カテゴリー: 簿記2級

  • 第142回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.133

    簿記の要は仕訳!仕訳力アップが合格のカギになります!

    • 投稿者:仕訳大好きさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約6か月

    はじめに

     高校1年生の時に簿記3級の学習をしておりましたが、その後、2級の学習には進みませんでした。

     しかし、去年の7月に資格について調べていたら、簿記2級以上を取らないとスキルとして評価されるのは難しいと知りました。また、2016年6月の試験から簿記2級の試験範囲が大幅に変更され、試験範囲も広くなることを知りました。

     そこで、2016年2月の試験までに合格することを目標にし、2級の勉強を始めました。

    テキストについて

     7月から勉強を始め、11月の試験に向けては「日商簿記2級 網羅型完全予想問題集 2015年度」「第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級」を中心に、自宅で勉強しました。

     また、会社での休み時間を利用して、簿記検定ナビの「仕訳問題対策」「簿記ナビ模試」を用いて勉強するとともに、細かい知識の確認は「サクっとうかるシリーズ(ネットスクール)」を使いました。

     しかし、準備不足で第2問が2点しか取れなかったのもあって、11月に行われた第141回の試験では合格点の70点には届きませんでした。

     そこで、2月の試験に向けては、第2問の問題でなるべく部分点を取ることを目標にし、予想問題をよりたくさん解こうと思いました。

     そのため「第142回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級」「日商簿記2級 第142回を完全予想ラストスパート模試」の2種類を購入し、元々持っていた「第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級」とともに勉強しました。

     また、簿記検定ナビの「仕訳問題対策のうち、試験で出される論点(2016年6月以降も出題される論点)」「第141回・第142回の簿記ナビ模試」を用いて勉強していました。

     TACの予想問題集は、解説が分かり易く非常にためになりました。ネットスクールの予想問題集は、問題の質自体は良かったのですが、解説の質がTACよりやや劣る気がしました。

     あと、私は最初、基礎固めにネットスクールの「サクっとうかるシリーズ」を用いていたのですが、これが本番の問題を解くうえでは簡単すぎると感じました。また、出題傾向の分析が古すぎて、第2問の対策には役に立ちませんでした。

     よって、個人的にはネットスクールの「サクっとうかるシリーズ」はお勧めできません。買った後に調べて知ったのですが、テキスト・問題集に関しては、TACやパブロフ流のほうが人気があるようなのでそちらをお勧めします。

     「日商簿記2級 網羅型完全予想問題集 2015年度版」は、実践問題を解く力を付けるうえで役に立ちました。特に、工業簿記で安定して高得点が取れるようになったのは、この本のおかげだと思います。

     ただ、今回は試験範囲の改定前で出ない論点があったことと、第2問の対策を重点的にやりたかったのもあって、142回の試験においては12月(2か月前)までしか使用しませんでした。

    勉強スタイル

     私は、仕事の関係で平日はあまり勉強時間が取れなかったので、簿記検定ナビの「仕訳問題対策のうち、試験で出される論点(2016年6月以降も出題される論点)」を中心に、隙間時間をうまく利用して勉強しました。仕訳問題対策は比較的短時間でやり易い内容だったので、非常に役立ちました。

     逆に、休日は比較的まとまった時間が取れたので、「第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級」「第142回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級」「日商簿記2級 第142回を完全予想ラストスパート模試」の三種類の予想問題集を用いて勉強しました。

     勉強の仕方としては、間違えたところを答えを見ながら書いて確認するだけでなく、自分の弱点を把握するために間違えた部分を簡単に記録していました。精算表の一番下の合計欄といったごく一部分を除き、ほとんどの問題で満点を取れるように何度も繰り返し学習しました。

     ちなみに、勉強時間は「平日:1時間」「休日:3~4時間」ぐらいでした。

    簿記検定ナビについて

     簿記検定ナビでは、貴重な情報をたくさん得ることができました。テキストが安く買えたのもありがたかったですが、それ以上に「仕訳問題対策」や「簿記ナビ模試」の存在が大きかったです。

     仕事のある平日、職場にかさばる問題集を持ち込むのは大変ですし、職場の机の上のスペースも限られます。また、なかなかまとまった時間も取れません。そんな中、休み時間に気軽に行いやすい上記のコンテンツは本当に役に立ちました。

     また、過去問分析の内容は、第2問で新傾向の問題が出やすい事に気づかさせてくれると同時に、予想問題集を買うきっかけになりました。これらの事を考えると、今回独学で合格できたのは、簿記検定ナビのおかげと言っても過言ではありません。本当にありがとうございました。

    試験日の1日の流れ

    9時 起床(8時間睡眠)

     受験時刻と持ち物を確認し、予想問題集の問題・解答を見たり、テキストに付いていた仕訳カードを使って時間をつぶしました。

    11時

     昼食を軽めに取りました。その後も、上記の勉強を行いました。

    12時30分

     花粉症の症状が出ないように薬を飲んだあと、家を出ました。

    13時10分

     受験会場である商工会議所に到着しました。その後、お手洗いを済ませてから試験に臨みました。

     答案用紙に名前を書くさいに、問題の傾向を確認しました。どの問題も普通に解けそうだったので、1→2→3→4→5の順番で解こうと決めました。

     10分程度で第1問を解いてから、第2問に進みました。第2問は途中、日本語の表現で理解が難しいところがありましたが、なんとか読み取って20分程度で解きました。

     第3問は、すべての仕訳を行ってから答案用紙に書いていきましたが、法人税のところが分からなくて完答が難しそうだったので、そこは思い切って捨てて第4問に進みました。時間としては30分程度で解きました。

     第4問は、能率差異の固定費部分をどう処理するか自信が無かったのですが、取り合えず全部埋めて次に進みました。時間としては15分程度で解きました。第5問は、計算ミスに注意しながら15分程度で解きました。

     その後、見直しをしていたところ、第1問の備品と本支店会計でミスを見つけたので訂正しました。さらに、第3問の現金の仕訳も間違えていたので直しました。

    試験結果(点数)

    • 第1問:16点
    • 第2問:20点
    • 第3問:12点
    • 第4問:17点
    • 第5問:20点
    • 合計:85点

    管理人から仕訳大好きさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    ・第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(100点
    ・第142回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(100点
    ・日商簿記2級 第142回を完全予想ラストスパート模試(90点

     TACの直前予想は問題と解説の質が高く、難易度や出題論点も最近の傾向を踏まえているので文句なしです。ネットスクールの直前予想は、解説の質がTACのものより低かったものの、問題の質、難易度や出題論点には文句が無いのでこの点数です。

    ・日商簿記2級 網羅型完全予想問題集 2015年度(85点
    ・ネットスクールのサクっとうかるシリーズ 商業簿記(50点
    ・ネットスクールのサクっとうかるシリーズ 工業簿記(70点

     網羅型完全予想問題集は、問題の量と難易度には申し分はないですが、解説の質があまり高くないため、ある程度の知識が無いと理解できなかったり詰まったりする可能性があります。ただ、この本をやりこんで理解できれば、合格に繋がるテキストだと思います。

     ネットスクールのサクっとうかるシリーズ 商業簿記は、テキストの説明や問題の解説自体はそこそこ分かり易いです。ただ、最近の商業簿記の試験の傾向や難易度に追いついていない点が問題だと思います。個人的には、このテキストとトレーニン グでは、最近の第2問や難しかった時の第1問・第3問に対応しきれないと感じたので、2月の試験に向けてはほとんど使いませんでした。

     ネットスクールのサクっとうかるシリーズ 工業簿記は、テキストの説明や問題の解説自体はそこそこ分かり易いです。また、商業簿記程、試験の傾向に対応しきれていないわけではありません。ただ、難易度が本番の試験程ではなく、本番の試験のひねった出題形式に対応しきれるかは疑問なのでこの点数にしました。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     電卓は、CASIOの「DW-20VT」です。昔、簿記3級の勉強のさいに買った古いものですが、問題なく動作したのと使いやすかったのもあって、本番でも使用しました。
     得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     商業簿記では、株主資本等変動計算書や減価償却が得意論点で、財務諸表や精算表(第3問)が苦手論点でした。財務諸表や精算表(第3問)を克服するために、仕訳力を鍛えました。

     具体的には、第100回から第141回までの第1問の仕訳を6周しました。繰り返し行ったことで、第3問の仕訳もすんなりできるようになり、財務諸表や精算表(第3問)も安定して取れるようになりました。

     工業簿記では、工程別総合原価計算が得意論点で、標準原価計算が苦手論点でした。標準原価計算を克服するために、問題集の解説を全て書き写すようにしました。実際に解説を全て書き写すことで、標準原価計算を解くための図の書き方を覚えることがでいました。

     また、標準原価計算の材料費と労務費において、商業簿記の期末商品における棚卸減耗損や商品評価損の概念を関連付けたことは、材料費と労務費の配布差異を理解するうえで役に立ちました。

     勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     モチベーションの維持方法は、第1に受かった時の喜びを想像することです。その喜びを得るために勉強を頑張りました。

     第2に、簿記を勉強することの意義を見出すことです。例えば、私は工場で働いているのですが、工業簿記を学んだことで、工場におけるお金の流れを理解すことが出来ました。

     あと、ニュースで会計に関する話題が出たときや企業のIR情報などを見たさいに、簿記を学んだことで理解できる範囲が広がったことは、簿記2級を学んで良かったことだと思っています。

    管理人コメント

     仕訳大好きさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     仕訳大好きさんは仕訳力アップのために、簿記検定ナビの仕訳問題対策を6周されたとのことですが、仕訳力のアップは第1問対策だけでなく、第2問・第3問対策にもなりますので、受験生の方はぜひ見習ってください。

     仕上がりの目安としては…問題を見ただけで解答仕訳がパッとイメージできるようになるまで何度も繰り返してください。同じ論点の問題をピックアップして「まとめ解き」するのもおすすめです。

    仕訳大好きさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第142回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.132

    アウトプットの「量」を確保するために、進捗状況を可視化しました!

    • 投稿者:愛美さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約1年5か月

    はじめに

     会社で経理課に所属している私の業務は、伝票入力・銀行支払処理・締日更新・元帳整理…と毎月やることは決まっているので、簿記の知識がなくてもなんとかなってしまうのが現状です。

     ただ、お世話になった上司があと一年で定年退職で、「どうしてこういう作業になるのか、という知識の裏打ちがないとこれから応用が利かなくなる」と心配してくれたため、簿記の勉強を始めることにしました。

     今考えてみると、出納帳の書き方すら知らなかった私に一から教えてくれた人を、なんとか安心させたいという気持ちが一番強かった気がします。3級を2014年の6月に合格後、衛生管理者の勉強のために間を開け、2014年の11月頃から2級の勉強を開始しました。

    テキストについて

    日本一やさしく日商簿記2級を勉強しました(とりい書房)

     3級は「日本一やさしく日商簿記3級を解説しました」という教科書を使っていたので、引き続き2級もそれを使用しましたが、工業簿記の仕掛品のあたりでイマイチ理解が進まず、一度挫折。2月の試験は見送りました。

    スッキリわかる日商簿記 商業簿記&工業簿記(TAC出版)

     本屋へ行って読んだ印象と、簿記検定ナビの合格体験記から、スッキリわかるシリーズを買って再度勉強を始めました。また、合格TVという無料の動画配信サイトで講義を見ながら、実際の解き方を勉強しました。

     スッキリはその名の通りとてもわかりやすかったですが、実際に自分で解いてみると理解が難しい場所がありました。特に、先入先出法の計算は、合格TVのやり方のほうが私は楽だと思います。

    みんなが欲しかった問題演習の本、合格するための過去問題集、TAC直前予想(TAC出版)

     1回目の受験前は、スッキリわかるを一度やってからすぐに過去問へ移りましたが、はっきり言って全然わかりませんでした。解説を読んですら、理解できない状況でした。そこで、2回目の受験では、間に「みんなが欲しかった」を挟んだところ、うまく知識の橋渡しになってくれました。

    勉強方法

     1回目の受験勉強は「教科書を読む→問題を解く→その単元の動画を見る→過去問題集をやる」という流れで勉強していました。

     2回目の受験勉強は「テキストの問題を解く→解けなかった部分の教科書を読む→合格TVで解き方チェック→みんなが欲しかった問題演習の本で復習→直前予想の模試を解く→模試でできなかったところを復習→できなかった問題と同じ論点の過去問題集を解く」という流れで勉強しました。

     142回は試験内容改定の影響が大きい回だったので、それへの対応についても考えることになりました。まず、次回から消失する範囲は、出ないと思って対応する教科書、問題部分は大きくバツをを付け、最低限目を通すだけにしました。

     過去問より直前予想を先に解いたのも、この改定に一番対応しているのが直前予想の方だと思ったからです。そこで直前予想の問題を先に解き、その後、予想論点と同じ過去問を解くようにしました。

     1回目の受験に落ちてから勉強方法についても見直し、アウトプットの少なさを解決するために、解いた結果を視覚化するようにしました。

     具体的には、まず問題を解き、その結果を表に書き込みます。1回で自信を持ってできたものは書かず、なんとなくわかっているところ・できないところのページと問題番号をノートの縦軸に書き出します。

     また、横軸を解いた回数にした表を作り、解いた日にちと、できたらマル&できなかったらバツを付けました。できなかった問題は翌日解きます。この時点でできたとしても、前の答えを覚えているかもしれないので、時間をおいて再度解き、合計3回解くことにしました。

     3回もやるのは時間がかかりすぎると思うかもしれませんが、理解しないまま進んでも過去問レベルには歯が立ちません。逆に、ここで理解しておけば、過去問や模試で間違っても、解説を読めば納得できるレベルになります。3回やってもできないところは間違いノートとしてまとめ、見直すようにしました。

     テキストだけで理解が難しい部分は、合格TVの無料動画がオススメです。目の前でテキストが説明していた手順が再生されていくのを見て、理解できることも多いと思います。

     みんなが欲しかった問題演習の本は、1回目の受験で過去問に移る前に何かもう少しレベルを落とした問題で、理解を深めておけば良かったと思ったので買ったものですが、テキストの問題でできなかったところを3回解いた後のせいか、ほとんど復習のような気持ちで解くことができ、自信につながりました。

     直前予想の模試は、ちょうど1ヶ月前の仕事が休みの日に解き始めました。まず、午前中が2時間本番のように模試を解き、午後から解説と復習をしました。2時間ずっと頭を回転させるのは、慣れていないとすごく辛いので、学生さん以外はなるべく何回もやって慣れたほうがいいと思います。

     模試4回分を解いた後は、TACの直前予想と簿記検定ナビの出題予想で、重複している予想論点を先に復習しました。TACの直前予想にも簿記検定ナビにも「やっておいたほうがいい過去問題集の論点」が載っているので、それも重複しているところを先にやりました。

     まとめノートの他に、直前予想の模試問題は予想論点の詰め合わせなのでコピーを取っておき、空白部分にその問題で間違ったところの考え方と、その論点で重要なところ・よく間違えるところを書いておいて、試験前の見直しタイム用にしました。

    予想問題の使い方1
    予想問題の使い方1
    予想問題の使い方2
    予想問題の使い方2

     モチベーションの上げ方としては、間違った問題を繰り返しやる時に、1回解いたら10円、2回目は30円、3回目は50円、間違いノートを作ったら100円と決めておき、実際にやったらその金額でケーキを買う、美味しいコーヒーを飲む、というように自分へのご褒美を作っていました。

     また、私はよくネットサーフィンをしてしまい、勉強になかなかやる気が出なかったり続かなかったりしたのですが、いつネットをしてしまうのか、と分析したところ、難しい問題で考えるのが飽きた時や、眠いのに無理やり勉強していた時だとわかりました。

     つまり、難しい問題が解けずイライラする気持ちや、やりたくないのにやっている気持ちをネットをすることで楽にしたかったと気づきました。

     それに気づいてからは、気分転換の方法を短い章でできた自己啓発本を読むことに変えてやる気を高めたり、すっぱり勉強をやめて眠り、早く起きて勉強するように変えたりすることで解決することができました。

     けっして計画通りではなかったし、テキストも多めな私の勉強でしたが、以下の5点が合格のカギになったのではないかと思います。

    • 最新の情報に合わせて勉強すること
    • 基本は一つのテキストでも、どうしてもわからなくて挫折するくらいなら、本屋の立ち読みでいいので他の解説を読んでみること
    • 解けない問題は、繰り返し何度もやること
    • やったことは一目でわかるように表にすること
    • モチベーションが上がらない時は無理にやる気を出すのではなく、状況を分析して状況に合わせた解決策をとること

    試験日の1日の流れ

    • 5時半 起床

     朝方の勉強に変えていたので、この時間に起きました。寝直すのも体のリズムが崩れそうなので、起きて予想論点で間違いやすいところをもう一度解き直しました。

    • 10時半頃

     休憩を兼ねて30分ほど仮眠をとりました。

    • 12時

     試験だと知った家族がゲン担ぎにトンカツを作ってくれたので、それを食べ、眠気覚ましのコーヒーを飲みました。あとで思ったのですが、やっぱりトンカツにコーヒーは良くなかったです。ちょっと胃もたれしました…。

    • 13時 会場到着

     3級からずっと試験会場としてお世話になっている商業高校なので、迷うこともなく安心して到着しました。まとめノートといろいろ書き込んだ模試の問題用紙で最後の見直しをして、トイレに行きました。

    • 13時半 試験開始

     解いた順番は、1→2→4→5→4→3。

    1問目 仕訳 12点

     どれも見慣れた形式なので簡単だったと思いきや、営業外受取手形の営業外を見落とし、本店を支店名で書いてしまったので、満点にはなりませんでした。

    2問目 株主資本等変動計算書 ?点

     配当額の10分の1という文章を読んでいたのに理解しきれず、期首残高で計算してしまったので…ここの配点は読めませんが、半分いけばいい方だなと思います。やっぱり緊張と焦りがありましたがとにかく全部埋めて、検算でのチェックはしておきました。

    4問目 標準原価計算 20点

     いつもの解答パターンで直接材料費差異から求めてしまい、全然答えが出ずにかなり焦りました。

    5問目 工程別総合原価計算 20点

     いったん5問目へ移動し、普通の工程別計算に落ち着きを取り戻し、もう一度問題文を読み直して気づきました。

    3問目 財務諸表 ?点

     埋められるところが少なすぎて、とにかく最後までかかりきりでした。ここを捨てて第1・2問の見直しに回した方が良かったと思ったものの、試験会場では第3問を解くことしか頭にありませんでした。

     多分、貸倒引当金・減価償却累計額が配点部分だろうと思ったので、その部分を時間をかけて解き、あとはとにかく埋められる数字は全て埋めておく、という方針でやったと思います。

     小問をひとつ解くたびに検算を入れて見直したので、ラストは第3問をずっと解いて試験終了を迎えました。

     答え合わせをした時点で確定点数は52点。第2・3問で残り18点…はかなり不安でしたが、合格していて逆にびっくりでした。とにかく時間いっぱい考えて、わからなくても時間をおいてもう一度読むと分かることもあるので、諦めず試験に取り組んでみてください。

    管理人から愛美さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    ・日本一やさしく日商簿記2級を勉強しました(70点

     私は途中で挫折してしまいましたが、音声ダウンロードもあり、コストパフォーマンスはいいと思います。自分に合っていると思った方には良いのではないでしょうか。

    ・スッキリわかる日商簿記 商業簿記&工業簿記(95点

     読む分量とわかりやすさは、皆さんがおすすめしている通りでした。私も自信を持っておすすめします。マイナス5点分は、やはり解法の手順が文章と図表だけだとわかりにくかったところがあるからです。

    ・みんなが欲しかった問題演習の本(90点

     テキストから過去問への橋渡しをしてくれた教材。電卓の使い方などのテクニックも載っており非常に助かりました。10点分は試験範囲の変更で、不要な部分ができてしまったからです。

     標準原価計算の解法手順は、これで何度も練習しました。過去問がよくわからなかったらこちらで解法手順のおさらいをするのがおすすめです。

    合格するための過去問題集(90点

     過去の論点復習に非常に役立ちました。ただ、テキストからすぐに取り掛かるには少し難しい気がします。それでも試験のレベルと傾向は一通り確認できますし、対策としては非常に有効だと思います。

    ・TAC直前予想(95点

     時間がない方は過去問より先にこちらで的を絞ってやることをおすすめします。仕訳のカードは持ち歩きにも便利でしたし、予想は概ね的中でした。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     CASIOの「DF-120VG」です。それほど電卓が得意ではなかったので、ちょっと大きめのものにしました。固めの弾力なので、入力飛ばしをした時に気付きやすいです。初心者の方には良いのではないでしょうか。

     ただ、私は試験会場が高校で、大学の講義室のよう繋がった机ではなく、一人ひとつの机でこの電卓を使ったので、ちょっとスペースが狭かったように感じました。

     愛美さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意論点は工程別原価計算です。苦手なのは個別原価計算と第3問です。

     個別原価計算は解法が単純な割りに、丁寧に解かないと計算ミスをするので敢えてゆっくりやり、検算で確認することを徹底しました。

     第3問は難度にばらつきがありますが、満点は難しく、最後まですっきりしない論点で、繰り返すこと自体が嫌で苦手でした。ただ、間違えても繰り返すことで「捨てて良い部分」と「絶対間違えてはいけない部分」が判別できるようになります。

     また、少しひねったり、言葉を変えることはありますが、第3問で問われる部分も他の大問と同じくある程度パターン化されています。

     ある程度解けるまでは、第3問を全て繰り返すのではなく、貸倒引当金・売上原価の算定など、それぞれ仕訳一問ずつの小さな単位でまとめ解きすると、しんどさを感じずに繰り返せると思います。

    管理人コメント

     愛美さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

     勉強の進捗状況を可視化したり、モチベーションを維持するためにいろいろと工夫された部分などはかなり参考になると思います。また、予想問題の使い方もユニークなので、受験生の方はぜひ参考にしてください。

     なお、受験会場(特に商業高校など)によっては割り当てられる机のスペースが狭い可能性がありますので、直前期には「解答時に使えるスペース」も意識して問題を解くことをおすすめします。

    愛美さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第141回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.131

    市販書籍は選び方だけでなく、買うタイミングにも気をつけてください!

    • 投稿者:よこさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約1年半

    はじめに

     簿記を勉強しようと思ったきっかけは、以前から興味があったこと、会社で資格手当が出ることでした。

     第135回で3級を取得したあと、しばらくだらけていたのですが、簿記面白いなーと思っていたのと転職活動の役に立てばと思い、2級の学習を始めました。第140回試験では、工業簿記が全くできず不合格。第141回試験で合格しました。

    テキスト・問題集

    テキスト(75点)

    • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集(翔泳社)
    • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集(翔泳社)

     3級もパブロフのテキストを使っていたので、2級もこちらにしました。読みやすいしパブロフもかわいいのですが、説明が足りないところがあるかなと思います。

     商業簿記では、仕訳の解説に重点を置いているため財務諸表や元帳などの部分は、駆け足な感じでした。工業簿記は、シュラッター図など、図の形と公式をとにかく覚えるような解説でした。

     どうしても覚えられなくてネットで調べたら、形と図の原理がわかれば、一部の公式は覚えなくても図から割り出せることがわかって、やっと理解できました。

     なお、私が勉強を始めた時は問題集がなかったのですが、今は同シリーズの問題集もあります。併せて使うのであれば、おすすめできると思います。著者の方のブログに質問できるのもありがたいです。

    問題集(80点)

    • 簿記の問題集 日商2級 商業簿記 第2版(TAC)
    • 簿記の問題集 日商2級 工業簿記 第2版(TAC)
    • サクッとうかる日商2級 工業簿記 トレーニング(ネットスクール)

     私が勉強を始めたころは、パブロフは問題集がなかったので、簿記の問題集を購入しました。少し難易度が高めですが、良いトレーニングになりました。

     しかし、工業簿記については簿記の問題集では歯が立たなかったため、サクトレを追加購入しましたが基礎固めには良いと思います。解説もわかりやすいので、工業簿記が苦手な方はまずこちらで問題に慣れると良いと思います。

     サクトレを一周回してから簿記の問題集を解いたら、ちんぷんかんぷんだったのがわりとあっさり解けるようになりました。

    過去問題集等(90点)

    • 本試験型 日商簿記2級 予想問題+過去問3回分 第137.138.139回試験対応(成美堂)
    • ’15年11月検定対策 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC)

     成美堂の予想問題集は、本のサイズが持ち歩けるサイズで非常に便利です。問題と回答用紙が外せるのもとてもよかったです。

     解説は、すこし硬めで理解に時間がかかりましたが、どの計算で求めた数字を答案のどこに書くのか が記載されているので、「この数字どこから出てきた!?」とならなくて済みます。

     TACの最新版の過去問題集は、140回試験の不合格を受けて買い直しました。試験範囲改定についてわかりやすく書かれていました。各問題の解き方のテクニックが最初に記載されているのもよかったです。おすすめです。

    その他

    • 簿記検定ナビの無料予想模試
    • パブロフ流のサイトのダウンロード問題
    • パブロフの仕訳アプリ
    • 大原の直前答練(資料通信)&無料公開模試

     過去問題などを何回もやっていると、どうしてもなんとなく答えを覚えてしまって、意味がないなと思うようになりました。

     色々な種類の問題に触れたかったので、簿記ナビ模試やパブロフのダウンロードできる問題はありがたいです。問題と答案用紙を印刷すれば、解説はスマホで見られるのも便利です。

     パブロフの仕訳アプリは有料ですが、隙間時間の活用に便利です。毎日使ってました。おすすめです。ちなみに、工業簿記もアプリがあるのですが、工業簿記は図を書かないと解けないのでアプリには不向きだと思いました。

     さらに、初見の問題をたくさん解くために、大原の直前答練を受講しました。若干費用がかさみましたが、受講して本当によかったです。全6回の直前答練の中で新たに覚えた知識が、本試験で役に立ちました。

     無料模試は試験会場の雰囲気に慣れることもできますし、講師の方に質問ができるので、独学の方はぜひ受けてほしいです。

    テキスト&問題集
    テキスト&問題集
    過去問題集&大原の直前答練
    過去問題集&大原の直前答練

    勉強方法

    インプット

     テキストを読みながら、自分でまとめノートを作成。ミスノートではなく、まとめノートです。私は、自分の言葉で書いてまとめないと頭に入らないので、テキストの最初のページから、せっせとノートを作りました。

     以降、問題を解く中で不明なことや間違いやすい点を、まとめノートの該当箇所に書き足していくようにしていました。ノートは、無印良品のA5サイズ(持ち歩けるよう小さめのもの)を使用していました。

    まとめノート(商業簿記)
    まとめノート(商業簿記)
    まとめノート(工業簿記)
    まとめノート(工業簿記)

     なお、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表類はテキストをコピーしてノートに貼り、ポイントや注意点を書き足していくようにしていました。

    損益計算書と貸借対照表のひな形
    損益計算書と貸借対照表のひな形

    アウトプット

     最初は、解説を見ながら解きました。テキストに載っていなかった論点は、まとめノートに追記していきました。また、過去問題や予想問題に取り組むときは、時間を計ってやりました。

     最終的に、問題集は3冊を3周しました。過去問題集も、最終的には2冊を2周と3分の2、直前答練は3周回しました。

    勉強時間

     平日は、昼休みに問題を1~2問解きました。帰りの電車の中で、仕訳アプリやまとめノートの見直しをしました。休日は3~4時間/日程度で、過去問題または予想模試を1回、その他苦手論点の問題の復習をしました。

    一度目の不合格を経て

     140回試験の結果を受けて、このあとどう勉強しようか悩みました。明らかに工業簿記ができていなかったので、まずは工業簿記をやり直すことにしました。問題集を一から解き直し、過去問題などの工業簿記の問題だけを解き直すことを繰り返しました。

     その間に商業簿記を忘れるといけないので、仕訳アプリやまとめノートで必ず商業簿記に触れる時間を作りました。また、最新の過去問題集の購入と直前答練の資料が届いた際に、時間を計って問題を解く練習に切り替えました。

     試験一週間前から、再度怒涛のように工業簿記だけを解き直していたところ、3日前くらいに突然、固定費調整をマスターすることができました。今まで、「ぜんちょくまっしゅ」の使いどころがわかっていなかったのが、急にすんなり腑に落ちたのです。

     さらに、大原の直前答練で、損益分岐点の別の求め方(固定費÷貢献利益率)を習得しました。結果的にこの求め方で141回の第5問が解けました。

    試験日の1日の流れ

    • 7:30 起床

     いつもの休日と同じくらいの起床時間です。朝食は、トーストとコーンフレークとヨーグルト、青汁の牛乳割。いつもの休日のメニューです。

    • 10:30頃まで

     苦手な工業簿記の最終解き直しをしてから、出かける支度をしました。

    • 11:00過ぎ頃

     昼食。たぶん、炒飯とかだったと思います。いつもの休日のメニューです。

    • 12:00過ぎ

     出発。試験会場が近いので、なるべく自宅でのんびりしてから出発しました。

    • 12:45頃

     到着。まずは自分の席を確認。まとめノートの見直しを始める。周りは、テキストの見直しや、問題を解いている人が多かったですが、試験直前に問題を解くのはあまり意味ないかなと思います。

     試験開始15分前にお手洗いを済ませて着席。頭の中で、諸々の公式をひたすら念じつつ、開始を待ちました。

    • 13:30

     問題/答案用紙の配布開始。

    • 13:45頃

     試験開始。いつも第1問から順に解くので、その方法でいきました。第2問まで解いたところで冷や汗をかきまくりでした。

     第3問が精算表だったので、このままでは簡単な仕訳でもミスしてしまうと思ったのと、精算表の細かい文字を書く気力がなかったので、第3問は飛ばして工業簿記に取り掛かりました。

     結果的にはこの選択は正解だったと思います。工業簿記が解きやすくすんなりできたため、落ち着いて第3問に取り組むことができました。

    • 15:45頃

     試験終了。見直しと、自己採点用に答えを控えていたら、いつのまにか終わってました。

    • 帰り道

     本試験が終わったら、絶対飲むんだ!と決めていた、コンビニで買えるスタバのドリンクを購入して、お行儀が悪いですが飲みながら帰りました。

    管理人からよこさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。また、点数をつけるとしたら何点ですか?その電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     シャープのEL-MN320です。電気屋さんで展示品を幾つか試し打ちして、打ちやすかったのでこれにしました。機能もシンプルで、使いやすいと思います。
     よこさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     会社で資格手当が出るので、お給料アップだー!!と思いながらやってました。
     簿記そのものがとても面白くて、モチベーションが下がったのは、ボロボロだった140回試験の直後だけでした。141回試験に向けた対策を練らないといけないので、一晩寝たら忘れました。
     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     過去問題は、テキストや問題集をやりこんでから、受ける試験の回に対応した最新版を買うこと。

     成美堂の問題集を購入したタイミングが早すぎて、136回までの問題しか含まれていませんでした。あとでTACの過去問集を買ったら、137~139回の問題に、私が140回で解けなかった問い方の問題がいくつかありました。

    管理人コメント

     よこさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     よこさんには簿記検定ナビ主催の簿記オフ会に何度かご参加いただいてまして面識があるので、今回の合格は自分のことのように嬉しいです。

     さて、よこさんの合格体験記の中で一番参考にしていただきたいのは、「一度目の不合格を経て」のところに書いていただいたように、苦手の工業簿記にしっかり向き合って勉強した点です。

     人間はどうしても辛いことからは目を背けてしまいがちですが、受験勉強においては得意分野をさらに伸ばすよりも、苦手分野を克服したほうが点数が伸びます。よって、(特に直前期においては)苦手分野の克服に出来るだけ多くの時間を割くように心がけてください。

     なお、どうしても理解できない論点は、ひとまず「そういうもんなんだ」と割りきって処理等を暗記してしまいましょう。勉強を進めていくと、よこさんのようにある日突然、点在していた知識が線で結ばれて、一気に理解が深まることが多々あります。

     あとは、勉強時間に余裕がある場合は、簿記検定ナビで無料配布している簿記ナビ模試や、TACや大原の直前答練・公開模試を受講するのもおすすめです。

     簿記の問題は作問者によって切り口が大きく異なりますし、問題の解説も十人十色で思わぬ発見があったりするので、自分に合いそうなものをいろいろ探してみてください。

    よこさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第141回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.130

    ただ問題を解くのではなく、苦手部分を分析しながら進めていくのが大切です!

    • 投稿者:さっちさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月

    はじめに

     私は現在26歳社会人です。仕事で経理関係の業務もなく、簿記を勉強したこともありませんでした。転職に活用できればということと、経理関係は勉強していて損はないと思い受験を決めました。

     私の性格上、モチベーションの上り下りが激しく、全く勉強が手につかない時もあり、正直スムーズに勉強はできませんでした。しかし今までやってきた勉強の中で一番楽しい分野だったことは間違いありません。

    • 2015年02月:139回3級合格
    • 2015年11月:141回2級合格

     これから勉強&受験される方の少しでも役に立てればうれしいです。

    教材 ※利用した順に

    Livoo!(リブー!) ★★★☆☆

     無料オンライン学習サイトの「日商簿記3級コース・2級コース」にて学習しました。無料会員登録をすれば無料で動画の講義を見ることができます。とても分かりやすく、導入としては助かりましたが一日中PCの動画を見るというのは辛いものがあり、途中でやめてしまいました。

    サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト ★★★☆☆

     雑誌感覚で書かれているので、読みやすいです。3級の復習も少し入ってるのでお勧めです。

    パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 日商/工業簿記 テキスト&問題集 ★★★★☆

     最初に四コマで簡単なストーリーがあり、その後解説、最後に練習問題、と、とても分かりやすいです。他のテキストに比べて情報が少ないという指摘も見ますが、初心者にはとっつきやすくお勧めです。

    パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 日商/工業簿記 総仕上げ問題集 ★★★★★

     この問題集はかなりお勧めです。分野ごとに分かれていて、解答解説もすぐ読めます。過去問30回分を分析して作られたものなので、過去問題集の代わりにもなります。

    TAC 合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’15年11月検定対策 ★★★★☆

     このシリーズは、解答用紙をダウンロードできるので何度でも解けるところが魅力です。解説もわかりやすいと思います。

    その他

     「簿記検定ナビ」や「パブロフ簿記」のサイトも参考にしました。

    勉強の流れ

     おおよその流れはこんな感じです。

     テキストを読む→練習問題を解く→問題集&過去問を解く→ミスノートに間違った問題をメモする→苦手な分野を分析する→苦手分野中心に問題を解く

    商業簿記

     改定の関係で出題可能性の低い「特殊仕訳帳」「特殊商品売買」「社債」等は、改定の発表があってからはほとんど勉強しませんでした。それより、「精算表」や「財務諸表」が気になっていたのでそれらを中心に勉強しました。

     勉強するうえで特に気を付けた点は以下の2点です。

    • 間違えやすい仕訳や論点はノートにまとめていつでもすぐ見れるようにしておく。
    • 似たような問題を何度も解いて実力をつける。
    ミスした仕訳や問題などを書き溜めたノート
    ミスした仕訳や問題などを書き溜めたノート

    工業簿記

     工業簿記は、最初はなかなか理解できす苦手でしたので、まずは、工業簿記の概要をA4紙にまとめて、一目で分かるようにしました。

    工業簿記の概要をまとめたもの
    工業簿記の概要をまとめたもの

     その後「パブロフ流テキスト」を読んで解いてを繰り返し、全体を理解してきたら、「パブロフ流 総仕上げ」と「TAC 過去問題集」を解いて問題に慣れました。

     勉強するうえで特に気を付けた点は以下の2点です。

    • 間違えた問題をノートにまとめて、いつでもすぐ見られるようにする。
    • 今解いてる問題が、工業簿記の全体の流れの中でどの部分の計算なのか確認する。
    工業簿記の過去問のミスした分野をまとめたノート
    工業簿記の過去問のミスした分野をまとめたノート

     また、パブロフ簿記のサイトで「過去問の工業簿記の問題だけ切り取って、問題集をつくる」方法が紹介されていたので、躊躇しましたが思い切ってハサミをいれ、分野ごとに分けてホチキスでとめました。

    工業簿記の過去問を分野ごとににホッチキスで留めたもの
    工業簿記の過去問を分野ごとににホッチキスで留めたもの

    実践・予想問題

     過去問だけでなく、見たことのない問題を解いて実力を確認したかったので、パブロフ簿記テキストの特典の6回分実践問題や、簿記検定ナビさんの「簿記ナビ模試」を解きました。

     「簿記ナビ模試」は結構難しく、70点を下回りましたが、第2問に有価証券が出てきたので、試験でも実際に有価証券が出たときは、かなり勇気づけられました。また、簿記検定ナビの2級「過去問分析」や「試験問題予想」もかなり参考にしました。

    試験日の1日の流れ

    • 9:00頃

     起床。起きてから出かけるまで音楽を聴きながらミスノートを眺めたり、解いた問題集を眺めたりしていました。

    • 12:00

     早めに家を出て、コンビニで軽いお昼と糖分補給にチョコレートを買う。

    • 13:00

     試験会場に到着。先にトイレに行っておく。周りの人で、試験開始直前まで、鉛筆と電卓をたたいて何か問題を解いてる人もいましたが、ギリギリで問題を解くのは効果がないように思います。

     それよりミスノートや間違った問題の答案用紙を眺めて最終チェックしながら、できるだけリラックスすることをお勧めします。

    • 13:30 試験開始!

    第1問

     なんとなく第1問の仕訳問題から解きました。1問目以外は難しいけれど、何度かよく考えれば理解できたので、応用編なのだと思います。「基礎力」+「読解力」が必要だと感じました。

    第2問

     次になんとなく第2問を解きました。有価証券の文字を見たとき、簿記ナビ模試を思い出し、「大丈夫、やったことある」という気分になれたので、落ち着いて問題に臨めたと思います。でもやはり難しかったです。

    第4問

     工業簿記の見慣れた「本社工場会計」の問題でした。第1問、第2問が見慣れない問題だったので、いかに冷静になって見慣れた問題に挑めたかということだ大事だった思います。簡単ではなかったので、かなり慎重に解きました。

    第5問

     見たことのある「直接原価計算・CVP分析」の問題でした。こちらはパブロフ簿記の総仕上げ集に似たような問題がありました。こちらも自分にとっては簡単ではなかったので、かなり慎重に解きました。

    第3問

     精算表は最後に解きました。しっかり時間をかけて確実に点数を稼ぎたかったからです。思ったよりも簡単でシンプルな問題でした。

     最後に見直しと一緒に、(試験後に自己採点をするために)自分の解答を問題用紙に書き写しました。あとカンマ「,」を正しく書けているかも念のためチェックしました。

    • 15:30 試験終了

     その後、17時半ごろにネットで解答速報を探して自己採点しました。

    試験の反省点

     解く順番は、1→2→4→5→3でしたが、今回は1と2が難しかったので、それらを後回しにしても良かったのかなと思います。ぱっと見て難しいか簡単かを見分けられるようにしておいた方が良かったと思います。

     仕訳問題は5問中4問は正解しましたが、(1)の源泉所得税の問題を間違えました。もっと139回の過去問を復習しておけばよかったと反省してます。

     仕訳に関しては、3級試験からずっと勉強しているので、自分の中ではほとんど大丈夫だと高をくくっていたところがありました。よく考えると、仕訳問題は配点がかなり高めに設定されているので、全て正解したいところでもありました。

     「パブロフ簿記アプリ」や「簿記ナビ仕訳対策問題一覧」などで沢山練習することをお勧めします。

    最後に

     簿記の勉強は、とにかく根気が必要だと感じました。最初は分からないなりに淡々と問題を解いていくしかなく、少しずつ理解度を深めていきました。とくに私は忍耐力がないので、途中で飽きたり、音楽聴きながら勉強してみたりと、少し大変でした。

     でも独学だからこそ、のびのび勉強ができるし、簿記ナビさんのようなサイトから沢山情報を得られるので、結果的には独学は自分に合っていたんだと思います。

     独学でも、予備校などで勉強する方でも、結局は演習問題などをひたすら一人で学習していくのが基本だと思いますので、自分なりの気分転換方法などを実践しながら、根気良く頑張ってほしいです。

     また問題をただ解くのではなく、自分の苦手部分を分析しながら進めていくのが大切だと思います。

    管理人からさっちさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     「SHARP EL-N942」(Amazon¥3,645)です。簿記ナビさんで紹介している「SHARP EL-G37」とほぼ同じものだと思います。価格は少し高いですが、かなりお勧めです。サイズがちょうど良く、 試験中も机の上で邪魔になりませんでした。

     また、指に吸いつく感じがあり、キーの間隔もちょうど良いので押し間違いがありません。簿記の勉強のために買いましたが仕事でも使っちゃってます。

     さっちさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は特にありません。苦手なのは、商業簿記では「有価証券」「財務諸表」、工業簿記では「直接原価計算」「標準原価計算」です。

     苦手な論点を克服するためにとにかく問題を解きました。間違えるたびにテキストやネットの情報で確認して復習しながら、その都度、どういう風に考えれば正解したのかを反省してから次にいきました。

     さっちさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     試験範囲改定の発表があり、141・142回を逃すと勉強が大変になるだろうと予測できたので、それまでに合格すべしと自分を追い込んだこと。

     また、自分の性格上、部屋が汚いと気持ちも怠けてしまうので、勉強する部屋を常に綺麗にしておくよう心がけました。集中力がなくなってきたら、音楽を聴いたり本や漫画を読んだり、一旦他の事をして気分転換もしました。

    管理人コメント

     さっちさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     勉強と仕事の両立は大変だったと思いますが、勉強方法をいろいろと工夫されていて、私も「なるほど、こんな勉強方法があるのか…」と感心してしまいました。特に、工業簿記の概要をまとめる作業は、一巡の流れをひと目で把握できるので良いと思います。

     また、工業簿記の問題を分解して分野ごとにまとめられていますが、これは簿記検定ナビでも紹介している「まとめ解き」と同じような効果がある方法だと思います。

     練習段階では試験回ごとに問題を解くよりも、分野ごとに問題を解いたほうが費用対効果の高い学習ができるのでおすすめです。

     なお、出題範囲の改定に関しましては2016年度の試験(第143回試験~)からの適用ですので、2016年2月に行われる第142回試験には直接的な影響はありません。

     ただ、「2016年度から削除される論点の2015年度の取り扱いについて」の箇所は学習を進めるうえで大きなポイントになります。第142回試験を受験予定の方は内容をご確認ください。

    さっちさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第139回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.129

    短期合格のカギは「理解重視」と「絶対に合格するという強い意志」です!

    • 投稿者:小倉さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月

    はじめに

     第139回簿記検定試験2級に合格することができたので、これから日商簿記2級の取得を目指す方の役に立てればと思い、投稿させていただきます。

     特に社会人の方や、短期合格を目指す方、独学で3級を飛ばして2級を受けるという方に参考にしていただければと思います。

    受験に至った経緯

     社会人受験者の多くがそうであると思いますが、キャリアアップのため、実用的で認知度の高い資格として日商簿記の資格取得を目指しました。受験を決めたのが1月で、受験日の1ヶ月半ほど前です。

     その時点で簿記についての知識もなければ日商簿記の難易度もわからず、一番の難関である1級を受けようと直近の試験日を調べたところ、2月実施の139回では2~4級しか実施されないとのことでしたので、実施される中で一番上のレベルである2級の受験を決めました。

     今となってみれば、2級でもギリギリに試験範囲の学習を終えたので、1級が実施されていない回で良かったです。

    勉強開始時の知識レベル

     簿記というものに触れたことがない、全くのゼロからのスタートでした。

    使用した教材(ウェブサイト)・電卓

    簿記3級

     2級のテキストでは3級の知識があることを前提としているようでしたので、2級のテキストに入る前に、3級の範囲を軽く勉強することにしました。

     3級については、無料で学べるウェブサイトがたくさんありますが、動画で解説されていてとっつきやすそうだとういことと、短期間で学習できる(1時間×7回)ことから「簿記e支援ネット」というサイトを使って学習しました。

     このサイトは、ダウンロードしたレジュメを印刷して使用するので(もちろんPDFとして閲覧できますが)印刷できる環境のない方には使いづらいかもしれません。

    簿記2級

    • サクッとうかる日商2級商業簿記 テキスト(ネットスクール)
    • サクッとうかる日商2級工業簿記 テキスト(ネットスクール)
    • サクッとうかる日商簿記2級 厳選過去問ナビ(ネットスクール)

     2級は解説しているウェブサイトも少なく、テキストを買ったほうが情報がまとまっていて効率良く学習できると思いテキストを購入しました。

     有名どころのテキストであればどのテキストでも問題なく学習を進められると思い、値段が手頃なサクッとうかるシリーズを使用しました。まずは商業簿記を購入してみて使いやすかったので工業簿記も同シリーズを購入しました。

     過去問題集については、何を使っても良いと思っていたので、古本屋にあった過去問ナビの最新第4版を購入しました。個人的には、テキストの確認問題と過去問をすれば他に問題集を買う必要はないと思います。

    教材&ノート
    教材&ノート

    電卓

     DF-120GT(CASIO)をAmazonで2,200円程度で購入(定価7,560円)しました。「左手の小指の位置に「C」キーがあり押しやすい」「定数計算(工業簿記の計算で使う)機能を利用している時に画面にKマークが表示される」の2つが自分に合うと思い、これを選びました。

     電卓を叩く手は、(私は右利きですが)左手を使うことにしました。

     左手を使う理由は「右手の鉛筆を持ち替える必要がないということ」と「問題を読んで考えている間など、電卓を使わない時に電卓が右側にあると邪魔なので左に置きたかった」という2点です。

     元々電卓を使わず、パソコンのキーボードもテンキーレスのものを使っていたので、右手入力する癖もついておらず、左手入力にすんなり慣れることができました。

    電卓(CASIO DF-120GT)
    電卓(CASIO DF-120GT)

    勉強時間

     平日に働きながらの勉強でしたので、勉強時間の目安は以下の通りです。片道30分のバス通勤をしていますが、車酔いしやすいため通勤時間での学習はしませんでした。

    • 月~金:1~3時間
    • 土~日:3~6時間

     合計の勉強時間は63時間です。その内訳は以下の通りです。

    • 3級(ネット):10時間
    • 2級商業簿記テキスト:13時間
    • 2級工業簿記テキスト:15時間
    • 2級過去問題集:25時間

    学習の流れ・勉強方法

    3級の学習(1週間)

     1日1時間半程度、講義を視聴し、毎回レジュメの最後に載っている練習問題を解きました。レジュメを読み返すつもりはありませんでしたが、覚えたい用語にはマーカーを引き、計算の流れ等はメモ程度に書き込みながら講義を視聴しました。

     この時点では、個別の仕訳処理は理解したものの、決算整理仕訳など複数の処理が必要なものに関しては間違いが多く、解説を見て理解するレベルでした。

     その後、第130回の過去問を解きましたが、出来はあまり良くなかったものの(100点中54点)、解説を見て得点できなかった箇所の理解が完全になったと感じたので、3級は切り上げて本来の目的である2級の学習に移りました。

    2級商業簿記(2週間)

     まとめノート等は作らず、テキストのみで学習しました。

     サクッとうかるテキストでは各章の最初のページにその章の重要事項がまとめてあったので、その全てにインデックスシールを張り、重要事項をすぐに確認できるようにしました。各章を読み終えたら必ずその章の重要事項に戻って確認してから次の章に進みました。

    インデックスを貼ったテキスト
    インデックスを貼ったテキスト

     テキストがよくまとまっていたので、マーカーを使ったり書き込んだりはせずに、重要な箇所や2級で初めて出てきた論点で後から確認したいと思う箇所には付箋を貼りながら読み進めました。

     テキストの確認問題はB5サイズのキャンパスノートを上下で半分に切ったものに解いていきました。半分に切ったノートを使う理由は以下の3点です。

    1. 机の上で場所を取らないこと
    2. テキストがA5サイズなのでノートがB6だとまとめて置いておくのに邪魔にならないこと
    3. 1ページがまるごと視界に入るのでどういった問題が苦手なのか確認しやすいこと

     なお、間違えた仕訳等は必ずノートに赤ペンで正しい答えを書きましたが、解き直しはしませんでした。

    半分に切って使ったキャンパスノート
    半分に切って使ったキャンパスノート

     また、テキストに目安として載せてある目標スケジュールは無視して、キリのいいところや集中力の切れたところで区切って学習を進めました。

     テキストを1周して商業簿記を終えましたが、私はこの期間に試験までまだ時間があると思い少し中だるみしてしまいました。2週間のうち勉強した日数は実質7日程度でした。

    2級工業簿記(5日間)

     商業簿記と同様に学習を進めていきました。差異分析図に関してのみ、問題を解く前に白紙に再現できるかを実際に書いて確認しました。

     工業簿記は商業簿記に比べ内容が軽いですが、その分同じことを繰り返している感じがして飽きがきやすいように感じました。簡単な例題や正解した確認問題の解説部分は流し読みしたり読み飛ばしつつ、確認問題だけは全てしっかり解いていきました。

     試験1週間前の日曜日にようやく工業簿記のテキストを1周して2級の全範囲を終わらせることが出来ました。

    2級過去問題集(1週間)

     問題集に付属の「サクッとBOOK」の問題を実際に解きながら問題別の解答手順を一通り確認しました。ここで少しじっくり時間をかけすぎてしまい、試験3日前にしてようやく過去問に取り掛かりました。

     過去問題集の第1回~第4回は過去問をだんだん難しくなるよう難易度順に組み換えてあった上に問題用紙にヒントが載っていたので、演習をあまり積んでない自分が取り組むには丁度良かったです。

     試験3日前に解いた第1回が80点、第2回が84点となんだかいけそうな気がしてきました。試験2日前は仕事で疲れていたので勉強をせずに寝てしまいました。

     そして、試験前日に解いた第3回が72点、第4回が70点でこのままだと本試験レベルだとちょっと危ないと感じましたが、各回とも解説はしっかり読み込んでいきました。

    試験日の1日の流れ

    午前

     8時頃に起きて朝食を食べ、9時頃から勉強を開始しました。

     少しでも多くの形式の問題に触れておきたかったので、過去問題集の第5回(第129回本試験問題)を解きました。採点結果は62点でしたが、この回を解いていたことで今回合格出来たと思うほどとても役に立ちました。

     これ以上問題を解く時間はなかったので、テキストの付箋が付けてある箇所を確認し、12時まで勉強しました。

    午後

     食べ過ぎて眠気が来ると困るので、お腹が空かない程度にお昼を食べ、忘れ物がないか確認してから家を出ました。

     集合時間の20分前に試験会場に着きました。会場は商業高校や大学からも近いので高校生や大学生、社会人等多くの方が受験されていました。2級は200名程度を2会場に分けて試験が行われるようでした。

     席を確認すると、試験会場の最前列の中央の机でした。試験監督のすぐ前で落ち着かないかと思いましたが、他の受験生が視界に入らないので集中しやすかったです。

     試験直前は隣の人が解き終わった過去問(もしくは模試)の解答用紙を見ているのが見えて自分の演習不足に少し不安を感じましたが、落ち着いて解けば大丈夫だろうと、持ってきた参考書類はあまり見ずに頭の中を整理して落ち着かせることに集中しました。

    試験開始!

     解く順番を決める時間すらも勿体なかったので、第1問から第5問まで順番通りに解いていきました。

     第1問:見たことのない仕訳がありましたが、できない問題に時間を使うのは無駄だと考え、あまり悩むことはせずにとにかく思いついた通りの答えを書いていきました。

     第2問:減価償却費の問題。見たことのない形式でしたが、問題の記述通りに解いていけば決して難しい問題ではないと思いました。

     第3問:午前中に解いた過去問の第3問で決算整理前残高試算表から修正仕訳と整理仕訳をして損益計算書を作る問題をやっていたので、焦らずに仕訳をしていきました。

     一通り解いてみましたが、どうしても計算が合わず、最悪部分点狙いで時間が余ればもう一度解き直そうと切り上げました。

     第4問・第5問:工業簿記は過去問の形式通りの問題だったので落ち着いて解いていきました。

     ここで時間が30分ほど余っていたので第3問に戻りました。問題用紙と解答用紙と計算用紙とにらめっこしてどこが間違っているのかをひたすら考え、手当たりしだいに計算していったところ、試験終了5分前でようやく計算を合わせることができました。

     やりきった達成感を感じて試験を終えることが出来ました。

    試験結果

    81点/100点

     試験終了後の所感として合格はまず間違いないと確信していましたが、第1問に自信がなかったことと、他の問題についても完璧に解けた自信はなかったのでギリギリでの合格だろうと思っていました。

     合格発表日、仕事帰りのバスの中で合格発表のことを思い出し、商工会議所のウェブページで自分の受験番号を見つけてほっとしました。

    合格証書
    合格証書

    最後に

     日商簿記2級は決して難しい試験ではありません。働きながら、もしくは学校に通いながら1ヶ月で合格することも十分に可能だと思いますし、実際になんとか合格できました。

     私が簿記の勉強で一番大事にしたところは、間違えた問題を理解せずに次に行かないことです。解説を読み、必要に応じてはテキストの該当箇所に戻り、完全に理解をしてから次に進みました。

     苦手な所を作ってしまっても後から戻って克服するような時間はないと思っていたので、とにかく全部を1回で理解するつもりで勉強しました。

     そして、私は受験を決めた瞬間から試験を終えるまで、一度たりとも自分の合格を疑いませんでした。当日の朝に解いた過去問で合格点が取れていなかったにも関わらず、です。

     この自信と、既に納めてしまった受験料を無駄にしたくないという思いがあったおかげで最後まで勉強をやりきることができましたし、試験にも全力で臨めたと思います。

     これから簿記の資格を取りたいと考えている方のうち、なかなか勉強を始められない方やダラダラと勉強してしまう方は、「◯月くらいを目標に取ろう」ではなく、まずは直近の試験に申し込んでみてそこで合格できると信じてがむしゃらに勉強してみるのも一つの手だと思います。

     ただ、これは全ての人には向かない勉強法だと思いますし、確実に合格するにはむしろもっと計画的に勉強を進めるべきです。特に問題演習を繰り返し行うことで簿記の力は確実に付くはずです。

     これから簿記2級を目指す方に、この体験記が少しでも役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

    管理人から小倉さんへ追加の質問

     小倉さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は、仕訳日記表と特殊仕訳帳、直接原価計算です。得意というよりは、仕訳やややこしい計算をしなくてよかったので解いていて楽しかったです。

     苦手な論点は、標準原価計算の差異分析です。ボックス図やシュラッター図に関しては、図と計算を照らし合わせて図の意味を考えることですんなり覚えることができましたが、計算は、同じ単位(円、時間、kg)の数字を一度にいくつも扱うので、計算がごちゃごちゃした印象があり、かなりの苦手意識を持っていました。

     これを克服するために、ボックス図とシュラッター図を眺めて、そこに出てくる数値の一つ一つに関して「これって何だっけ?」というのをじっくり考えました。ボックス図とシュラッター図を覚える時にしていたことの逆をしているような感じでしょうか。

     「シュラッター図には『標準』『実際』『基準』があるのにボックス図には『標準』『実際』はあるのに『基準』がないのはなんでだろう?」など、図を見て疑問に思った点=自分が理解できていない点として、テキストを読み返して本当に図を理解してからは、計算に必要な数値を迷うことがなくなりました。

     ここで、私が勉強する際に一番大事だと思っていることが、理解したつもりで終わらせないということです。

     どのような論点でも本当に理解していれば、特に簿記においては同じ形式の問題を間違えることはほとんどないと思います。簿記2級を勉強した限りでは、問題を繰り返し解かなければ理解できない論点はないです。

     繰り返し同じ問題でつまずいている方には、一度立ち止まって自分はどこがわかっていないのか、この問題では何を問われているのか、じっくり考えてみることをお勧めします。

     しかし、第1問の仕訳は多くの問題を繰り返し解くのが大事だと思います。慣れていない仕訳は時間がかかりますし、間違えます。私は、第1問は試験までに克服することができませんでした。

     他に、特に苦手には感じていませんでしたが、第3問の精算表と財務諸表はテキストをやっていた時点で実際の問題を解ける自信がなかったので、過去問を解き始めてから、正解した箇所も解説をじっくり読みながら問題を解く際の手順を覚えていきました。

     あと、実際に問題を解いて財務諸表の形式をあやふやに覚えていたことがわかったので、特に過去問で穴埋めになっている箇所を中心に完璧に覚えるようにしました。

     小倉さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     「勉強すれば絶対に合格する、勉強しなければ絶対に合格しない」と思っていたので、もちろん前者を選ぶのみ、といった感じでした。

     試験まで残り2週間を切ってからは「今勉強しないと試験までに間に合わない」という焦りのような気持ちもあったのでなんとか勉強し続けました。

    管理人コメント

     小倉さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     仕事と勉強を両立…しかも1か月という短い期間で「ゼロ→2級合格」レベルに持っていくのはかなり大変だったと思います。普通にすごいです!

     テキストだけでトレーニング(テキストに対応した問題集)を使っていなかったり、60時間ちょっとの勉強時間で3級を飛ばして2級の試験に臨むというのは…正直、全ての方におすすめできる勉強スタイルではありません。ある程度、地頭が良くないと消化不良のまま試験に臨むことになると思います。

     ただ、理解に重きをおいた勉強スタイルや、「絶対に1回で合格する!」という強い信念はすべての受験生の参考になると思いますので、この2点はぜひ見習ってください。

     あとは…B5サイズのキャンパスノートの使い方がユニークですよね。今までにいろんな方の「ノートの使い方」を拝見してきましたが、上下に切り分けて使う小倉さんのスタイルは初めて見ました。

     「ノートの使い方」に絶対的な正解はありませんので、小倉さんのように「自分にとって一番よい形」を模索して、使い方にひと工夫加えるのもおすすめです。

    小倉さんが使われた教材や電卓のまとめ