カテゴリー: 簿記2級

  • 第143回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.138

    急がばまわれ。まずは基礎をしっかり固めることが大事です!

    • 投稿者:ゆりさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約4か月

    はじめに

     簿記1級を取りたいと思い立ち、前回の142回に3級と2級を受験してみましたが、2級のほうは忙しい時期と重なってしまい勉強ができず3級だけ合格しました。ただ、最初から2級は難しいのだろうと思っていたので、不合格のことは気にせずに、143回2級合格にむけて勉強を開始しました。

    使用したテキストと電卓

    • 日商簿記2級合格これ1冊 商業簿記(ネットスクール)
    • 日商簿記2級合格これ1冊 工業簿記(ネットスクール)
    • 簿記の教科書 日商2級 商業簿記(TAC)
    • 簿記の教科書 日商2級 工業簿記(TAC)
    • 簿記の問題集 日商2級 商業簿記(TAC)
    • 簿記の問題集 日商2級 工業簿記(TAC)
    • スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集(TAC)
    • 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集(TAC)
    • 日商簿記検定 模擬試験問題集2級(ネットスクール)
    • 第143回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC)
    • 無敵の簿記2級 第143回直前総まとめ(TAC)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級 第142回対応(ネットスクール)
    • SHARP EL-S752K(電卓)

     合格これ一冊シリーズ(ネットスクール)は、全体的に漫画をからめて上手に説明しるという印象です。私みたいな初心者が簿記のいろはを知るのにはかなり使えると思います。ただ、スペースの関係でいろいろと省いているところもあるみたいなのでメインの教科書としては足りないかなと思います。点数をつけるとしたら90点です。

     簿記の教科書シリーズ(TAC)は私のメイン教材です。TACのテキストはいろいろ種類があるようですが、説明が多すぎず、でも少なすぎずちょうどいい量に感じました。網羅性も悪くなく、オールマイティな1冊だと思います。100点満点です。

     スッキリとける日商簿記2級過去予想問題集(TAC)は、141回と142回の過去問を入手するためにちょうど良かったので購入しました。解説が分かりづらいところが1つありましたが、それ以外は特に不満はありません。過去問題と予想問題のセットなのでお得感があります。90点です。おすすめです。

     網羅型完全予想問題集(TAC)は一番解きごたえがありました。見たこともない論点の問題が出てきて手こずりましたが、ちゃんと復習して点数が取れるようになると難しかった分、大きな自信がつきました。100点満点です。かなりおすすめです。

     模擬試験問題集(ネットスクール)は、10回分の模擬テストと頻出問題の小問題集みたいなのが掲載されています。解説が足りないと感じた箇所がいくつかありました。70点です。あまりおすすめしません。

     143回をあてる直前予想・無敵の簿記第143回直前総まとめ(TAC)は、下書きの書き方や出題予想の解説動画などいろんな付録がついています。予想も結構当たっていたのでおすすめです。100点です。

     過去問題集142回対応(ネットスクール)は17回分の問題が載っていましたが、古い回の問題は簡単すぎてあまり意味がなかったです。解説は詳しいです。80点です。

     電卓は、SHARPのEL-S752Kを使っていました。値段も安かったし個人的には問題なかったと思いますが、積極的におすすめはしません。

    3月~4月の勉強スタイル

     まず、日商2級の勉強内容のイメージをつかむために、合格これ一冊(商業、工業)を2回ほど実践編の手前までを流し読みしました。その後、簿記の教科書を平日はchapterを2つずつ、土日は時間の許す限り教科書を読み込み基本問題を解きました。

     当初は、簿記の教科書を1回読んだあとすぐに簿記の問題集に取り掛かる予定でしたが、問題を見てもどう解いていいのか見当もつきませんでした。

     そのとき、以前に立ち読みした本に書いてあった「知識はあるのに合格点がとれない。それは違います。基本ができていれば多少のケアレスミスがあろうとも合格点は取れるようになります。」という言葉を思い出したので、まずは基本をしっかりと固めることに注力しました。

     何度もテキストを読み込んで、何度も基本問題を解いていたら、4月半ばには基本問題を間違えることはなくなりました。私の中で基本が固まったという手応えがあったので、次のステップ…合格これ一冊の「実戦編」を読み始めることにしました。

     合格これ1冊は、「20分ミニ授業編」「実戦編」「模擬試験/過去問題編」の3つに分けられていますが、この「実戦編」は各大問ごとの頻出論点がかなり詳しく解説されているので重宝しました。商業→工業の順に読み進めていき、3日ぐらいで大方理解できるようになりました。

     このタイミングで、再度、簿記の問題集に取り掛かりました。簿記の教科書を1回読んだだけでは全く解けなかったのに、時間をかけて基礎固めをした結果…問題を見ただけで解答が浮かぶようになっていました。

     もちろん、全ての問題を1回で解けたわけではありませんが、解けなかった問題も解説を読めばすぐに理解できました。

     5日ほどで簿記の問題集の1問~5問の対策をすべて終わらせ、その後、3日ぐらいかけて付録として付いている模擬試験(6回分)の各問題を、時間を計らずに1問ずつ解きましたが、どの回も8割~9割ぐらいは取れていました。

     予想以上の手応えにびっくりしましたが、ここで気を緩めてはいけないと思い、間違えたところを徹底的に復習しました。

    5月の勉強スタイル

     ゴールデンウィークを利用してようやく過去問に取り掛かりましたが、私が持っていた過去問題集は124回~140回までの17回分載っているものだったので、143回から出なくなる論点は飛ばして解いていきました。

     136回まではかなり簡単に感じましたが、137回・138回はやや手こずりました(この時点では、第139回以降は後に残しておきました)。

     次に、模擬試験問題集に取り掛かりました。この問題集は最近の試験問題に合わせて作られているようで、かなりひねった問題が多かったです(特に工業簿記)。

     いくつか解けない問題もありましたが、他の問題できちんと点数が取れていたので、合計点では8割~9割取れていました。なお、この本の解説はかなりあっさりしていますが、足りないと感じたことは特にありませんでした。

     この時点においても簿記の問題集の模擬試験と同じように時間を計らずに1問ずつ解きましたが、おおまかな目安として…問1は10分、問2は15分、問3は40分、問4・5は15分ずつぐらいで解いていました。

     この後、忙しくて2週間ぐらい簿記から離れてしまいましたが、どの問題でも8割~9割ぐらい取れるようになっているから大丈夫だろうとタカをくくっていました。しかし、勉強を再開して網羅型予想問題集を解き始めたところ…特に難しい問題でもないのに、いきなり8割を切ってしまいました。

     私は、この2週間の間に忘れてしまっている可能性が高いと判断し、1日かけてもう一度じっくりテキストの内容を確認する作業を行いました。今になって振り返ってみると、どれだけ忙しくても毎日なにかしらの問題に触れるべきだったと思います。

     テキストの内容を確認する作業を終えた後、今までにこなしてきた問題集の復習を挟んで網羅型予想問題集に取り掛かりましたが、この問題集はかなり広範囲の論点から問題が作られているようで、簿記の教科書にも載っていないような問題がいくつか出てきました。

     インターネットで調べたところ、これらの問題が出題される可能性は低いとのことだったので、理解できない部分は割りきって丸覚えして対応することにしました。

     網羅型予想問題集は今までにこなしてきた問題集よりも難しめに作られているそうで、結局、平均で76点ぐらいしか取れませんでしたが、問題や解説の出来はかなり良いと感じたので、時間をかけて復習に力を入れました。

     特に良いと思ったのは、解説のおまけとして載っている「この問題が貸借対照表ではなく損益計算書を作る問題だったら?」みたいなところです。1つの問題でいろんな解答を考えることにより、知識がより深まりました。

     ちょうどこの頃、TACの143回の予想をネットで見つけ、無敵の簿記という教材があることを知りました。

     なんとなく直感で「この本は役立ちそうだ」と思ったのですぐに購入しましたが、新出題区分誌上講義の「200%定率法」と「配当権利落ち株式」のところを読んだだけで、この本を買った甲斐があった!と思いました。こっそりおすすめします。

     この後、TACのあてる(予想問題集)を2日で終わらせ、残しておいた139回以降の過去問とスッキリ過去予想問題集の過去問題と予想問題3つを立て続けに解きましたが、いずれも合格点が取れたので安心できました。

     ところが、最後の最後で簿記ナビ模試(簿記検定ナビでダウンロードできる予想問題)で70点しか取れずに少し焦りました。

     少し疲れていたのか、普段しないようなケアレスミスを工業簿記で連発してしまいましたが、本試験じゃなくて良かったと頭を切り替えることにしました(翌日、落ち着いて解いたら98点でした)。

    試験日1日の流れ

     試験当日は、起床してすぐにTACの直前予想の第2予想を解きました。その後、テキストを流し読みし、少し早めの昼食をとって試験会場に向かいました。

     試験会場ではテキストをパラパラめくって確認しましたが、周りのみなさんはが必死に問題を解いている姿を見て、「私も問題集を持って来るべきだったかな…」と不安になりました。

     ただ、今さらそんなことを考えても意味が無いので、早めにトイレを済ませたり、緊張をほぐすためにストレッチをして時間を潰しました。

    試験開始!

     試験が始まると、まず最初に問題の確認を行いました。問2が大変そうだと感じたので、問1→問4→問5→問3→問2の順番で解くことにしました。問5まではかなりスムーズに行きましたが、自信を持っていた財務諸表の法人税の金額が合わなかったので焦りました

     何回見なおしても金額が合わなかったので、仕方なく問2に取り掛かりました。問2は一見すると難しそうですが、前半の半分ぐらいは予想問題等でよく見るような形の問題でしたので、ここを取りこぼさないように細心の注意を払って問題を解きました。他方、後半は慣れないかたちでかなり難しく感じました。

     とりあえず、分かるところだけを埋めようといろいろ試行錯誤していたら、時間切れになってしまいました。

    まとめ

     試験は87点で合格していましたが、反省点を挙げるとすれば…問1から問5までの5問を通しで解かずに1問ずつ解いていた点です。2時間かけて全5問を解くという練習をしなかったので、試験の最後のほうはかなり疲れてしまいました。まとまった時間が取れる方は、ぜひ5問を通しで解くことをおすすめします。

     あとは、細切れの時間を有効活用してテキストを何度も読み、問題集(簿記の問題集の模擬試験と網羅型予想問題集)を徹底的にやりこんだのが今回の勝因だと思います。特に、まとまった勉強時間を確保しづらい社会人の方は、細切れの時間の使い方が合格のカギになると思います。

    管理人コメント

     ゆりさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     最後の「まとめ」のところでゆりさんもおっしゃっていますが、過去問や予想問題はできるかぎり第1問~第5問まで通しで解くことをおすすめします。

     本試験では、各問題の難度に応じて解く順番や時間配分を臨機応変に変更する必要がありますが、ぶっつけ本番ではうまくいかないことが多いので、過去問や予想問題を使ってきちんと練習しておきましょう。

     また、一度簿記から離れてしまうと再スタートを切るのに多大な労力が必要になります。仕事や家事、育児等が忙しくて机に座って勉強する時間がないときでも、5分、10分程度の細切れ時間を有効活用して勉強を継続することをおすすめします。

    ゆりさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第143回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.137

    資格の大原の公開模試では「本試験独特の雰囲気」を体験できます!

    • 投稿者:だみんさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約4か月

    はじめに

     2015年より経理課勤務になったため、簿記2級の勉強を始めました。5年前に簿記3級には合格していましたが、ほぼ忘れていたため3級の勉強からのスタートでした。

    日商簿記2級の受験歴

    • 2016年2月:第142回不合格(69点 20-12-12- 9-16)
    • 2016年6月:第143回合格 (78点 20- 6-18-18-16)

     2015年12月から3ケ月間の勉強で第142回は不合格、間が空きましたが2016年5月から1ケ月間勉強して第143回に合格しました。なぜ一度は不合格になったのか、という反省も含めて書いていきたいと思います。

    勉強時間

    • 2016年2月(第142回)試験まで:220時間
    • 2016年6月(第143回)試験まで: 80時間

     合格までの所要時間が150~200時間と聞いていましたので、とにかく200時間やろうと決めて取り組みました。一度不合格になった後は、理解不足だった工業簿記の原理と新論点についてのみ勉強し、理解不足の部分は「間違いノート」にまとめました。

    間違いノート1
    間違いノート1

    間違いノート2
    間違いノート2

    使用した教材

    テキスト

    • スッキリわかるシリーズ スッキリわかる 日商簿記3級(100点
    • スッキリわかるシリーズ スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記(90点
    • スッキリわかるシリーズ スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記(80点

     購入前に他のテキストとも見比べてみましたが、スッキリシリーズはシンプルで分かりやすいことが最大の長所です。「難しそうで嫌になりそうだな」という方には特におすすめできます。

     ただ、2級の内容になると細かい部分が載っていなかったりしますので、問題集で補完することが必須です。その点で2級のテキストは減点しました。

     また、勉強方法はタイミング良く復習するよう心がけました。記憶を定着させるために、初めて勉強してから1日後→3日後→7日後→2週間後→1ヶ月後→3ヶ月後に復習しました。

    問題集

    • 合格するための過去問題集日商簿記2級
    • スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集
    • 無敵の簿記(第142回、第143回対策)
    • 第142回、第143回をあてるTAC直前予想
    • 簿記ナビ模試

     過去問と予想問題はテキストの周回を終えてから始めました。問題自体を覚えてしまうと意味がないため、初見+解き直しで2回しか解いていません。初めて解く時はどの問題も知らないことが出てきて、テキストで覚えた知識を補完する意味でも役立ちました。

    模試(資格の大原 公開模擬試験)

     第142回対策の大原公開模試を受けました。大原にした理由は模試の日程が本番の1週間前で、直前の力試しに丁度良いと考えたからです。

     場所は100人程の会場で本番さながらの雰囲気でした。普段一人で勉強しているのとは全く違った空気で、それを体験できたことが一番の収穫でした。

     問題は過去問に比べると難易度が高めに感じました。重要な部分は講師がその場で解説してくれて質問もできるため、あまり理解のできていない部分があった場合には効果的だと思います。

    資格の大原 公開模試
    資格の大原 公開模試

    電卓(SHARP EL-G37)

     以前使っていた安い電卓と比べて打ち間違いが圧倒的に少なくなりました。また、サイズがコンパクトなため勉強中に電卓位置の微調整がしやすく、手が小さめな方には特におススメです。

    なぜ一度不合格になったのか?

     一度目の受験に際し、過去問/予想問題を合わせて20回分ほど解きましたが、初見で70点を切ったのは2回だけでした。その状態から復習をして万全のつもりで受けましたが不合格…。

     原因を一言で言うと「工簿の理解不足に気が付かなかったこと」でした。工業簿記の学習を進めていくにつれ、いつのまにか原理を理解しないまま、与えられた数字をいじくって解答を出すことに終始してしまっていました。

     その結果、少し普段と異なる聞かれ方をしただけで仕訳を逆に書いてしまったり、関係ない数字で計算してしまったりと本番でかなりの失点をしてしまいました。良く見るアドバイスですが、「答えが合っているかどうかだけでなく、そこに至る筋道を理解できているか」が本当に重要だと実感しました。

    これから受験する方へアドバイス

     あまり見ないけれど役に立つかも、という点を書いておきたいと思います。

    1)整い過ぎた環境で勉強しない

     本番は机が狭かったり、近くの人が電卓を叩く音や咳払いなど、あまり環境が良くありません。「なんだか集中できなかった…」というようなことが起きないよう、あまり問題を広げ過ぎずに過去問を解いたり、多少は音のある環境で勉強することをおススメします。

    2)電卓の無駄を省く

     私は受験直前までA×B、A×C、A×Dというような計算をする際に毎回そのまま入力しており、A× → B= → C= → D= と省略して入力できるということを知りませんでした(私の使用していた電卓:SHARP EL-G37の場合です)。

     知っているだけで工業簿記での時間短縮になりますので、電卓に詳しくない方は操作を見直してみると良いかもしれません。

    試験日の一日の流れ

     前日までにやるだけのことはやったので、とにかくリラックスすることを考えました。

     朝起きてからは勉強せず、試験会場には1時間前に到着。教材は「間違いノート」だけを持っていき、試験開始までのんびり見直しました。

    試験開始!

     試験は普段通り1→2→4→5→3の順で解きました。もともと設問1,2,4,5を各15分、設問3を40分くらいで見積もっていたのですが、設問2の上半分だけで25分かかってしまいました。開始から既に40分が経過していましたので、「1,3,4,5で70点取る!」と覚悟を決めて設問2を捨てて先に進みました。

     結果15分見直しの時間が余り、1,3,4,5を見直し終わったところで終了時間が来ました。

     採点結果は設問1,3,4,5で計72点、設問2も6点拾えていましたので合計で78点でした。今振り返ってみると、時間のかかる設問2を諦めたことが自分の合否を分けたポイントだったと思います。

    管理人からだみんさんへ追加の質問

     だみんさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     商業簿記の仕訳全般は得意です。本番でも設問1で悩むことがないのは気が楽でした。

     苦手な論点は工業簿記全般です。前述した通り、どうしてそうなるのかという筋道を理解できていなかったため、1からテキストを読み直して勉強しました。

     どうしても使っているテキストの表現に慣れ てしまう部分があると思うため、苦手な論点は他のテキストで勉強してみるのも一つの方法ではないかと思います。

     だみんさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     簿記の勉強を生活の一部に組み込むようにしました。平日の場合は22時~24時に勉強、休日も可能な限り時間を割くようにして、「簿記の勉強をしていることが当たり前」になるように気持ちを慣らしていきました。

     また、私の場合はTVやラジオを付けながらだと、勉強=辛いことをしているという意識が和らいで長続きしました。

    管理人コメント

     だみんさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     だみんさんが利用された資格の大原の公開模試は、本試験の独特の雰囲気を試験前に体験できるのでおすすめです。札幌から沖縄まで全国各地に校舎があるので、最寄りの会場で受験することができます。

     興味のある方は、以下のリンクから公開模試の詳細をご確認ください。

     あとは、だみんさんが「これから受験する方へアドバイス」でもおっしゃっていますが、電卓の便利な機能については一通り使えるようにしておきましょう。

     なお、だみんさんが本体験記で紹介されている定数乗算は、シャープの電卓とカシオの電卓ではキーの入力順序・方法が異なります。カシオの電卓をお使いの方は「×」を2回押してください。

     例えば、「A×B、A×C、A×D」を計算する必要がある場合は、以下のような順番でキーを入力します。参考までにご確認ください。

    • SHARPの電卓の場合:A×B=C=D=
    • CASIOの電卓の場合:A××B=C=D=

    だみんさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第142回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.136

    資格の大原の無料模試&有料模試を有効活用しましょう!

    • 投稿者:りょうさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    はじめに

     私は、就職前の大学4年生の時に142回(2016年2月28日)の日商簿記2級を受験し、70点でギリギリ合格出来ました。

     就職活動が終わったことで時間的余裕があり、また就職する仕事で簿記の知識が必要になることがわかっていたので受験しました。

     なお大学が経済学部であり、講義で簿記3級の内容を勉強したことがあったので、あえて3級は受験せずいきなり2級を受験しました。私の体験がこれから受験される方に少しでも役に立てれば嬉しいです。

    142回の商業簿記の勉強の方針

     142回は「143回以降で削除される論点が出題される可能性が低い」という特殊な事情がありました。したがって私は、テキストや問題集に載っているけれども、143回以降で削除される論点は思い切って勉強しない方針で勉強を進めました。

     あくまでも、このような事情があったため私はテキストを隅から隅までやるのではなく、削除論点を除いて構成された予想問題集や削除論点以外の過去問を中心に勉強をしたことをまず皆さまにお伝えしたいと思います。

    テキスト・問題集

    • サクッとうかる日商2級 商業簿記 テキスト
    • サクッとうかる日商2級 工業簿記 テキスト

     レイアウトが良く、導入に丁度良いわかりやすさだと思います。問題集のほうも買ったのですが、テキストに載っている例題とほぼ同じ問題が多いと思い、ほぼ手を付けませんでした。

    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級

     解説はわりとあっさりめで、基礎が理解出来ていないとこの解説だけではわからないと思います。自分がまさにそうでした。

     特に第4問の費用別原価計算等の解説がほぼ図だけとかだったりしたので、わからなくなったらテキストに戻ったり、簿記検定ナビの過去問解説を見て過去問を理解するようにしていました。

     簿記検定ナビの過去問解説は本当に丁寧で分かりやすかったので、それに気付いてからは過去問の解説は簿記検定ナビを頼りにして、この本は問題だけを利用してました。

    • 第142回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級
    • 日商簿記2級第142回を完全予想 ラストスパート模試

     「あてる」は難問がやや多く含まれてるので、難しめだと思います。一方、「ラスパ」はほぼ全部がオーソドックスな難易度の良問でした。

    • 大原の無料模試&有料の公開模試

     かなり良問だと思います。

    • 使用した電卓:Canon HS-1220TUG

     文字盤が大きくて使いやすかったです。

    勉強の流れ

    テキストでの1ヶ月目の勉強

     まずは、テキストで基本の理解に努めました。テキストを読んで例題を解いての繰り返しです。時間はかかりましたが商業簿記は難なく終わりました。

     一方の工業簿記はテキストを読んでも全然わかりませんでした。それでも例題を解きつつなんとか理解したり、暗記でごまかしたりして一周を終えました。

     私は早く過去問をやった方がいいと思っていたので、工業簿記は理解の浅いままテキストを一周して終えたことにしていました。

    過去問での2ヶ月目の勉強

     テキストを終えてからは、すぐに過去問に手を出しました。第1問は最初は難しいと感じましたが、徐々に長い問題文にも慣れて解けるようになりました。

     第2問は今後も出る可能性がある過去問だけをやり込みました。数が少ないので難なく終わりました。ただ銀行勘定調整表等、ほぼ初めて見る問題ばかりで最初はわからないうえに過去問の解説はあっさりなので疑問は残るばかりでした。

     そこで簿記検定ナビをはじめ、ネットで質の良い解説や解説動画を見たところ、一気に理解が進み第二問の過去問を理解して解けるようになりました。

     第3問は、最近の問題が難しいですが、ここでも簿記検定ナビの解説を頼りに一つ一つの仕訳を覚えて繰り返し解いていました。

     第4問&第5問の工業簿記は浅い理解のまま過去問に手を出したのでほとんどわからず、つまづきました。理解が出来ていないので、解法と問題を結びつけることが出来ず一つ一つの問題が独立した問題のように思えました。

     そこで、工業簿記は一度過去問から離れてもう一度一からテキストをやることにして、次は問題を解くことを目的とするのではなく、問題をなるべく理解することを念頭に置き進めました。

     もちろん解法の公式は覚える必要がありますが、一度問題を理解することが重要であり、理解すると暗記がしやすくなると思います。

     しかし、私はもう一周した後でも十分な理解はできませんでした。それでも過去問に再度を挑戦して、次は過去問の問題を解きながらテキストで同じ問題を参照して、テキストの解法を過去問で使うようにしました。

     そのような勉強の仕方で問題を解きながら徐々に工業簿記の理解を深めていきました。総合原価計算・個別原価計算はこの段階で理解しながら解くことができるようになりました。

     なお、間違えた論点や覚えておきたい論点は、大きな付箋に書いて壁に貼っていつでも見れる状態にしておきました。

    壁に貼っていた付箋1
    壁に貼っていた付箋1

    壁に貼っていた付箋2
    壁に貼っていた付箋2

    過去問や予想問題、模試でのラスト1か月の勉強

     ラスト1か月に入ってからは、「あてる」と「ラスパ」という2つの予想問題集を解き始めました。

     第1問はほぼ過去問と予想問題集の問題だけを繰り返し解き、似たような問題が本試験で出た時に、必ずとれるよう漏れのないような勉強をしました。

     間違えた問題に印を付けて、間違えた問題を復習しやすいような工夫をしました。結果的には過去問と予想問題の問題を2~3周くらいしました。

     第2問はある程度どんな問題が出るかが予想されていたので、今回は思い切ってその予想に頼ることにし、出るであろう5つくらいの論点はしっかり解けるよう過去問と予想問題で演習していました。

     第3問は最近の難化傾向が一番激しいと思います(142回も激ムズでした)。なので、数年前の過去問とは傾向が違うおそれがあると思い、137回以降の過去問と予想問題を繰り返し解き、最近の難化傾向に慣れるような勉強をしました。

     第4問&第5問の工業簿記は難易度が一定ですので、予想問題に加えて、昔の過去問もしっかり解きました。多い問題では5回くらい繰り返し解きました。

     多くの問題を解いたり、模試を受けることでまた新たな気づきがあり、標準原価計算や費用別計算あたりを試験から2週間でやっとしっかり理解することが出来ました。

     この2つの分野は当初からずっとで暗記で乗り切っていましたが、色々なパターンの問題を解くことでやっと理解が出来たという感じでした。

    過去問への書き込み
    過去問への書き込み

    試験日の1日の流れ

    7:30 起床

     いつも通りに起きました。出発までは第3問の問題を何問か解きなおしました。

    11:30 出発

     電車の中では第3問の過去問の解説を見て復習していました。

    12:45 到着

     自分の席に付いてからは、過去問で何度も解きなおした工業簿記の問題を見て解法を頭の中で確認したり、解説を見返したりしていました。

    13:45 試験開始

     思ったよりアガッてしまって問題文を何度も読み返したりしながらも問題を解き始めました。最初は、工業簿記から解き始めようと計画していたのですが、第4問に苦手な標準原価計算が出ており、それは飛ばして簡単な第5問総合原価計算から始めました。

     その後まだ頭が落ち着かなったので、あまり考えずに解ける第1問にを解きました。

     続いて第2問を解きました。第3問はかなりボリュームが多そうだったので飛ばして、第4問を解きました。最後に第3問に挑戦しましたが、ほとんどわかりませんでした。。。

     それでもここで45分くらいかけてしまい、簡単に答案用紙の文字の見直しをして試験の終了をむかえました。

    試験を終えてから思ったこと

    わからない問題に時間をかけ過ぎない!

     私は第3問がわからないのに、45分も無駄に解き続けてしまい時間を使い方が非常に悪かったです。結局第3問は10点しかとれていませんでした。分からなかったらさっさと切り上げて、一度解いた他の問題の見直しにその時間を充てた方がよかったと思いました。

     第1問と第5問について、もう一度冷静に考えればきっと間違えなかったと思える問題が2問あり、これは点数にすると8点分でした。今回はギリギリ合格できましたが、私は合格発表までこの見直しをしなかったことで不合格になっていたとずっと思い、見直ししなかったことに後悔していました。

     なのでわからない問題でドツボにはまるのではなく、さらっと解いてしまった問題を見直すことはとても大事なことだと思います。

    本試験では見たことない問題が出るけど、それ以外の問題を解ければ受かる!

     私が142回の本試験でこの問題は過去問や予想問題集で見たことがないと思ったのは、第2問で1問、第3問では数問、第4問では一部あったと思います。しかし、第1問と第5問はいずれも過去問が理解できていれば解ける問題でした。

     なので、本試験には見たことない問題が出るけれども、その問題以外の過去問類似問題をケアレスミスすることなく解答することが大事なのだと思いました。

    管理人からりょうさんへ追加の質問

     大原の無料模試&有料の公開模試についてもう少し詳しく教えてください。
     今回の試験で最大限の準備をして受かりたいという気持ちがありましたので、大原の無料と有料の模試を受けました。なぜ、大原にしたかという理由は、特にありませんでしたが、結果的に満足度が高かったのでおすすめです。

     問題はいずれも本番の予想問題だったので、質はかなり高かったです。最近の難化傾向に即した問題が多かったです。

     もちろん、二回の模試の中で本試験で的中した論点もありました。問題の難易度はひっかけが多少あり、難しめでした。

     また、解説は基本的には配られた冊子を自分で参照する方法でしたが、1時間位で特に大事なポイントはその場で解説してくれました。

     無料模試より有料模試の方が講師からのその場での解説が多かったです。また無料模試は自分で採点する方式でしたが、有料模試は大原が採点してくれて当日に返却してくれる形式でした。

     その場での解説でかなり理解が深まったので、大原の講師の方には感謝しています。また、本試験の予想等の有益な情報も得られました。私が受験した会場は200人ほどが入る大きな会場であり、雰囲気は本番さながらでしたので、良い予行練習となりました。

     りょうさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
     モチベーションに関してですが、とにかく今回の試験で一発合格しなければ次はないと思うことで自分を奮い立たせ頑張りました。

     何度もモチベーションが下がり、携帯をいじったりして勉強をストップしたことがありましたが、失った時間は取り戻せないので、次は時間を無駄にしないと何度も誓って自分を律するよう努力して勉強するようにしていました。

     しかしモチベーションは下がるものですので、適度に息抜きをすることも大事だと思います。息抜きをして集中力が回復させ、また勉強を再開させることが大事だと思います。

    管理人コメント

     りょうさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。資格の大原の無料模試&有料模試について詳しく書いていただきましたので、受講を検討されている方にとってはかなり参考になると思います。

     また、試験を終えてから思ったことに書いていただいた2点は、本当にそのとおりだと思います。日商簿記2級は最近、難化傾向にありますが、過去問類似問題をきちんと取れれば必ず合格できる試験です。

     過去問類似問題はケアレスミスに気をつけて満点を取りに行き、新形式の問題はドツボにはまらないように気をつけながら部分点を着実に積み上げていく、という作戦で試験に臨んでください。

    りょうさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第142回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.135

    工業簿記をきちんとマスターすることが合格のカギになります!

    • 投稿者:のびたさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

    資格を取ろうと思ったきっかけ

     現在、離職中ですが再就職に向けて、10年前に挫折した簿記を再度挑戦してみようと思い、前回の141回の簿記3級から勉強に取り組み始めました。

     10年前にチャレンジしたときは仕訳の意味が全く理解できず、仕事が忙しかったこともあってあっさり挫折してしまいましたが、改めて取り組み始めてみると、約10年間、資材の事務職を通じて会社の仕組みをある程度理解できていたこともあり、思っていた以上に貸借対照表や損益計算書の仕組みが頭にすんなり入ったこともあって、勉強を続けることができました。

     前回の第141回で3級に合格したものの、実務経験がほとんどない場合は2級以上持っていないと就職にあまり役立たないことや、簿記検定ナビ等で2級も独学でどうにか勉強できそうなことを知り、チャレンジしようと思い勉強を始めました。

    使用テキスト

    • サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト(ネットスクール)
    • サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング(ネットスクール)
    • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト(ネットスクール)
    • サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング(ネットスクール)
    • 日商簿記過去問題集2級(ネットスクール)

     上記のテキストを使用したのは、過去問題集以外は職業訓練を受けていた友人より譲り受けることができたためです。過去問題集は3級を受けた時もこちらのものを使用しており、とても使いやすかったため同じシリーズの2級を購入しました。

     前回「Study Pro」という簿記3級勉強サイトを大いに活用したので、2級でも動画サイト等いつくか試してみたのですが…あまり優れたサイトに出会えず結局テキストにて勉強することとなりました。

    テキスト

     商業・工業どちらも分かりやすい部分がたくさんあったものの、意味の理解できない部分も数か所あり、本質的な意味を理解できない部分については、簿記検定ナビの「簿記2級質問掲示板」を利用させていただき、先輩方の丁寧な解答に助けられました。また、読んでるだけでは覚えられないので、すべて手書きでまとめながらテキストを読み進めました。

    トレーニング

     商業簿記…ほぼ使用しませんでした。主に活用したのは簿記検定ナビの「仕訳問題対策」と、ネットスクールの過去問題集のみです。

     工業簿記…テキストの章ごとに対応した問題があるので、そちらを都度解きました。また「本試験レベルにチャレンジ!編 第4問対策・第5問対策」はひととおり工業簿記を勉強してから解くと、自分の理解度を全体的に測定でき、どこが理解できていないかをわかりやすく把握できました。こちらは大変役に立ちました。

    過去問題集

     制度改正にきちんと対応しており、過去問でも今回の試験にはほとんど出ないと思われる内容がわかりやすくマークされていました。私は時間も余裕もなかったこともあり、今回の試験にはほとんど出ないと思われる内容については全く触れませんでした。

     過去3回分以外は横解き(第1問なら各回の第1問のみ集中的に解くなど問題別に解く)で、問題に慣れることに主眼を置いてトレーニングしました。試験の2週間前くらいから第○○○回を時間を計測して解きました。

    勉強の仕方

     簿記3級を受けた時は、仕訳を理解できたらそれほど難しくなかったので週5時間くらいのペースで3か月かけて勉強しましたが、その感覚でのんびり構えて年明けから勉強始めたら、商業簿記の難しさと工業簿記もというボリュームの多さに驚き、とても前のような悠長なことでは無理だと思い、アルバイトを週1・2回に減らし、それ以外をほぼ勉強にあてて集中的に取り組みました。

    1日のスケジュール

    • 午前:2時間
    • 午後:2~3時間

    2か月間のスケジュール

    • スタート~約3週目:商業簿記のテキスト、仕訳問題をこなしました。
    • 4週目~5週目:工業簿記のテキスト、過去問横解きをしながら工業簿記の理解を深めました。
    • 6週目~7週目:過去問の間違えたところの再チャレンジ。時間を計測しながら解きました。
    • 試験直前1週間:本試験のように2時間で過去問を解いたり、予想問題を解いたりしました。

    ノートについて

     テキスト使用時は理解を深めるため、まとめノートをつけてました。問題集を解くようになってからは自分の理解できていないところを改めて書き出し、「理解できてない編」という感じで一目でわかるようにまとめてました。

    理解できてない編 商業簿記
    理解できてない編 商業簿記

    理解できてない編 工業簿記
    理解できてない編 工業簿記

    材料に関するメモ
    材料に関するメモ

    差異分析に関するメモ
    差異分析に関するメモ

    過去問の解き方

     どの仕訳が間違っていたのかがわかるようにするため、第3問によくある精算表や財務諸表は必ず仕訳を書き残しておきました。

     また、財務諸表は資料1によくある精算表に追記していかなくてはいけないので、精算表に載ってない勘定科目は仕訳とは別の部分に書き出してまとめておき、最終的に集計するときに見落としのないようにしました。

     工業簿記については、まずは一通り全部解いてみて、間違えた回は再度チャレンジしました。内容的にかぶる回もあるので、できなかったところがあっても2回解けば覚えられると思います。

    商業簿記について

     3級に比べ内容が深く、かつ複雑になっているので工業簿記より難しいと思います。ネット上のいろいろなアドバイスを見ても、レベルの上がってる商業簿記のほうが難しいとありました。

     そのため、そもそもテキストで内容を理解することに時間がかかりました。仕訳が基本であることには変わりないのですが、年度を超える処理など当期と次期処理で混乱することもあったので、精算表・財務諸表も過去問でそこそこ慣れておくことが大切だと思います。ひたすら数をこなし、慣れることが大事です。

    工業簿記について

     内容的には商業簿記より優しいですが、やはり初めから勉強するとなると3級の商業簿記並みのボリュームがあるので勉強する時間はそこそこ確保する必要があると思います。

     また、材料から製品になるまでの仕訳の全体像をつかむのに苦労しました。テキストは個別で書かれているため、自分がいまどの部分のことをやっているのかを把握することが必要だと思います。

     全体像を把握するのに役立ったのが「山梨簿記学院 お役立ちPDF」です。また試験ではいかに工業簿記の点数を落とさないかに半分はかかっていると思うので、勉強をスタートする場合は工業簿記から始めるといいかもしれません。

    お役立ちPDF
    お役立ちPDF

    総括

     3級から勉強を始めると商業簿記ならなんとかなるかと勘違いしやすいですが、上位級だけあって理解するのに苦労しました。なので、合格のポイントは工業簿記をいかに点数を落とさずに解けるかだと思います。

     そういった意味では、まずレベル的に優しい工業簿記をマスターしてから商業簿記にじっくり取り組むことが大事かと思います。問題を解くことを体になじませることが大事だと思うので、テキストをひととおり勉強したらひたすら過去問を解いて慣れることが必要です。

    試験日の1日の流れ

    前日

     理解できてない編のノートを見直し、そこに関する実際の問題を軽く解いてみました。また苦手だった損益計算書の問題を解答の解説を見ながら書き出しておさらいしました。

    当日

     前日と同じく理解できてない編のメモを見直すだけで、特に問題を解いたりはしませんでした。普段と同じ感覚でいるよう、詰め込みすぎないようにしました。

     試験会場に30分前に到着。3級の時と同じ中学校の教室だったので前ほどは緊張はしませんでしたが、少しでも緊張を抑えるために、試験直前まで携帯で関係ないサイトを見たりしていました。

     試験が始まると、まずは第1問仕訳問題から、次に第4問、第5問と解いていき、第2問と第3問を比べ、第2問の方が解きやすかったので第3問は最後に残しました。

     第2問以外は、どれも1つくらい悩んでわからない部分があり少々焦りました。第3問を解く時間は1時間強あったものの、悩みに悩み結局時間をほとんど費やしましたが、わからない部分が4割近く残ってしまいました。

    本試験第3問の下書き
    本試験第3問の下書き

    自己採点の結果

    • 第1問:16点(◯◯×◯◯)
    • 第2問:20点
    • 第3問:8点~14点
    • 第4問:13点(◯×◯・予算◯ 能率◯ 操業×)
    • 第5問:16点(第1工程月末仕掛品の原料費×)
    • 合計:73点~79点

    管理人からのびたさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    ・サクッとうかる日商2級商業簿記&工業簿記 テキスト編(80点

     ところどころ処理の意味が理解できない点がありました。例えば、繰越利益剰余金の利益準備金の求め方などはテキストを読むだけでは理解できず、実際の問題を解いてようやく理解できました。

    ・サクッとうかる日商2級工業簿記 トレーニング編(100点

     「本試験レベルにチャレンジ!編」はテキストでは理解でき切れていない細かい部分を明確に浮き彫りにしてくれました。それだけでも使う価値はありました。商業編は使用してないのでわかりません。

    ・日商簿記過去問題集2級(100点

     試験対策はこちらでほぼできました。解説も丁寧ですし、「講師の下書き」というメモの取り方の見本が載ってたり、出題傾向と対策についても細かく分析してあり、過去10年以上の傾向をなんとなくつかめました。秀逸だったのは平成28年度の試験範囲から外れる過去の問題をしっかりチェックしてあったところです。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「SHARP ELSIMATE EL-N862」を使用しています。画面が大きいこと、音が静かなこと、大きさ、キーの反応がいいことなどが決め手でした。

     しかし、00表示が「000」であること、「C/CE」「訂正→」などの配置はいまいち使いづらいので、おすすめはできません。

     簿記検定ナビでもおすすめされている「CANON HS-1220TUG」の方がボタンの配置がいいので、そちらの方がいいと思います。

     得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は「有価証券」と「有形固定資産」です。正確には、得意というよりもそんなに悩まずすんなり理解できたと言ったほうが正しいかもしれません。

     一方、苦手な論点は「消費税の税込・税抜き」の考え方、「不渡手形」、「本支店会計」、工業簿記全般です。とにかく過去問を解いて、いろんな角度からの問題を解くことによって論点の理解を深めました。

     テキストの説明だけでは見方が単純だったり、限られた側面だけしかわからなかったりするので、問題の質問内容から論点の全体像を少しずつ掴んでいったと思います。

     勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     来年度から試験範囲が大きく改定されるので、今回受からないと今までのテキストが使えないのでどうしても受かりたいとは思ってました。

     しかし、問題を解いてるとよくわからなかったり、何度テキストを読んでも理解できなかったりすることもあったりして、そういう時はやる気は落ちていました。

     ただ、問題を解いてるとスイスイと解ける瞬間とかもあるので、そういう時はやる気が出るという、上がったり下がったりを繰り返していました。

     気分が乗ってるときはとことん勉強し、気が乗らないときは少しの間勉強から離れる時間的余裕(勉強と家事以外ほぼ何もしていませんでした)が、短期間で合格できた大きな要因だと思います。

    管理人コメント

     のびたさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     工業簿記は「今どの部分を勉強しているのか」を常に意識して勉強することが大事なので、のびたさんのように全体図をいつでも見れるように準備しておくと良いと思います。

     あと、どうしてもモチベーションが上がらない場合は、のびたさんのように思い切って1度離れてみることをおすすめします。中途半端にだらだらと惰性で勉強を続けるよりも、1日ぐらい簿記のことをさっぱり忘れて気分転換しましょう。

    のびたさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第142回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.134

    日商が公表している「出題の意図・講評」を読んでモチベーションアップ!

    • 投稿者:みさきさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約6か月半

    はじめに

     私は大学2年生です。高校生の頃に3級を取ったのですが、より専門的な知識が欲しかったので、2級の勉強をはじめました。

    日商簿記の受験歴

    • 2015年11月:141回2級不合格(64点くらいでした)
    • 2015年2月:142回2級合格(92点でした)

     勉強を開始したのが夏休み中で、比較的時間もあったことから勉強時間の確保はできていたものの、残念な結果に終わりました。そこからもう一度基礎から洗いなおして2月に合格できました。

     不合格だったときの勉強法も参考になると思うので、合わせて紹介したいと思います。

    受験開始時の知識

     3年前に3級を取っているので、大体の仕組みは分かるし、とりあえず2級から勉強しよう!と2級のテキストから取り組みました。一応過去問に入っても問題なく合格点が取れていたので、3級のテキストに戻ることはなく進めていきました。

     しかし、141回の本番で見事にやられました。第2問の帳簿記入が3級の範囲で全く解けませんでした(8点しか取れなかった…)。

     受験後、3級の見直しで、決算の流れや商品売買の仕訳もあやふやなところを見つけました。思い返すと、3級は1・3・5問で点が取れれば合格だから他の部分は軽く触れる程度でした(確か直前予想で次に来るのは精算表だから貸借対照表とかはほぼ手付かずだったような…)

     私のように3級を取得して時間の空いている方や未習範囲のある方は、最初に確認しておくことをオススメします!

    出題の意図・講評

     日本商工会議所が出している講評です。公式HPからダウンロードできます。私のやる気が出たのはコレのおかげです。

     141回試験が不合格だったときに読み、もう受けたくないと思うほど厳しく的確に書かれていてショックでした。それなりに自分でしっかりと勉強してきたつもりだったので落ち込みました。

     ただ、書かれていることは本当のことだし、解答・解説では説明されていないどのようなところで間違えやすいのかということがギュっと入っています。

     合格率が低かったから…と甘やかしていたら同じことの繰り返しだ!と意識を変えることができました。これからどのように勉強していけばいいのかと悩んだら、読んで見ることをオススメします。

    勉強時間

     勉強中はStudyplus(スタプラ)というアプリを使っていました。勉強時間や量を記録し共有できるアプリです。私は主に勉強時間を管理する機能だけを使用していました。科目や教材ごとに記録できるので、全体の勉強量や偏りが一目で分かります。

    2015年の141回試験まで:約240h

    • 8月:36h
    • 9月:70h
    • 10月:100h
    • 11月:35h

    2015~6年の142回試験まで:約90h

    • 11月:11h
    • 12月:19h
    • 1月:23h
    • 2月:34h

     合計は約330hでした。250hあれば合格する試験だと聞いていたので、勉強法や効率も考えなければならないのだと反省しました。ある程度2級の基礎は固まっていたので、2度目の挑戦はあまり時間をかけずできない部分を中心に取り組めた気がします。

    テキスト

     以下のLECの教材は姉から譲り受けました。

    20日で合格るぞ! 日商簿記2級 光速マスターテキスト 商業簿記・工業簿記(80点

     「八百屋の源さん」というキャラクターが登場し、それぞれの仕訳を分かりやすくイラストで表現されています。A5サイズで持ち運びしやすいです。LECの本科で使われているテキストですが、独学でも理解できるくらい一つの問題に詳しい解説が付いています。

     余白にイラストが書かれているので、そこに書き込みができないのが難点(書き込むときは上から紙を貼っていました)。また、工業簿記で、BOX図が2つに分かれていたり(個数と金額)、直接原価計算の説明が分かりづらかったりしました。

    20日で合格るぞ!日商簿記 2級光速マスター問題集 商業簿記・工業簿記(80点

     基本10題と応用40題で構成されていて、良問ぞろいだと思います。少なく感じるかもしれませんが、要点はぎゅっとまとまっている気がします。ただ最近は商業簿記が特に難しくなっているので、この問題集の応用問題も基礎的な位置づけになると思います。

     一部、解説が難しく書かれていたり、難しい解き方のような気がする部分があったりしたので、全て読むことはしませんでした。ちなみに、解説にもイラストが書かれています。

     LECは、大原やTACと比べ安価で講座が取れるので、なるべく費用を抑えて受講したい方にはぴったりだと思います(私は独学でした。姉が通信を取っていて、オススメだと言っていました!)

     ただ、独学の場合は最終的に過去問や予想問題などを市販の教材で対策しなくてはならないので、同じ出版社で教材を統一した方がいいと思うところもあります(TACの場合、過去問や予想問題でテキストなどの参照ページがまとめられているなど)

    よくわかる簿記シリーズ ’15年11月検定対策 合格するための過去問題集 日商簿記2級(95点

     過去問といえばこのシリーズ!というくらい売れていたので買いました。少し解説が足りないと感じる部分もありましたが、最後まで使い倒した教材です。

     どうしても分からない部分は簿記ナビさんの過去問分析ページを参照しました。驚くほど丁寧に解説されていて、すぐに理解できました!

    第142回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級(90点

     過去問演習だけでは足りないと思ったので、すぐ予約して購入しました。難易度が過去問より難しく、本番でもこの教材があったから解けた問題がたくさんありました。

    勉強方法

    商業簿記

     テキストをざっと読み、テキストの問題を解き、仕訳を完璧に覚えるようにします。分からない部分も一応進み、覚えてから理解する方法でも構いません。

     なるべく書いて解くようにして、慣れてきたら略したり、頭に浮かべて解くようにしていました(そのくらいパッとできるようにしました。)

    工業簿記

     最初は流れが分かりづらかったので、とにかくテキストを進めました。工業簿記はこの流れが重要だと思います。勘定連絡図がかけるようになれば理解しやすいはずです。その後、ひとつひとつの単元を詳しく見ていきました。

    問題集の解き方・復習の仕方

     商業・工業ともに、インプット2割・アウトプット8割を目安にしました。やはりテキストだけ読んでいても問題が解けるようにはならないと思います。問題を解いていくうえで、できない部分をテキストで確認するという方法をオススメします。

     最初は全く解けなくても、問題集を2、3周するうちに解けるはずです。さらに回数を重ねると、何度も間違える問題や、ちょっとしたミスをしてしまう問題など苦手な部分が出てくると思います。

     その場合は、その問題をなぜ間違えてしまったのか、どうして理解できないのか、また正解するためにはどうすべきなのかということをノートなどにまとめると良いと思います。ちょっとしたミスでも本番では間違いとされてしまいますから、漢字のミスや桁数の間違えなど軽いミスでも厳しく書いておきます。

     そしてその間違えた箇所だけをもう一度やり直し、さらに間違えたら原因を探り後日解きなおしていきました。週末、1週間後、1ヵ月後…と解けないものは何度もやりました。

     あと、間違えた問題は2回以上正解するまでやりました。逆に1回で正解した問題は1度くらいしかやり直しませんでした。

     私ははじめ間違えた部分を問題集の解答・解説にそのまま1問ごとチェックしていたのですが、全体を見渡せないことに気づき、この方法にしました。

     これをすることにより、自分の本当の苦手分野が客観的に見えるようになります。小さなミスもこの方法で少なくなってきました。

     ただ、最初のうちからこの方法を取ると、間違える量が多くてノート作りで時間が終わってしまうので、ある程度力が付いてきてからが良いと思います(私は問題集1冊でルーズリーフ片面だけでした)

    間違いリスト
    間違いリスト

    間違いノート1
    間違いノート1

    間違いノート2
    間違いノート2

    間違いノート3
    間違いノート3

    過去問・予想問題・直前模試

     やり方は問題集を解くときと大体同じです。

     ただ、本番を意識した方法で私はやっていました。1回分時間を計って解き、答え合わせをし、間違えたところだけやり直しました。過去問の最近の分と予想問題は正解したものも含め、3回以上は解きました。

     大切なのは得点を気にしないことです。私は最初得点を出し、全て合格点に達していたので、安心しきっていました。でも見返してみると、基礎的な部分で間違えていたり、理解していないところが意外とあったりしました。

     最近は初見で解くのが難しい問題が出ます。その問題で点数がある程度取られてしまうので、基本的な部分で落とすとギリギリになってしまいます。

     なので、テキストに載っているものは全て完璧に解けるようにしておく必要があります。以前の過去問で70点以上取れていても、本番では合格点に達しないことがあるので、注意してください。

    試験日の1日の流れ

    9時 起床

     間違いノートを眺め、荷物のチェックなどをしました。

    11時半

     昼食。家で軽く食べていきました。

    12時50分

     会場に到着。11時半から入場可能だったのですが、141回試験のときその時間に行ったら誰もいなくて、会場にずっといるのも疲れたので、今回は30分前に到着するようにしました。

     トイレに行き、筆記用具や受験票を置いて、間違いノートを眺めていました。欠席者が多く、私は5列目でしたが、前が誰もいませんでした。あとは、学生が私だけで、周りが皆社会人の方でした。

    試験場に何の教材(ノートなど)を持っていくか?

     私は自分の間違えた部分のノート(ルーズリーフ)だけ持って行きました。テキストなど1冊丸ごと持っていくのもいいですが、事前に何を持っていって、どう過ごすのかを考えておく方が良いと思います。

    13時半

     注意事項の説明開始。問題用紙、答案用紙、計算用紙A41枚配布。答案用紙に受験番号、名前、生年月日を記入。解答欄が見えて、解く順をある程度決めました。株主資本計算書で()付きだったので、少し安心しました。

     試験官は2名いました。試験官の一人が試験中、空いている机を移動させて、後ろで座って問題?を見ていました(紙の音がしたので多分…)

    13時40分 試験開始!

     全ての問題をパラパラと見て、5→4→1→2→3の順で解くことにしました。

    第5問

     総合原価計算は得意だったので、スラスラ解けました。

    第4問

     差異分析の分類はテキストや問題で何度もやっていたので大丈夫でした。

    第1問

     前回の教訓を踏まえ、捨て問覚悟で行ったら素直な問題が多くて驚きました。

    ~ここで約30分経過~

    第2問

     2で少し戸惑ったけれど、解答欄がヒントになって全て埋められました。仕訳もほとんどしませんでした。

    第3問

     ここまでで合格点は取れている自信があったので、気持ちが楽になりました。とりあえず全て仕訳していって、解答欄にうつしました。
    分からないところはそのままにしておきました。

    ~ここで1時間経過~

     残り1時間で見直しをしました。

    第3問(見直し)

     もう一度仕訳しなおして、少しでも部分点を稼ごうとしました。やっていくうちに()があまって、「ここは何入れるんだろう?」と見直すと、9の未収還付法人税等があって、よく分からなかったので放置していたのですが、多分借方で入るのはこれだろうということで記入しました(適当に書いちゃいました)

     どんな意味のある仕訳なのかもよく分からず書きましたが、正解だったのでよかったです。後の分からない仕訳はそのままにしました。合計欄も埋めませんでした。

     他は書き写しの漏れや間違いがないか、金額・利率の間違いはないかなど、チェックをしました。

    15時40分 試験終了

     すぐに解答速報を見て、答え合わせをしました。

    反省点

     141回のときを振り返ると、第1問・第2問で間違いを連発して不合格でした。解き方として変わりはなかったものの、第2問は動揺して最後まで解き終わりませんでした。

     その反省を生かして、142回ではなるべく時間を余らせて見直しできるように、早く正確に解く練習をしていました。また、基礎固めをしっかりやっておいたのも、冷静に問題と向き合うことができた秘訣だと思います。

    最後に

     再度の挑戦で合格できましたが、試験直前まで不安で仕方がありませんでした。合格できたのも141回の教訓を生かせたからだと思います。

     独学は不安になることも多かったですが、教材はそろっているし、通学しても最終的に自分で勉強しなくてはならないので、大きな差はないと思います。

     今合格点に届いていなくても、その差を一つひとつ埋めれば絶対合格できます。少しでも私の勉強法が参考になれば幸いです。

    管理人から さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「シャープ 実務電卓 EL-N942X」を使用しています。ディスプレイが大きくて見やすく、キーは軽いタッチで少し反った作りになっているのでしっかり押せて、とても使いやすかったです。そしてサイレント機能が付いていたので、周囲の人を気にせず使用できました。

     本当は「カシオ JS-20DT-N」を買おうと思っていたのですが、値段が高くて…。でもシャープは比較的安価で機能も劣っていないし、Amazonレビューも高かったので決め手となりました。多分これから先も電卓はこれを使っていくと思います。

     得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     商業簿記は得意な論点はありません。基礎の仕訳の習得は早かったように思えますが、過去問だとミスを連発してしまっていたので、最後までどの分野も満遍なく取り組んでいました。

     苦手な論点は全部と言いたいところですが、直前まで難しいと感じていたのは第3問に必ず出てくる「期末商品の評価」です。未処理事項が出てきたり、与えられた数字が通常と異なると分からなくなっていました。

     対策としては基礎を踏まえた上で、過去問や予想問題レベルの応用問題を解き、BOX図のどこに当てはめて計算すれば良いのかということを意識して勉強していました。

     工業簿記は大体得意でしたが、唯一苦手だったのは直接原価計算です。全部原価計算との問題は多分いきなりP/L作成から入っていたから分からなくなったのだと思います。

     勘定連絡図を書けるようになってからはイメージしやすくなったので、やはり全体の流れが重要なのだと思いました。

     CVP分析では問われ方が変わるとできなくなったので、「もしこの部分を求めるとしたら、どんな計算をすればいいか?」と自分で問題を考えて解いていたこともありました。

     勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     143回から範囲が変更になるので、それまでに合格しなければ!と思っていたのが一番やる気に繋がったと思います。141回がダメだったときも142回を受けることを決めていたので、簿記を勉強すること自体は嫌ではありませんでした。

     ただ、やはり不合格だったときはこれからどうやって勉強すればいいのかと悩みました。そんなとき、商工会議所の講評を読んで、ある程度指標を立てたのですが、勉強方法をガラっと変えることにしました。

     やった分だけ力がつくというより、できない部分をできるようにする方が大事だと気づきました。

     正解した問題や理解している部分はある程度時間を置いても忘れないもので、再び間違えることも少なかったことから、やる量が大幅に減り以前より勉強時間を削ることができました。以前と同じように勉強していたら途中でやる気が途切れていたかもしれません。

     ちょっとした時間で確認できるように工夫したり、勉強した過程より結果が大事!と思うようになったりしたのが、勉強を継続できた理由なのかと思います。

    管理人コメント

     みさきさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     まず、勉強時間のところで「250hあれば合格する試験だと聞いていた」と書いていただきましたが、最近の問題の難度を考えますと、一般的には400hぐらいの勉強時間が必要だと思います。

     社会人の方が400hの勉強時間を確保するのは大変だと思いますが、通勤や昼休み等の細切れの時間を有効活用して、少しでも多く勉強時間を確保できるように努めてください。

     あと、みさきさんは「出題の意図・講評」を読んで、意識を変えることができた(モチベーションを上げることができた)とおっしゃっていますが、この点はぜひ見習ってください。

     内容的にはかなり手厳しいことが書かれることが多いですが、作問者がどのように考えて出題したのか、またどのような間違いが多かったのか…などを知ることができます。

     よって、過去問対策で各試験回の問題を解いたあと、復習のさいに該当回の「出題の意図・講評」に目を通すことをおすすめします。

    みさきさんが使われた教材や電卓のまとめ