カテゴリー: 簿記2級

  • 第138回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.123

    間違いノートは「作る時間を短く、使う時間を長く」がポイントです!

    • 投稿者:#さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:3回
    • 勉強期間:約3か月
    • 備考:勉強期間は3回目の受験時の数字

    はじめに

     日商簿記2級を受験しようとしたきっかけは、就職するために少しでも役に立てばいいなと思ったからです。

     高校のときに授業の一環として日商簿記2級を受験したのですが、合格できずにそのまま卒業してしまいました。それから数年、簿記にはほとんど触れることないまま事務として勤めてきました。

     現在、私は仕事を辞めて就職活動をしていますが、求人票には必要な条件として「事務経験」の他に「日商簿記3級」や「日商簿記2級」が組み込まれていることが多いです。そこで、自分の選択肢を広げるために、一番近かった138回を受験することにしました。

    テキストと電卓について

     はじめは、3級を2級を同時受験しようと思っていましたが、2級だけにしぼって勉強したほうが効率がいいと考え、2級のテキストを購入しました。

    スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第6版 [テキスト&問題集] (TAC出版)

    スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第3版 [テキスト&問題集] (TAC出版)

     字が多いテキストだと後で行き詰ってしまうだろうと思い、スッキリわかるシリーズの参考書を選びました。

     ここがこうなるから、最後はこの形になるんだよと順序を追って解説してくれることが多くて助かりました。例題の数字の桁も少なめに設定してあるおかげで取り組みやすかったです。

    日商簿記2級まるごと過去問題集〈2014年度版〉(ダイエックス出版)

     簿記検定ナビの合格体験記に、とにかく簿記は過去問をどんどん解いていくことが大事とあったのですぐに探しにいきました。お手頃な価格だったのと、過去15回分ほどが掲載されていたので購入しました。

     問題によっては解説がやや不親切だったので、不明な点はネットや簿記検定ナビの解説を参考にしました。

    日商簿記検定模擬試験問題集 2級【改訂六版】(ネットスクール出版)

     こちらは先に購入していたのですが、まずは過去問を解くのがいいと思い後回しにしました。過去問が1周した後に模擬問題のみ解きましたが、こちらも解説がやや不親切だと感じました。

    MW-12GT(CASIO)

     高校の時に選んだもので、10ケタよりも12ケタの方が使いやすいと判断して購入したものです。ずっと使っていることもあり、自分としては操作しやすいと思っています。ただ、よく使う数字が徐々に薄くなってきているのが少し残念です。

    学習スケジュール

    • 8月の終わり~9月いっぱい:商業と工業簿記の基礎
    • 10月前半:商業と工業簿記の見直し
    • 10月後半~11月:過去問と模擬問題、仕訳問題

     1日平均5~6時間は勉強したと思います。

     10月後半に入ると過去問を1日に2問(午前と午後に分けて)、合間に仕訳問題を中心に固めていきました。私は仕訳問題が特に苦手で、以前に受験したときも点数を稼ぐことが出来なかったので、今回は仕訳対策に時間を割きました。

     過去問は…1週目は本当にひどい点数ばかりでした。100点中30点台を行ったり来たりで、このまま勉強を続けても合格点に届かないのではないかと心配になりました。この時点では「仕方ない、これが今の実力なのだから」と割り切って解いていきました。

     その後は模擬試験問題集を1周はさんでから、過去問の2周目に入りましたが、2周目は1周目で出来の悪かった回を優先的に解きました。

    商業簿記について

     仕訳ができないと点数が伸びないので、簿記検定ナビの仕訳対策を使って対策をしました。

     具体的な使い方は、まずひととおり問題を解いて、間違えてしまった問題・理解できなかった問題をピックアップし、解説や他の参考書で復習した後、何度も繰り返し問題を解きました。

    工業簿記について

     まず、材料費・労務費・経費の関連図を覚えました。費目別計算は特に苦手だったので、書いて覚えて書いて覚えて…の繰り返しでした。

     差異分析で使うシュラッター図は、何も見ないでも書けるように白紙を使って練習しました。語呂合わせを併用すると覚えやすかったです。

     総合原価計算は、ボックス図の数量や金額を記入ミスすることが多かったので、ボックス図をつくるときは特に気をつけました。また、仕損や減損、先入先出法や平均法、材料の追加投入などは解き方を混同しないように間違いノートにまとめました。

    学習するうえで工夫したこと

    • 過去問を解くときは必ず時間を計ること。
    • メモ用紙を折って「問1は左上から記入する」など自己ルールを決めた。
    • 勘定科目を全て漢字でメモするのではなく、自分が分かる範囲で省略した。
    • 数字もメモするときに100,000ならば→100,-とカンマのあとは棒線で省略。
    • (問題の)特に条件が指定されている箇所は○で囲むなど目立つようにした。

     問題を解く順番は「1→4→5→3→2」が一番いいと思いました。また、90分以内に解き終えることを意識しました。過去問を解いていく中で、全体を見直すためには少なくとも30分は必要だと感じたからです。

    反省点

     はじめの頃、参考書の文をそのままノートに書き写していたことです。それに加えて間違いノートの作成に取り掛かってしまい、過去問に取り掛かるのが遅くなってしまったことです。

     ノートの作成する場合は、何度も間違えてしまうところや理解が曖昧なところだけをピックアップして、簡潔にまとめることをおすすめします。

    試験前日

     簿記検定ナビの予想問題と大原簿記の予想問題を解きましたが、なんとか合格点を取ることができました。夜は少しだけ仕訳問題を解いて、明日の準備と試験会場に向かう時間を確認をしてから寝ました。

    試験日の1日の流れ

     9時頃起床し、身支度を整えたあと間違いノートをパラパラと見て、受験票など持ち物の確認などをして家を出発する時間までのんびりと音楽プレーヤーで好きな曲を聴いていました。

     お昼は小さめのパンを1つだけ食べて、会場に向かいました。会場に着いてから試験開始までの20分間は、受験票や筆記用具を準備してぼんやりとしていました。

     時間になると問題用紙と答案用紙が配られました。答案用紙に名前と受験番号を記入しているときに第2問と第3問がチラッと見えましたが、予想していなかった問題だったので一気に落ち込んでしまいました。

    • 試験開始!

     まず、全ての問題に目を通しましたが、時間内に解けるのか不安でいっぱいでした。ひとまず、いつもどおりに1→4→5→3→2で進めていくことにしました。

    第1問

     問題文の長さが、今まで解いた過去問の中でもかなり短い方だと感じました。あまりにも短すぎるので、逆に何かひっかけがあるのではないか、と疑ってじっくりと読んでしまいました。第1問は、普段とほとんど変わらない時間(15分前後)で解けたと思います。

    第4問

     (2)と(3)と(5)に時間がかかってしまいました。

     (2)製造間接費の予定配賦額の求め方が分からず焦りました。仕掛品/製造間接費の形は分かるのに金額が分からない…と頭の中がパニック状態になったので一度飛ばすことに。

     (3)製品完成高を解こうと思うも意味が読み取れず、さらに(5) 製造間接費の配賦差異にいくも(2) 製造間接費の予定配賦額が分からなければ金額が分からず…だんだんやる気が消えていきましたが、とりあえず落ち着こうと再度(2)製造間接費の予定配賦額に挑戦しました。

     これはもしかしてシュラッター図を書かなければ解けないのでは…と思った矢先、分からなかった数字がパパっと埋まっていきました。そのおかげで(5)製造間接費の配賦差異も解くことができました。

     残りの(3)製品完成高は数分悩みましたが解けなかったので、最後の見直しの時にもう1度考えようと思い、目立つようにマークをつけて第5問に進みました。

    第5問

     ボックス図の減損の処理を間違えないように気をつけました。あと、金額が細かいので答案用紙には慎重に記入しました。

    第3問

     初めて見るタイプの問題かつ指示も読み取りづらかったので、あれも分からないこれも分からない…と頭のなかが真っ白になってしまいましたが、せめて分かるところだけは解こうと必死に食らいつきました。

    第2問

     「千円単位」と「マイナスには△とつけること」の2つに気をつけたのに、なぜか△を付け忘れてしまいました。また、試験後に気づいたんですが、上下で別々に合計金額を出していました。相当テンパっていたようです。

    最後の見直し

     この時点で90分くらいだったと思います。ひとまず第4問に戻って(3)を考え、その後は全体的な見直しに時間を使いました。ただ、第2問と第3問の対応で疲れ果ててしまっていたので、最後の見直しは全く集中できませんでした。

    合格発表

     ネットで合格していることを知りました。点数は82点でした。2級を受けようと決意して勉強を始めた当初、本当に私は受かるのかと不安だらけだったのですが、最終的に無事に合格ができてよかったです。

     ちょっと休憩…と言い訳しつつ勉強を休んでしまったりもあったのですが、そんな時は簿記検定ナビの合格体験記を読んで、「私このままじゃだめだな」と反省し、なんとか続けていくことができました。

     試験勉強中は他の皆さんの合格体験記に支えてもらいました。本当にありがとうございました。この経験を無駄にしないようにこれからに繋げていきたいと思います。

    管理人から#さんへ追加の質問

     #さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     好きな音楽を聴いたり、好きなテレビを見たりしてストレス発散をしました。あとは、次の1回しか受験機会はない、と自分を追い込んでいました。

     それでもやる気が出ないときは簿記検定ナビの皆さんの合格体験談を読んでました。勉強の仕方を確認したり、試験までの過ごし方を読んだりして元気がもらえました。ありがとうございます!

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     自分の勉強法を振り返ってみると、参考書の文章を丸々写して覚えていた時間が勿体なかったと思いました。その場かぎりの暗記になってしまったので、できるならば理解してからしっかりと間違いノートにまとめれていればよかったなと思いました。

     また、なるべく早めにかつ多めに過去問を解く時間をとったほうがいいと思いました。仕訳問題も1回できたら終わりではなく、何度も繰り返し解くと力がつくと思いました。

    管理人コメント

     #さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     #さんもおっしゃっていますが、間違いノートは要点だけを簡潔にまとめて、細切れの時間等を有効活用して何度も目を通す…つまり、「作る時間を短く」かつ「使う時間を長く」するのがポイントです。

     間違いノートはきちんと活用すれば大きな武器になりますので、受験生の方は作り方・使い方を今一度ご確認ください。

     また、随所で過去問対策の重要性にもふれられていますが、私も全く同じ考えです。簿記は昔も今も(たぶんこれからも)過去問対策が必須です。

     最近は新形式の問題が出題されることが多いので、過去問対策の重要性は相対的に低くなった…という意見もありますが、今回の試験問題の第1問・第4問・第5問は典型的な過去問類似問題です。

     過去問対策をきちんとやっていれば、60点満点取れる問題だったので、あとは難しかった第2問・第3問の40点中10点の部分点が取れれば合格できる計算になります。

     新形式の問題を予想することは難しいので、(簿記2級と簿記3級は特に)確実に点数になる過去問対策に力を入れて勉強することをおすすめします。

    #さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第138回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.122

    簿記の勉強は「質」も大事だけど、それ以上に「量」が大事です!

    • 投稿者:ああさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約2か月

    はじめに

     現在、私は大学生です。経済・経営・商学部に属しているわけではなく、簿記や会計系のサークルに属しているわけでもないのですが、商業高校出身ということで、高校では簿記に触れるための環境が十分に整っていました。

     当時は特に簿記に強い関心があったわけではなかったので、日商簿記検定を受験しようとも思いませんでした(今思えば、そういう風に自らに言い聞かせることで、自分自身に対して言い訳をしていたのかもしれません)。

     また、高校時代に全商簿記検定1級は取得していましたが、まさに「受かるための勉強」をさせられていたような感じで、その時点では簿記の面白さに触れることができていませんでした。

     全商簿記検定(全商系の検定は全て当てはまると思いますが)はいくつかのパターンを覚えてしまえば、割りと楽に解けてしまうこともあり、さほど勉強しなくても合格することができました(例えば、「しーくりくりしー」については、完全に暗記していました。当時は何のためにしているのかよく分かっていませんでした)。

     では、なぜ今回、受験を決意したかというと、一つは大学生ということもあり、時間にそれなりの余裕があったことです。中学・高校時代は勉強、部活などで多忙な日々を過ごしていましたが、今回の受験の過程において、時間的な制約はあまり感じませんでした。

     もう一つは、せっかくある程度の簿記の知識を持っているのであれば、簿記2級を必死に勉強して取得することで、就職活動を少しでも有利にしたいと考えたからです。

    使用したテキスト・電卓

    • 超スピード合格! 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集(成美堂)
    • 超スピード合格! 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集(成美堂)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’14年11月検定対策(TAC)
    • 第138回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC)
    • 日商簿記2級 仕訳攻略ナビ(ネットスクール)
    • AZ-25S(CASIO)

    超スピード合格! 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集(成美堂)

    超スピード合格! 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集(成美堂)

     90点。決して悪くないと思いますし、何なら良い方のテキストだとは思いますが、ときどきこのテキストだけではうまく理解できない箇所があったので、10点分引かせてもらいました。

     内容に関しては多分、他社のテキストも似たようなものだと思うので、ここにわざわざ特筆するようなことはないです。

     ただ、「テキスト&問題集」と書かれてありますが、「テキスト」としての要素が大半で、「問題集」としての要素はあまりないので注意してください。同社から実践問題集が出ているので、このテキストを使用しようと思われた方は、実践問題集も併用されてはいかがでしょうか。

     私は「テキスト&問題集」という言葉を信じすぎてしまった結果、問題集を使用せずに過去問を解き始めてしまったので、過去問を初めて解いたときは分からなさ過ぎて、絶望しました。テキストは自分で実際に見比べて購入するのがベストだと思います。

    合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’14年11月検定対策(TAC)

     100点。業界最大手のTACが出版している過去問題集ということもあり、非常にわかりやすい解説で、勉強が捗りました。

     私自身の実体験をもとに、この場をお借りしておすすめしたい勉強方法は、簿記検定ナビの過去問分析と併用することです。

     併用することによって、うまく理解しきれていない問題を完璧に理解することができるようになると思います。また、2つの異なった解き方を学ぶことは、簿記の本質を理解するうえでの一助になると考えるからです。

     この過去問題集にも簿記検定ナビにも共通して言えることなのですが、どちらも問題を解く側の視点にたって、わかりやすい解説がなされているので、勉強にいそしんでいる私にとって、非常に鼓舞されるものがあり、高い状態でのモチベーションの維持にも一役買ってくれました。

     さらに、この過去問題集には各大問ごとの難易度が明示されているので、問題を解く際の一つの目安にもなり、「ここは絶対に落としてはいけない」、もしくは「ここは落としても良い」などの分別もできるようになるので、そういった点においてもおすすめです。

    第138回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC)

     100点。合格するための過去問題集と同様に、予想問題集も非常に良かったです。的中率がどうこうではなく、例えば解説がわかりやすいことはもちろんなのですが、下書きの例示もしっかりとなされていて、非常に参考になりました。

     また、どこの出版社の予想問題集にも当てはまると思いますが、予想問題集は全体的に過去問題よりも難しく作られているので、この予想問題集の問題でひどい点数をとってしまったときには、「このままでは落ちてしまう!」と感じ、モチベーションが上がりました。

     特に過去問で着実に満点近い点数がとれるようになってきていて、安心しきってしまい、モチベーションが下がり気味になっていた私に対してはてきめんに効きました。

     過去問題集と同様に、問題ごとの難易度が示されているので、「ここは落としてはいけない問題」と「ここは落としてもいい問題(むしろ時間をかけてはいけない問題)」とを分別することができ、そういった点でとても役立ちました。

     また、付属の仕訳カードも使い勝手が良く、試験当日まで重宝していました。

    日商簿記2級 仕訳攻略ナビ(ネットスクール)

     100点。仕訳攻略ナビと前述した過去問題集付属の仕訳カードを併用すれば、圧倒的な仕訳力が身につきます(もちろん、仕訳攻略ナビだけでも十分ですが)。

     また、仕訳攻略ナビに付属しているまるごと合格BOOKも非常に役に立ちます。勉強のスタイルから試験前日や当日の過ごし方までもが完璧に網羅されているからです。そういった有用さもあり、私はお守りとして使っていました(笑)。

     話が逸れてしまうかもしれませんが、今回の第138回の試験の第2問では、株主資本等変動計算書という、どの出版社もほぼノーマークだった計算書が出題され、第3問では、過去10年の第3問のなかで最も難しかったと言われているほどの難度の高い貸借対照表が出題されました。

     仮にこのような傾向が今後も続くのであれば、工業簿記でできるだけ満点の40点に近い点数をとる必要が出てきます。また、仕訳の20点を確実にもぎとらなくてはならなくなってきます(しかも仕訳は1問につき4点なので、その差は想像以上に大きいです)。

     仕訳で点を稼ぐ必要性が増している昨今、携帯性にも優れている仕訳攻略ナビや仕訳カードを用いて、隙間時間などに勉強することがより一層大切になってきていると思います。

    AZ-25S(CASIO)

     100点。高校入学時に購入したものであり、他の電卓と比較をしたわけではないので、あまり説得力はありませんが、優秀な電卓だと思います。特に不満を感じたことはありません。使いやすく、見やすく、機能も豊富なので、おすすめできます。

     ただ、ネットで調べてみたところ、学校専用電卓らしいので、一般の方が購入するのは難しいのかもしれません。購入できるようであれば、ぜひ購入してみてください。

     ただし、人によっては電卓を叩く際の音が気になるかもしれません。もし、電卓を叩く際の音が気になる方がいれば、ネットなどで検索をかければ解決策が見つかりますので、一度検索してみることをおすすめします。

    勉強スタイル

     基本的に空いている時間は、全て簿記の勉強に費やしていました。効率がどうとかはあまり気にせず、とにかく量をこなしました。

     平日は、その日に入っている講義の関係によってまちまちなので、具体的な勉強時間を言及することはできませんが、休日はだいたい1日10時間は勉強していたと思います。

     また、簿記検定ナビの管理人の田口様もすすめていらっしゃいますが、勉強をする時間帯のなかでも朝の勉強は捗ります。合格を目指して頑張っている方にはぜひ、朝方に勉強して欲しいと思います。

     その他には、例えばテレビは一度見始めると、そのままずっと見続けてしまうので、最初から見ないようにするべきだと思います。このような勉強スタイルは高校・大学受験のときから実践していたので、今回の日商簿記検定2級対策の勉強においても実践しました。

     また、時折、「工業簿記はある時期を境に急激に伸びる」といったことを聞きますが、これは本当です。私も10月の終わりごろに突如覚醒したように工業簿記がわかるようになりました。

     覚醒するためには、やはり勘定連絡図をマスターすることが何よりの近道だと思います。勘定連絡図をマスターすることによって、全体の流れが意識できるようになり、結果的に理解が早まると思います。

    勉強の流れ(スケジュールに沿って進めました)

    9月上旬から9月の終わりまで

     上記の成美堂のテキストを用いて、簿記2級の大まかな流れを頭にインプットしていきました。1回目はざっと流し読みするような感じで、2回目は精読していきました。

     ただ、テキストに書いてあることの本当の意味を理解するためには、実践的な問題を解くことが一番だと思うので、「完璧にテキストを理解するまでは、過去問を解かない」といった、異常なまでにテキストに固執しすぎるのは良くないと個人的には思います。

     また、3級の内容でわからないところがあれば、インターネットなどを駆使して、その都度調べていました。この地道な作業をおざなりにしてしまうと、後々かなり後悔することになると思うので、理解できない箇所は必ず何らかの方法を用いて解決しておいた方が良いと思います。

    10月の初めから10月の終わりまでの1か月間

     上記の過去問題集を使って、過去問を3回通り解きました。3回目の解答を終えた時点で、80点に満たない問題があれば4回目に突入しようかと考えていましたが、大体どの問題も最終的には満点に近い点数がとれるようになっていたので、予想問題集に移りました。

     過去問を完璧にしておけば、どんなに難しい回でも合格できると思うので、過去問が完璧になるまでは、次のステップに移る必要はないと思います。

     また、前述しましたが、簿記検定ナビの過去問分析と併用することで、効率的な勉強ができると思います。うまく理解できないところは、適宜テキストに戻って復習しました。

    11月の初めから試験前々日まで

     上記の予想問題集を使って、仕上げの作業に入りました。4回分の問題があるのですが、1回目の予想問題では余裕で合格点をとることができました。しかし、その後の3題ではボロボロで、ひどい点数をとってしまったので、悔しさと焦りを糧に必死で勉強しました。

     過去問題集を解いていたときと同様に、わからない箇所は適宜テキストで復習しました。2回通り解き、2回目にはどの問題においてもほぼ満点がとれるようになっていました。

     また、このころには、過去問・予想問題ともにほぼ完璧に答えられるようになっていたので、苦手な論点などはほぼなくなっていました。全ての論点が得意になっていたと言っても過言ではないと思います。

     そういった非常に良い状態であったことから、本試験では100点満点を狙っていました。それでも結局、本試験では満点に遠く及びませんでした(第3問のせいで(笑))。

    試験前日

     簿記検定ナビの簿記ナビ模試を総仕上げとして解きました。予想問題集よりも難易度は低く感じました。

     1回目では合格点ぎりぎりしかとることができませんでしたが、2回目には100点満点をとることができ、「これはいける! 明日は何とかなる!」と思いました。

     また、過去問題集から予想問題集、簿記ナビ模試まで一貫して時間を測りながら解いていました。一人ひとり、得意・不得意な問題があり、その問題にかかる時間も違ってくると思うので、自分の時間配分を形成していくうえでも、時間を測りながら解くべきだと思います。

    試験日の1日の流れ

     9時30分に起床しました。仕訳攻略ナビの付属のまるごと合格BOOKに、脳を活性化させるためには試験(1時30分に説明が始まる)の3~4時間前に起きると良いと書かれていたので、素直に実行しました。

     11時30分ごろに朝食を兼ねた昼食を食べ(食べ過ぎないように注意してください)、12時ごろに試験会場へ向けて出発しました。試験会場は一度行ったことがあり、知っている場所だったので、迷子になるかもしれないといった心配は無用でした。

    • 会場に到着

     12時30分ごろに到着し(一番乗り!ただし、そんなに2級の受験者が多くなかったからだと思います)、仕訳攻略ナビと仕訳カードを用いて仕訳の最終確認をしていました。わからない箇所は何度も解き、本番でも解けるようにしておきました。

     会場に着いてから、ぼーっとしている人も多いみたいですが、私は何かしていないと逆に不安になってしまうタイプなので、仕訳を解いていました。さすがに、問題集の問題を解くことはしませんでしたが。

     その10分後くらいから少しずつ人が来始め、試験開始10分前にはほとんど人が到着していたと記憶しています。試験会場の様子としては、テキストなどをせわしなく確認している人がいれば、何もせずただぼーっとしている人もいました。知り合いと思われる人と楽しそうに談笑している人もいました。

     そして、試験開始の前には名前と受験番号を問題用紙の各ページに記入していきます。その際に、第2問に株主資本等変動計算書が見えたので絶望しましたが、迷わず最後に解くことに決めました。1時30分から試験の説明があり、それから少し経った後、試験が始まりました。

    • 試験開始!

     まずは一通り問題を確認しました。第2問は当然最後で、第3問の貸借対照表も相当難しそうだったので、後回しにすることにしました。逆に、第1問と第5問は基本的な問題で簡単そうだったので、先に解くことにしました(よって、順番的には、1-5-4-3-2)。

     第1問の仕訳は、過去問題集や予想問題集、簿記ナビ模試よりもずっと簡単に感じました。私は他の人よりも仕訳に時間をかけて勉強をしたと自負できるくらい仕訳に注力してきたので、自分の解答に手応えを感じることができ、とてもうれしかったことを今でも覚えています。解答時間もあまりかからず8分ほどで終わりました。

     第5問も、基本的な問題で8分くらいで終わったと思います。きっちり勉強していれば解ける問題だったと思います。ケアレスミスだけはしないように注意し、入念に確認をしました。

     第4問では、少々てこずってしまい、それなりの時間を要してしまいました。ただ、試験終了後に答え合わせをした結果、合格するためには十分の点数がとれていたので、安堵しました。

     第3問の貸借対照表の作成問題は、形容しがたいほど難しく、決して貸借対照表の作成が苦手というわけではありませんでしたが、撃沈してしまいました。まず、問題文の日本語をよく理解することができませんでした。今、改めて見てみても、やはり難しいなと感じます。

     追い打ちをかけるように、この時点では謎の株主資本等変動計算書という、そのときに名前すら初めて見た計算書が待ち受けていたので、それはそれは不安で仕方がなかったことを今でも鮮明に覚えています。

     第2問の株主資本等変動計算書を最初に見たときは、何をすればよいのかもはや意味がわかりませんでしたが、「これは難しい」という先入観のようなものを取っ払ってしまえば、そこまで難しくはなかったと思います。

     ただ、「(単位:千円)」という注意書きを見逃してしまい、点を全くとることができなかった方が割りといると聞いたので、そのときに改めて「問題文を注意深く読むことの大切さ」を実感しました。

     私は「(単位:千円)」を〇で囲んで見やすくしていたので、きちんと単位を千円にして解答することができました。

    • 試験終了…

     そして、満足に見直しもできないまま、試験は終了しました。試験終了の合図とともにまず思ったことは、「これは落ちたわ」でした。

     試験終了後にインターネットで「日商簿記検定 第138回 2級 感想」と検索し、受験者各々の感想を見てみると、「できるわけねぇよ、こんなの!」といった感想であふれていたので、やけに安心したことを覚えています(笑)。

    さいごに

     約一週間後、合格していたことを電話で聞いたときは、本当に嬉しかったです。筆舌にしがたい嬉しさでした。そして、周りの誰かに報告するよりもまず、お世話になった合格体験記に私の体験記も書こう、簿記検定ナビの利用者としての、合格者としての証を残そう、と思いました。

     私の合格体験記が、日商簿記2級を取得しようと考えている、日本のどこかに住む誰かのモチベーションアップに繋がるのであれば、幸いです。

    管理人コメント

     ああさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     名前を書く時に視界に入った株主資本等変動計算書(第2問)…さらに受験生を震撼させた財務諸表作成問題(第3問)…今回はいろいろと大変だったと思います。本当にお疲れ様でしたm(__)m

     それでは早速、中身を見ていきましょう。まず受験生の皆さんに参考にしていただきたいのは、テキストの感想のところに書いていただいた「テキストは自分で実際に見比べて購入するのがベストだと思います。」という一文です。

     ネットで評判のテキストであれば、基本的にどれを使っても(内容的には)問題ないと思いますが、人によって「向き不向き」があるので、ああさんのおっしゃるとおり、テキストはなるべく自分の目で見て確かめて、他と比較して購入することをおすすめします。

     また、市販の過去問題集と簿記検定ナビの過去問分析を併用して勉強されたとのことですが、この点もぜひ見習ってほしいです。

     「総合問題を解く際の下書きの書き方」はいろんな方法があるので、2つを見比べていただいて、分かりやすいor覚えやすいほうの下書きの書き方をマスターしてください。

     さらに、「工業簿記は勘定連絡図をマスターすることが大事」と書いていただきましたが、これもその通りだと思います。

     例えば、直接材料は材料勘定→仕掛品勘定→製品勘定…という流れで金額が転がっていきますが、間接材料は材料勘定→製造間接費勘定→仕掛品勘定→製品勘定…という流れになりますよね。

     このような「勘定の流れ」をイメージできるようになると工業簿記の理解がより深まるので、問題を解く際は「勘定の流れ」をまとめた図・勘定連絡図を常にイメージして問題を解いてください。

     最後にもうひとつだけ。「問題を解き始める前に問題をひととおり確認し、難易度に応じて解く順番を決めている点」や、「(単位:千円)など間違えやすいところに印を付けている点」もぜひ見習ってください。すごく大事です。

    ああさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第137回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.121

    インプットよりもアウトプット(問題演習)にたくさんの時間を使いましょう!

    • 投稿者:つば九郎さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約3か月

    勉強のきっかけ

     私は現在25歳です。就職活動に失敗して、現在派遣社員として働いています。なんとか正社員として働きたいなと日々考えています。

     そんなふうに悩んでいる時、会社の上司から、「私の父親が大企業の経理部でかなりのポジションにいるんだけど、経理に興味あるなら紹介してあげようか」と話しをいただきました。

     同じタイミングで私の父も経理の仕事をしていることを初めて知り、段々と経理に強い興味をいだくようになりました。そこで、経理に必要不可欠な簿記の資格を取得しようと決意しました。

    勉強開始前の実力

     簿記という資格は知っていましたが、電卓を使うということくらいしか知りませんでした。そこで、まずはネットでどれくらい勉強すれば良いのか調べました。

     『2週間で簿記2級合格』や『1ヶ月もあれば簿記は余裕』というようなページが多数見つかったため、「まあ2週間は無理でも、1ヶ月ちょっとあれば受かるだろう」と考えました。

     この時が3月の始めでしたので、少なくとも6月の試験までには余裕だと思ったのです。後にこれが大いなる誤りだと気づく訳ですが…。

    参考書選び

    『日商簿記3、2級 受かる勉強法落ちる勉強法』(洋泉社)

     参考書を選ぶ前に、私はとことん効率的な合格法を調べようと思いました。まず購入したのが、『日商簿記3、2級 受かる勉強法落ちる勉強法』です。人によってはタイトルを見ただけで胡散臭いと感じると思いますが、この本がなければ一発合格は厳しかったと思います。

     もともと洋泉社は公務員試験やセンター試験などの裏ワザ的な本を多数出版しており、私が大学受験をする際にはこの裏ワザ本が本当に役に立ちました。

     受験時に勉強をサボりまくっていた私ですが、センター試験の裏ワザ本を読んだおかげでセンター試験は9割近い点数をとることができました。そうした理由で、洋泉社には強い信頼を持っていました。

     この本には勉強の仕方からテキスト選びまで細かく説明がされています。勉強の仕方で言うと、間違いノートの作り方やテキストへのマーカーの引き方まで書いてあります。参考書別の勉強スケジュールも載っており、ほぼ書いてあるスケジュール通りに勉強しました。

     出版年は2011年なので、情報が古いところもありますが、参考になる部分はかなり多いと思います。唯一難点を言えば、「工業簿記にて仕損・減損はでないので勉強しなくて良い」と書いてありますが、実際には出題されることもあるのでしっかり勉強しましょう(笑)

    スッキリシリーズ(TAC出版)

     『日商簿記3、2級 受かる勉強法落ちる勉強法』の中ではサクッとシリーズとスッキリシリーズを特に推していましたが、猫の絵がかわいいのでスッキリシリーズを選ぶことにしました。スッキリシリーズは猫が会社を経営していくというストーリー仕立てになっているので、非常にわかりやすいと思います。

     簿記を勉強するのは初めてだったので、3級と2級の商業・工業のテキストを購入しました。すべてボロボロになるくらいまで読み込みました。

    簿記2級みんなが欲しかった問題演習の本(TAC出版)

     こちらも『日商簿記3、2級 受かる勉強法落ちる勉強法』の中でおすすめされていました。スッキリシリーズのテキストが終わり次第、こちらを始めると良いと思います。

     解説がとても充実しており、理解が深まることは間違いありません。スッキリシリーズと同じ著者なので、参考書の中におなじみの猫が出てきて愉快な気分になります。

    スッキリとける日商簿記2級 過去+予想問題集(TAC出版)

     最後に過去問集ですが、この際スッキリシリーズで統一しようということで『スッキリとける日商簿記2級 過去+予想問題集】を選びました。

     こちらは2014年に初めて出版されたため、アマゾンなどでレビューを見ることが出来ませんでした。そのため購入に不安がありましたが、他の過去問はなんとなく解説があっさりしすぎな気がしたので、こちらを購入しました。

     が、スッキリシリーズに出てくるおなじみの猫は登場するもののの、テキストのように丁寧な解説ではありませんでした。解説を読んでもわからないことが多く、理解するのにものすごく時間がかかりました。また、予想問題集は明らかに本試験の問題より難易度が高いと感じました。

    ラストスパート模試(ネットスクール)

     スッキリの過去問がイマイチなため、試験2週間前に急遽こちらの予想問題集を買いました。こちらは解説も詳しく、過去問の分析もしっかりしているので、予想問題集としてはおすすめです。

    勉強時間

     フルタイムで週5日働いているため、勉強は仕事後に、平均すると1日3時間くらい勉強しました。といってもサボることも多く、1日1時間しかやらない日もありました。試験1ヶ月前までは土日もあまり勉強しませんでしたが、直前期は平日4時間をノルマに課して勉強しました。

     「Study plus」というスマートフォンのアプリがあり、これが勉強のモチベーション維持に役立ちました。毎日の勉強時間を記録することができ、それが増えていくのが楽しいので、自然と勉強する気持ちになれます。

     通勤の電車の中で勉強することも多かったので、少し参考書を読んではアプリに時間を記録し、「これで15分稼いだ!」などとささやかな喜びを感じていました。

     このアプリはSNS的な要素が強く、他に勉強している人とつながって勉強の記録にコメントをつけることも出来ます。本当は人とのつながりを求めてこのアプリを使う人が多いのでしょうが、他人の勉強にコメントしている暇があれば勉強するべきだと思ったので、誰とも友達になりませんでした。

     でもこのアプリは勉強の記録用として非常にお勧めです。ちなみに、合格までの勉強時間を全て合計したところ、およそ250時間でした。

    勉強方法

    3月上旬から中旬(2週間)

     まずは簿記3級のテキストを読み込みました。3級は簡単なのでどんどん読み進めたのですが、早く2級のテキストに入りたいという気持ちが強く、精算表の作り方などをかなり読み飛ばしたため、後にものすごく苦労することになりました…。

     最初はテキストをノートに書き写したりまとめたりしていましたが、これは時間がかかるだけなのでやめたほうが良いです。

    3月中旬から4月中旬(3週間)

     つづいて2級の工業簿記から勉強を始めました。工業簿記から始めた理由は、商業の参考書の最新版がまだ発売されていなかったということだけです。

     工業簿記の仕訳などはわかったのですが、単純総合原価計算以降はもう何もわからなくなりました。工業簿記のテキストがわかるようになるのには時間がかかり、1ヶ月近くもテキストを理解することだけに費やしました。

     簿記2級は1ヶ月で受かるものだと信じていた私は、この辺りで自分に簿記の才能がないのだと嘆き、悲しみに沈みました。

    4月中旬から5月初旬(2週間)

     やっと工業簿記のテキストが終わったので、商業簿記に移行しました。「商業簿記なんて3級の続きなんだから余裕だな」と思っていましたが、やはりここでも私の考えは打ち砕かれました。

     とにかく覚えることが多く、毎日テキストを読んでも次から次へと忘れて行きました。そしてたまに工業簿記を復習すると、工業簿記も忘れていっていることに気づき、やはり悲しみに沈みました。多い日は1日50ページは読み進めました。

    5月初旬から5月下旬(3週間)

     テキストを終え、ようやく『簿記2級みんなが欲しかった問題演習の本』に入りました。テキストを一応理解したつもりだったので、問題も解けるかと思っていたのですが、次から次へと知らない問題が出てきて、一発で解けた問題はひとつもありませんでした。

     試験までの日にちも迫り、焦りもありましたが、とにかく反復しての演習を繰り返しました。

    5月下旬から試験前日(2週間)

     気づけばもう5月も終わりに近づく頃、ようやく過去問演習に入りました。『簿記2級みんなが欲しかった問題演習の本』は完璧にマスターしていたので、過去問も余裕だろうと思っていましたが、見たことのない問題の連続で、6月の合格を諦めようと本気で考え始めました。

     テキストと問題演習を共に理解して、なぜ過去問に手も足も出ないのか不思議で仕方ありませんでした。何か根本的なところを理解していないのではないかと悩みました。

     しかし悩んでももう試験はすぐそこまで迫っているので、とにかく問題を解いて、その問題ごとに解き方を覚えるということを続けました。過去問は結局過去6回分をやりました。予想問題の演習はスッキリの過去問で3回分、ラストスパート模試で2回分やりました。

     これから簿記の勉強を始める方には、テキストの7割くらいの理解ができたら問題演習に移ることを強くおすすめします。テキストを読んだだけでは問題は解けませんし、理解も深まりません。問題を解いてテキストの意味が初めて分かることも非常に多かったです。

    試験日の1日の流れ

    • AM 8:00 起床

     前日に焦りで2時まで勉強してしまったため、遅くまで寝てしまいました。合格する自信はありませんでしたが、それでもかなりの時間を簿記にささげてきたので、起きた瞬間から強烈な緊張感に襲われました。

     緊張からか5日放置したカレーを前日に食べたからか、お腹を下してしまい、試験までに何度もトイレへいきました。

    • AM 9:00~11:00 復習

     ここで焦って新しい問題を解いても仕方ないと思ったので、とにかく今までやってきたものをパラパラと見直しました。この時、第2問に出題される特殊仕訳帳についての知識が完全に抜け落ちていることに気づきました。

     私は過去6回分の過去問に取り組みましたが、その6回に一度も出題されていなかったのです。過去6回に出題されていないということは、今回出題される可能性があるということにもなるので、パニックになりました。

     「もっと余裕をもって勉強しておけば…」という言葉が何度も浮かびました。

    • PM 12:30 試験会場に到着

     試験会場の開場時間に合わせて到着するようにしました。この日は雨だったため、教室内の空気が非常に悪かったです。また、試験会場の机が非常に狭く、更に合格が遠のいていく気がしました。

    • PM 13:40 答案用紙に名前を記入

     試験の問題用紙と答案用紙を配られると、答案用紙に名前と受験番号を記入するよう指示がありました。つまり試験開始前に答案用紙は見ることができるのですが、表紙をめくると第2問に「銀行勘定調整表」の文字が目に飛び込んできました。

     銀行勘定調整の問題は1年前の2013年の6月に出題されており、テキストにはあまり出題されないと記載があったため、完全に手をぬいていた単元でした。また、2013年6月の試験は合格率が極端に低かったため、同じような問題は出されないだろうと高をくくっていました。

     この段階で頭が真っ白になりました。「ああ、本当に頭が真っ白になることってあるんだなぁ」と思ったことだけは覚えています。完全に「落ちたな」と思いました。

    • PM 13:45 試験開始

     銀行勘定調整は後回しにするとして、とにかく頑張るしかありません。第1問→第4問→第5問→第3問→第2問の順番で問題を解いていくことにしました。

     第1問の仕訳はひねったような問題が多い印象でした。第3問の損益計算書の作成は見たこともないような決算整理の問い方ばかりでした。第5問は簡単な工程別総合原価計算でしたが、これも少し頭を使わないと答えまでたどりつけないような気がしました。

     結局全ての問題を解いた時点で20分程時間が余りました。時間があまればもちろん見直しをするべきなのですが、もうこの時点で
    疲労困憊だったので、桁数の間違えや電卓の計算ミスがあるかどうかの確認をするくらいしか出来ませんでした。

     2時間はやはり長く険しいです。

     また、余った時間に自分が答案用紙に記入した答えを全て問題用紙に書き写して、自己採点ができるようにしました。

    • PM 15:45 試験終了

     帰宅後、各予備校のホームページを参考に自己採点をしたところ、75点前後とれていることがわかりました。完全に運が良かっただけです。また、ケアレスミスで10点程失っているのがわかりました。試験で余った時間を全て見直しにつかっていれば…と悔いが残りました。

     自己採点は合格点を超えましたが、5点ほどしか超えていないので、落ちている可能性は十分あると思い、発表まで不安で仕方ありませんでした。

     試験から2週間後の合格発表を見た時は、喜びよりも、ホッと安心したという気持ちが強かったです。

    管理人からつば九郎さんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     簿記検定ナビでも紹介されていた、【CANON HS-1220TUG】を使用しました。評判通り安価な割に使いやすかったです。試験開場では小さな電卓を使っている人もいましたが、非常にやりにくいのではないかと思いました。

     試験時に私の前の席の方が有名大学の学生さんだったみたいなのですが(学生証が見えました)同じ電卓を使っていました。合格発表を見た時にその方の受験番号も乗っていたので、やはり電卓にはこだわった方がいいかもしれません。

     つば九郎さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は工業簿記の単純総合原価計算や工程別総合原価計算などの原価計算問題でしょうか。私は工業簿記から勉強を始めたのですが、最初に躓いたのがこの論点でした。

     月初仕掛品・当月投入・完成品・月末仕掛品の図を書いて計算しますが、なぜ図を書かなければならないのか、当月投入は直接材料費と加工費の計算でなぜ数値が違うのかなど、全く理解出来ませんでした。

     テキストに載っている例題を1問解くのに2時間くらいかかりました。諦めずに何度も何度も問題を解いたことで、確実に点数が取れるようになりました。

     苦手な論点は、本支店会計です。何度説明を読んでもよくわかりませんでした。

     途中までは頑張って理解しようとしましたが、本支店会計は2回連続では出題されないという話を聞き、前回の試験(136)で出題されていたこともあり、自然と勉強を後回しにしてしまいました。出題されていたら間違いなく落ちていました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     とにかくテキストをある程度読んだら、すぐに問題演習に移ることが大事だと思います。テキストを読んだだけでは理解できない論点も、問題を解いてみてから解説を読むと理解がものすごく早くなります。

     どうしても問題を解くのは頭も時間も使うので億劫になってしまいますが、問題を解きまくることが合格の早道なのは間違いありません。

     あと、これは皆さんやっているのかもしれませんが、数字にカンマを入れて書く習慣を身につけた方がいいと思います。私は最後までカンマを入れずに勉強していたため、ケアレスミスが非常に多かったです。

     そろばんの試験ではカンマを入れて解答するのは必須と聞いて、簿記試験の本番でもカンマを入れなければと思いましたが、問題ごとにカンマを入れたり入れなかったりして解答してしまいました。

     結局合格したので、採点には関係ないのでしょうが、父に「カンマを入れて書くのは常識」と言われてしまったので、最初から習慣化しておいた方がいいと思います。

    管理人コメント

     つば九郎さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!知識ゼロの状態からスタート、しかもフルタイムで働きながら3か月で2級に合格するのはすごいと思います。

     つば九郎さんの合格体験記で一番参考にしていただきたいのは、「テキストの7割くらいの理解ができたら問題演習に移ることを強くおすすめします」というところです。

     テキストの内容をきちんと理解することはもちろん大事です。ただ、費用対効果を考えずに「完ぺきな理解」に固執することはおすすめしません。受験勉強が長引くだけです。

     簿記の力はインプットではなくアウトプットで養われるので、つば九郎さんのように問題演習(アウトプット)に出来るかぎり時間を割くように心がけてください。

     なお、カンマについては、たまに「絶対に付けなければいけませんか?」という質問をいただきますが、カンマの有無は採点対象ではないので、付けないからといって即不正解になるわけではありません。

     ただ、カンマを付けないデメリットはあってもメリットはひとつもないので、練習段階から必ずカンマを付けてください

    つば九郎さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第137回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.120

    計算用紙は捨てずに保管!勉強した証が「自信」になります!

    • 投稿者:じょりーさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約6か月(合計)

    受験のきっかけ

     私は大学3年生で主に会計を勉強しています。簿記は授業で選択必修のようなものがあったので、それをきっかけに1年次に講義で貸方・借方の概念と仕訳の方法を学んだあと独学で日商簿記3級を取得しました。

     次は2級だということで、第134回の検定を受けましたが撃沈しました。昨年のリベンジと国税専門官の仕事に興味を持ったことから、簿記2級は絶対欲しい!と気持ちが燃え上がってきたので再受験しました。

    使用テキスト

     使用テキストは商簿工簿ともTACの『合格テキスト』『合格トレーニング』『合格するための過去問題集』です。こちらは合格時(137回)の受験時に使用しました。使い方としては、合テキの一単元を読む→合トレの同単元を解く。といった王道パターンです。

     一回目の受験のときは、分かり易さ重視ということでTACのスッキリわかるシリーズを使いました。こちらはイラストが入っていて説明もタイトル通りスッキリ書かれているので、簿記の流れやどうしてこの仕訳が必要なのかといったことを理解するにはもってこいだと感じました。

     結論としては、合テキ・合トレが良いと思います。スッキリわかるシリーズは確かにとてもわかりやすいのですが、簡単に読めてしまう分頭に入り難いな~と思ったのと、問題演習量が少ないことがネックだと感じました。

     もちろん人によって教材の向き不向きはあると思いますが、私は合テキ・合トレのようにじっくり読ませるテキストが向いていたのだと思います。

    勉強方法

     簿記2級の勉強は、3級に比べると論点が多いので毎日簿記に触れないとすぐに忘れてしまいます。1回目受験時は4か月前から勉強を始めたのですが、ダラダラとやっていて反復をしなかったので演習の時間が足りずに不合格でした。

     なので、前回の反省を生かして今回は短期決戦ということで2ヶ月で仕上げました。そのうち1か月は復習(論点の再確認・弱い論点の叩き込み)、1か月は演習です。

     さらに1か月のうち最初の2週間は工簿、後の2週間は商簿に割り当て、合テキの計15単元を2週間で終わらすために1日平均2単元ずつ進めて、余った日を休息日や苦手単元の日に当てるというようにかなり細かく戦略を練りました。過去問演習に力を入れたかったので、合テキ・合トレは1周しかやらない戦略です。

     勉強時間は、平日は学校があるので学校から帰ってきてから平均3~4時間、休日は5~6時間やっていました。あとは、前倒しで合テキを1日3単元やることもしてました。

     商簿の最後の方の「帳簿組織」、「伝票会計」などといった決算絡みの単元が結構時間がかかって進まないので、前倒しで進めておいて良かったなと後々思いました。

     使用テキストのところにも書きましたが、論点の再確認は合テキの一単元(例えば社債)を読んで読み終わったらすぐに合トレの同単元(社債)で演習といった王道勉強です。

     商簿も工簿も、すんなり頭に入って解けるという単元とそうでない単元があると思いますが、「苦手単元こそ出来るようになるまで何回も何回も同じこと繰り返す」というのが合格するための勉強の最大のポイントだと思います。

     ここが苦しいですが、私も社債、減価償却、総合原価計算の単元は3~4回同じことを繰り返したおかげで、苦手意識が薄らぎました。

    過去問演習

     『簿記2級は過去問演習に尽きる』といったようなことを簿記検定ナビの管理人様がおっしゃっていますが、本当にその通りだと思います。

     合テキと合トレを1周回した時点で過去問を解いても何もできませんが、過去問は演習本と違って問い方も難しくなってますし解けないのは正常ですので、不安になることはないと思います。(自分の場合はそう思い込みました…笑)

     ただ肝心なのは出来なかった後で、できない単元をかなり時間をかけてこれもまた解答を見なくても解けるように復習しました。

     たとえば、問1の仕訳で間違えたら解答で「どこの単元ができないのか」をチェックし、理解が曖昧ならその単元をテキストで読み直す→その場でテキストの演習問題なりを解く→もう一度間違えた問題を解く(特に引っかけに気を付ける)といった感じです。

     そうしていくと、だんだん頭が過去問に慣れてきます。過去問1周目の後半とかになると、問題を見ただけで「問4は個別原価計算」、「問3は精算表」といったようにパッとわかるようになってきます。ここまで来れたらあとは計算の手順とか計算ミスに気を付けるだけの段階になってると思います。

     あとは問1の仕訳では16点以上取る、問4・5も16点以上は絶対取ると決めていました。そうすると問2・問3で新形式問題や少しひねった問題が出たときに焦らなくて済むので、仕訳と工簿は復習にかなり力を入れてました。

     仕訳問題対策には簿記検定ナビさんの仕訳問題対策プリントにお世話になりました。あまり時間がなかったので、過去10回分をプリントアウトしてそれを2回やりました。そうすると問1でコンスタントに16点以上はとれるようになるので、こちらは絶対にやった方がいいと思います。

    モチベーション維持

     モチベーション維持の方法としては、一回不合格になっているのでそのときの悔しさ(合格発表時の虚しさ?)を思い出すことが一番効果がありました。

     もう一つの方法は、勉強するときに計算用紙を家にあるいらない裏紙でやりました。そしてそのチラシは捨てないで紙袋にきれいに入れてとっておきました。

     そうすると自分が勉強した量が一目でわかるので、最初のうちは紙袋いっぱいにするぞ~とやる気が出たり、中盤でダレたりすると自分はこの紙袋に入ってる紙分の時間と労力を無駄にするのか…と追いつめられるような気持ちになりました(笑)

     試験日間近は「ここまでやったんだ!」という自信にもつながるかと思います。

     なんにせよ過去問演習の2周目とかになると、試験形式の問題もだいぶ解けるようになって楽しくなってくると思うので、モチベーション維持はそこまでの辛抱ではないかなと思います。

    試験日前日&当日の流れ

    試験日前日

     過去問を2回分解いて復習、といつもやっていることをしました。その後、苦手論点を再確認しました。あまり時間もないのでテキストを読むだけです。

     最後に、商簿テキスト・工簿テキストの目次を開いて、1単元ごとにその単元のページは開かずにポイントや仕訳を自分で言えるか総確認しました。たとえば、「委託販売」だったら委託販売で委託品を発送するときに使う仕訳をパッと思い出せるかを自分でチェックするといった感じです。

    試験日当日朝

     朝は弱いので、9時ぐらいに起床しました。ご飯を食べ、試験日にいつもやるゲン担ぎで栄養ドリンクを飲んで支度をして、出発の12時まで自室で1時間を目安に過去問を1回分解きました。

     採点もして80点以上取れたので、安心して受験できると思いました。それから、苦手論点をテキストでざっと見直しして出発しました。

    試験開始までの過ごし方

     試験当日が雨だったので道が混んでて少し遅れてしまい、試験開始の13:30の20分前に教室に着きましたが、人が少ないなというのが第一印象でした。

     席に着くとすでに私の隣、ななめ右前には同年代ぐらいの人がいて、どちらもかなり集中して勉強していたようなので私もかなり気を引き締められました。

     席に着いてすぐ受験票・免許証・シャーペン2本・消しゴム・シャー芯を出して、腕時計を机の左端に置いて、受験体勢に入りました。

     そのあとは、TACの合格するための過去問集の最初にある大問対策のページを眺めていました。あまり真剣に読むと「えっここ分かってないじゃん!」などと焦りそうなので、本当に特殊商品売買の複雑な仕訳を眺める程度です。

    • 試験開始!

     私の会場では、試験開始の合図の前に解答用紙に受験番号と生年月日・フルネームを書かされます。そのときに問2に銀行勘定調整表が見えて、去年のトラウマ再び…と目の前が真っ暗になりそうでした。

     でも問1はもちろん、問4の製造原価報告書、問5の総合原価計算の解答用紙を見て、ここで絶対点取ろうと覚悟を決めて解答にかかりました。

     問題は過去問集の解説通りにいつも問4・5の工簿から解いていたのですが、会場では試験開始の合図の後みんな問題集を裏にひっくり返す音がしなかったのでちょっとびっくりしました。

     第4、5問は過去問通りな感じですんなり解けたので、気を引き締めて問1~3を解き始めました。第2問の銀行勘定調整表単体の問題にはトラウマしかありませんでしたが、普段過去問の清算表のところでやってる調整の仕訳と同じじゃん!と思えたので、問2の仕訳、問3の金額ともにノーミスで行けました。これに関しては過去問演習を積んだおかげでかなり強くなれたと実感しました。

     第3問は、一般商品売買の棚卸減耗費と商品評価損の説明に少し戸惑いましたが、無事にクリアできました。減価償却費は、何回読んでも計算してもピンと来なかったので捨てました。

     見直しを2回したところで試験時間終了となりました。

    試験後

     初見のような文章の問題と雨の湿気でかなり疲弊しながら、会場外でもらう解答速報を見たら第1問は2問しか正解していませんでした。(本支店会計と利息の計算を間違え、あとは創立費と株式交付費を分けて書いていました…。ショックでした!)

     他の問題手ごたえあったんだけどな~とがっくりしながら帰りましたが、後日見た予備校の解答で、第2・4・5問が満点だったので、ここで合格を確信しました。

     先日、商工会議所の合格発表で日商簿記2級の合格を確認致しましたので、今回長々と合格体験記を投稿させていただきました。
    少しでも私と同じように学生で独学で2級取得を目指す方の励みになればいいなと思います。

     合格にあたっては、簿記検定ナビさんの仕訳対策プリントや問題予想にかなりお世話になりました。本当にありがとうございました。

    管理人からじょりーさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     CANONのLS-101Tです。桁数が12ケタあって、かつゼロが2つあるボタンのものだったらなんでもいいやと思って深く考えずに購入しました。

     ディスプレイのところが平面になっていて、覗き込まないと数字が確認できないので簿記の勉強にはオススメしません。私も途中で何回か買い換えようかと思いました…

     じょりーさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は伝票会計です。一番の理由としては仕訳が簡単で、推測さえ冷静にやればミスを最小限に抑えられる論点だと思うからです。

     苦手な論点は、特殊商品売買・本支店会計です。特殊商品売買は理屈が頭に入り難く、最後は仕訳だけ暗記で覚えました。

     本支店会計も、トレーニングテキストの簡単な問題はできるのですが、本番形式の問われ方だと全然点が取れず捨て論点になっていました。

     工業簿記については、得意でも苦手でもなかったです。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     勉強方法の振り返りは、合格することだけが目標だったので特にはありません!ただ、私の場合本支店会計を捨てて挑んだ試験だったのでズルかったかな…という罪悪感は少しあります(笑)なので、アドバイスするなら、捨て論点を出来るだけ作らないことです。

     あとは仕訳は何がなんでも完璧にしておくことだと思います。何回か過去問や、簿記検定ナビさんの仕訳プリントを解くとどの論点が仕訳に出やすいかということが分かると思うので、そこから苦手論点をあぶり出してなんとか対策されるのが良いと思います。

    管理人コメント

     じょりーさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     じょりーさんの合格体験記で一番参考にしていただきたいのは、「苦手単元こそ出来るようになるまで何回も何回も同じこと繰り返す」というところです。

     苦手論点の勉強って苦痛ですよね。すごくよく分かります。ただ、苦手論点には得意論点よりも多くの伸びしろがあるので、がんばって克服したときの点数の伸びはかなり大きいです。

     よって、学習の直前期には、苦手論点を克服するのに効果的な「まとめ解き」をしてください。やり方はいたって簡単で、苦手論点の問題を出来るかぎりたくさん集めて、それを集中的に何回も何回も解きまくるだけです。

     この「まとめ解き」によって分からないところが具体的に分かるので、テキストに戻って復習したり、質問掲示板等を有効活用してひとつひとつ知識の穴を埋めていってください。

     また、「仕訳は何がなんでも完璧にしておくことだと思います」と書いていただきましたが、私も全く同感です。第1問の仕訳問題で20点満点を取ると、合格がかなり現実的になります。

     簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策、拙著「仕訳攻略ナビ」などの市販の仕訳対策本、パブロフ簿記などの仕訳アプリなどを有効活用して、必ず仕訳対策をして試験に臨んでください。

    じょりーさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第137回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.119

    簿記の勉強はある程度の「量」が必要。努力は決してムダにはなりません!

    • 投稿者:みるみるさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月

    簿記受験の動機

    • 大学時代に単位獲得のために受講したが内容の大半を忘れてしまっていた
    • 経理の実務にわりと長く携わっているのに、自身が簿記の資格を持たないことに長らく疑念を感じていた

     この二点にケリを着けたくようやく重い腰をあげて受験を決めました。今回の2級と以前の3級受験時に、簿記検定ナビを非常に活用させていただいたので、御礼と感謝を込めまして今回、投稿させていただきました。

     また、自分のような社会人、独学という環境では身近に同様に受験を目指し刺激ややる気を喚起してくれる存在が居ない方が多いのではと考え、拙筆ながらその一助になれればとも思いました(自分はこちらの合格体験記から、幾度となく刺激とやる気をいただきました)

    テキスト

    • スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記(TAC出版)
    • スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記(TAC出版)
    • 第135回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC出版)※古本購入
    • 日商簿記2級 プラス8点のための問題演習(TAC出版)※古本購入
    • 資格の大原 第134回問題解答集
    • 資格の大原 第136回問題解答集
    • 簿記検定ナビ 仕訳問題対策
    • 簿記検定ナビ 第137回試験予想問題

    勉強法

    • テキスト2周(2周目は確認問題のみ)→演習問題→過去問、予想問題2周(予定)
    • テキスト2周(2周目は確認問題のみ)→演習問題→過去問、予想問題1周+間違えた問題、弱い問題を再度(実際)

     第135回の3級を首尾よく合格でき(独学、勉強期間約2ヵ月)、その勢いで第136回の2級受験を検討しました。

     ただ、勉強期間が約3ヵ月では短いと感じたのと年末年始の休暇中に勉強しないであろう自分が容易に想像できた(笑)ので、第136回はパスし6月の今回の受験に切り替え2月より勉強をはじめました。

    2月~4月中旬

     勉強開始当初は、3級受験時と同様に昼休みにテキストを読むことからはじめました。(このころは、帰宅後や休日は勉強していませんでした…)

     ただ、以前の3級勉強時にテキスト章末確認問題は、本試および模試(予想問題)のレベルに程遠いということを経験していたので、今回は章末確認問題は出来て当たり前、間違えたり理解の乏しいところはしっかりテキストを読み返し再度解くとか、web上で類題を探して解くなどを繰り返して進めました。

     結果、基礎はしっかり理解出来ましたが、予想以上に日数が掛ってしまい過去問と予想問題に取りかかる時間が予定より減りました。

    4月中旬~5月中旬

     勉強開始より2ヵ月程経過したこの頃から、ペースアップのため帰宅後の時間や休日を復習というか、類題を解くために使うようにしました。

    5月末~

     勉強開始当初のペースの遅さと基礎部分に時間が掛ったため、試験の10日程前になってようやく過去問、予想問題に取りかかれました。

     工業簿記の部分で、若干面喰うところはありましたが、基礎の理解に力を入れてきたお蔭か、取りかかり当初より70点を上回ることができ少し安心しました。

     「さぁ、ここから精度上げて本試に臨もう」と気合を入れましたがなかなか精度が上がらず、60後半~80点の間行き来してばかりで少し心配になりました。

     結局、納得のいく精度まで高められずに本番となりました。(3級受験時は直前期に90点以上取れるようになり、自信を持って本試に臨めたんですが…)

    試験前日

     仕事だったので帰宅後に簿記検定ナビの第137回予想問題をやりました。結果は、74点。

     う~ん…80点以上なら明日の準備を再確認して早めに就寝と考えていましたが、少し心配だったので工業簿記を中心に気になる論点の問題をいくつかやってから就寝しました。

    試験日の1日の流れ

    • 9:00

     起床。前日の就寝時刻が予定していたより遅くなってしまったため、ゆっくり休んだらこの時間でした。

    • 10:30~

     TVや新聞を見たりしてリラックスしながら完全に目が覚めるを待ち、解答や解説を見ながら、直前期にやった過去問と予想問題を解いた際の下書き用紙の最終確認をしました。

    • 13:00

     軽く昼食を済ませたのち、13時に会場に向けて出発。

    • 13:15~

     会場着。自分の席に着き筆記用具や電卓を準備し、ここでようやく周りを確認してみる。テキストやノート等を読み返している人、緊張した面持ちで座っている人、受験仲間?と話している人…と様々で、そんなにピリピリした空気ではなかったと思います。

     自分も、試験中に脳をフル回転させるために持ってきたチョコレート菓子を一つつまんで、糖分補給をして試験に備える。なお、テキスト等は持込みしませんでした。集中力を高めるのと気持ちを落ち着かせるのに時間を使いました)

    • 13:37 試験開始!

     受験番号と氏名記入の際、解答用紙をみて1→4→5→3→2の順で解くと決める。

    第1問

     本店支店の仕訳問題は、念のために両支店と本店の仕訳を下書き用紙に書き出し、解答を完成させてから記入した。問4は、さんざん迷って当座預金を借方に集約してしまい不正解。最初に記入したのが正解でした…。

     「利息の計算の日数が前日まで」とか「当座に振り込まれることになっている」といった問題文の指示は、しっかり目立つようにチェックしていたので大丈夫でした。

    第4問

     直接労務費の計算でミスしそうになるもなんとかクリアし順調に進めていく…が、当月製造製品原価のところで合計が合わない。

     二度ほど見返すも特に誤りを発見できず、この時一気に心拍数が上昇しました。結局、当月製造製品原価が予め与えられていたので逆から計算し、辻褄?を合わせました。

    第5問

     この問題も順調に解き進めていき、あとは月末製品棚卸高を計算するだけのところまできました。製品の数量は設問中にあるので単価を求めればよいのですが、計算するも見事に端数…割り切れない。

     これは違うな、と感じながらも他の計算方法が浮かばず、頭を捻っていると…突然、ボックス図が頭に浮かび、そのボックス図に当てはめて単価を計算すると出来ました。お蔭で事なきを得ました。

    第3問

     この時点で残り時間60分少々。予想以上に時間が掛りすぎていたので少々焦りました。また、問題文の捻り?に苦戦したので心が折れかけていました。

     ただ、「あきらめたら、解ける問題も解けなくなる」と自分自身を鼓舞し、なんとか30分程度で解答欄を埋め最後の問題へ。

    第2問

     残り30分くらいで少し厳しいかな、思いつつ第2問に目をやると…この時点でようやく第2問が銀行勘定の問題だと気付きました。(予め確認しておけば第3問と取りかかる時に焦らずに済んだのに…)ほとんどノーマークな論点でした。

     ただ、難易度は高くなかったので、わかるところで確実に得点出来るようにと解きました。およそ15分程度で終了。結果的に予想よりも多く見直しに時間を掛けることが出来ました。

    試験を終えて

     やるべきことは果たしたという思いはありましたが、合格点を取れているという手応えはほとんどありませんでした。なので、果報は寝て待てといわんばかりに、解答速報による自己採点は合否発表後にしようと決めて過ごしていました。

     しかし、3日後くらいにどうしても気になり自己採点しました。結果は74点。一応、配点箇所は厳しめにしました。(明確に解答を控えてこなかったので、問題用紙、下書き、記憶力頼みの自己採点です)

    管理人からみるみるさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     90点。テキストは人によってそれぞれ使いやすさ(読みやすさ)があるかもしれませんが、自分にはこのテキストが合っていたと思います。

     TAC出版さんの「第○○回をあてる TAC直前予想」は、個人的に問題のレベルが高いと感じたので試験対策には良いと思います。

     簿記検定ナビの仕訳問題対策、第137回試験予想問題は非常に良いです。特に、仕訳問題対策はやりこめば充分な力が付くのでおすすめです。

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     カシオのJS-200W。普段、仕事で使っているので機能よりも慣れを選択しました。チルトディスプレイで、見やすい角度に変えられるもの個人的には良かったです。
     みるみるさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     仕訳、特殊仕訳帳、伝票会計、精算書は得意というか点数を取れている論点でした。本支店会計、財務諸表、費目別計算、原価計算全般は点数が低く苦手意識があったと思います。

     原価計算に関しては当初、テキストの章末問題のような必要な数字はすべて与えられていて、あとは計算するのみといった出題に慣れてしまっていたので、本試レベルのような問題文や解答用紙から数値を読み取ったり、計算したりする出題に慣れるのに苦労しました。

     克服法としては、月並みですが「やった分だけ力になり、自信になる」と信じ、とにかくたくさんの問題を解くということを心掛けました。

     同じ問題は多くても2回程度にして、なるべく多くのパターンの問題を解くようにしました。その結果、工業簿記に関しては得点源と呼べるレベルになりました。

     みるみるさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
     勉強期間の前半は、勉強が終わった後に好きなこと(サッカー観戦や読書等)をする時間を作るようにしてました。

     後半は、試験が終わったあとの過ごし方…例えば、夏休みの予定を考えたり、欲しいものをネットで探したりして気分転換していました。

     また、こちらに掲載されている合格体験記を読んで、やる気やモチベーションを喚起しました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     一番ダメだったと感じているところは、綿密な勉強計画を立てなかったせいで終盤にしわ寄せがきてしまった点です。

     この日までにテキストを終わらせるとか、この日から過去問等の対策をするといった具体的な計画を立てることの重要さを今回改めて実感しました。

     また、簿記の受験に関しては、勉強のスタイルを問わず「やった分だけ力になり、自信になる」とも感じました。

    管理人コメント

     みるみるさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

     今回の合格体験記で一番参考にしていただきたいのは、本試験の第1問・仕訳問題の問題文を読むさいに重要語句を目立たせて、ケアレスミスを防いでいる点です。

     きちんと出来ている方にとってはごく当たり前の行為ですが、実際にきちんと出来ている受験生は意外と少ないです。これに関しては勘定科目のチェックとともに、普段から意識して取り組み、体で覚えてしまってください。

     逆に、みるみるさんも自覚されていますが「残り30分の時点で、第2問が銀行勘定調整表の問題だったことに気づいた」というのはあまり良くないです。

     このミスは試験開始後、まず問題用紙・答案用紙をすべて確認し、各問題のボリュームや難易度を考慮して解く順番を決めるようにすれば簡単に防げますので、上の問題文・勘定科目のチェックとともに、練習段階で体で覚えるようにしてください。

     なお、最新の過去問は資格の大原資格の学校TACで無料請求できますので、特に古いバージョンの過去問題集を使う場合は有効活用することをおすすめします。

    みるみるさんが使われた教材や電卓のまとめ