専門学校は徹底的に利用すべし!受講料は高いですが、必ず元は取れます!

  • 投稿者:なきうさぎさん
  • 勉強形態:専門学校(通学)
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 こんにちは。簿記検定ナビの特に仕訳問題対策には本当にお世話になりました。他にも、荷為替の解説は本当に分かりやすかったです。あの解説で特殊商品販売には自信がつきました。ありがとうございました!

 私は、3級については最初は独学で頑張りましたが、そもそも取引の要素が全く理解できなかったため(仕訳を全部覚えればいいんじゃないか・・・と今考えればバカなことを考えていました)やっぱり通学形態に切り替えました。

 3級の(2月の)検定が終わった後、専門学校のコースを比較して(3月から始めて6月の検定に間に合わせるコース)、勤務していても通学に無理がないようなコースに決めました。ただやはり「無理がないような」とはいえ、1ヶ月で工簿、次の1ヶ月で商簿、次の1ヶ月で問題を解き、6月の検定というスケジュールは精神的にしんどかったです。

 勿論、各専門学校では、合格保証コース(フルセットや本科生で通学していれば、不合格になっても次の検定対象のコースを無料で受講できる)がありますが、11月までこの精神状態はかなり厳しいので、かなり精神的に追い込まれていたと思います。個人的に、勉強期間は4ヶ月(問題を解く期間として2ヶ月程度の余裕)はあったほうがいいな・・・と思います。

工業簿記と商業簿記

 工業簿記はそもそも「何が分からないのかすら分からない」という状況で、ネットで用語から検索したりしましたが(でも逆に、用語に囚われると進まないというアドバイスもありましたが)、用語の意味がイメージできないと辛いなぁと思いました。逆にいえば、勘定連絡図の作業工程、あるいは出題そのものをイメージできれば工業簿記は制覇できる・・・かも知れません。大事なのは暗記よりも、とにかく商品の流れをイメージすることだなと思いました。

 商業簿記は、とにかく3級が基礎となるので、3級の繰越商品はガッチリ復習する必要があると思いました(特に、本支店会計の出題でも絶対にここは問われるので・・・)それから、見越し・繰り延べ(の毎年払いのパターン)、減価償却も苦手な人はもう一度復習しなければなりません(ここらへんの問題作成は、ひねろうと思うといくらでもひねられるんだな・・・と思いました)

仕訳問題対策と専門学校の模擬試験をおすすめ!

 仕訳問題は、簿記検定ナビ仕訳問題対策が一番良いと思います。各ページの末尾部分に関連の仕訳問題も表示されているので、横断的な理解をする際に本当に助かりました。

 あとは、どなたかが仰っていた「模擬試験等は受けておいたほうがいい」という意見に私も賛成します。専門学校では、模試のみとか、直前の答練のみとかのコースもありますし、無料で誰でも参加できる予想会もあるので、そういうのを積極的に活用すると良いと思います(かなりきついですが、 私は2つの専門学校の答練をかけもちしていました)

 また、専門学校によって違うと思いますが、受講生のみ対象の無料イベントがたくさんあるので(それを消化するのも大変ですが)活用したほうが絶対に良いです。ただ、予想会の予想は・・・頼りすぎはよくありません。特に最近は同じ形式の問題が連続して出たとかもあるので、やっぱり「どの問題が出てもある程度大丈夫」と言えるようになるのが理想だと思います。

試験を振り返って

 今回の試験は、管理人さんの過去問分析の通り(過去と比較すると)全体的に易しめではあったと思いますが、5問を思いっきり落としました(包装が完成品のみということや、5個で1つということが全く浮かばなかったです)

 仕訳問題も少なくとも3問落としました。引当金と値引きの問題は仕方ないかも知れませんが、売買目的有価証券の日数を間違えたのが自分ではかなり悔しいです(売買目的有価証券の仕訳は自分としてはかなり得意としていた筈だった)

 結論としては…「試験で実力以上を出せるのは稀。平常心ではないということをもっと自覚して1つ1つ落ち着いて考えること」「努力の積み重ねがものをいうこと(運だよりにしてはいけません)」「計算用紙は絶対に捨てない。きちんと自分の間違いと向き合って問題の解き直しをするのが大事」の3点が大事だと思います。

試験日当日の1日の流れ

 試験日前日:専門学校生は専門学校各校で直前イベントがあるので、それに任せていれば良いと思います。あれも出るかも、これももしかしたら…と思ってしまいますが、マイナスな考えで消耗してしまうほうがいけないと思います。

 試験日当日:2級は午後なので、遅刻の心配はありませんが、その分余計にあれも出るかもとか考えてしまいます。会場には早めに着くことをモットーにして、教材はまとめノートのようなものだけを持っていったほうがいいと思います。トイレとか(人が多い)時間がかかったり、そうでなくとも誰かが行っていると自分も行きたくなるものなので、会場ではあまり机に向かえる時間がないと割り切ったほうがいいかもしれません。

 専門学校へ行っていると、専門学校も受験会場にできるので「平常心」・・・は無理ですが平常心に近く状態で試験に臨めると思います。また、各専門学校で試験を受けた後は解答速報で答え合わせをすると良いと思います(後日、ネットで配信されるのをチェックするだけでも良いですが、やっぱり・・・「しまった!ここが曖昧だ」と思ったその瞬間に、きちんと問題を解決しておいたほうが良いと思います)

管理人からなきうさぎさんへ追加の質問

 今回、利用されたのはなんという専門学校ですか?また、その専門学校の講座は他の方にもおすすめ出来ますか?
 TACです。ただ、答練と模試は大原にも通いました。講座については、それぞれに良いところがあると思いますし、恐らくその地域によって各校の取り組み(イベント)も違うと思います。

 専門学校を考えている人がいらっしゃったら、きちんと足を運んで説明会等に参加したほうが良いです。講師と直接話すことで、自分と講座があうかもイメージできますし、実際にその学校に入った後も、質問しやすくなります。

 3・2級は過去問をどれだけ解いたか、どれだけパターンに慣れるかが合格の鍵になると思いますが、理解という点においては安心してすぐに質問できる、専門学校の講座は良いのではないかなと思います(最初独学で変な癖がついた私は時々変な仕訳をしてしまいます)

 あとは、簿記検定ナビでもたまに紹介されていますが、キャンペーンを使うと費用を安くできます。いつ、どんなキャンペーンがあるかも恐らく各校によって違うと思うので、専門学校のサイトはこまめにチェックしたほうがいいと思います。

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 電卓は「CASIO DS-20K」です。もう売っていないはずです。これは、私が経理の仕事についてから前任者から引き継がれたもので、もう凹んでいるし傷もたくさんついてますが、ずっとこれで計算してきたので「試験も一緒に頑張ろう!」と使っていたものです。

 よくよく見たらこれ、サイレント機能がついていたんですね。道理ですごく滑らかでうるさくないなと気づきました。やっぱり電卓の音は(打っている自分も)気になってしまうものなので、サイレント機能がついている電卓のほうが良いと思います。

 なきうさぎさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 差異分析・シュラッター図の問題は他に比べると間違わなかったです。私にとって、工業簿記はどうしてもイメージしにくかったですが、シュラッター図や価格・数量・時間・賃率差異等は図やBOXを書いて「ひ・じ・き」の順で入れていけばいい…と割とすんなり入れたからかも知れません。

 苦手なのは、CVP分析と直接原価計算です。CVP分析は、最初は「公式を覚えるよりも、販売数をXと置いた方程式を考えればいい」と思っていたのですが、他の人に「絶対に公式に突っ込んだほうが早いよ、時間を有効に使うためにはスピードだよ」と言われ…結局両方考えているうちに分からなくなったという経緯があります。ぶれないことが大事です(笑)直接原価計算は、今改めて勉強中です。

 苦手な論点は、とにかく分からないと思ったら「解答を見る→どの数字を何故使っているかを考える→分かったら解答を見ながら一度解きなおす→次に見ないで解きなおす」という方法で勉強していました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 専門学校に通っていると、いろいろな人がいますから、誰もが自分よりもずっと余裕があるように見えます。学生さんらしい人を見ると、「いいなぁ勉強できる時間がいっぱいあるんだろうな…」社会人らしい人を見ると、「きっとずっと経理をやってきたプロなんだろうな…」と思って余計に焦ってしまったりします。その結果、問題集から目が滑るようになります。

 そうではなくて、誰もが不安な気持ちを抱えているに違いない。みんな同じだとどーんと構えることがまず第一。そして、「自分のペース」を守ること。「次はあの問題も解かなければいけない」よりも、「今日はこの問題が解けた」ということを大事にすること(そして仕訳でも工簿でも伝票でも良いので、1日1問は問題に触れること)。

 5月は本当に目が問題を滑る状態でしたが、大原の先生が「もう何から手をつけたらいいかわからなくなったら、予習プリントをやってください。それで答練で良い点数を取れば自信も付きます」ときっぱり宣言してくださったので、5月は大原とTACのそれぞれの答練しかやっていません(…が、徹底的に予習と解き直しはしています)

 もちろん、「答練だけで合格します」ということではありません。落ち着いて、間違えても解き直しをして、しっかり理解をすれば自然に身についてくるものがあると思います。大事なのは、嫌いでも苦手でもそれでも向かっていくこと、そして「どうしてこうなるんだ」ということを見つけようとする貪欲さだと思います。

 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 簿記2級を目指したきっかけは、「経理をやってますと言って簿記を持っていないんじゃ説得力がないでしょう」ということで、ひたすら2級を取ることそのものを目的にしてきました。簿記2級はまだ「仕組み」(というか大きな枠)なのだなと思います。今までは仕訳そのものしか見ていませんでしたが、帳簿等を見て「何をいっているのか」「どういう取引があったからこうなった」はおぼろげに分かるようになったと思いますし、分かろうとする自分がいます。

 「ではどうすれば良いのか」という部分を次は考えていきたい…そういう勉強をしていきたいと思うようになりました。簿記1級・税理士を目指すかどうかはまだ分かりませんが、自分ができそうなところから、勉強は続けていきたいと思います。

管理人コメント

 なきうさぎさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!専門学校の良いところを徹底的に利用し、見事に短期合格されたなきうさぎさんの合格体験記には、「専門学校を上手く使うコツ」が随所にちりばめられていますので、受験生の方にはぜひ参考にしていただきたいと思います。

 僕がなきうさぎさんの合格体験記で「確かに!」と思ったのは、「最初独学で変な癖がついた私は時々変な仕訳をしてしまいます」という部分で、僕が受験生の時にも「変なクセ」にずいぶん悩まされました。

 独学で勉強していた頃はT勘定の存在すら知らなかった僕は、「下書き用紙にひたすら仕訳を切って、後でそれを集計して解答する」という方法で総合問題を解いていました。簿記2級まではこの方法でもなんとかなるのですが…簿記1級以上となると処理が追いつかなくなってしまい、これが原因でスランプに陥ってしまいました。

 それなら、効率のよい方法に変えればいいのでは?という話しになると思うのですが、一度ついてしまったクセや先入観をなくす作業というのは見た目以上に大変で、T勘定を使った解答をマスターするまでにいろんな回り道をしてしまった経験がありますので、経済的な問題がクリアできるのであれば、簿記の「ぼ」の字も知らない状態から専門学校で勉強するのが一番かもしれません。

 あと、試験直前の不安な時期に、やるべきことをきっぱり言ってくれる先生の存在は大きいと思います。独学でも簿記検定ナビの掲示板などでアドバイスをもらうことは出来ますが、やはり面と向かってきっぱり言ってもらえると安心して勉強に集中することができますよね。これは専門学校でも「通学」クラスだけの強みです。

なきうさぎさんが使われた教材&電卓のまとめ