簿記はスポーツ!とにかく問題を解きまくろう!

  • 投稿者:ゴローさん
  • 勉強形態:専門学校(通学)
  • 受験回数:3回
  • 勉強期間:約2か月(受講期間入れると5~6か月)

日商簿記検定2級の壁

 かなり前に1回受験、その後独学で2回チャレンジし121・122回の試験を受けたのですが見事に玉砕…ということで、2~3ヶ月程LECに通いました。

専門学校の講義を中心に

 講義の合間や途中で、講師が試験で狙われるポイントや出題されるとすれば~だろう等の話もあり、不明な点があれば質問してできるだけ早く潰していました。講義で終えた範囲をその都度付属問題集でカバーできればよかったのですが、残念ながら仕事等の影響でそうもいかず…本番2ヶ月を切ったところから何とか頑張って、問題集をやりきりました。

 中には複数のパターンに亘る項目の問題(例えば減損の発生時点で分ければ始点・終点・途中)がありますが、必ずこれを潰すとともに処理の違いをきちんと理解し解けるようにしました。理解自体が不安だった項目は、問題を解いてはテキストに戻って不明な個所を洗い出し潰すという繰り返しでした。

細切れの時間を有効活用

 簿記は電卓叩いてナンボ、鉛筆すり減らしてナンボのものだと思いますが、そうもいかない電車内など移動中は、テキスト読み込みに加え、市販の仕訳カードを使って勉強・確認しました(因みに、LECのテキスト・問題集以外で買ったものは仕訳カード・過去問です)

 商業簿記の特殊商品売買は仕訳問題で狙われるので、理解+暗記で済ませました。中でも荷為替は苦手だったので、講義での説明を思い出し理解に努めました。

工業簿記対策

 工業簿記は、勘定連絡図をとにかく習得。さらに差異の計算やシュラッター図はきちんとできるよう繰り返しました。但し何を解いているのか混乱しないように気をつけました(仕掛品?製造間接費?半製品?…など)直接原価計算、標準原価計算、総合原価計算とありますが、どれも満遍なく問題を解いて慣れました。

とにかく、問題を解きまくる!

 基本的な部分をほぼ理解できればあとは問題演習+時間を計測して過去問を解きました。特に伝票問題で見られる推定問題は、解き方をマスターしていないと本番で苦しいことになるので、納得できるまで問題を解きました。基本を理解できれば、あとは問題をとにかくがむしゃらに解く、これに尽きると思います。解きまくる中で「理解できてきた」という自信が芽生えました。

試験日当日の1日の流れ

 試験当日は朝5時半~6時に起床しました。睡眠は脳内の記憶を整理するのに不可欠ですので、最低限の5時間程寝ました。早く起きると寒いし適当に空腹なんですが、「寒さと空腹」は実は集中力を高める効果があると聞いたことがあり、確かに結構集中して勉強できた感じはあります。

 かなり不安なところは潰しましたが、それでも本番まで細かい点の確認もしたかったし、更に余裕をもって起きることで気分的に焦らずに最後のチェックがしたかったという狙いもありました。

 8時頃朝食を摂り、昼前までに過去に間違いの多かった項目の見直しをしました。ここではあれこれ問題を解くよりは、ポイントをかいつまんで目を通すという感じになりますが、最終確認の意味で問題演習にも時間を割きました。

 昼食はパン1個程度と軽めにしました(食べ過ぎると試験中眠くなるので)試験会場には開始30分前に到着、最終チェック用にポイントをまとめたメモに目を通しました。LECのHPでダウンロードしたチェック用冊子も役立ちました。

 試験が始まると、まずはどんな問題が出ているのか目を通しました。ここで解く順番を決め、どれくらい時間を割くのかある程度配分を決めました。周囲の受験者はカリカリと鉛筆を走らせていましたが、当初焦りはありませんでした。見た感じ、ある程度は解けそうだとの印象を受け、励みになりました。

 まずは工業簿記から着手、第4問~第5問へ進みました。第5問は「半製品」の取扱に気をつけながら、勘定連絡図をきちんと描き、指定された平均法で解き進めました。

 次に商業簿記第1問(仕訳)に着手、指定科目を確認しながら解きました。うっかりして指定外科目の「未着品売上」を使いそうになり、慌てて「売上」に直しました。案の定荷為替も出題されましたが、しつこく問題を解いてきたお陰できちんと解答できました。

 その後第2問~第3問と進めましたが、第2問(伝票推定)で想定時間を越えてしまい、第3問のB/Sを埋めている途中で終了となってしまいました。慎重にいきすぎたのが原因です。本支店勘定で間違いが発覚、先に埋めやすいところから埋めていくべきだったと相当悔やみました。集計して埋めるだけの状態でしたから…。

 会場の出口では大原かTACの解答速報(第1問のみ)が配布されており、うっかり社債の満期償還の仕訳で社債・社債利息勘定を貸借相殺したことがまずかったのが判明…かなり不安がよぎりました。夜は各資格学校の解答速報で確認、思った程点数が伸びていないことがわかり、合格発表の前日までヤキモキしました。

管理人からゴローさんへ追加の質問

 今回の試験勉強で電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 カシオのDW-20Aです。

 12桁仕様で軽いけど適度に重さがあり、少々小さめなサイズですがキーを押した感じは軽く使いやすいと思います。以前シチズンのDM6005を使ってましたが、多少大きさがあるのと、ゼロのキーが稀に凹んだまま引っかかることがあったので止めました。

 カシオのこの電卓は加減乗除の際画面に「+」や「-」の表示が出るので、間違って押しても早く気づけるメリットがあります。他にも色々電卓を買って試してみましたが、大きすぎると場所を取ってしまい簿記検定試験では使い勝手が悪いと思いました。同じ電卓を使う受験者もいましたし、一度試す価値はあるものだと思います。

 ゴローさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点…商業簿記でいえば有価証券絡みの問題(購入、売却、評価など)、減価償却の問題は好きですね。工業簿記ですと製造間接費の差異分析(公式法変動予算)とCVP分析はさんざんやったお陰か好きになりました。特に差異分析に関しては、図を描いて考えることが元々好きだから…かもしれません。

 苦手な論点…商業簿記ですと荷為替、決算時の商品関連、費用の見越し及び繰り延べです。どれも慣れるまでは図示し時間を無視して考えるようにしました。慣れてくれば図も早く書けるし解くスピードも早くなりました。基本的な考え方はLECの講師に質問して解消を図りました。

 工業簿記ですと賃率関連、等級別原価計算、直接原価計算です。原価計算期間に応じて労務費を考えるのが当初苦手で、これも図を書いて慣れるまで繰り返しました。等級別原価計算は「積数って何?」って感じで…なんかとっつきにくい概念でした。直接原価計算では、変動費と固定費に分けて考えるのになかなか慣れず苦労しました。結局問題を数多くこなすことで解法を身に付け、原価計算手順を体で覚えたという印象です。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 私は次の2点が大切だと思います。

①独学にしろ通学にしろ、1日10分でも継続して勉強することが大事であること
②間違いを恐れず、問題を数多くこなすこと

 私の場合「お尻に火がつく」状態になってから一気に突っ走りましたが、本来は地道にコツコツやっていればもっと多くの問題をこなせただろうし、より理解が深まった状態で試験に望めただろうと思うのです。忙しくても毎日勉強することがまず前提になるかなと私は思います。

 ②については、極論すれば試験本番で間違えなければいいのですから、練習問題でどんどん間違い、間違えた原因の究明ともう間違えないための対処に注力することが大事だと思います。「あ~間違えた」と単純に考えるのではなく、間違いを以後の糧にしてほしいですね。

 今後は簿記2級をどのように活かすつもりでしょうか?
 2級を土台にして、1級を取るべく頑張ろうと思っています。就職活動中ということもあり、元々の経験と今後やりたい実務が経理ですので、就職試験でのアピールポイントになると同時に就業後そのまま知識を活かして実務スキルの向上を図りたいと思っています。

 経理の求人だと「簿記2級」を応募の条件にしている企業が大多数であり、取得したことで多くの求人に応募していけるメリットは計り知れないと思います。また、資格面で他の求職者に差をつけるなら1級でないと…とも思っています。将来的には公認会計士を目指そうと思っています。

 市販の「仕訳カード」というものをお見せいただけますか?
 それでは仕訳カード画像お送りします。 元々は本のようにページになっている状態ですが、ミシン目で切り離し、決算や有価証券など分類して綴じて使ってました。問題は全部仕訳、裏に解答があります。

巻末には本試験形式の仕訳問題がついており、1冊800円と使い勝手の良さから考えれば手ごろです。テキストを持ち歩くとかさ張りますがこれだとコンパクトであること、細切れの時間でも勉強できることがメリットだと思います。テキストと使い分け、あくまで補助的なものとして使ってました。

ゴローさんが使われていた仕訳カード

仕訳カード1
仕訳カード1
仕訳カード2
仕訳カード2
仕訳カード3
仕訳カード3

管理人コメント

 ゴローさん、貴重な合格体験記をありがとうございました。専門学校を利用してうまくリベンジを果たされたのことですが、「とにかくたくさんの問題を解く」と「細切れの時間を有効活用する」という2点についてはぜひ受験生の方にも見習っていただきたいポイントです。

 インプットの段階ではイマイチ理解できなかった論点も、問題をたくさん解くことによっていつの間にか理解できたりしますし、実はワンパターン化されている「ひっかけ部分」についても、問題を見ただけで気付くことが出来るようになります。

 あとは試験前の食事に気を配っている点もぜひ参考にしてください。空腹すぎるのも問題ですが、満腹の状態で試験を受けることだけは避けてください。受験生の皆さんも、学校の昼休み明けの授業で睡魔に襲われた経験があると思いますが、あのような状態になってしまうと実力を発揮するのが難しくなりますので、消化の良いものを気持ち少なめに摂るのが良いと思います。

 なお、ゴローさんに画像を送っていただいた「仕訳カード」は、DAI-Xという会社が市販されている教材で、価格は800円(税込840円)とのことですので、簿記検定ナビの仕訳問題対策がどうも合わない…という方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。以下はDAI-Xによる仕訳カードの紹介記事です。

簿記の基本中の基本である仕訳問題をカード形式にまとめました。表には問題、裏には解答までの道すじがわかる解説が載っています。会社法施行による出題区分改訂に完全対応。分野ごとの過去問分析から集約した厳選174枚。巻末には、実力チェック問題5題、詳細解説、解答用紙つき。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたゴローさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

ゴローさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 教材:LECの教材
  • 仕訳カード:無敵の簿記SPECIAL2級仕訳カード集
  • 電卓:CASIO DW-20A
  • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。