分からなくても粘り強く続けることが大事。続けることで道は開かれます!

  • 投稿者:におさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 私が簿記を勉強しようとした理由は、元々事務系の職業に就きたいと考えていたためです。職場の同僚にその事を話したところ、「それなら簿記は持っていて損はない」と言われ、簿記3級の試験を目指し勉強する事にしました。割と軽いノリだったと思います。

 しかし今、私は長時間のアルバイト勤務をしているので、勉強時間の確保には大変苦労しました…。

テキストについて

  • 日商簿記3級 合格これ1冊
  • 合格するための過去問題集 日商簿記3級 2014年11月検定対策
  • 第141回をあてる TAC直前予想 日商簿記3級

 テキストについては、とっつきやすそうなネズミのイラストの「合格これ1冊」を選びました。それに加え「簿記は過去問を3周したら何とかなる」とブログの体験記にあったので、過去問題集を購入。定価で買うと2000円位するので、前年のものを中古で購入しました。

 勉強が進むにつれ、過去問題集も無事3周出来そうだったので、ついでに「あてる」も購入して勉強する事にしました。今となっては、この判断は正しかったと思います。

 電卓はアマゾンで「カシオ スタンダード電卓 時間・税計算 ミニジャストタイプ 12桁 MW-12GT-N」を購入。1000円程度でした。少し0の位置が押しにくいなと感じましたが、慣れたら違和感は少なくなりました。

点数をつけるとすると?

 合格これ1冊は70点です。簿記のとっかかりとしては、まずまずではないかと思います。ただ、これだけで過去問に挑戦しようとすると厳しいものがあります。お勧め…好みによると思います。

 過去問題集は90点です。過去問で簿記の問題に慣れる事が出来ますし、冒頭の「第1問対策」などが意外と役に立ちました。お勧めというか必須です。

 あてるは95点です。値段の割には問題が少なすぎる、最低でも三周せよという指針なら、三周できるように解答用紙を三部付けて欲しい…などの要望はありますが、この問題集のお陰で私は合格したと思っております。過去問よりは少し難しいですがおすすめです。

 電卓は、可もなく不可もなく…50点です。他に良い電卓があれば、好みで使うのが良いかと思われます。

学習環境

 私は現在、長時間のアルバイト勤務をしていて、出勤日はまともに勉強時間が取れません。その為、休日にまとめて勉強をする事にしました。

 しかし、休日に5~6時間まとめて勉強をするのは非常に大変でした。休日にちゃんと休暇を取れず、常に勉強をするとなると、どうしてもモチベーションが下がってきてしまいます。やはり勉強をするのなら、1~2時間でも良いので毎日勉強をする事がベストだと思います。

 また、家だとなかなか集中出来なかったので、勉強場所は主に喫茶店でした。

学習方法

 まず最初に「合格これ1冊」をパパっと読み、そのあと過去問題集に挑みました。しかし、いざ問題を解くとなると、訳が分からず混乱…。最初のうちは答えとにらめっこをして問題を解いていきました。

 しかし、過去問題集を2周、3周としていくうちに慣れてゆくものです。3周をする頃には、大体の問題で満点近くを取ることが出来ました。

 「合格これ1冊」の中で、どうしても為替手形と繰越の所がイマイチ理解できず四苦八苦しましたが、過去問を解いていくうちに理解できるようになりました。為替手形については、今も分からない所がありますが…。

 工夫としては、少しでも問題を早く解くために、仕訳の下三桁の000は-で省略。現金、当座預金、買掛金、売掛金などを「G」「T」「kk」「uk」と略して記入するようにしました。これによって記入のスピードが圧倒的に速くなりました。

 また、電卓も「10,000円」の時は「10」と入力するようにして、少しでも手間を省くようにしました。しかし、これはしない方が良いかもしれません。

 過去問題集は「第一問→第五問→第三問→第四問→第二問」の順番で解いていきました。自分にとっては、この順番が最もベストだったと思います。

 また、間違えた部分はテキストやノートに何度も書いていくうちに、次第に間違えなくなりました。

まとめノート1
まとめノート1
まとめノート2
まとめノート2

 過去問題集も大体3周解けた所で、試験日まで少し余裕もあったので、「あてる」を購入。「あてる」も3周しました。「あてる」の問題は難問ばかりでとても苦労しました。

 また、過去問題集と「あてる」の解答用紙を2部コピーして解いた為、コピー代がかなり嵩んでしまいました。プリンタがある方は、お家のプリンタでコピーをするか、または元々解答用紙が3周分付属されている問題集を購入した方が安上がりかと思われます。

※編集注 市販の問題集で3回分の解答用紙が付属されているものはありませんので、安くコピーできるところを探したり(1枚5円~)、1枚あたりの印刷コストが安い「モノクロのレーザープリンタ」を利用することをおすすめします。

試験日の1日の流れ

  • 試験開始までの過ごし方

 試験日前日はお休みを取り、一日中みっちりと勉強をしました。今までの間違えた部分を全て見返し、特に弱い部分は簡潔にノートにまとめました。

 しかし、試験当日の事を考えると段々眠れなくなり、結局1時間程の睡眠で試験に臨む事になりました…。コンディションは最悪だったと思います。

  • 試験会場の様子

 当日は小雨でした。受験会場の商工会議所は通ったことがある場所だった為、スムーズに会場まで行く事が出来ました。試験開始までは、まとめノートだけをじっと読んでいました。とにかくなんとか眠気に負けないように、精一杯頑張ることだけを考えました。

  • 試験中の出来事

 試験がスタート。第一問で早速悩んでしまいました。「自動車を購入し…」とあったので、「車両」と仕訳したのですが、「販売目的で自動車を購入」の一文があったので、「もしかしたらこれ仕入なんじゃ?」と思い、結局「仕入」で仕訳しました。これが正解でした。

 第五問が精算表ではなく、財務諸表でした。しかも、現金や資本金を推定させるタイプです。かなり混乱してしまいました。とりあえず第五問は後に飛ばし、簡単そうな第三問、第四問、第二問を順々に解いていきました。第三問は、過去問通りの試算表だったので、スムーズに解けました。

 急いで解いたので、第五問に割ける時間が出来ました。しかし、このタイプの問題は以前「あてる」で解いたことがあるので、それを思い出しつつ何とか完答しました。

 現金の推定が一番大変でしたが、精算表の一番左端の部分を思い出しつつ、「資産・負債・費用・収益」を紙に書き出して金額の差で推定しました。過去問題集だけの勉強では、この問題は解けなかったと思います。

合格発表

 「サクラサクメール」を確認したところ、98点でした。悩みに悩んで解いた第五問が満点だった事がとても嬉しかったです。

 第141回の試験はかなり難問だったようで、合格率もぐんと下がったとの事ですが、第五問は「あてる」で財務諸表に慣れておいたおかげで解く事ができました。

感想

 一番最初に過去問題集を解くときに、数字の羅列に頭痛がして「もうヤメたい」と早速弱音を吐いた3ヶ月前…。しかし、この「98点」の結果を見たとたん、今までの苦労は吹き飛んでしまいました。今では、勉強して良かった、やれば出来るものだなと自負しております。

 無事合格できましたので、更に簿記2級にも挑戦する予定です。恐らく3級で簿記の基礎的なところは勉強したので、とっつきやすいのではないかと思っています。

 自分の経験からですが、過去問題集を解くだけではなく予想問題集も解く事をお勧めします。また、自分は文字だけ読んでもなかなか頭に内容が入って来なかったので、一番初めに過去問題集を解くときにつまづかないように、DVDなどのメディアを使って解説をしてくれる教材を使ったほうが良いと思います。むしろ、使いたかったです。

 独学で勉強するとどうしてもしんどい事もあると思うので、通信教材やスクールなどを使うのも1つの手かと思われます。

管理人からにおさんへ追加の質問

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 やはり独学は厳しい道のりでした。どこが厳しいかと言いますと…

・文字ばかりで理解できない事がままある。
・どこまでやればいいのか分からないのでスケジュールを立てにくい。
・ペース配分がつかめない。
・モチベーションが上がりにくい

 逆に、独学のメリットとしては…

・自分のペースで勉強できる
・費用が安く済む

…などが上げられると思います。

 確かにお金がない方にとっては独学での勉強が良いとは思いますが、特に私などはそうなのですが…じーっと文章を読んでいても、いまいち理解できない所があるんです。

 そういう時は「あれ?ここ意味分からない…横で見てもらって講義してもらえたらいいのに」などと思いました。

 よって、独学で勉強する場合も、DVDなどのメディア教材を積極的に使う方が効率が良いと思います。

 また、もうひとつの問題として「ペース配分がつかめない」という事もあります。自分で勉強していると、「何をどこまで勉強したら合格するのだろうか?」などと考えて気が遠くなってしまいます。

 しかも、あまり根を詰めて勉強すると、ケアレスミスが頻発してしまう…。ペース配分は最初にしっかりと組んでおかなければならないと思います。

 簿記は「覚える」というよりは「反復」「計算力」が必要な試験だと思いますので、あまり疲れた状態で勉強をすると良くないと思います。

 これは私が大学受験のときに実践したのですが、「50分勉強、10分休憩」というやり方も有効かと思います。学校の授業のようなペースで勉強をするわけですね。

 「モチベーションが上がらない」という問題もありますが、そこは気合で頑張るしかないと思います。

 ただあまりにも長期間だとどうしてもモチベーションが下がるので、期間は三ヶ月ぐらい見ておけば余裕も持ちつつ勉強できるのではないでしょうか。

管理人コメント

 におさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 第141回試験は2級だけでなく3級もかなり低い合格率になりそうな中、見事に1発合格をされたにおさんの勉強スタイルはとても参考になります。

 個人的に、一番参考にしていただきたいのは「少しでも問題を早く解くために、仕訳の下三桁の000は-で省略。現金、当座預金、買掛金、売掛金などを「G」「T」「kk」「uk」と略して記入するようにしました」というところです。

 簿記検定ナビでも、勘定科目の省略パターン一覧表で詳しくご紹介していますが、すぐに使いこなせるうえに効果も高いので、いつも解答時間が足りなくなってしまう…という方はぜひ参考にしてください。

 なお、省略パターンに決まりはありませんので、例えば現金でしたらにおさんのように「G」と書いてもいいですし、私のように「ゲ」と書くのもアリだと思います。自分にしっくりくるものを選んで使いこなしてください。

 あとは、書籍だけの学習では理解しづらいという方には、におさんもおっしゃっていますがDVDやWEB通信などを利用することをおすすめします。3級であればかなり安い価格(数千円)で受講できますので、興味のある方は各学校のサイトをチェックしてください。

におさんが使われた教材や電卓のまとめ