簿記2級の最大の敵は、直前期のモチベーション維持でした!

  • 投稿者:スモモさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約7か月

はじめに

 簿記検定ナビには大変お世話になりました。苦しい合格でしたが、ぶっちぎりでない合格体験記もどなたかのお役には立てるかもしれないと思い、体験記を投稿させていただきます。

受験の動機

 私は09年11月の3級試験を受験しました。3級の受験は、知人が受験することを知り、これを機に「いずれは受験しようしようと思いながらもズルズル何年も引きずっていたのを断ち切るため」という動機としてはやや不純なものでした。

 3級合格後、いつ買ったのかもわからなくなってしまった2級のテキストが家にあったため、この分を回収するために「少なくとも2級までは取得しよう!」というのが2級の受験動機です。いよいよ不純ですね…。

勉強に使用した教材

  • TAC合格テキスト 商・工
  • TAC合格トレーニング 商・工
  • TACプラス8点のための過去問題集
  • TACパターン別過去問題集

 3級ではネットスクールの「サクッと受かる」と「パターン別過去問題集」を使いましたが、記述の平仄を合わせた方がいいかと思い、今回は全てTACのものを使用しました。

 この中で特におすすめするのは、「プラス8点のための過去問題集」です。すごく分厚くて非常に解説が丁寧です。ざっと全体を見渡した後の練習にはもってこいではないでしょうか。頻出問題にも対応していますので、その点でもよい教材だと思います。

勉強期間

 3級合格後、少し休んで09年12月頃から開始しました。もともと、2010年3月の第124回試験は難しいので避けようという予想と自分の勉強に割ける時間を考え、20210年6月の第125回試験をターゲットとしました。

勉強計画

 商業簿記・工業簿記の順番にTACの合格テキストとトレーニングをそれぞれ2ヶ月で2回行い、その後は過去問を中心に解くという感じにしました。具体的には12月・1月で商業簿記、2月・3月で工業簿記、4・5・6月で復習をしながら3級でも世話になったTACのパターン別過去問題集を解くという計画です。

 …と、受験する回と勉強にまわせる時間を考え、「その時間をどのように割り振っていくか」ということをおおまかに考えてから勉強をスタートしました。

勉強時間

 平日は会社の行き帰りの電車の中で片道20分程度、あとは土日のどちらか1日だけ朝から図書館に行き6~7時間やりました。したがって週9~10時間でしょうか。

 4月中旬頃から試験までの1ヶ月半は、土日両方とも図書館に行き1日7~8時間やりました。平日も多少やりました。週に22時間程度でしょうか。はっきり言って、トータルでは時間不足でした。

勉強場所

 私は家では勉強ができず場所の切替が必要なタイプです。図書館でも開館と同時に入館し真っ先に勉強を始めて、疲れが出てもうダメだというところまで勉強をしていました。開館と同時に行かないと、そもそも気合が十分入りませんでした。

 私が通った図書館には簿記を勉強している人はあまりいませんでしたが、がんばって勉強しているのはそれこそ勉強している人全員がそう見えましたので、周りの人たちを勝手にライバル視して自分もがんばりました。したがって、他に簿記を勉強している人と触れ合える場を簿記検定ナビでしか作りませんでしたが、これは結果としてあまりよくなかった気がします。

試験結果と辛勝の理由(勉強時間不足・試験情報不足)

 試験の結果としては、79点で合格でした。辛勝で、受験後の後味はものすごく悪かったです。受かったかもしれないけど、ものすごく後悔の念に襲われました。以下、自分なりに考えた辛勝の理由を書き出してみます。

 平日は内勤で経営企画やら経理やらをやっており、帰宅してまで勉強を続ける力が残っていませんでした。結果、上記のような勉強時間となりましたが、特に直前期の勉強時間が不足したことが本試験の結果につながったと考えています。勉強時間が不足した結果、過去問はTACのプラス8点のための過去問題集と、TACのパターン別過去問集しかできませんでした。

 また、勉強の計画についても、事前に計画を立てて計画通りに勉強をしたはずでしたが、4月の直前期に入り、過去問を解き始めた途端に過去の知識が抜けていることに気がつきました。TACの合格テキストは、結構抽象的に記述されている部分が多く それを合格トレーニングでも消化しきれていなかったのが原因だと思います。

 勉強期間が自分としては長かったうえ、勉強時間の不足で回転数が少なかったことが、知識が定着しなかった原因だと思います。 2級は3ヶ月ぐらいでガーっと時間を確保して勉強した方がいいかもしれません。

 上述の通り、TACの合格テキスト・トレーニング・8点プラス問題集・パターン別過去問題集しか使用せず、あとは簿記検定ナビを見る程度でしたので、なんというか生の情報というか6月受験の熱気を感じることなく試験に突入してしまった感じです。

 たとえば、TACでも大原でもいいですが、模擬試験であったり直前講習であったり、そういう最後にポイントとなる点を再確認する場が必要だった気がします。ただ、簿記検定ナビの試験問題予想で予想されていた本支店会計が出たときは本当にビックリしましたし、感謝しました。

試験日当日の1日の流れ

 自宅から1時間ほどのところにある大学が受験場で、3級と同じ受験場でした。開始までは特に緊張はしていませんでした。勉強不足の感はあるけれど、いちおうやることはやった、と。しかし、試験開始後ものすごく緊張しました。

 第1問・第3問・第4問はほぼわかりました。しかし、第2問と第5問を見て焦りました。第2問はカバーできていない範囲で、やってしまったと思いました。第5問も最後の細かい論点がわかりませんでした。ざっと試験問題を見たとき、冷や汗が出ました。

 「7ヶ月勉強してきたのにわからない問題がある」と絶望感に陥りました…と同時に、わかる問題を落とせないというプレッシャーを感じました。そのため、必要以上に丁寧に何度も電卓をたたいて計算を繰返しました。これが後々、試験時間不足という最悪の事態を招くのですが…。

 自分の中では各問20分程度で追え1時間半で終了、30分は見直しというシナリオでしたが、緊張とわからない問題の読解でものすごく時間を取られてしまいました。「やめ!」の合図まで解き続けていました。試験後は失敗したという気持ちでした。

 スケジュール・時間の確保・教材の選択…自分の行動が正しい道ではなかったという思いと、積み重ねた時間を無駄にしたという気持ちでいっぱいでした。たぶん受かっているだろうという実感はありましたが、でも自分の目指した着地ではありませんでした。

 帰宅後に、簿記検定ナビの掲示板を見てまたがっかりしました。なぜなら、「ものすごい簡単だった」とか「満点に近い」とかそんな感じの書き込みが多かったからです。本当に情けなかったです。次回、また何かの試験を受ける時は時間不足に陥らないようにしっかりと計画をしていきたいと思います。

管理人からスモモさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 おすすめできます。使用した電卓はシャープのEL-N36です。5,000円前後という値段を出して買いましたので、大事に使っています。キータッチが静かで気に入っています。
 スモモさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点というか問題は第1問の仕訳です。最初の問題は精神的に大きく影響を与えるためきちんとできておかないとまずいと思い、がんばって勉強しました。苦手な論点は仕訳帳です。ただの練習不足でした…。
 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 受験を振り返り、直前期は特に、模擬試験や直前講習など他の受験生と触れ合う機会というか自分よりモーレツにできそうな人を近くに感じること、プレッシャーを受けて自分の尻をたたくことが必要かと思います。中だるみしているような時期もこういう外部からの刺激を受けることが必要だと思いました。
 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 正直言って、簿記2級までは勢いで取得しそれほどのモチベーションをもってやってはいませんでしたので、きちんと将来を見据えて上級資格を目指すのか、展開して別な方向に行くのかをこれからじっくり考えたいと思います。

管理人コメント

 スモモさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 スモモさんも合格体験記で強調しておっしゃっていますが、勉強仲間を作ったり専門学校の公開模擬試験や直前講習などを使ってモチベーションを維持するのは大事です。

 簿記検定ナビにも級別の質問掲示板がありますが、ただ眺めているだけでは非常にもったいないです。積極的に書き込みをして他の受験生と交流するようにすれば、理解出来ない問題を気軽に質問できたり、有意義な情報を交換できたり、他の受験生を励ましたり励まされたり(←何気にこれが重要です)…と、ネットでもモチベーションの維持は十分可能だと思います。

 また、大原やTACが主催する公開模擬試験では、本試験の雰囲気を肌で体験することが出来ますし、否が応でも試験を意識するようになりますから、試験日の数週間前などの「やらなきゃいけないことが多すぎて、逆にモチベーションが下がる時期」にはぴったりです。

 簿記3級と簿記2級については独学でも十分合格可能ですが、スモモさんのように「直前期のモチベーションの維持」に苦労されている方が多いです。モチベーション維持の方法についてはそれこそ十人十色だと思いますが、簿記検定ナビなどのネットや専門学校をフルに利用して、独学受験生の最大のヤマを乗り越えるようにしてください。

スモモさんが使われた教材&電卓のまとめ