過去問14回分を4周して得たのは「簿記の力」と「自信」です!

  • 投稿者:いぇーがーさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1年半

使用テキスト

  • 「サクッとうかる日商1級テキスト」全6冊 ネットスクール
  • 「サクッとうかる日商1級トレーニング」全6冊 ネットスクール
  • 「合格するための過去問題集(110~129回計14回収載)」 TAC
  • 「日商簿記ラストスパート模試」 ネットスクール

勉強手法(合格までの流れ)

  • 1年半前~

 第129回(2011年11月)の2級試験直後から、それまでの勉強の勢いをかって1級の勉強に突入しました。サクッとシリーズのテキストを読み、その直後にサクッとシリーズのトレーニング問題を解きました。

 できなかった問題を中心にトレーニングは何回もやりました。テキストは、最初は読むだけにして、2周目、3周目くらいになって理解が定着してきた時点でノートにまとめました。

まとめノート1
まとめノート1
まとめノート2
まとめノート2
  • 1年2か月前~

 そろそろ、過去問に突入しようかなと思った矢先の2012年4月、急に仕事が忙しくなり、第131回(2012年6月)の受験を断念。そこからは、力を落とさないように、通勤途中にテキストを読んだり、思い出したように時々練習問題をするという日々が、10か月続きました。

 秋頃に仕事は落ち着いたのですが、なかなか本格的に勉強を再開する気になれず、ずるずると中途半端な状態が続きました。

  • 4か月前~

 第134回(2013年6月)を受けようと決心し、ようやく本格的に勉強を再開しました。まずは、以前の状態に戻すため、テキストを読みつつ、サクッとシリーズのトレーニングを一通り解きました。

  • 3か月半前~

 1年越しで、やっと過去問に突入しました。1年前に購入していた問題集だったので、直近の2回が収録されていないという欠陥がありましたが、結局もったいなくて最新のものは買いませんでした。(買わなくても合格できましたが、直近の2回の過去問をやらなかったことは直前まで引っかかっていましたので、反省も込めて最新のものをやるべきだと思います)

 その過去問は、14回分が収載されていたのですが、とにかくひたすら解きました。1周目は時間無制限で、2周目以降は時間を計測して、合計で4周解きました。3周目と4周目の間には、ラストスパート模試を2周解きました。

1日の勉強時間

 最初の4か月間は、平日は通勤中のテキスト素読の他に1~2時間、休日は3~4時間くらい勉強しました。中だるみの10か月は、やった日でも1時間程度でした。

 最後の4か月は、平日1~3時間、休日は多い日で9時間程度やりました。本番の1か月前くらいが勉強のピークで、休日には過去問を3回分(制限時間にすると9時間分)解きました。

自分で考える合格のポイント

  1. 過去問14回分を4周したことが一番大きかったと思います。少なくとも類似問題が出れば必ず解けるという自信が付きました。
  2. そろそろ包括利益が出るという情報があちこちから聞こえていたこともあり、過去問になかった包括利益を、「サクッと」と「ラスパ模試」でカバーしたことも本番で役に立ちました。
  3. 10か月の中だるみも全く意味がなかったわけではないと思います。わけがわからず暗記した箇所も、久々に復習してみると、やっていることの意味を理解できるようになっていました。時間をかけることで知識が定着したのだと思います。意味が理解できたことで、初めて見る問題でも、何とか対応できました。(今回の商簿の問題は意味を理解していなければきつかったと思います)

その他思ったこと

 最後の総仕上げのつもりで購入したラストスパート模試は、商会が難しすぎて、全然できませんでした。正直、本番まで1か月を切り、いいイメージを持ちたいこの時期に、何じゃこりゃ?と思い、かなりストレスがたまりました。

 それでも、本番で役に立った論点もありましたので、模試と思わずに、難しい論点の練習問題と割り切るべきだと感じました。

試験日の1日の流れ

 普段通り5時半に起床し、8時前に家を出ました。朝少し時間があったので、30分ほど最も苦手で最も出そうな分野の復習をしました。会場には20分くらい前に到着しました。

 会場は100人以上が入れる大部屋で、受験生も100人くらいいたと思います。ただ、空席が多いなと感じました。着席してからは、今さらノートやテキストを見直す気になれなかったので、電卓や消しゴムの配置をあれこれ考えながら時間をつぶしました。

  • 試験開始!

 予定どおり会計学から始めましたが、地に足が付いていないのが自分でもよくわかりました。簡単にできそうな問題でも普段の倍くらい時間がかかってしまいました。

 ようやく落ち着いてきた頃になって、意味不明な設問にぶち当たりました。勉強してきた知識を総動員してもできそうにありません。こんなところで時間を掛けていられない、ということで、即座に諦めて商業簿記へ移行しました。

 出ました!包括利益!連結自体は非常に単純化されていたのですが、いくつかの基本的な視点が折り重なるように問われていたので、徐々に頭の中が混乱してくるのが分かりました。これはヤバい、へたすりゃ全滅すると思い、全体を俯瞰してから解答することを諦め、パーツごとに区切って、その都度空欄を埋めて行く作戦に切り替えました。何とか足切りだけは防ぎたいという気持ちでした。

 全然自信のないまま、取りあえず一通り解答し、会計学の意味不明の設問に戻りました。結局どれだけ考えてもわかりませんでしたが、空欄よりはましと思い、自分の思うやり方で解答欄を埋めました(結局不正解でした)。

 商・会が終わった後の休憩時間は放心状態。ほぼ完璧な状態で臨んだはずなのに、イメージしていた「成功する自分」と異なる試験の手ごたえに、少なからずショックを受けていました。しかし同時に、難しかったから、絶対皆できなかったはずだと自分に言い聞かせていました。

 ようやく気を取り直して後半戦。工・原はわりと落ち着いてできたと思います。ただ、落ち着いていた割に、商・会よりもミスが多かったです。

結果

  • 商業簿記 25点

 正直難しく、間違えた解答もありましたが、傾斜配点があったようで、なぜか満点でした。正攻法で完璧に解くことを途中で諦め、1か所でも多く部分点を稼ごうという方針で少しずつ空欄を埋めていったことが功を奏したようでした。

  • 会計学 21点

 自己採点はもう少し低かったのですが、これも傾斜配点があったようで、意外に高得点でした。間違えたのは分からない問題ばかりで、ミスはありませんでした。

  • 工業簿記 25点

 これは正真正銘の満点。過去問を解きまくった成果だと思います。

  • 原価計算 19点

 ミスもありましたが、大失敗はしなかったという感じです。

  • 合計 90点

 大手予備校の配点による自己採点では、83~85点くらいだったので、90点も取れていたことにびっくりしました。傾斜配点の科目が複数があったと思われます。

まとめ

 遠回りもしましたし、もっとこうすれば良かったと思うことも多々ありますので、私のやり方が最良だとは思いません。ただ、一応このやり方で合格できましたので、何かの参考になれば幸いです。

管理人からいぇーがーさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 サクッとシリーズのテキストとトレーニングは、インプットの学習用に使ったものですが、レイアウトが見やすく、わかりやすいと感じましたので、おすすめできます。85点といったところでしょうか。マイナス15点分は、過去問や今回の試験で出された論点で、載ってないものがいくつかあったところです。

 合格するための過去問題集は、他の過去問題集と比較したことがないので、何とも言えませんが、購入のポイントは14回分載っているという量の多さでした。但し、解説が時に不親切に感じることもありましたので、その辺りを引かせていただいて、90点

 ラストスパート模試は、本番よりも明らかに難しく作ってあり、特に商業簿記はこれでもかと難しい論点が重ねられていました。さらに厳しく鍛えたいという人や、難しい論点も知っておきたいという人にはいいと思いますが、最後の仕上げとして自信を付けたい場合は向いていないと思います。

 罵りながら解いていましたので、気持ち的には低い点を付けたいところですが…本番で役に立ちましたので、悔しいけれど90点です。

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 「CASIOのJH-12KM」という電卓です。安いこと、12桁あること、GTがあることが購入のポイントでした。正直、簿記用の高性能の電卓があることを知りませんでした。一応これで合格できましたし、特に不満もありませんでしたが、おすすめとまではどうでしょうか。知っていれば私も簿記用のものを購入したと思います。
 いぇーがーさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 大まかにいうと、得意なのが工業簿記・原価計算、苦手なのが商業簿記・会計学でした。会計学は過去問の点数も悪かったです。

 詳しい分野でいうと、得意(というより好き)だったのは、意思決定や原価差異分析で、苦手だったのは、外貨関係(在外子会社など)や、売価還元法、会計学の理論問題などでした。苦手克服のために、基礎問題を何度も解きました。知識が定着するまで問題を解きまくることが重要だと思います。

 いぇーがーさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 最後の4か月は、モチベーションも最高潮だったのですが、もともと、集中力が持続する方ではありませんので、「絶対1回で合格してやる、さらに6カ月もこの生活が続くなんて嫌だ」と強く念じていたからだと思います。

 その前の中だるみの時期は、もうやめようかなと思ったことが、正直何度もありました。その時は、せっかくこれまで苦労して知識を積み上げてきたのにもったいない、ということを自分に言い聞かせて、辛うじて気持ちをつないでいました。

管理人コメント

 いぇーがーさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 簿記の勉強は間を空けてしまうと、能力的にもモチベーション的にも、合格ラインまで持っていくのは至難の技になりますが、いぇーがーさんは「勉強時間をきちんと確保する→過去問を解きまくる→自信をつける」という戦法で、見事合格を勝ち取られました。

 簿記の勉強は、級が上がるにつれてアウトプット(問題演習)の重要性が高まりますが、実際は、いぇーがーさんのように過去問14回分を4周できる受験生はほとんどいません。仕事や家事の忙しさを理由にして「時間がないから出来ない」と自分に言い聞かせて、辛い問題演習から逃げてしまいます。

 本試験で過去問がそのまま出題されることはありませんが、「少なくとも類似問題が出れば必ず解けるという自信が付きました」と書いていただいたように、最後はこの、豊富な問題演習量に裏打ちされた「根拠のある自信」が合否を分けるのだと思います。

 最後に「直近の2回の過去問をやらなかったことは直前まで引っかかっていましたので、反省も込めて最新のものをやるべきだと思います」と書いていただきましたが、最新の過去問については大原やTACで無料請求することができますので、こちらを賢く利用することをおすすめします。

いぇーがーさんが使われた教材や電卓のまとめ