カテゴリー: 簿記2級

  • 第135回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.113

    忙しさを言い訳にしない!また、過去問は目的意識を持って解くことが大事!

    • 投稿者:s&sさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月半

    2級の勉強を開始するまで

     134回(2013年6月)の試験で3級に合格し、もともとどうせやるのなら2級まで取得しようと思っていたため、合格発表後すぐにテキストを注文しました。6月20日頃にテキストが届き、勉強開始は少し休む期間をとり7月1日からと決め、ここから約4カ月半の独学での勉強がスタートしました。

     普段は仕事(事務)をしていて週2日休みです。2歳の息子もいるのでそんなに勉強時間は多くはなかったと思います。勉強時間は7月・8月・9月中旬までは朝5時に起きて6時までの約1時間。(寝坊したり起きられなかったりで勉強できない日もありました)

     9月中旬以降は朝会社についてからの30分と夜息子が寝てからの21時半~23時半頃までの約2時間、休日の息子のお昼寝中(約1時間半)が基本でした。なお、直前期(ラスト2週間ほど)は仕事のお昼休みにも過去問をガリガリ解きました。

    使用テキスト・教材

     3級のときにもネットスクール出版のサクッとシリーズを使用していたため、2級も同じシリーズで揃えました。ネットスクールのHPから購入すると、2級の下記テキスト5冊をセット売りしていて定価より15%OFFなどで購入できます。書店よりもお得なのでおすすめです。

    • サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
    • サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
    • サクッとうかる日商2級厳選過去問ナビ

     このほかに使用したものは…

    使用した教材
    使用した教材

    勉強の進め方

     以下、時系列でこれまでの勉強内容を書きます。

    7月

    • 【商業簿記のテキストでの学習】

     レベルはさすが2級…最初の銀行勘定調整からつまづきそうになるも、この期間はとりあえず立ち止まらずテキスト読み進めました。テキストを読む→トレーニング問題集の該当箇所を解く→わからないところはまたテキストを読み…のくり返し。約1カ月で最後まで完了。

    8月

    • 【工業簿記のテキストでの学習】

     商業と同様…のつもりが、初めてきく言葉のオンパレードに頭がパンクしそう。テキストに書いてある理屈は理解できても問題になるとさっぱり解けず。でもわからなくて当たり前と半ば開き直りながら、とにかく前へと進み、こちらも約1カ月で強引に終了。

    9月

    • 【簿記検定ナビの無料仕訳問題】

     毎朝会社に着いてから仕事開始までの30分程度で5問~10問ずつ解き始める。

    • 【商業・工業のトレーニング問題集(本試験レベルへ挑戦、の部分)】

     商業は約1カ月期間があいたので頭から半分くらいの知識が抜けてしまっていて、問題を解こうにも全く歯がたたなくてテキストを見ながら進めることに。

     工業はもっと出来が悪く、基礎の部分があまり理解できていないと感じあまりにもできない自分にイライラしながら進めました。毎日毎日赤ペンで自分の解答を修正する期間が続き落ち込み始めた頃、問題集の解答解説欄に書いてあった言葉が心に染みました。

     「簿記の学習は、覚えて、忘れて、また覚えるのくり返しです」

     あぁ、私は今まさに「忘れる」の期間の真っ最中だ、みんな通る道なんだ、これを繰り返せば必ず覚えられる!!ととても前向きになりました。

    • 【厳選過去問ナビの過去問】

     過去問を解く際には自分で下記ルールを決め実行。

    • どんなに出来なくても、時間が足りなくても、時間になったら解答をやめる
    • 制限時間は100分(※本番は120分)
    • 下書きは用意したノートの両面1ページのみ

     全7回の過去問のうち、この時期で最高86点、最低60点あたりの出来。間違えた問題は以下の2点を意識して復習しました。

    • テキストに戻り復習、解説をしっかり丁寧に読み込む
    • 苦手だと感じた部分は間違いノートを用意してそこにまとめる

     過去問ナビの問題には「第○○回より抜粋」など引用している問題の回数が記載されています。間違った部分の解説を読んでもいまいちピンとこなかったときがあり簿記検定ナビの過去問分析の該当回数の解説を何気なく読んでみたら、こちらのほうが下書きの書き方、定番のBOX図や暗記用語呂などが載っていて理解しやすかったです。

     簿記検定ナビのおかげで、それまで解けなかったのに解けるようになった論点はいくつもあります。本当に感謝しています。

    間違いノート1
    間違いノート1
    間違いノート2
    間違いノート2

    10月

    • 【過去問ナビ・2回転目】

     ほぼ90点を超えられるようになりましたが、苦手な部分では20点中8点しかとれないなど苦手な部分が一目瞭然。

    • 【その他の問題】

     少し自信がついたため、試しにどれどれ…と思い興味本位から(やめておけばいいものを)合格率13%だった134回2級の問題を解いてみると、あえなく撃沈の64点…簿記検定ナビで新しく配布された予想問題を解いたら、こちらも66点といずれも70点に届かずにものすごく落ち込む。

     過去問も2回解き、それなりに理解もできているはずなのに、少し捻られたり言い回しが違うと途端にできない…本質がわかっていないんだと思いましたが、それをどう克服していいのかわからず勉強への気持ちもひたすら落ち込み、いわば中だるみ・中疲れ?のような状態に陥りました。

     さらに試験まであと1カ月と日にちも近くなってきて焦る気持ちも出てきて、焦れば焦るほど手がとまってしまう日が数日続きました。

    • 【アドバイスを求め相談】

     まずはこんな気持ちをどうにかしなければ、と悩んだ結果簿記検定ナビの管理人さんである田口様へ直接相談してみることに。これまでの学習経過、今の状態などを書いて相談したところ、自分でも気がつけていなかった弱点部分、おすすめの弱点克服方法などを返信してくださいました。

     この時点で苦手だったのは以下の3つで、「まとめ解き」による弱点克服をはかることにしました。

    • 特殊商品売買(仕訳の形があやふや)
    • 本支店会計(必要な下書きができていなかった)
    • 工業簿記全般(全体的に知識・問題練習不足)

     特殊商品売買の中でも受託・委託販売が特に苦手でした。再度テキストに戻り、なぜそういう仕訳になるのかという理屈の部分からしっかり押さえ、仕訳問題をとき、簿記検定ナビ内の特殊商品売買のみの簿記クイズに挑戦しました。この簿記クイズで9割ほど正解となり一気に自信がつきました。

     本支店会計については、簿記検定ナビ内の過去問解説から定番の下書きを理解し真似して書くところからはじめました。また、過去問などの中から本支店会計だけをピックアップして5~6問といたところこちらもだんだん解けるようになりおもしろくなりました。

     工業簿記については約1週間、過去問を解くのをやめて毎日工業簿記の問題のみを解きました。その結果、点だった知識がつながり線となり、流れが理解できるようになった気がします。

    • 【ネットスクール出版の予想大会DX】

     本試験3週間前にネットスクール社で予想大会DXというのを開催していてそれに参加しました。事前に申込が必要(ネットから簡単にできます)ですが、インターネットを使ったライブ放送でチャット形式で先生に質問ができたり、他の方の勉強の進み具合などがわかりとてもいいイベントです。

     特に独学ですすめてきた人にとっては、先生がインターネットで解説してくれたり激励してくれたりするので、一気に志気が高まります!開催時間に見れなくても、あとから録画したものを見ることもできるのでこれはぜひ参加したほうがいいと思います。

    11月

     いよいよ残り2週間となり、予想大会DXで一気にやる気も高まりラストスパートに入りました。残り2週間は1日2回分の過去問、予想問題を解くことにし、計画をたててその通り進めました。11月に入ってから解いた問題は下記です。

    • 過去問ナビ・3回転目
    • 135回対応ラストスパート模試・2回転
    • 模擬試験問題集
    • 簿記検定ナビの無料予想問題・2回目
    • 大原の無料予想問題・2回目

     全部で25回~28回分程の問題を解いたと思います。2回目、3回目の問題についてはほぼ95点以上ですが満点はなかなかとれず、本番にもし出題されたら捨て問題にしようと思うほどの難問でも念のため見直し・解き方の確認をしました。また、再度弱いと感じた部分については間違いノートにまとめていきました。

     ラストスパート模試については、全部で4回分の問題が入っていますが3回分については90点以上。残り1回分は72点とかなりギリギリな点数で少し焦りました。

     この72点の問題というのがかなり大胆な予想をした問題で、第2問に変化球の問題をいれているものでした。本番と同じように時間を計りやっていたので、その問題を見た瞬間焦ってしまい、全く点数がとれなかったのです。あとから思い直せば、これが本番でも多いに役立ったのかもしれません。

    前日

     前日は日中に1回分だけ問題をとき、夜は早めに休むことにしました。寝る前に、無料仕訳問題をさらっと見返し苦手な部分の仕訳を解きなおしました。

    試験日の1日の流れ

     試験開始40分前に会場に着くように行く予定で、その時間にあわせて行動しました。朝はいつも早起きなので、普段通り。朝ご飯は、昼ご飯を少し少なめにするため多めに食べました。午前中に義実家へ息子と一緒に行き、一緒に遊んで12時くらいにお昼ご飯、スパゲティを3口ほど食べる。会場へはチョコレートを持って行きました。

    • 12:45 会場到着

     会場へ着くと1/3程の方がすでに教室にきていました。会場へ持って行ったのは以下の3つです。

    • 間違いノート
    • ラストスパート模試
    • 無料仕訳問題

     席についてまずトイレを済ませて、間違いノートを見直しました。そのあと指ならしのため、ラストスパート模試の精算表問題の残高計算を何度か行いました。あとは無料仕訳問題を見返し、チョコレートを2つ食べて開始に備えました。

    • 13:30 試験開始

     問題・解答用紙が配られ氏名等を記載するようアナウンスがありました。解答用紙をひらくと、第2問でまさかの帳簿以外の変化球!!うわ~…と思い第3問を見ると、本支店か決算三勘定とふんでいたはずがまさかの精算表!ここでだいぶ動揺しました。第4・5問は予想通りの出題で少し安心しました。

     一度解答用紙を閉じ、試験開始のアナウンスを待ちます。では、はじめて下さい!の声とともに問題に取りかかりました。ちなみに普段から問題を解く順番は1→4→5→3→2です。

     まず第1問を解く前に、気になっていた問題内容をチェックしました。第2問、初めてみるタイプの問題で減価償却のオンパレードです。私は減価償却は得意なほうだったので問題をさっと見て、落ち着けばできそうと感じ普段通り最後に解くことに。

     第3問の精算表も少し月数処理が面倒そうなのはありましたが、ここも落ち着けばできると感じました。第4・5問も予想通りの出題だったので大丈夫だと思い、第1問へ戻りました。第1問・第4問・第5問はいずれも難しくなく、すらすら解けました。

     第5問で一度基準操業時間がわからず手が止まりましたが、手が止まってはいけないと思いすぐにシュラッター図を書き問題文を読み直すとすんなり数値が読み込めました。第3問も月割などに注意しながら慎重に解くと、1回で残高もあい一安心。

     問題の第2問に取りかかります。残り時間はこの時点でたしか40分ほどありました。問題をしっかり読み、一問ずつ減価償却の仕訳をすると意外にも面倒なものはひとつもなく、あとはその仕訳を見ながら解答用紙の勘定記入をするのみとなりました。

     「諸口」を書くのが少し戸惑いましたが、思った通りの解答を書いて全ての解答を終えました。残りは20分、今まで100分で解く練習をしてきた成果かなと感じました。解答用紙の答えを出来る限り計算用紙などにうつし、見直しをします。すると、第4問でひとつ使っていないデータがあったことに気づき見直すと、実際操業時間で計算していないことに気づきました!

     慌てて計算しなおし解答用紙の答えを書き直しましたが時計を見ると終了時刻ぴったりの時間です。うわ~~~と思いながらあと1つ書き直したい解答部分があったにもかかわらず、間に合わずそのまま終了となりました。

    • 15:30

     息子のもとへと帰り、解答速報がでるのを待ちます。第2問はできたと思っていてもどうにも自信がなく解答速報が待ち遠しかったです。ネットスクールの解答速報が出て答え合わせをしたところ、第4問で書き直しできなかった部分を除いて他はすべてあっていました!2級は90点以上での合格を目指していただけにものすごく達成感がありました。

    11月25日 合格発表

     8:50頃からそわそわし、9:00過ぎに商工会議所のHPを見てみると合格発表がされていました。受験番号を確認してほっと一安心。まだ封書などは手元にきていませんが、合格できて本当に良かったです。

    最後に

     仕事をしながら、家事・育児・勉強をこなすこの期間は決して楽ではありませんでした。落ち込んだりできない自分にイライラしたり、そんなとき支えてくれた夫や簿記検定ナビのサイト、合格体験記、そして管理人の田口様。そういう方への感謝の気持ちと、絶対に今回で合格するんだ!という強い気持ちを忘れず勉強を続けてきました。

     また、今回もまた前回に続き変化球の問題がでました。この問題で焦って正常心を失わずできたのは、事前に変化球がくるかもしれないと予想をしていたこと、すぐに問題にとりかからずに問題をチェックすることで焦る気持ちをおさえられたことが大きかったと思います。なるべく苦手部分を作らないように勉強を進めることも大切だと感じました。

     わからなかった、解けなかった問題が解けるようになるときの快感・合格できたときの快感や開放感はとても気持ちのいいものです。このサイトには大変お世話になったので、このサイトを見ている方の勉強に少しでも役立てたらと思い投稿しました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

    管理人からs&sさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     サクッとシリーズのテキスト・トレーニングについては80点です。テキストはイラストもほどよく見やすく、私の好みにあっていました。が、もう少し本格的にやりたいのであればところどころ内容が足りないなぁと感じる部分もありました。全体的にみるととても見やすく初学から入るならばわかりやすいと思うのでオススメです。

     過去問ナビについては90点です。7回分の過去問がついており、解答用紙はネットスクールのホームページからダウンロードできますので何度でも繰り返し解くことができます。私は利用はしませんでしたが、電話でわからないところを相談できたりと至れり尽くせりなネットスクール社、解説も詳しくてオススメできます。

     簿記検定ナビの無料仕訳問題と無料予想問題はどちらも100点です。今回から配布が始まった予想問題については程よい難易度で解説ももちろんわかりやすくこれで無料とは活用しない手はないと思います。欲を言えば、これからの予想問題は2回、3回分の配布がされればもっと嬉しいです。無料仕訳問題についても、隙間時間を有効に使えるとてもいいアイテムとなりました。

     大原の無料予想会でもらった問題集については本文に書いてませんでしたが、大原で開催の無料予想会に参加すると問題がもらえます。予想問題も一回分ついているのですが、これがなかなかの難しさで解いた中で一番難しかったかもしれません。点数はつけませんが、近くに大原がある方は、無料で参加でき特に勧誘もなく、質問にも丁寧に答えていただけたので(先生によりけりかもしれませんが)参加されてみるといいと思います。

     135回対応ラストスパート模試(ネットスクール出版)は買ってよかったです。95点です。本番の問題、解答用紙を真似た緑色の用紙、細かく分析された上での予想問題、詳しい解説、また本誌を使用した予想大会DXではライブで解き方のコツなども解説してもらえます。オススメです。

     模擬試験問題集(ネットスクール出版)は実はお下がりのものがあったため、たくさん問題を解くために使用していました。点数をつけるなら50点、時間がたくさんとれるならこれも購入してガリガリ解くのがいいと思いますが、解説があまり丁寧ではなく間違えた問題の解説を読んでも簡潔すぎて理解できない部分が多々ありました。短期間でやるのなら過去問ナビ、ラストスパート模試で十分だと思います。

    管理人コメント

     s&sさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!s&sさんにはLINE経由でご相談いただいたんですが、少しでも力になれたようで良かったです。

     s&sさんの勉強法で特に参考にしていただきたいのは、過去問を解く際のルール「どんなに出来なくても、時間が足りなくても、時間になったら解答をやめる」と「制限時間は100分」です。

     時間を計らずに漫然と問題を解いても力はつきません。本試験を意識して集中力を高めた状態で問題を解くことによって、初めて実践的な力が身につくのだと思います。特に社会人の方は学生やフリーの方に比べると、どうしても「勉強時間・勉強量」の面でハンデを負うので、「勉強の質」でカバーするように心がけてください。

     また、苦手だった本支店会計を克服するために、私の書いた下書きを真似するところから始めた、と書いていただきましたが、これもぜひ見習ってほしいです。3級・2級の多くの問題は下書きを定型化することが出来ます。型を覚えてしまえば、あとは数値や金額を埋めるだけの作業になるので、苦手分野を逆に得点源にすることも可能です。

    s&sさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第134回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.112

    常日頃から「最後まで諦めずに問題を解ききる」意識を持ち続けました!

    • 投稿者:探すようさぎさん
    • 勉強形態:専門学校(通学)
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月
    • 備考:資格の学校TACに通学

    はじめに

     経理補助事務として数年勤務しつつ、簿記3級は独学で3年ほど前に取得していました。そのまま、簿記2級も!と独学をしてみるものの、難しくて何回も挫折し、そのまま年月が経ってしまいました。

     このままでは良くないな、ということと、仕事を辞めたことをきっかけに、「今度こそきちんと知識を身につけた上で簿記2級を取得して、再就職につなげたい!」と強く思うようになりました。

     再就職活動をしている中で、経理をしたい場合、実務経験はあっても簿記3級だけだとどうしても条件がいまいちな会社しか見つからない・内定が取れない、というジレンマがありました。

     独学は自分の性格上、絶対無理だと結論が出ていたため、最初からTACに通学することにしました。2013年3月開講の本科生となったのが4月の頭でしたので、実際の通学は工業簿記の基礎講義からスタートしました。

     商業簿記の基礎講義は、通学と並行して、自宅でWebフォローを利用して学習する形にしました。

    テキストについて

     TACの本科生になったので、『合格テキスト』『合格トレーニング』をメインで使っていました。

     ただ、この本が良いものであることは重々承知しているのですが、個人的には「もう少し分かりやすいものがいいなあ…」と思うようになり、ネットで調べて評判が良かったネットスクールの『すいすい簿記 マンガ見てGO!』『サクッとうかるトレーニング』も用意し使いました。

     その他では、簿記3級の勉強や前職のときにとても役に立った『世界一感動する会計の本です』を繰り返し読んでいました。直前期はTAC出版の『合格するための過去問題集』を活用しました。

    勉強スタイル

     すぐ勉強から逃げてしまう不真面目な性格ですので、敢えて「勉強から逃げにくい」環境へ自分を追い込んでいました。

     まずは、『すいすい簿記』を自宅で読みます。これが本当に分かりやすくて、この本のおかげで勉強から逃げ出さずに済んだといっても過言ではありません。初回はまずさーっと流し読みをします。

     その次は、次回のTAC講義までにその講義の範囲のみ熟読し、テキスト内の仕訳などの問題を実際に解きました。その後で、対応する『サクッとうかるトレーニング』の問題を解きました。

     以上のやり方で、TAC講義の予習としていました。この段階で「ちょっと微妙に分からないな」というところもありましたが、そこはTACの講義で埋められるように意識していました。

    商業簿記の勉強スタイル

     簿記2級の商業簿記については、Webフォローで自宅でパソコンを使い、講義を受けました。講義を受けた後は、TACの先生のアドバイスの通り、必ず復習を行いました。

     具体的には、『合格テキスト』の基本例題を解いたり、『合格トレーニング』の問題を解いていましたが、特に後者は難しい問題も含まれているので、初見で解けないことも多かったです。

     その場合はしっかり解説を読み込んでから、時間を置いてまた挑戦し、自力で完璧に解けるまで何度も復習し反復しました。問題の答えを覚えるのではなく、解き方をきちんと理解することを重視しました。

    工業簿記の勉強スタイル

     簿記2級の工業簿記については、TACに通学し勉強しました。基本的な予習・復習の流れは商簿のやり方と同じです。私の場合、独学を挫折したのは「工業簿記が訳わからない!」ということが大きい理由でしたので、講義は真剣に受けました。

     工業簿記は、勘定連絡図をきちんと書ければ合格できると思います。独学のときは仕訳しかしていなかったのでイメージがつかず駄目でしたが、講義を通じて初回から勘定連絡図を書く癖をきちんとつけることができました。

     その他にも、原価ボックスの書き方など、TACの講義では効率のいい下書き用紙の書き方をいろいろ伝授してもらえたことが非常に役立ちました。

     自宅で勉強しにくいときは、敢えてTACに行き、自習室で勉強するようにしていました。静かで尚且つ電卓を叩きやすい場所はそうそうないので、非常に助かっていました。

     また専門学校の特性上、みなさん静かかつ真剣なので、そのような良い雰囲気に後押しされていました。賢そうな人たちの中に紛れて勉強していると、それだけで「自分、えらいなあ~」と前向きに思えていました(笑)

     通学は、主に週2回していました。授業一コマが2時間半(途中で休憩10分あり)で、結構長いので大変でした。それ以外で予習復習も行う、さらに自分の場合は商業簿記はWebフォローで無理やり工業簿記とペースを合わせていたため、前半のインプットの時期が一番ハードだったかもしれません。

     ただ、幸い(?)なことに離職中のため、時間はたくさんありました。そのおかげでなんとか遅れることなく、TACの通学ペースに乗れていました。もし学生だったり、仕事をしながらの勉強だと厳しかったと思います。

     日中はお忙しい方の場合でしたら、勉強期間は3か月以上に設定した方が無難かもしれません。1日フルで使える環境にある方でしたら、私のように2か月ほどの短期決戦でもなんとかなるかもしれません。

    直前期の勉強スタイル

     試験1か月前くらい前~直前期は、TACの直前答練・的中答練で、実際に問題を解くアウトプットの練習をしました。このとき、答練前にはかならず指定された範囲の予習をしっかり行っていました。

     予習は、以前のやり方に加えて『合格するための過去問題集』の厳選問題を解いたり、対応する範囲の過去問をピックアップして解くようにしていました。

    過去問題集
    過去問題集

     「テストの範囲は知らされているのだから、絶対70点以上の合格ラインを越えてみせる!」と自分の中でルールを作っていました。大変でしたが、そのような高いモチベーションを維持していたので、最後の的中答練まで、すべてのテストで70点以上は確実に取っていました。

     この直前答練・的中答練は非常に有意義でした。自宅ではなく、外で実際に試験のシミュレーションができるというのはとても効果的だと思います。変に時間をかけて完璧主義を目指すと、解ける問題も時間が足りずに失点を重ねてしまう!ということをここでの失敗で痛感しました。

     一度失敗して70点台の不本意な得点で終わった回以降は、どんなことがあっても絶対に全部の問題を解ききる!という意識が生まれ、そのおかげでほとんどの答練で80点以上は取れるようになれる解き方・意識・力が身に付きました。

     TACの先生曰く、「答練以外での自習で過去問を解いてほしい。問題集を3周はしてほしい」とのことでしたが、自分の場合は8割くらいの範囲をかろうじて2周するので精いっぱいでした。もう少し時間があれば、あと1か月あれば全体を3周できたのかな…というところが心残りです。

    試験日の1日の流れ

     少し早起きして、普通に過ごし、受験会場であるTACに着いたのは朝9時です。自習室でお昼まで、最終チェック代わりの問題演習をしました。具体的には、『合格するための過去問題集』の第1問、仕訳問題の厳選問題と、過去問で間違えた仕訳問題の見直しをしていました。

     11時過ぎにいったん会場を出て、外でお昼ごはんを取り、12時前には試験会場教室に行きました。12時前ではまだ人もまばらでした。周りはあまり気にせず、ここまで直前になると疲れることはやめようと思い、『合格するための過去問題集』の厳選問題の解説を流し読みしていました。特に、自分が間違えたので問題集に書き込みを加えたところを重点的に見ていました。

     13時過ぎになると、会場にどんどん人が集まりました。15分前にお手洗いを済まし、もうテキスト類は閉じてカバンに入れ、荷物も片づけました。机の上に必要なものだけ用意し、少しの間目を閉じて静かに休んでリラックスしていました。周りは、直前まで勉強する方もいれば、音楽を聴いてリラックスしている方も見受けられました。

    • 試験開始!

     試験開始と同時に、問題用紙・答案用紙を一通りさーっと確認しましたが、「第2問と第5問がなんだか見慣れない形式だ!!」と焦ったので、まず第一問から解こうと思ったんですが…1問目から直接法の減価償却に少しとまどい、手に汗をにぎりっぱなしで本当に落ち着きませんでした。

     試験直前期にTACの先生が「焦った時は、いったん手を止めて目をつぶってください。そうすれば落ち着けます!」と仰っていたことを思い出し、数秒かけて実践したあと、もう一度がんばりだしました。

     時間はややかかりましたが、20分くらいで第一問はすべて解いて見直しもし、「たぶん全問正解できてる」と確認を終えたことには、少し冷静さを取り戻していました。

     その次に、思い切って第5問に挑戦し、用語や数字を埋めました。正直なところ、後半の解答には自信を持てませんでしたが、ここで粘ると絶対後に響くのが分かっていたので、潔く諦めて次に進みました。

     第4問は、勘定連絡図をきちんと書き、材料費・労務費・経費、直接費と間接費の区別がきちんとつけられれば確実に解ける!ということが問題を見て分かったので、安心して取り組めました。途中、緊張のあまりいつもはしないような電卓計算ミスを連発してしまいましたが、最終的には「これは満点取れた」という手ごたえはありました。

     その次は第三問の精算表を解きました。答案用紙を見た時点で「精算表だ!やった!」と思っていたので、あえて後半戦に回していました。こちらはソツなく解けて、本試験の中でいちばん楽しんでいる時間でした。

     売上原価についてはきちんと内容理解を深めていたので、とまどうことなく解答できました。「この問題も満点もらった、この試験、微妙なとこもあるけどたぶん合格できる」と思えていました。

     最後に、残り13分というところで第2問に取り掛かったんですが、かなり手ごたえがなく、少しへこみました。簿記3級の知識が残っていればもう少し得点できそうでしたが、度忘れしているところも多いので潔く諦めました。

     周りでは途中退席する方がちらほらいたので、「諦めたのかな…」という印象を受けつつ、「今回の問題、けっして簡単ではないから、諦めたい気持ちも分かるなあ」と感じました。

     ただ、自分としては、第1問・第3問・第4問で得点できた自信があったので、第2問と第5問に手ごたえはなくてもたぶん大丈夫だから不安ではありませんでした。

    試験を終えて

     今回、私は過去問を完璧にすることより、「できる限り苦手分野を減らす」努力をすることに重点を置いていたので、その作戦で合格を勝ち取れたように思います。結果は84点でした。

    • 第1問:20点
    • 第2問:12点
    • 第3問:20点
    • 第4問:20点
    • 第5問:12点

     ちなみに、TACの団体受験者は80人ほどでしたが、その中でも合格者は私を含め10名ほどしかいませんでした。今回の試験は本当にハードだったことを痛感する結果でした。

    管理人から探すようさぎさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    『すいすい簿記』

     90点。導入には最適です。簿記に抵抗がある人におすすめしたいです。

    『サクッとトレーニング』

     80点。本試験レベルの問題が、いきなり難易度急激にUPという雰囲気になったり、微妙に取扱いのない論点(1も)があるので、この本だけだと苦しい箇所もあるのでこの点数としました。ただ、挫折はしにくい本だと思うので、その点では素晴らしいと思います。

    『合格テキスト』

     75点。私にはなんとなく難しいままでした。ですが、想定されるすべての論点を抑えている良い本です。個人的に思うのは、自分に合って読みやすいテキストをメインにし、細かい論点はこの合テキを使うという、メインとサブの使い分けをしていったことがプラスになったように思います。

    『合格トレーニング』

     90点。難しい問題もあり、初見で完璧に解ける問題の方が少なかったんですが、過去問のアレンジ問題もあるので、やはりこの本を繰り返すと非常に効果があることを実感しました。この本をやり遂げるには非常に時間とエネルギーが要りますが、そのリターンは十分にあると思います。

    『合格するための過去問題集』

     95点。厳選問題にかなり助けられました。また、論点別の一覧表もあるので予習復習に役立ちました。解説も丁寧なのでとても使いやすかったです。

    『世界一感動する会計の本です』

     95点。たまに初心にかえりたいときに読みました。三分法ではなく分記法での説明がメインだったりで、日商簿記に直結しない箇所もありますが簿記一巡のインプットにはもってこいです。非常に読みやすいので、簿記につまづいている方や初心者さんにおすすめしたいです。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     10桁なのでおすすめはできませんが、SHARPのEL-133Hを使っていました。これから電卓を用意する方には、12桁のものをおすすめいたします。また、日商簿記1級も目指す方には√キーなどもそろっている電卓をおすすめいたします。
     探すようさぎさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     「あまりがんばりすぎない」「さぼりすぎずに毎日コツコツ進めること」の2つです。

     調子が良い日は、ついついどんどん進めたくなるのですが、がんばりすぎると翌日がしんどくなったり、前日あんなに進めたのだから、とサボってしまいがちなので、やはり「今日は調子よくても○時間までで止めよう」と意識していました。

     逆に調子が悪い日は、「最低この問題はやろう」と意識して最低限の量はやるようにしました。結果として、毎日コツコツバランスよく勉強が進み、モチベーションが保たれました。

     また、過去問演習や答練などで、なるべく良い点を取れるように努力していたので、実際に結果を出せて90点台だったときには達成感があり、これもモチベーションにつながりました。

    管理人コメント

     探すようさぎさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!TACの通学講座を有効活用されていますが、比較的時間がある方や、どうしても1人ではだらけてしまうという方には特におすすめです。

     通学講座のメリットは、「カリキュラムにそって勉強していけば、自然と合格に必要な力が身につく」や「分からないところは先生にその場で質問できる」等ありますが、個人的には「自習室を利用することが出来る」が一番大きいメリットだと思います。

     会計士・税理士・簿記1級受験生のように高い夢を掲げ、人生をかけて勉強している人たちと同じ部屋で勉強すると、「自分もがんばらなきゃ!」という気持ちになりますし、緊張感のある空間では意外なほどに集中して勉強することができます。

     あとは、「直前期の勉強スタイル」のところに書いていただいた「どんなことがあっても絶対に全部の問題を解ききる!」という姿勢も素晴らしいと思います。ぜひ見習ってください。

     ちょっと分からないとすぐに答えを見てしまう方がいらっしゃいますが(受験生時代の私がそうでした)、すぐに諦めずにじっくり考えることによって初めて力がつくので、どんなに難しい問題でも、どんなに苦手な問題でも、必ず自分なりの解答を導きだすことを心がけてください。

    探すようさぎさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第134回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.111

    総合問題を解く際は、本試験を想定して計算用紙の使い方も意識しましょう!

    • 投稿者:あっと!さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月

    はじめに

     金融業界勤務で、会社からは毎年何らかの試験を受けるように推奨されており、3級は4年ほど前に取りましたが、それ以降きちんと簿記というものには触れておりませんでした。「折角3級をとったのだから、2級もいつかは…」という程度の考えはありましたが。

     業種柄、B/SやP/Lなどの基礎知識はありますが、実務で経理をやっているわけではありませんので、仕訳などには全く縁が無く、このままだと簿記からどんどん遠ざかってしまうと思い、2級の受験を決意しました。

     表題で「基礎」と「応用」と言い古されてきたような言葉をあえて使わせて頂いたのは、「基礎」となる簿記のベースの考え方と、「応用」としての試験対策がどちらも両輪として必要である、という事をお伝えしたかったからです。

     特に、簿記は受験する回によって難易度が乱高下しています。前回(133回)のように合格率が40%を超える回もあれば、今回(134回)のように合格率が10%台という回もあります。たまたま厳しい回にあたってしまった人はアンラッキー、次受ければいいや、と考えて臨むのでしょうか。自分はそれは大いなる時間の無駄だと思います。

     時間に余裕のある人ならまだしも、仕事もあり時間のない社会人ならば一発で受かるつもりでやるべきだと思いますし、自分の体験記はそういった、「短期集中・一発合格を目指す」方の参考にして頂ければと思います。

     トータルの勉強期間としては約4ヶ月です。以下、時系列で記載いたします。

    最初の3ヶ月間

     下記参考書を使用しました。

    • 「ポケットテキスト(商業簿記)」(TAC出版)(以下、「ポケット」)
    • 「ポケットテキスト(工業簿記)」(TAC出版)(同上)
    • 「スッキリわかる(商業簿記)」(TAC出版)(以下、「スッキリ」)
    • 「スッキリわかる(工業簿記)」(TAC出版) (同上)

     この期間は、平日、通勤時間に「ポケット」を、お昼休みや仕事の空き時間に「スッキリ」を読んで、気になるところはノートにまとめ、整理する、という作業をしました。平日夜や休日は特に何もしていません。

     どうしても試験が近くならないとエンジンがかからない、というのは人の常かと思いますが、この段階では「細かい点まで頭で深く考える」というよりまは、さほど根を詰めず「全体を俯瞰するようにさらっと読む」感覚で何回も繰り返し読みました。ここで、3級の復習と、簿記のベースとなる考え方(「基礎」)の整理・確認はできたように思います。

     今試験が終わってから振り返ると、今回の2問目のように、過去問や模擬問題集ではほとんど見たことがないような問題が出ることもあり、小手先の試験対策(過去問や模擬問題集だけに頼る=「基礎」をおろそかにして「応用」しかやらない)の危うさと、「基礎」の重要性を痛感いたしました。

    1ヶ月前からの1週間

     下記問題集を使用しました。

    • 「出題パターンと解き方 過去問題集」(ネットスクール出版)(以下「パタ解き」)
    • 「日商簿記検定 模擬問題集」(ネットスクール出版)(以下「模擬」)

     「ラスパ」の中に「予想大会DX」なるネット講座を無料で受講できる、と記載があり受講いたしました。ネット講座ではありますが、PCの画面ごしに試験対策を熱く解説する講師の方々に大いにモチベーションをあげて頂きました。受験勉強でここまで熱い気持ちになれたのは本当に久しぶりでした。

     特に、予想大会の最後に桑原先生がおっしゃられた「誰かに良くしてもらった事は誰かに返す」という言葉は忘れられません。先生ご自身のエピソードにも思わず涙ぐんでしまいました(この体験記は先生へのお礼を兼ねた「お返し」と、ほかの受験生に少しでも役立てば「お返し」になるというつもりで書いています)。

     「ラスパ」の出来がボロボロであった事から、「応用」(試験対策として問題を解く事)の重要性を認識し、予想大会DXで盛り上がったモチベーションの勢いも借りて、「パタ解き」と「模擬」を購入しました。

     それからは、平日は朝早起きして出社し始業前の1時間、昼の1時間、寝る前の2~3時間、休日は1日中、ひたすら解き、間違えた箇所はノートで自分なりにまとめを記述するという作業をしまくりました。

    使用した問題集
    使用した問題集
    まとめノート
    まとめノート

     その後、2周目以降は出来た箇所は飛ばしながら、「ラスパ」・「模擬」と2回転、「パタ解き」を1回転やりました(この間、有給を1日とりました)。

     なお、問題をやる際には、次の2点を意識して取り組みました(これは他の方々の体験記などを参考にさせて頂きました)。

    • 常にスピードを意識して時間を計測(大問1問につき20分)
    • 1回分で使用する計算用紙も本番同様にA4の1枚に限定。二つ折りにして下書きや計算もコンパクトにまとめるように意識

     この3週間はパリパリ勉強して最もエンジンがかかっていましたが、家では平日も休日もピリピリしていましたし、家の事や子供たちの世話も妻任せで何もせず、申し訳なかったと思っています。

     気を遣わせてしまい家族に悪いので、休日は近所のネットカフェに籠もって早朝から勉強してました。

    直前1週間

     「パタ解き」「模擬」をもう1回転(この段階では、もうやった問題なのでおよそ8割から9割は得点できるようになりました。)やり、その後、繰り返して間違えた(=苦手な)問題をやりました。

    試験前日

     翌日に疲れを残してもいけないと思いあまり根を詰めずに「ラスパ」の苦手な問題だけを解いて、あとは子供と遊んだりしてリラックスして過ごしました。

    試験日の1日の流れ

     朝7時起床。試験は午後からで、午前中も勉強する時間はあるのですが、さすがに緊張しており、問題を解く作業はせずに、今までまとめてきたノートなどをさらっと眺めていましたがほとんど頭に入らない状態でした。今更ジタバタしても、という気持ちもありました。

     早めの昼食をすませ自宅を出て、12時50分くらいに会場につきました。大原簿記専門学校の中の40名くらい入る教室でしたが、自分より先に入っている人は一人だけでした。

     試験開始時点でも、2割くらいの席は空いていました。ちなみに、余談ですが、合格発表で合格者の受験番号を見たところ、その教室で合格していたのは4人でした。30人程度の受験者で4人ですから、やはり合格率は低かったのか、と実感しました。

     その後試験が始まるまでは席で目を閉じて頭を休めたりしていました。何もしていないと不安になるので、一応、ノートだけは持って行って机の上に広げてはいましたが、殆ど見ていませんでした。

     2時間の長丁場なので、トイレだけは始まるまでに3回くらい行っておきました(3級の時はこれで痛い思いをしました。開始1時間くらいで我慢できず、見直しもせずに途中退席。合格はしましたが、冷や汗ものでした)。

    • 試験開始!

     開始前に試験官の説明と、解答用紙に受験番号や氏名を記入する時間が与えられ、その時に解答用紙に、自分の得意な精算表が見えたので、ちょっと嬉しくなりました。その後、耳栓をして、計算用紙を二つにおり、集中モードに突入し試験開始。

    第1問

     1問目の減価償却でいきなりひっかけのように、「直接法」と来たので、早くも「難易度があがる」という自分の読みが当たったと思い、ここは注意深く解いて気が抜けたのか、2問目の積送品と3問目の社債で間違えてしまいました。

     普段なら間違えないようなところで間違えてしまっており、試験とは怖いものだと後から思いました。試験が終わった後、会場出口で第1問だけの解答速報が配られており、そこで20点中12点しか取れていない事が分かってしまいました。不合格かも、とがっかりしながら帰宅の途につきました。

    第2問

     銀行勘定調整表。第2問は変化球問題が多いと聞いており、また、パっと見で初見の問題でもあったので、ちょっとやって分からなければ後回しにしようと考えながら臨みましたが、そのまま解けてしまいました。

     変化球かと思いつつ、意外とスラっと解けてしまったので、基本的な考え方で勘違いしているところがあるのではないかと、家で解答速報を見るまでは不安でしたが、18点とれていました。

     銀行勘定調整は解答速報会によれば、本番での出題は10年ぶりとか。予想していた人はほとんどいなかったようです。とはいえ、問われている事はさほど難しい事ではなく、銀行勘定調整そのものは大問として問われる事はないにしても、精算表の期末勘定調整項目でよく出てきますし、問題文をよく読めば7~8割はとれるのではないかと思います。

     また、最後の「現金の残高」は「配当金領収証」も含まれるとしっているかどうかもポイントであったかと。

     ここに関しては、最初に購入して読んでいたテキストのおかげでした。「応用」(数多くの問題を解いてパターンに慣れる)だけではなく、「基礎」(蓄積した知識をもとに自分で考える)も求められていると感じました。

    第3問

     精算表。誰もがそうだと思いますが、3級のころからやりつくしている得意問題なので、自分がよくミスをしていた前受家賃と前払保険料の月数を特に注意しながら丁寧に計算し、20点取ることができました。

     ひっかかった点としては、仕入勘定ではなく売上原価でPLに出すところと、売上割戻引当金(しかも意外と細かい数字になる)の2箇所くらいでしょうか。

    第4問

     製造原価報告書・損益計算書。上から順に数字を入れていき、そのまま解けてしまいました。何か見落としているトラップがあるのか、これも採点するまでは少し不安ではありましたが、特に何もないようで、20点でした。

     あえてポイントを挙げるとすれば、材料費と労務費の直接と間接の区別でしょうか。ここがあやふやな人は結果としてまとまった点数を落としたかもしれませんが、当然おさえておくべきポイントではあるかと。

    第5問

     原価計算。ここで合否の差がついたと個人的には思います。ここで聞かれているのは、「直接」原価計算だけではなく「全部」原価計算との「違い」が理解できているかであり、ここを理解しているか否かで半分以下しか取れなかったか、7割以上取れたか、の差がついたと思います。

     この論点はネットスクールの『模擬問題集』にかなり突っ込んだ模擬問題が載っていました。最初は全く点が取れず、個人的に苦手な論点ではありましたが、捨てずに部分点は取れるように勉強していたのが奏功し、16点取る事が出来ました。

     とはいえ、出題のされ方も文章の穴埋めのような形式でちょっと今までの傾向とは違い、これも変化球だったのでしょうか。冷静に読めればよいのですが、自信がないと動揺していたかもと思います。

     以上、自分は出題の順番通り、1→2→3→4→5と解いていきました。というより結果的にそうなったのですが、下記2点は意識して臨みました。

    • 第2問は変化球が多いので、場合によっては後回し
    • その他の問題も5分詰まったら次の問題へ移る

     所要時間は、第1問15分、第2問15分、第3問20分、第4問15分、第5問15分でトータル80分。残り40分を見直しと自己採点のための解答書き写しに充てる事ができました。

     数多くの問題をこなし、スピードも意識して鍛えてきたのが本番でも効果を発揮しました。結果としてトータル86点で、無事合格となりました。

    最後に(おすすめの文房具のご紹介)

    シャーペン

     「クルトガ」はおすすめです。芯が回転するので常に細い線で記入できます。精算表作成などでは大活躍してくれました。普段、仕事でも使っています。

    ノート

     電車でも開く事ができるようにサイズはコンパクトなB6、綴じはリングタイプ。罫線は縦横にある方眼罫が使い勝手がよいです。

    消しゴム

     「ミリ消し」や「アナタス」など色々試しました。これらも結構使えますが、結局本番では「MONO」の小さめサイズ二つ(一つは使い古しで角が丸くなった広範囲用、一つは新品で細かい部分用)が便利だったように思います。

    耳栓

     これはおすすめです。他にも使っている人がちらほらいました。使って良かったです。電卓を叩く音や鉛筆で記入する音などに気を取られてしまうのが嫌だったので。おかげで解答に集中することができました。

    管理人からあっと!さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
    「ポケットテキスト(商業簿記)」「ポケットテキスト(工業簿記)」

     80点。おすすめできます。上記2冊はコンパクトサイズで、電車の中での勉強に重宝しました。コンパクトサイズの本は意外と少ないので、貴重だと思います。

    「スッキリわかる(商業簿記)」「スッキリわかる(工業簿記)」

     70点。おすすめできるかも。絵入りで分かりやすいのですが、もう少し例題が多く載っているといいかと思いました。

    「出題パターンと解き方 過去問題集」

     90点。おすすめできます。出題パターン別に掲載されていましたが、自分的には試験回数ごとの掲載のほうが良かったかもと思いました。

    「日商簿記検定 模擬問題集」

     100点。絶対おすすめ。過去問でカバーしきれない論点が掲載されています。自分はこれに救われました。

    「ラストスパート模試」

     100点。絶対おすすめ。とにかく、必ずやっておくべきです。また、購入者が受けられるネット講座も必須です!

     以上、模擬問題集とラスパはおすすめというより「必須」です。残り3週間はこの2冊を集中してやるといいかもしれません。

     あっと!さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    得意な論点

     精算表。3級のころからやりつくしている問題。

    苦手な論点

     「直接」原価計算と「全部」原価計算。問題と解答を覚えるくらい繰り返し解き、ノートにまとめた上で直前期(前日)に見ました。

     あっと!さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
    ・「次はない、今回で最後だ」と自分にいいきかせ気合を入れました。「落ちても次がある」と思うのとは大違いだと思います。

    ・常に1回分(第1問から第5問まで)を1セットで時間を計って解き、都度合否判定をしました。合格なら素直に嬉しいですし、点がとれなければ悔しい、そんな一喜一憂がいい刺激になったかと思います。

    ・本番3週間前のネット講座「予想大会DX」。これは独学でやっている人は特に受講すべきです。モチベーションがあがります!

     あっと!さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
    ・「次はない、今回で最後だ」と自分にいいきかせ気合を入れました。「落ちても次がある」と思うのとは大違いだと思います。

    ・常に1回分(第1問から第5問まで)を1セットで時間を計って解き、都度合否判定をしました。合格なら素直に嬉しいですし、点がとれなければ悔しい、そんな一喜一憂がいい刺激になったかと思います。

    ・本番3週間前のネット講座「予想大会DX」。これは独学でやっている人は特に受講すべきです。モチベーションがあがります!

    管理人コメント

     あっと!さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!かなり詳しく書いていただいたので読み応えのある合格体験記に仕上がっていると思います。

     それでは早速、中身を見ていきますが、受験生の皆さんにぜひ参考にしていただきたいのが、「1回分で使用する計算用紙も本番同様にA4の1枚に限定。二つ折りにして下書きや計算もコンパクトにまとめるように意識。」という部分です。

     本試験では、A4の計算用紙1枚に全ての下書きを記入する必要がありますが、普段から意識してコンパクトにまとめる練習をしておくと無駄な下書きを減らすことができますし、「先に二つ折りにする」など賢い使い方を身につけることができます。ぜひ取り入れてください。

     あと、試験日の1日の流れの第5問のところで、「その他の問題も5分詰まったら次の問題へ移る」と書いていただきましたが、このような「マイルール」を事前に用意しておくことはとても重要だと思います。

     本試験では予想外の問題が出題されて、頭が真っ白になってパニック状態になってしまうことも十分考えられますが、1つの問題に時間をかけすぎるのは非常に危険なので、あっと!さんのように「マイルール」を事前に用意して、1つの問題にハマりすぎないように気をつけてください。

    あっと!さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第133回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.110

    自分を追い込んで勉強するのは大事!…だけど、ほどほどに。

    • 投稿者:きなこさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約4か月

    はじめに

     もし自分の行った勉強方法などがこれから受験する方の参考になって頂けたらと思い投稿しました。

     わたしは、100円ショップで働く24歳の女性です。将来の夢とか希望とかなりたい職業もなく、高校卒業してからただ働いてるだけの生活をしていました。他の方々の体験記を読んでいた所、皆さんの受験を始めたきっかけが転職の為、スキルアップの為など、とても輝いてるように見えてとても恐縮です。

     高校時代に簿記という勉強に出会いました。授業の一環で電卓検定や情報処理など様々な資格を取得してきた流れで簿記の勉強をし検定は全商の2級まで取得しました。

    きっかけ

     きっかけは昨年の9月下旬に高校時代の簿記の先生と偶然再会したことが始まりでした。他愛のない会話中に先生が「簿記はもう勉強してないよな、きなこ(わたし)成績良かったのに」と苦笑していて思わず「実は今、日商2級を勉強していて…」と嘘をついてしまいました。

     家に帰ってから「どうしてこんな事を言ってしまったのか」と後悔してしまいました。すると、高校生の頃テストの点数が良かったり様々な検定に合格した時、先生はわたしのことをとても褒めてくれたのを思い出しました。もしかしたら2級に合格するとまた先生に褒めてくれるかも、と期待して嘘をついてしまったかもしれないです。

     このような形でわたしは簿記の勉強をはじめることになりました。

    2度の挫折

     実は日商2級の勉強をしようとして過去に2回ほど挫折しました。

     1回目→高校3年の春。大学への推薦入試の手段として勉強したところ家庭の経済的事情により進学を断念せざるを得なくなり、自暴自棄となり放棄。この頃1回目の受験(点数はここでは言えないくらい酷いものでした)。

     2回目→高校卒業して3年目の春。失業中に3級を受験し合格しました。自信をつけ2級勉強しましたが難易度が高く受験まで至らずに断念。それから3年の時を迎える秋、先生との再会をきっかけにもう1度勉強するチャンスを得ました。

    使用した電卓と教材

    • 電卓
    • SHARP EL-G35(高校入学時に学校から購入。ちなみに電卓は左打ちです)
    • 教材
    • すいすいマンガみて日商2級(商業)
    • すいすいマンガみて日商2級(工業)
    • サクッとうかる日商2級テキスト・トレーニング(商業簿記)
    • サクッとうかる日商2級テキスト・トレーニング(工業簿記)
    • サクッとうかる日商2級厳選過去問ナビ
    • 仕訳攻略ナビ

     『すいすいマンガみて~』(商業と工業)は2回目の勉強に使っていた物です。新しく購入しようと思ったのですが、本屋さんで中身を確認したところ大きく内容が変わっていなかったのでそのまま使用しました。

    おおまかな学習スケジュール

    • 10月~12月:商業簿記、工業簿記の基本問題
    • 1月:商業簿記、工業簿記の応用問題
    • 2月:過去問ナビで過去問対策

     勉強時間は約2時間。午前中は家事、午後は仕事が夜遅くまである為、夜12時~2時の時間帯です。

    勉強方法その1 ~先生に聞いてみよう!~

     勉強方法として簿記教室へ通おうと思っていたのですが、地方の山奥に住んでいる自分にとって通学は難しく、仕事もシフトが不規則ということもあり独学を選ばざるを得ませんでした。通信教育は金銭的な面で諦めていました。

     独学で一番の難点といってもいいのが、『分からないところを聞ける相手が居ない』だと思います。前に勉強したときも、その難点によって行き詰りました。

     そこで、以前再会した先生の勤めている高校へ事前連絡も無しに訪れ「○○先生の元教え子の者です。○○先生に会わせてください。」と事務員の方に告げたら校内へ通してもらいました。

     職員室の前にいた先生は、わたしの超が付く突撃的な訪問に多少驚きつつも心優しく勉強を教えてくれました。すると、「きなこ(わたし)の休みに合わせて分からないところを教える」と言ってくれたので週に1度、授業が終わる放課後に指導するという約束をしました。

     少しの勇気で自分の周りの環境が大きく変わると実感した瞬間でした。過去に学校で簿記を習ったことのある人は、かつての恩師に相談するという手段もあるかもしれないです。もちろん、きちんとアポイントは取りましょう(笑)

    勉強方法その2 ~自分を追い込む~

     これは勉強方法として入るのか分かりませんが個人的に効き目のあった荒行です。趣味が読書、旅行、テレビゲーム、DVD鑑賞、手芸、100円グッズ集め、スイーツを食べること、芸能人の追っかけ、カードゲームetc上げればきりがないくらい多かったです。

     よって勉強を始めた10月から2月の試験までに読書は1日15分、DVDは1週間に1本(普段4~5本)、100円ショップ通いは1週間に3日まで(普段週5日)、あとの趣味は全て禁止にしました。また、大好きな食べ物チーズケーキを合格するまで決して食べないと誓いました。

     それから、周りに居る人やブログやツイッターなどのSNSで『日商2級に絶対合格します!!』と宣言し、挫折できないように怠けないように徹底的に自分を追い込みました。

    勉強方法その3 ~参考書丸写し~

     3級での勉強方法は『参考書を読む→問題を解く→答え合わせ→間違い直し』でした。しかし、2級の参考書を読みいざ問題を解こうとしたらまったくと言ってもいいほど問題を解くことが出来ませんでした。

     そこで、どんなに基本中の基本でも参考書の例題や重要語句の解説をノートに丸写ししました。その作業でじっくりと参考書を読むようになり、問題も比較的解けやすくなりました。

     『参考書を読む→「重要事項をノートに丸写し」→基本問題を解く→答え合わせ→間違い直し』という手順を踏んで勉強をしました。また、ブランクもあり計算方法や勘定科目などを忘れていたときは3級の参考書を引っ張り出して理解できるまで読み込みました。

    参考書丸写ししたノートの中身
    参考書丸写ししたノートの中身

    新年早々踏んだり蹴ったり

     これ等3つの勉強方法を12月末まで行い、1月には応用問題に取り組む予定でした。しかし1月に入ってからわたくしの住む地方で類稀なる程の豪雪の日が続きました。その結果毎日2時間家の周りの除雪作業に追われ予定通りに勉強が進まなくなってしまいました。

     週に1回行う先生との勉強会はお互いのスケジュールが合わなくなり、連絡も途絶えがちになってしまいました。さらに職場で店長から『1月末に店舗(職場)を閉店する』と告白されました。ですがどんなにショックでも雪が積もったら除雪して、疲れて勉強が出来なくて焦って落ち込んで、結局1月の勉強時間は2日に1回で1時間半のペースでしか勉強が進みませんでした。

     2月になってからは勉強のペースがさらに遅くなりました。職場が閉店してから家に居ることが多くなり、外に出ず部屋に閉じこもる日が続きました。不眠にまで陥ってしまいました。

     さすがに同居している家族が心配しだし病院に連れてかれ医師から「うつ病一歩手前」と診断されお薬を頂きました。簿記の先生からは「今、目の前にあることに進むことだけを考えて、自分を追い詰めすぎないで」と連絡がありました。

     SNSでの友達からも励ましや心配の連絡が続々と来て「このままではいけない」と思い、試験の2週間前、本格的に勉強を再開しました。

    ラストスパートは仕訳を解きまくり苦手をつぶしまくり

     試験までの残り2週間は仕訳をひたすら解いていきました。簿記検定ナビさんの『仕訳問題対策』を使用しました。一通り問題を解いて仕訳問題リストに間違った項目をマークしていきました。そこから自分の苦手分野(わたくしは社債と受託販売)を割り出し、参考書「すいすい~」を読み返しました。

    間違えた問題の目次にラインマーカーを引く
    間違えた問題の目次にラインマーカーを引く
    間違えた問題に赤ペンを引く
    間違えた問題に赤ペンを引く

     いまさら、と思われるかもしれませんが基本である仕訳を身に付けなければ問2問3の問題はとくことが出来ないと思ったからです。

     『厳選過去問ナビ』は2月に始めて、2回ずつ取り組みました。いずれも1回目は70点ギリギリで2回目は90点近くまで取れました。
    間違えたところは必ず解説と参考書を読んでいき、苦手な分野(わたくしの場合は本支店会計)を克服していきました。

     あと「女性は原価計算が苦手」とよく聞きますが、わたくしは原価計算のほうが得意だったのでコレといって苦手な箇所がありませんでした。

    試験前日

     試験前日はいつもと変わらず趣味の読書、DVD鑑賞をしました。ちなみに読書は仕訳攻略ナビ、DVDは2時間映画や1時間ドラマより30分のアニメやドラマが勉強の合間にちょうどよかったです。

     それから勉強は夜の8時から10時までして、当日に持っていく物の準備をしました。筆圧の強く、よくシャーペンの芯を折ってしまう自分はシャーペンに芯が十分入ってるか確認までしました。

     試験当日に雪が降っていれば早めに家を出ないと試験開始に間に合わないので、寝る前には天気予報の確認をして就寝。

    試験日の1日の流れ

    試験開始前

     試験当日。この日は朝から最大の寒波が襲撃しました。まるでこの世の終わりかというような猛吹雪。簡単に言うと最悪の天気でした。電車は運休、高速道路は閉鎖。自宅から試験会場までクルマで50分。

     無事に車で行けるかと苛まれながら午前11時半頃、家を出ようとしたら、たまたま仕事が休みの母親から「試験会場まで送っていくから、あなたは助手席でゆっくりしてなさい」と提案され、わたしは助手席に座り母の運転するクルマで試験会場へ向かいました。

     道中、事故を起こした車や吹雪の影響で立ち往生した車が多々ありましたが1時間半かけて試験会場に無事到着しました。母の臨機応変な行動に心底助かりました。そして思ったことは雪国にお住まいの方は2月の受験はお勧めできません。

     会場に着いたのは試験開始30分前、受験者は高校生が多く社会人の方もちらほら見かけました。何度か試験を受けてきたはずなのにやはり緊張してしまいました。緊張を和らげるため、母からもらったチョコレートのお菓子をかじりながら先生が書いた問題の解説を読み心を落ち着けました。

     それから「赤は脳に刺激を与える色」と聞いたことがあったので仕訳対策で間違えたところを赤ペンで書く作業をしました。

    試験開始!

    • 午後1時35分 第1問(10分)←問題に取り組んだ時間。

     最初に取り組んだのは第1問でした。問題は4→5→1→2→3と進んだほうがいいと聞いたことがあったのですが、試験直前まで仕訳ばかりしていた自分は1→2→3→4→5と順番に進みました。

    • 午後1時45分 第2問(20分)

     2問目は仕訳日計表と総勘定元帳と仕入先元帳の作成です。今まで過去問ナビで仕訳日計表の借方と貸方の合計を一致させたことがあまりなかったので、少し緊張してしまいました。

     ですが緊張しながらも落ち着いて問題を解いたおかげで借方と貸方の合計が一致し、総勘定元帳と仕入先元帳への転記もスムーズにできるようになりました。

    • 午後2時07分 第3問(20分)

     第3問は本支店の損益計算書の作成でした。本支店の計算(未達事項の整理)を克服したわたしにとってラッキー問題でした。しかし本店と支店の税引前の利益の問題を初めて見ました。内部取引と内部利益の調整前って何!?という状態で計算の仕方がちっとも分かりませんでした。

    • 午後2時27分 第4問(13分)

     第4問は仕訳問題でした。仕訳は得意のはずが、製造の流れが分からなくなってしまいました。第3問で躓いたことを引きずってしまったと思います。

    • 午後2時40分 第5問(13分)

     第5問は個別原価計算でした。個別原価計算は比較的得意な問題でひたすら電卓を打ち続けていました。しかし途中で備考欄の製造着手と完成と引渡の日時を勘違いしてしまい、最初からやり直してタイムロスをしてしまいました。

    • 午後2時53分 第3問に再び挑戦、見直し

    残りの時間は見直しと第3問に再び取り掛かりました。第3問は何回考えても書き直しても本店と支店の税引き前の利益が分かりませんでした。分からないところをいくら考えても分からなかったので、他の問題の見直しへ切り替えました。それから、自己採点用に計算用紙として配られた紙へ問題の答えを書き出しました。

    試験終了

     自宅に帰り、自己採点した結果は80点台でした。ですが、もし採点箇所によっては落ちてしまう、計算で桁違いに電卓を打ってないだろうか、名前ちゃんと書いたっけ、などと様々な不安要素が押し寄せました。

    合格通知

     試験の約1週間後、わたしの名前宛に商工会議所から封筒が来ました。息を呑みながらペーパーナイフで封筒を開けました。紙には『合格』の2文字が。一瞬何て書いてあるのか分からず、もう1度目を通して自分の努力してきた結果が書いてあることに理解しました。

     嬉しくなり早速先生にメールで報告をし、SNSでもブログでも友達に合格の報告をしました。友達や家族から『おめでとう!!』と祝ってもらい、久しぶりに自分の成果を認められた気分を感じました。

     先生からも『久しぶりに受けて合格とは凄いな!!』と褒めてくれて、自分がこの4か月簿記の勉強をして良かったと身にしみてケータイの液晶画面に涙をぽたぽたと落とし泣いてしまいました。そして、いままで食べることを我慢していたチーズケーキを頬張り至福の時を過ごしました。

    さいごに

     わたしが合格できたのは、己の力だけではありません。分かりやすい参考書と問題集、心配してくれた家族、応援してくれた友達、試験対策に大変役立った簿記検定ナビさん、そしてわたしに簿記の再勉強のきっかけをくれて合格までサポートしてくれた先生のおかげです。

     はじめは不純な動機で取り組みましたが、今では自分のやりたいことに段々気づき、それに夢とか希望を持ってもいいんじゃないかなと思えるようになりました。

     『このまま簿記を勉強する習慣を身に付けたいので何か目指せる資格はありますか?』と簿記検定ナビの管理人田口さんにTwitterで相談したところ、田口さんからの返信で『簿記の先生になりたければ・・・』という言葉で気づきました。

     わたしのなりたい職業は『簿記の先生』です。先生のように優しくて熱心で授業が分かりやすく、ひとりの社会人として尊敬されるような人間になりたいと思いました。

     なので、ただいま来年の6月に行う日商簿記1級の試験に向けて勉強中です。大変長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。

    管理人からきなこさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     点数は98点です。他の方にもオススメ出来ます。特に「すいすい~」は他の参考書に比べマンガやイラストが豊富に載っていて、マンガ好きの方にとってはとても分かりやすいと思います。減点した2点は『委託買付』と『受託買付』がどの教材でも少々分かりづらく理解するまで時間が掛かりました。
     今回、勉強に使われた電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     高校入学から約8年、電卓はSHARPの『EL-G35』使っているので耐久性はバッチリだと思います。大きさも程よくボタンも押すとき静かでとても使いやすいです。他の方にもオススメしたいですが市販されてないと聞いたのでサブ電卓として購入した、ほぼ同型のSHARPの『EL-G34』をオススメします(^^)

    管理人コメント

     きなこさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     独学のウィークポイントの1つに「分からないところや勉強方法を気軽に相談できる相手がいない」というのがありますが、きなこさんのような「頼れる恩師」がいない場合は、TwitterやmixiなどのSNSを使ったり、簿記検定ナビ主催のオフ会に参加して簿記友達を見つけることをオススメします。

     簿記友達は良き相談相手にもなりますし、時には良きライバルにもなります。今の時代、探す方法はいくらでもあるので、少し勇気を出して自分から動いてみてください。

     あと、きなこさんは試験前日に持ち物の準備をされていますが、この点はぜひ見習ってください。簿記検定ナビでは日商簿記検定を受験する際に必要な持ち物を一覧にまとめた日商簿記検定の持ち物チェックシート(PDF)をご用意しておりますので、有効活用していただければ幸いです。

    きなこさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第133回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.109

    ケアレスミスは癖になる!その癖に気づけばケアレスミスは激減します!

    • 投稿者:いちさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約8か月

    簿記を受験したきっかけ

     現在大学2年生であり、就職活動の際のエントリーシートに記載できる資格がほしいなあと思い、簿記2級を勉強することにしました。3級については大学1年時に簿記の講義を受けて試験に臨んだ結果合格することが出来ていたので、2級を受験しました。

     よく大学生って暇でいいよなと言われる気もしますが、確かに私は暇でした。サークルもしていないし、講義の勉強などは試験直前に頑張ればなんとかなるからです。そのため、勉強時間だけはたっぷりあり、私の合格体験記は忙しい社会人の皆さんのお役には立てないかと思います。

     ただ、大学生で簿記2級を受験しようと思っている方がいれば、多少は参考になるかもしれません(今回は合格率が非常に高いボーナス回だったようなのであまり大口は叩けませんが)。

    独学を選択した理由

     単純に、学校に通うのが面倒だったからです。学校に通おうかどうしようかと悩みもせずに独学でやろうと最初から思っていました。

    独学におけるメリット・デメリット

     独学で勉強する際のメリットは1つです。1日に自分の好きなだけ、また、気が向いたときに勉強できます。私は気分がのった日は満足するまで、もしくは理解できるまで何時間も勉強していましたが、気分が乗らない日は全くやらないことも多々ありました(でもこれはあまり良くないと思います。毎日何時間は必ずやるとか決めたほうが絶対良いです。)。

     また、一か月間短期で自動車学校に行ったのですが、その一カ月間は毎日自動車学校に行き、また自分の運転センスの悪さに絶望していたため、簿記2級の勉強をしようという心意気は消え去りました。実際、その1カ月間は全く勉強していません。

     ただ、「ねかせる」という意味ではその1カ月間も勉強期間に入るのかなと思ったので一応上述の「勉強期間」の欄にはその全く勉強しなかった1カ月分も入れています。

     独学で勉強する際のデメリットは2つあります。

     1つ目はモチベーションの維持の難しさです。3級を受験した際は友人2人と一緒に受験したため、「皆頑張ってるから私も置いていかれないように頑張ろう」とやる気が起きましたが、1人だと「ああ、まあやらなくてもいっか」と思うようになります。よく仲間やライバルは大事だと言いますが、そのことを痛感しました。

     2つ目は、わかないことがあったときの苦しみです。身近に質問できる相手がいないのでかなりもやもやします。私はわからないところがあると何時間も考え込んでしまい、頭の中がぐるぐるしてしまう癖があるのですが、見事にその悪循環に陥りました。

    デメリットの改善方法

     まず、モチベーション維持のほうですが、こちらは環境を変えました。家にいるとパソコンやら漫画やらテレビやら蒲団やら様々な誘惑に負けるので、できる限り大学の図書館で勉強しました。

     次に、わからないことがあったときですが、簿記検定ナビにある質問掲示板を活用させてもらいました。非常にお世話になりました。独学で勉強しようと思うなら、多分あそこに入り浸るぐらいでいいと思います。1人で考え込む時間は無駄です。労力のわりに得られるものが少なすぎます。

    使用したテキスト

    • サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
    • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
    • 日商簿記2級出題パターンと解き方過去問題集(以下、「パタ解き」と記述)

    上記のテキストを選んだ理由

     サクッとシリーズはネットでの評価が高かったため。パタ解きは「とにかく過去問をしないと」と思い書店に行った際に目に入ったため(ネットでの評価は良いか悪いかわかりません)。

    上記のテキストの評価

     サクッとシリーズのテキストは非常にわかりやすかったです。文章は平易な言葉で読みやすく、随所に絵も散りばめられているため、「うわっ文字ばっか。読む気起きねえ」というようなことはあまりなかったです。また、言葉の概念説明(抽象的でそれだけだとイメージがわきにくい)→例題で具体的に説明(具体的にイメージがわく)という流れも良かったです。

     サクッとシリーズのトレーニングですが、これはいらなかったです。もともとはテキストの単元読む→同範囲のトレーニングの問題を解く、というふうに真面目にこつこつやるつもりでトレーニングを買ってみました。

     しかし途中で、「いや、こんなのやるより過去問やったほうがいいんじゃないのかな」と不安に思いました(ネットではよくひたすら過去問解け、慣れろと言われるので)。

     で、途中からパタ解きの「問題のパターン読む」→過去問を解くというふうにやっていきましたが、これで良かったと思います。サクッとシリーズは仕訳を理解するには非常に役立ちますが、伝票会計や特殊仕訳帳、精算表作成などについては実際の過去問で見たほうが試験対策として実践的に理解できます。

    期間ごとの勉強方法

     私は結構ぐだぐだに勉強してきたので、○カ月間はサクッとシリーズ流し読み!、そこから○カ月かけて過去問を具体的に解く!というふうな具体的な期間をもとにした勉強方法は答えられません。自分でもいつからサクッとからパタ解きに切り替えたか覚えてません。

     また、私は計画をたてても予定通りいかないことが多いので、期間ごとの勉強方法については他の方のを参考にしたほうがいいと思います。

     ただ、1つだけ感じたのは、過去問にはできるだけ早く触れたほうが良いです。サクッとシリーズを読んで2級を理解した気になっても過去問を見ると、「仕訳の問題文長すぎだろ意味わかんねえ」とか問2の伝票会計(推定あり)で「え、これどうやって解くんだっけ」というふうに軽くパニックに陥るし焦ると思います。

     こんなにわからないで大丈夫なんだろうかと。なので、多くの方がおっしゃるように過去問重視で勉強したほうがいいのは確かです。

    1日の勉強時間

     これも私はぐだぐだでした。4~5時間する日もあれば1時間だったり、0だったり。なので、これも私のは参考にならないと思います。

    勉強方法~自分のミスの分類と対策~

     間違ったところを間違ったままで終わらせないということは、良く言われることで、当たり前ですよね。でもこれ結構1人でやるとまあいっかって終わらせたり、自分ではわかったつもりでも忘れたころに解くとやっぱりわかってなかったということになります。

     解答・解説を見て、「あ、ふーんなるほどー」と思って答えだけ赤で書き直してやり直しした、わかったという気になっても、それ絶対次のときに同じ所で間違えます。間違ったのには必ず原因があるはずです。その原因を突き止める必要があります。「なぜ」間違ったのかを。そうすると大体間違いって4つぐらいに分けられます。

     ケアレスミスと、連鎖ミスと、知識不足によるミス、理解不足によるミスです。

     ケアレスミスっていうのは、電卓の単純な計算ミスによる答えの金額のミスだったり、試算表作成の問題で借方に書くべき数字を貸方に書いてしまったり、本支店会計問題の支店の期末商品棚卸高を算定する際に、未達事項の仕訳で出てきた「本店より仕入」勘定の金額を計算に加味していなかったり、いろいろです。

     でもこのケアレスミスって結構癖になったりするんですよね。なので、自分はこういうところでケアレスミスをする癖があるって、気付くことが大事です。そうすると問題を解くときに意識するようになります。ここよくケアレスミスするから気をつけて解かなきゃって。

     私自身、伝票会計の問題で売掛金、買掛金勘定のTフォームを作り、そこに伝票番号順に金額を集めていくという方法をとっていたのですが、なぜか売上伝票や仕入れ伝票に記載されている売掛金勘定や買掛金勘定の金額を集めるときに貸借逆で書くというミスを繰り返していました。

     多分、入金伝票や出金伝票の勘定科目で売掛金や買掛金が出てきたときのノリでそのまま書いてしまうからだと後で気づきました。なので、ケアレスミスは自分では気づかない癖・パターンがあるので、把握しておいたほうがいいです。

     連鎖ミスは私が勝手に名付けたものですが、これはあまり深くやり直しをする必要はないと思います。例えば、試算表作成の問題で勘定科目の金額を1個間違って書いたから合計が貸借であわなかったとか、損益計算書の当期純利益が間違っていたから貸借対照表の繰越利益剰余金勘定の金額を間違ったとか、ボックス図の数量を間違っていたから月末仕掛品原価が間違ったとか。

     こういうのはミスした理由がはっきりしているので、「あ、これは連鎖ミスだ」ってさらっと流していいです。むしろ、なんで勘定科目の金額を間違ったのか、なぜ当期純利益の金額を間違ったのか、何故ボックス図の数量を間違ったのか、を突き止めたほうが良いです。

     先ほど書いたようなケアレスミスだったら、自分の癖として把握しておく必要がありますし、次に書くような理解不足によるミスだったら、徹底的にわかるまでやる必要があります。

     知識不足によるミスはそのままです。「知ってれば解けるだろ、わかるだろ」ってやつです。例えば仕訳問題で消費税の税込方式の問題でミスをしたとしたら、それは理解不足ではなく、知識不足によるミスです。テキスト見れば仕訳の仕方が一発でわかります。人に聞くまでもありません。

     ついでに言うと、同時に税抜方式の仕訳方法なんかも+αとしてまとめておくと一石二鳥だと思います。あとは利益準備金を求める際の公式だとか、定率法、生産高比例法による減価償却費の計算の仕方だとか。また、問題文の言葉の意味がわかないというのもこれにあたりますね。累化法だとか、度外視法だとか、仕損・減損だとか、船荷証券だとかいろいろ簿記特有の言葉ですね。

     こういうのは、間違ったら解説やテキストを参照すればすぐに理解・納得できます。ただ、見ただけで分かった気になってもすぐに忘れます。私は利益準備金の公式を何度見ても覚えられずに忘れたころに問題を解いてみるといつも間違えました。

     5回ぐらい間違うとさすがにこれ何回やっても覚えないな、と理解するので、そこでやっと一度自分で公式を書いてみて本格的に覚えました。そうすると覚えました。やっぱり知識不足によるミスは一度要点をまとめたほうが良いです。そのほうが記憶に定着します。

     解答流し見→赤で答えだけ書き直してやり直した気になるのだけは本当に無駄です。1週間後に同じ問題を解いたら多分同じミスをしますし、同じ言葉の意味がわからなくて躓きます。

     理解不足によるミスも、そのままですね。知識不足によるミスとの違いは「解説を何度読んで、テキストを何度参照してもどうしてもわからん」ってところです。知識不足だったらある程度調べたらすぐにわかりますから。

     理解不足によるミスだとわかったら、解説を読む→わからなかったら自分がどこをわかっていないのか、どこは理解しているのかをきちんと把握する、ある程度は自分で考えたうえで掲示板で質問をする→質問に対して返答が来たらそれをじっくり読む、で、またわからないところがあったら質問をする、というような。

     質問をする際も、「○○がわかりません、教えてください」と丸投げするよりは私はこうこうこう考えてこういう答えになったのですが、なぜ答えはこうこうこうなるのでしょうか?というような感じで質問したほうが解答者の方もピンポイントで解説しやすいと思います。

     何より自分の頭の中が整理されて「自分がわからないところがわかる」ようになります。頭の中でぼやーっとわからないわからないて渦巻いている思考が、あ、ここがわかってないんだってわかるようになります。

     で、この理解不足によるミスは要点をまとめた上で、更に類題を解いたほうが良いです。私は荷為替の取り組みをいつも間違っていたのですが、要点をまとめ類題を解いたら大分イメージとして取引が理解できるようになりました。

    勉強方法~仕訳の取引をイメージするための工夫~

     先ほど荷為替の取り組みの処理がわからなかったと書きましたが、私は「簿記検定ナビ 荷為替手形を徹底解説!」のページを熟読してこの流れを理解しました。が、実際仕訳問題に長々と文章を提示されると「あれ、これ今どの段階の取引だっけ」と若干混乱します。

     なので、4人漫画のキャラを配置してイメージしやすくしたりしました。運送業者が~とか売主が~とか銀行が~とか考えるより、あ、今あのキャラが銀行であのキャラに自己受為替手形割り引いてもらってるんだわとか考えたほうがイメージしやすかったです。具体的に誰がどうしてるってのがわかるので。

     売主が、買主が、っていうとイメージがぼやーとしててなんとなくわかりづらかったんですけど、具体的な人物をイメージすることで取引が理解できました。単純に私が具体的にイメージしないと混乱するからとやってみたのですが、案外問題解くのも楽しくなったりして気分ものりました。家族や友達で置き換えたりしてもわかりやすいのかなと思いました。なので自分でいろいろ工夫してみると楽しいです。

    勉強方法~各大問20分で解くための工夫~

     最初はネットで調べたりしてたんですけど、途中で面倒くさくなって自分でいろいろ考えて自分なりの解き方を考えました。例えば、伝票会計で「推定あり」の問題がありますよね。最初の頃は推定に20分かかってました。

     で、そこから計算・答え記入ですから+20分ぐらいかかって実質40分ぐらいかかってました。でも時間内に解けないと意味がないので何回も問題を解いていき必要事項だけ下書きするというやり方にして、かつ下書きをする順番についても決めました(あせらないようにするため)。

     Tフォームは頻出の売掛金、買掛金、受取手形、支払手形勘定をつくり、それ以外はその他で一括して処理する。また、伝票に記載されている金額を伝票番号順に集計していく。基本は金額だけ集める。伝票番号や商店名は書かない。

     ただし、推定がある伝票は伝票番号を書く。必ず書く。金額はアンダーラインを引いて、あとで金額がわかったときに金額を書くスペースをきちんと残しておく。

     さらに、答案用紙を見て、補助元帳(得意先元帳、仕入先元帳どちらかもしくは両方)の作成がある場合は、伝票番号と商店名を書く。商店名は山田商店だったらY,三井焦点だったらMというふうにアルファベット1文字で書く(単純に時間短縮のため)。

     ここから推定を開始する。まず仕訳日計表を見る。売掛金、買掛金、受取手形、支払手形などTフォームを作っている勘定の金額の合計が出ている場合はTフォームの一番下に二重線を引いた後、合計額を記入する(あとで役立つ時がある)。

     総勘定元帳の勘定科目および補助元帳で埋まるところを埋める。ひたすら埋める。たいてい残高と残高の関係性でいくつか埋まるところがある。

     山田商店の得意先元帳があったとしたら、それと自分で作った売掛金勘定のTフォームを照らしあわせる(商店名をTフォームに集めていないと照らし合わせることができません。時短のためには視覚的に一瞬でわかることが最重要です)。

     たとえば、山田商店の得意先元帳があってそれに売上伝票(借方)500,000ともともと印字されてある、もしくは上の作業で埋めた結果そこが埋まったとします。売掛金のTフォームと照らし合わせてみます。

     自分で集計した結果、山田商店の504の伝票(借方)が推定だったりします。そうするとそこがうまります。で、そうするとそれに相当する売上伝票504も埋まります。つまり推定はどれも2個1セットでが終わります。

     このように連鎖的に売上伝票が埋まる場合は、問題用紙の伝票の(  )に金額を記載します。入金伝票、出金伝票、仕入伝票も同じです。振替伝票はしません。連鎖的にそんな感じで全部やっていけば推定箇所はトントンで埋まっていきます。

     結果、入金伝票、出金伝票、仕入れ伝票、売上伝票はもう推定なしの状態なので、上から順に電卓で計算するだけです。それが終われば、Tフォームで売掛金、買掛金、受取手形、支払手形をこれもまた上から順に計算します。その他は最後に集計します。

     こんな感じでやれば23分ぐらいで終わります。以上のように、「時短するにはどうすればよいか、どういうふうに下書きをとればいいのか」と考えることも大事だと思います。

     練習問題を40分で解けたとしても実際試験中大問1個にそんなに時間をとるわけにはいきません。問題内容の理解→時短の方法を考える、もしくはネットで調べる→実際にそれでやって時間内に解けるかやってみるっていうのも必要です。

     私は伝票会計の推定ありが最初は憎いぐらい嫌いで、絶対試験でるなよと思っていましたが、時短の方法を考えてすらすらとけるようになってからはむしろこれ出ないかなあと思うようになりました。

     このように自信や安心にもつながるので、時短方法(というか20分以内で解くための下書きや流れ)はある程度確立させておいたほうがいいと思います。本番でてんぱらないということも大事だと思うので。

    試験日の1日の流れ

     試験前1週間ぐらいはまともに問題を解いていませんでした。大学の試験が終わった解放感に浸っていたので。さすがに試験当日やばいと思って、深夜から早朝にかけて最後のあがきで出そうなところをネットで調べて何問か解きました。それから5時間ぐらい寝て会場へ行きました。

    試験会場の様子

     40分ぐらい前につきましたが、結構教室にはもう着いている人がいました。静かです。おしゃべりしている人はいませんでした。

    試験開始までの過ごし方

     とりあえずしばらくはぼーっとしていました。机に必要なものを並べたり、水を飲んだり。開始30分ぐらい前には自分の要点まとめノートをぱらぱら見てました。15分ぐらい前からは電卓をたたく指を少しならしておこうと思って、持参していた問題用紙を適当にめくって試算表とか精算表とかの勘定をたしていって合計と合うかどうか確かめてました。

     5分前から試験開始までは精神統一みたいなことをしてました。てんぱらないように。とりあえず「落ちても死ぬわけじゃない」とか「後悔だけはしたくないから悔いのないように時間いっぱい取り組もう。どんな問題が来ても諦めない。」「後悔だけは無いように」とかいろいろ考えてできるだけ平常心でいられるように気を付けました。

    試験中の出来事

     思ってもみない問題がいくつかでてきて一瞬「まじかよ」と思い若干てんぱりましたが、「後悔無いように」「どんな問題が来ても諦めない」と唱え続けたおかげでなんとか気持ちだけは保てました。本番はメンタルをできるだけ落ち着かせることが大事だと思いました。

    管理人コメント

     いちさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!勉強の方法やケアレスミスの克服方法等をかなり具体的に書いて頂いたので、読み応えのある合格体験記に仕上がったと思います。

     それでは早速見ていきましょう。まず「過去問は出来るだけ早い時期に取り組んだほうが良い」と書いていただきましたが、これは本当にその通りだと思います。

     日商簿記の3級と2級は、過去に出題された問題(過去問)の類似問題が何度も繰り返し出題されるので、テキストを使ったインプットの勉強は必要最低限にして、問題集や過去問を使ったアウトプットの勉強に多くの時間を割くように気をつけてください。

     次にケアレスミスの分類と対策についてですが、いちさんがおっしゃっているようにケアレスミスに気づいて、その箇所を意識できるかどうかが克服の大きなカギになります。

     私の場合は、総合問題を解く際に使用した答案用紙を捨てずに保管しておいて、2回目、3回目に解いた際に答案用紙を見比べるようにしていました。

     癖になっている箇所は毎回同じように間違えるので、「自分の考え方のどこが間違っているのか」「どのように考えれば正解にたどり着けるのか」をひとつずつ確認して、間違いノートに簡単にまとめて、細切れの時間を使って何度も目を通しました。

     文章にするとすごく地味な作業ですし、実際もやっぱりすごく地味です(笑)ただ、その分だけ効果もすごいです。毎日、目を通しているだけでケアレスミスはなくなります。いちさんもおっしゃっているように、ケアレスミスするポイントを自然に意識できるようになるからです。

     ケアレスミスに悩んでいらっしゃる方は、ぜひ一度試してください。

    いちさんが使われた教材や電卓のまとめ