簿記の勉強はメリハリをつけて取り組むべし!気分転換上手は勉強上手。

  • 投稿者:KENさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

基本戦略

  • 暗記ではなく、理解することを大切に
  • 間違いノートの作成をする
  • 模擬試験問題集はやさしめのものから難しいものまで、少なくとも2冊~3冊はこなす
  • 模擬問題集は本試験を意識して配点のありそうなところ、及びやさしい問題から回答する

使用テキスト

  • サクッとうかるテキスト商業簿記(ネットスクール)
  • サクッとうかるテキスト工業簿記(ネットスクール)
  • サクッとうかるトレーニング商業簿記(ネットスクール)
  • サクッとうかるトレーニング工業簿記(ネットスクール)
  • サクッとうかる過去問ナビ(ネットスクール)
  • 模擬試験問題集(ネットスクール)
  • 模擬試験問題集(税務経理出版)
  • 本試験レベル問題集(ネットスクール)

使用電卓

  • CASIO JH-12VT

学習のタイムテーブル

  • 3月~4月中旬

 サクッとうかるテキストおよびトレーニング(商・工)を大体3回転こなす。最初は斜め読み程度で、3回目では「なぜ?」ということを意識してインプットに努めました。

 例えば仕訳の意味とか(一例としては、委託販売に出てくる積送売掛金。あれはなぜ単に「売掛金」ではなく「積送売掛金」なのか、などなど)、基準操業度・標準操業度など単語の定義、など自分なりの言葉で説明できるまで、理解することに時間を割きました。こうすることで知識が定着して、本試験の応用問題を解くときにもあわてることなく取り組めたと思います

  • 4月中旬~4月末

 サクッとうかる過去問ナビにて、過去問を2回転位。過去問がやさしいものから順に掲載されているので、比較的すんなりと取り組めた。この時期に過去問のレベルを知ることができたのは良かったです。

  • 5月第一週

 試験本番にピークを持っていくために、少し勉強のペースを落とした。ぼんやりしたり体を動かしたり 簿記以外のことを意図的にしていた。模擬問題集を少々やっていただけ。結構大切な時間だった。

  • 5月末まで

 税務経理の模擬問題集をやりました。この模擬問題集は難しい問題がいっぱい掲載されています。とてもやり応えがあるので、全部で3回~6回くらいやりました。模擬問題集を解く際には、例えば第3問では以下のようなことを意識して解いていました。

  1. まず問題文と解答用紙をじっくり見る。質問されているのはなんなのか意識する。
  2. 設問の真ん中位に「期末商品のデータ」があるので、そこから解答!棚卸減耗とか商品評価損とか全部計算する。
  3. 比較的易しい、「問題文の下半分」を解答。例えば、保険料の前払いとか、通信費の未払いとか、取り組みやすい問題がならんでいるものをかたずける。ただし、難しそうな取引は後回しにする。
  4. 設問の下半分が終わったら、問題文の上半分へ進む。
  5. 最後に貸倒引当金の部分を解答して終わり。

 この方法が良いかどうかはわかりませんが、本試験では、解答欄すべてに配点があるわけではないので、できるところから、配点のありそうなところから解くことを意識するだけで6~8点くらいは点数が違ってくるのでは、というのが私自身の感想です。

 採点する人が答えてほしいところはどこかを意識するだけで、問題を解く時間も短縮されてくると思います。あとは、模擬問題でつまずいたところは間違いノート(ポケットサイズの小さなノート)に書いておいて時間ができたときに目を通してました。試験当日、会場でも間違いノートを目を通してました。

間違いノート
間違いノート

 また細かいことですが、模擬問題集を解くにあたり問題用紙に書き込んだこと、余白に書き込んだことは後々の見直しのために残しておきたいので、この時期、消しゴムはできるだけ使わないようにしていました。ミスをした際の、思考プロセスの見直しに役立つと思ったからです。問題も解答用紙もコピーして使ってました。5月末の時点では「独学でここまでやれたらもう十分」という感触でした。

  • 6月

 模擬問題集の中からネットスクールの模擬試験問題集と本試験レベル問題集をやる。1回から2回くらい。本試験レベル問題集は、まだ過去に出題されていない「株主資本等変動計算書」の問題が掲載されていたのでやってみました。

 またこの時期、問題を解いていて意外にも仕訳問題でミスが目立ったので、本試験の3,4日前から、簿記検定ナビで無料配布されていた仕訳問題(→仕訳問題対策)を全部やりました。これは結構効きました。

試験日当日の1日の流れ

 試験当日は、間違いノートを会場に持参して直前まで目を通しました。解答順は1.4.5.2.3。この順番で問題を解いていきました。これは自宅で問題を解く際もこの順番です。特に3問目は時間がかかるので、試験時間いっぱいいっぱい掛かることも見越して、最後にやることにしました。

 1問目にいきなり、役員賞与の仕訳が!この論点は、税務経理出版の模擬試験問題集の巻末に、「まだ本試験で未出題の分野」という項目でしっかりでていた分野ですが…見事に忘れてました。「ここであせらないことが大切」と言い聞かせた。

 前回3級を受けたときは(低合格率でしたが)4問目の前払保険料の問題であせってしまい、自分でもなにをやっているのかわからなくなってしまった経験があったからです。焦ると、自宅でさんざん勉強して、解きかたがわかっているはずの問題も、なぜか解きかたが思い出せないという事態にもなりかねないので、努めて平常心を心掛けました。

 次は工業簿記。模擬問題集についてくる、過去3年間に出題された論点を何回も見ていると、最近は標準原価計算の差異分析が出題されていなかったので、「もしかしたら…」と思い重点的に勉強していた。その差異分析の問題が出題されたので、比較的安心して解答。4問5問とも満点の可能性あり。

 商業簿記では、第2問の備品の一部当座取引でちょっと苦労。試験中に、「そういえば模擬問題で似たような問題をやったことがある」のを思い出し、なんとか解答。結果的には正解が出せていたみたいで一安心。

 最後に3問目。本支店会計では、まず最初にある未達事項を丁寧にかたずけることからやりました。ここでミスをすると全部に響くので丁寧に。この問題でよくある引っ掛けは、「内部利益の控除」にからむパターン。残高試算表に内部利益が記載されているかいないかしっかりチェック。ひねったところもなく終了。満点の可能性大。こんな感じで、比較的手ごたえを感じて1時間30分くらいで終了しました。

管理人からKENさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
 お勧めできます。3級のときはすべてネットスクールの本で勉強したのですが、今回は税務経理の模擬試験問題集をやってみることにしました。掲載されている問題はほとんど過去に出題された問題を改題したもののようですが、いずれも手ごわい問題ばかりでした。この本1冊やるだけでも結構な時間がかかりましたが、実力はかなりつきました。

 またネットスクールの模擬問題集、本試験レベル問題集もとてもよかったです。模擬試験問題集には、1級から新しく試験範囲に繰り入れになった、個別原価計算の仕損の処理の問題も出ていてやり応えがありました。2冊ともレベル的にはほぼ本試験レベルだと思います。また問題を解くうえで疑問に思ったことは、ネットスクールの掲示板で質問をして解決していました。

 KENさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 直接原価計算と全部原価計算の分野は、意外にも苦手でした。意外というのは、最初は理解できる!と思っていたのですが、過去問を解いていくうちに、かなり奥が深い論点だということに気が付いたからです。

 そこで、ネットスクールの掲示板で質問したり、自分と同じ部分で疑問を抱えている人がいないか、ネットで調べたりしていました。そうしたら、やっぱり皆さん同じところでつまづいたり疑問が浮かぶらしく、過去に自分と同じ質問を質問をネット上でされている方がたくさんいて、疑問解決に役立ちました。この時は正直、ネットの威力を痛感しました。

 得意な論点としては、差異分析の分野でしょうか。最初見たときに、難しそうと思ったので、逆に、あせらずひとつひとつ丁寧に勉強していきました。過去問や模擬問題集の中から差異分析の問題ばかりをピックアップしてやったりしました。

 やっていくうちに、差異の分析=標準原価計算ではない、ということが分かってきたり結果的に、得意分野になってました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 簿記の勉強をしていると、頭がだんだん煮詰まってくるので、どこかのタイミングで意図的に勉強のペースを落として、頭をリフレッシュされるのも大切だと感じています。2級は、3級と比較して工業簿記もでてくるし、少し範囲も広くなるし、内容も複雑になってくるけど、「無理に理解しようとせず」、メリハリつけて勉強を進めていくと効果的ではないでしょうか。

 あと、模擬問題集は、易しめのものから難しめのものまで、最低2冊はやっておいたほうがよいかと思います。自分はまず税務経理のものをやって、次にネットスクールの模擬試験問題集をやり、最後の仕上げにネットスクールの本試験レベル問題集をやりました。収録されている問題の傾向も難易度も各社違いますので。

 反省点としては、仕訳の部分です。自分は最後の3日くらいで、簿記検定ナビに掲載されている仕訳の問題20回分位を全部やりましたが、意外なところでミスを発見できたので、もう少し早めにやっておいても良かったと思ってます。

 ちなみに、ここでミスをしたところは間違いノートに書いておいたのですが、実際の本試験(第一問)で間違いノートに書いておいた論点が出題されたので、効果はあったと思います。

 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 今後は簿記1級の取得を目指しています。すでに勉強を開始しております。11月に間に合うかは微妙ですが、少しずつ進めていきたいと思っております。

管理人コメント

 KENさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ひたすらがむしゃらに勉強するのではなく、計画的・戦略的にメリハリをつけて勉強するKENさんの学習するスタイル…独学受験生の方々にはぜひ見習っていただきたいと思います。

 よく「気分が乗らない時はどうすればいいですか?」という質問をいただきますが、その時は「好きなことをやるか、ひたすら寝るかのどちらかがいいと思います」と答えるようにしています。気分が乗らないときに勉強をやっても身になりませんし、中途半端に休んでも気分転換になりませんので、「思い切って遊ぶ&思い切って寝る」ようにしてください。

 あとは…KENさんもおっしゃっていますが、仕訳問題対策はなるべく早い時期に学習するのが一番効果的(仕訳は全ての問題の基本となるものだから)ですので、テキストを一通り勉強したら少しずつ取り組むことをおすすめします。

 最後に、仕訳問題対策の使い方は十人十色だと思いますが、個人的には…まず全ての問題を解いて仕訳リストに○×を付け、細切れの時間などを使って×だった問題を復習する。一定期間後にまた全ての問題を解いて、また仕訳リストに○×をつける。なお、2回連続で正解した問題は3回目以降はチェックする必要はないですし、2回連続で×だった問題には優先的に目を通すようにしてください。あとはこれを繰り返すだけです。

KENさんが使われた教材&電卓のまとめ