1日の流れ

     3級と同じ試験会場であったため、交通経路等は分かっていましたが、起床時間はいつもと変わらず4時30分とし、試験開始2時間前には到着するよう逆算して予定を立てました。

     また、持ち物の用意は前日の朝に済ませした。当日だと慌ててしまうこと、前日でも夜だと脳が疲れているので、前日の朝に事前に作っていたリストに沿って用意しました。

    • 受験票
    • 電卓(故障に備え2台)
    • 時計(故障に備え2台)
    • 財布(お金は多めに&身分証明書)
    • 筆記用具(シャープペンの替え芯は大丈夫か?)
    • セロハンテープ(受験票を固定するため)
    • クリップ(プリントが落ちないように固定。今回はそこまで出番はなかった)
    • 間違いノート(参考書より大事でした)
    • 見直したい参考書
    • バインダー(試験開始前の勉強で机がないところだと活躍してくれます)
    • チョコレート(試験開始前に脳を働かせる)
    • タオル
    • 会場の地図(スマホが壊れた時に見れなくなるため)
    • 上着(会場が寒かった場合着れるようなもの)

     今回は上記のようなリストを作りました。受験票は必須ですが、忘れた場合の会場での対処方法も確認しておけば安心かもしれません(慌てて取りに帰る必要がない場合もあるようです)。

     今回、特に活躍してくれたのはセロハンテープです。会場の机が狭かったので、まず受験票は落ちない!という安心感は点数にして2点分位は価値があったかもしれません。

    試験会場に到着

     まず受験する教室を確認し、2級は13時30分試験開始のため、試験中眠くならないように少し早めに昼食を取りました。幸いなことに食堂が解放されていたので、昼食を取りながら間違いノートの見直しをしました。

     入室後、まずセロハンテープで受験票の固定し、筆記用具の準備(シャープペンシル・消しゴムは各2個)をしてトイレを済ませ、チョコレートを食べながら間違いノートの確認…という流れで試験開始を待ちました。

    試験開始!

     試験開始の合図後はまず、第1~5問の問題を確認しましたが、そこで衝撃が走りました。第2問が見たこともないような問題だったからです。ひとまず心を落ち着かせ、当初の予定通り工業簿記から着手しました(第5問→第4問→第1問→第2問→第3問)。

     ちなみに、第5問→第4問の順番にしたのは、第5問のほうが簡単そうだったからです。工業簿記の2問を20分弱で解き終えて、第1問へ移りました。初見の問1・問5は深く考えず、問2・問3・問4の仕訳だけは死守しようと思って解きました。

     さて、ここでようやく第2問の登場です。問題をじっくり読んでみると、仕訳の難度はそれほど高くはないものの、処理する量が多いことが分かりました。

     実際に解き始めてみたものの、準備していなかった論点の問題のため思ったよりも時間がかかりそうです。答案用紙を少し埋めただけで予定していた制限時間もきたため、ひとまず第3問へ移りました。

     第3問は(結果的には裏書譲渡の問題で見事にひっかかっていましたが)なんとか当期純利益まで出せました。なんとなく間違いがありそうだったので、手汗をかきながら仕訳の見直しをしたところ、案の定一つ間違いを発見しました。

     この時点で残り10分。第2問に深入りすることはやめて、工業簿記の見直し→第1問の見直し→第3問の見直しをしたところで終了となりました。

    試験終了後

     試験終了後はメンタル的にボロボロでした。ネット上のいろいろな情報を見ては落ちこみ、または安堵しての繰り返しでしたが、今さら考えても合否にはなんの影響もないので、合格発表までは今回の試験の再トライ、苦手な論点のまま試験受験になった部分の勉強などを1週間かけて行いました。

     そして11月29日の結果発表。いつもと同じ時間に起床し、スマホで確認すると、第1問12点、第2問4点、第3問14点、第4問20点、第5問20点。ぎりぎり70点で合格してました。

     今までのやってきたことが報われた感がし、早朝から嬉しい気持ちでいっぱいになりました。これも簿記ナビさんをはじめ様々な情報提供及び試験問題の分析などご提供くださった方々のお陰であると感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

    今後の目標

     次の目標は、2018年8月の試験で社会保険労務士試験に合格することです。簿記で培った勉強の習慣をベースにして、日々精進していければと思っております。

     受験期間中から田口様に何か少しでも恩返しが出来ればと思い、駄文ではございますが、体験記を書かせて頂きました。田口様、本当にありがとうございました。

    管理人から継続さんへ追加の質問

     継続さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意論点は、第1問の仕訳です。簿記ナビさんの過去問類題を、移動時間や1日のルーティーンに落とし込んで解きまくりました(特に固定資産、有価証券は力がつきました)。

     苦手論点は、標準原価計算です。与えられる数字の使い方、各差異を計算するさいに実際と標準を逆に計算してしまったり…最後まで苦手意識が抜けませんでした。

     継続さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     合格体験記を1日1つ読んでいました。自分も合格してここに書くぞ!と思い続けたことが、結果的にモチベーションの維持につながったと思います。

    管理人コメント

     継続さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     最近の試験問題は商業簿記(特に第2問・第3問)が難しく、工業簿記が簡単なことが多いので、工業簿記で40点満点に近い点数を取れるかどうかが合否を分けるカギになります。

     第1問の仕訳対策とあわせて、工業簿記の対策(いろんなパターンの問題をたくさん解く→間違えたところはきちんと復習する)にも力を入れてください。

     なお、苦手論点を克服するためには、継続さんが行ったような「苦手な論点の問題を集めて、集中的に解く(まとめ解き)」が非常に効果的です。工業簿記の点数が伸びない方は、ぜひ参考にしてください。


     持ち物の用意に関しては、継続さんのようにリストを作ると万全です。

     また、セロハンテープを使って受験票を固定するのはナイスアイデアだと思いますが、厳しい試験官ですと「剥がしてください」と言われる可能性があります。これから受験される方はご留意ください。

     なお、持ち物を用意するタイミングに関しては…いろんな考えがあると思いますが、前日の朝に用意すると、前日の夜、最後の勉強をした時に使った電卓などを戻し忘れてしまいがちです。

     よって、個人的には、試験前日の夜(最後の勉強を終えたあと)に用意することをおすすめいたします。

    継続さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第143回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.139

    自分にあった戦略を立てて勉強することが大事です!

    • 投稿者:yotさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約3か月

    はじめに

     私は、40代半ばのシステムエンジニア(兼プログラマー)です。簿記との関わりは、学生時代における3級レベルの講義出席と、会社員生活が少し落ち着いた平成19年の第116回での3級合格程度です。

     以降、10年近く簿記とは疎遠でありましたが、また少し仕事が落ち着いたので2級にチャレンジしてみようと思い立ち、第142回に不合格ののち、第143回で2級に合格しました。

     ここでは、不合格だった第142回への準備から、途中別の資格試験取得などもあって、丸2ヶ月以上あいだを空けてからの第143回への挑戦までを振り返りたいと思います。

    私について

     私自身はコンピュータ関係の仕事をしているので、電卓を打つのは得意かと思われがちですが、むしろ普段電卓を使わない分、電卓での計算にはスピードを求めないようにしました。

     また、私自身の性格による部分もありますが、暗算能力も衰えてきているので、準備の段階から時間は気にせず、一度で正確な解答を導き出す事に重きを置きました。

     その方法で予想問題を解いた場合に、全く時間が足りないのであれば、そこは後から改善していけば良いと予め決めて学習を進める事にしました。

    使用したテキストと問題集、電卓

    第142回挑戦時

    • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト(2週間)
    • サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト(2週間)
    • サクッとうかる日商簿記2級過去問ナビ(3日間) ※一部のみ使用
    • 簿記検定ナビの仕訳問題対策の過去10回分を2周(1週間)
    • ラストスパート模試日商簿記2級(5日間)
    • 大原の予想会で入手した日商ファイナルチェック問題(1日間)

     サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト【90点】…工簿の基礎はこの1冊のみ使用。ボックス図は自然と書けるようになります。予想問題を解いた後に、基本に立ち返る参考書としても使用しました。

     サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト【80点】…範囲外となった論点を除いたとしても、章立てに疑問。短期間で読破するには適量。使用時は、とにかく短期間で2級範囲の概要を掴むという目的がありました。

     サクッとうかる日商簿記2級過去問ナビ【80点】…範囲改定前の過去問はあまりオススメできません。ただし、付録のサクっとBOOKは、改定に対応していない分だけマイナスで、ほぼ満点。工簿の仕訳、各論点に触れている点が特に良いです。

     ラストスパート模試日商簿記2級【85点】…実力診断には適しているが、本試験の難易度が上がった分、本試験向けとしてはオーソドックス過ぎる気が…。ラスパカード(仕訳問題)は工簿にも配慮している点が評価できます。

    第143回挑戦時

    • スッキリわかる日商簿記2級商業簿記テキスト&問題集(3週間)
    • 第143回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(5日間)
    • 大原の予想会で入手した日商ファイナルチェック問題(1日間)

     スッキリわかる日商簿記2級商業簿記テキスト&問題集【95点】…サクっとシリーズで既に知識を得ていた事もありますが、章立ても含めスムーズに取り組める内容でした。当面の範囲改定に別冊で段階的に対応している点も高評価です。

     第143回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級【90点】…本試験の難易度に沿っていると思います。上記のテキスト終了後にいきなり取り組むには覚悟が必要です。

     10点減点の要因ですが、私には2色刷り解説の青が不快で集中を削がれました。また、仕訳カードについては基本が多く、もう一段深い問題であるべきと感じました。

    電卓

    • SHARP EL-BM621

     以前3級にチャレンジする際に買い直した電卓ですが、SHARP EL-BM621 10桁を使用しました。故障した際のバックアップに EL-N802 も用意しましたが、結局、液晶の数字が読み易い古い方(EL-BM621)ばかり使っていました。

    商業簿記と工業簿記の順序

     第142回(試験日 2/28)に向けて、全く準備のない段階で何から手を付けようかと考えましたが、途中で行き詰まって焦る事がないよう、日程に余裕のあるうちにまずは前提知識のない工業簿記からテキストを読み始めました。

     思いのほか時間は掛かりましたが、図を描いて解く癖は付きました。迷った場合には、人間苦手なものを避ける傾向にあるので、前提知識が多少ある商業簿記よりも、工業簿記からの学習をオススメします。

     ちなみに、損益分岐点については、テキスト以外の方程式で解いた方が良い場合もあると感じました。商業簿記については、「さよなら論点」も一部読み込んでしまいましたが、それに気付いてからは丸ごと飛ばしました。

    第142回不合格で学んだこと

     大原予想会では「141回の合格率が低かったので、142回は合格率が上がる。すなわち、もう少し基本的な問題が出るであろう」との事でしたので、ラスパ模試でボーダーライン程度の得点が取れていた私は、多少の準備不足を自覚しつつも、ボーダーラインには乗れる気がしていました。

     しかしながらフタを開けてみると、本番の試験は、ラスパ模試のように問題を解いていくうちに最終解答まで誘導されるような事はなく、例えば、第5問の工程別などは、表中に前工程費の欄がないだけで戸惑ってしまいました。同時に、第2問のように落ち着いて解けば満点が得られる問題がある事も知りました。

    第143回への始動

     142回と143回(試験日 6/12)の間に別の資格試験を挟んだこともあり、再始動は大原予想会の5/14となりました。ここから、新たな論点も加えた商業簿記をスッキリで再確認。

     工業簿記については、より演習が重要との考えで、特にテキストには取り組みませんでした。その中で役に立ったのは、「サクッとうかる日商簿記2級過去問ナビ」に別冊としてついていた「サクっとBOOK」でした。

     こちらの工業簿記における仕訳や第4、5問で狙われる論点のまとめは、再確認に丁度良いものでした。

     前回の予想問題で、本試験レベルをなめてしまっていた事は、「第143回をあてる TAC直前予想」を解き始めてすぐにわかりました。と同時に、これだけでも何とかなりそうな気がし、実際にボーダーでしたが合格する事ができました。

    第143回試験中のセルフコントロール

     143回の試験で合格できたのは、結局のところ、なんとか焦らずに解き切ろうと自身をコントロールできた事だと思います。ネットでは、簿記2級の資格取得者をそういった側面で捉えているなどと解説しているものもありましたが、正直、会計入門者に出す問題ではないなー、と感じる第2問だったりもしました。

     解答順は…普段通り実力がそのまま出る第1問から、続いて第4、5、2、3問と進めました。第4問は見てすぐに時間が掛かる問題だとわかりましたが、一度で正解を導くべく、じっくり時間を掛けて解きました。

     第5問は前回出た分野という事もあり、今回は演習不足を自覚していた標準原価計算の問題でしたので、(シュラッター図は好きなのですが)すぐに解ける前半の小問3問だけを解いて商業簿記に移行しました。

     第2問はこれまで比較的解き易い問題という先入観があったものの、見事にこれを覆された上、下の方にある償却率の表に気付くのも遅れたので、かなり時間を無駄にしてから、逆に後半の小問だけに手を付ける判断をしました。

     意外だったのは、第3問でした。仕訳を書いて解けば、他の項目の影響を余り受ける事なく、勿論ミスもありましたが、それなりに得点できました。

     結局のところ見直しをする時間もほとんどなく、逆に書き直しが間違いにつながったりもしましたが、電卓を叩き過ぎずに落としてはならない問題で確実に解答を導く姿勢が当たったと思っています。

    試験日1日の流れ

     普段より休日は起床が遅いので、午後開始の2級には向いていると思っていました。試験場まで30分程度でしたので、午前11時頃に起きて軽食程度で済ませ、12時45分頃に会場入りしました。

     第142回の試験の際には、座席が机に連結されていて、扉を開くように引き出すタイプだったのですが、そのステーが曲がっており、普通に座ると徐々に左側に滑り落ちていくため、試験官に申し出て隣の席に移動しました。

    問3の下書き

    問4の下書き

    管理人からyotさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?、また、10桁表示で不便に感じたことはありますか?
     購入の経緯ですが、前回3級受験前に、学生時代から使用していた12桁のものが壊れ、とりあえずと購入したものなので余り多く語れませんが、計算ドリルなどで脳年齢を測る機能が搭載されていたりはします。

     購入時より時間が経過しているので、コストダウン等により同じ型番でも打感などに違いは出ているかもしれません。

     それはさておき、出題側も桁数で惑わす出題をしてこない限り、10桁で問題ないと考えます。桁数が多い場合は、単位が「(千円)」として表記されるのが通例ですし、私にとっては液晶表示窓が大きく見やすい点が何より有利でした。

     バックアップとしてデザイン重視で12桁のものも用意しましたが、実務的には、数字キーと演算キーはサイズや色が異なる方が良いのは言うまでもありません。

     大原の予想会の様子・感想等を詳しく教えてください。
     第142回を千葉校、第143回を津田沼校で受講させて頂きました。ネットから正規の申込みをしましたが、当日は特に身分チェックなどはありませんでした。

     参加者は本試験同様、年齢層にも幅があります。ライバルというか同志を知る事ができます。中には、予想会の待ち時間に電卓をタカタカ打って問題演習している人も居ましたが、これも本試験同様と言ったところでしょうか。

     予想会の流れとしては、まず冊子に従いこれまでの合格率の変遷と各問での出題論点に触れ、大原講師陣による各問での出題予想範囲について、多少の補足を加えながら説明がなされます。

     次いで、予想会担当講師独自の意見として、更に狙われそうな論点が追加されたり、各論点をどう絡ませながら出題されそうかなど、冊子にない話もあります。

     最後には、ファイナルチェック問題から一問ピックアップして、解答のポイントがどこにあるか解説して頂けます。

     簿記と関わりの薄い私としては、そもそも「論点」として、商簿なら「○○表」、工簿なら「○○別」等、問題のジャンルを切り分ける概念がなかったので、それまでダラダラと問題をこなしていたところから、今は名前を正確に言い当てられないまでも、「ああ、あのジャンル(論点)ね」くらいの整理ができるようになった点が大きかったと思います。

     yotさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     ボーダーの私が得意とも言い切れませんが…第143回では確実に出題されると思い込んで取り組んだ直接原価計算は、全部原価計算の利益算出の方法と併せて何度も書いて記憶しました。

     余り簿記的ではなかった分、なじみやすかったのかも知れません。工簿においては、制限時間なくじっくり解きたいと思う問題が多かった気がします。

     商簿においては、強いて言うならば得意な順に「精算表>損益計算書>貸借対照表」ですが、誰しも同じ意見かと思います。

     初期は、出題される残高試算表の借方、貸方に金額を書き込むような横着をしていましたが、「やはり、しっかり仕訳せねば」と思い直してからは、いずれもそれなりに得点できるようになりました。損益なのか資産、負債なのかについては、概念として自然と入ってきました。

     yotさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     そもそもは、久しぶりに会った恩師が未だに新たな挑戦を続けている事に刺激を受けたのが始まりで、ふと自分も何かしらの資格にチャレンジしようと思ったのがきっかけです。

     そういう意味では、次回恩師に会うまでには合格しておかねば、と決めた事でしょうか(もしくは、合格するまでは会えないなと)。

     そんな状況ですので、第141回の難易度が高かったという情報は、142回の大原予想会まで知らず、「試験範囲が広くなる前の方が簡単に受かるのでは」と安易に考えていました。結果、不合格。

     その後は、4月中旬の情報処理資格者試験の受験を決めていたので、こちらに頭を切り替えるのですが、その資格試験についても自己採点がボーダーライン上で、なおかつ合格発表(6/17)の前に143回の簿記の試験日(6/12)が来てしまうので、情報処理も簿記も両方とも落ちてはシャレにならん、という気持ちがもう一つのモチベーションとなりました。

     いずれにしても結果発表まで待たされるのは、余り気分の良いものではありませんね。

    管理人コメント

     yotさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     yotさんには資格の大原の予想会について詳しく書いていただきましたが、誰でも無料で参加できて、独学だけでは得られない情報が聞けたりするので私もおすすめしています。

     たまに「参加したら強引に勧誘されたりするんじゃないの?」という質問をいただきますが、私の知る限りでは強引な勧誘は一切ありませんので、安心して参加していただければと思います。

     なお、資格の大原は、札幌から沖縄まで全国各地に校舎がありますので、お住まいの近くの校舎の予想会に参加することができます。興味のある方は以下のリンクから予想会の詳細をご確認ください。

     電卓に関しましては、最終的な金額が11桁以上になる問題は出題されないと思いますが、単価計算などの計算の途中で11桁以上になることはありますので、できれば12桁の電卓を使うことをおすすめします。

     簿記検定ナビでもおすすめの電卓を紹介していますので、興味のある方は以下のリンクからおすすめ電卓の詳細をご確認ください。

    yotさんが使われた教材や電卓のまとめ