仕事・育児・勉強を両立させるカギは…朝勉にアリ!

  • 投稿者:しゅんあかさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:3回
  • 勉強期間:約3か月
  • 備考:勉強期間は3回目受験のもの

受験のきっかけ

 簿記を知ったのは、約十数年前の大学入学時です。入学直後の6月の試験で3級を取りました。しかし、以降は簿記とは無縁になり、卒業後に就職し、経理に配属されるも財務の資金の仕事だったので、特に簿記を受けようという気にはならず、この年(30代前半)まできました。

 その後、会社では異動があったり、私生活においても家族が増え(妻・子)ライフスタイルが大きく変わりました。そんな中で、自己研鑽の一環として、以前から取ろうと思っていた簿記2級を受験することになりました。

2回の失敗

 まず123回を受験することに。この頃は育児を手伝いながらの勉強で思うようにはかどらず、結果は不合格でした。事情により超難関だった124回はパスし、125回に受けることに。この時はそれなりに勉強しましたが、勉強が中途半端で結果はまたもや不合格(66点)でした。合格率が示すように簡単な回だっただけに、結構凹みました。

 当然、続けて受験するつもりでしたが、二人目の子供に恵まれ、帰宅後は勉強どころではないことは明らかだったので、126・127回はパスしました。2回の失敗を振り返ると、簿記は年に3回も受験できるが故の気の緩みがあったように思いますし、性格的にマイペース人間なので、これが災いしたのだと思います。

2回の失敗の振返り

 原因を自分なりに分析してみると、「過去問題に頼り基礎が疎かになっていたこと」「問題を解くのに時間を掛け過ぎていた」という2点だったように思います。実際、最近傾向にあるひねり問題にはつまづいたし、試験ではいつも時間ギリギリでケアレスミスをしていたし、見直しの時間もありませんでした。そこで3回目は、この2点を克服すべく勉強を開始しました。

時間のやり繰り(社会人編)

 社会人は昼間は仕事なので、勉強に使える時間は限られています。また、既婚・子持既婚・独身かでも環境はだいぶ違うと思います。私の場合、通勤電車では簿記の勉強はあまり出来なかったので、TOEICの勉強をしていました(簿記から離れるのも気分転換になります)

 帰宅後は子供を風呂に入れたり、寝かしたり、休日も基本は子供中心になります。そんな中で勉強できるのは、寝る前か早朝のみでした。平日帰宅後は疲れてあまり集中してできないため、寝る前は時間があってもあえて一時間程度にし、翌日、4~5時に起き、出社前2時間ほどしていました。

 あとは、休日にたまに家内に子供を見て貰い、喫茶店か図書館で勉強する程度が限界でした。朝の時間に勉強するのは、頭も冴え集中して勉強もできるのでお勧めです。

勉強方法

 勉強のスタイルは、基本的なやり方(テキスト⇒問題集⇒過去問題)です。今回は、過去2回の失敗で浮かび上がった弱点を意識しながら勉強しました。追加で買ったTACの合格トレーニングを一から解きました。また、仕訳は、簿記検定ナビでDLさせていただいたものを解いて、解説もじっくり読み理解していきました。

 短期合格を果たす人もいるようですが、基礎固めにしても近道をせず、当たり前のことを繰り返しキッチリすることが合格に着実に近づくと思います。但し、まだ時間を意識して解いていなかったので、試験一ヶ月くらい前からは目標時間を定め、その時間内に解くようトレーニングを開始した。

 テキストや簿記検定ナビで紹介されている方法を取り入れたことにより、目標時間はだいたいクリアできるようになりました。直前期の勉強では、過去問を中心にトレーニングしました。今回、直前予想問題集としては、ネットスクールのラスパを買いましたが、先にも書いたとおり、まとまった勉強時間が無いため、本番同様に第1~5問まで2時間通しての時間は取れませんでした。

 本当は、本番同様に2時間通して解いたほうが有効だとは思いますが、私の場合は、第一問は10分以内、第二・三問は30分以内、第四・五問は20分以内でと、それぞれ時間を決めて、徹底的にトレーニングしました。

使用した教材・電卓

  • サクッとうかるシリーズ・テキスト(ネットスクール)

 基礎固めはこれを使いました。イラストが多くてわかりやすかったです。ただ途中から、内容的に十分なのかと疑問に思うようになり、TACの合格テキストへの移行も検討しましたが、混乱したくなかったので、結局テキストは最後までこれで通しました。

  • サクッとうかるシリーズ・問題集(ネットスクール)

 これは落ちた2回にたまに使いましたが、個人的には微妙でした。

  • 合格トレーニング(TAC)

 3回目の受験の際に買ったもの。論点ごとに基礎から本試験レベルまでありお勧めです。

  • 簿記検定ナビの仕訳問題集

 これで仕訳をマスターすることができました。

  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC)

 試験の2ヶ月くらい前から、合格トレーニングと併用して自分の実力を測りました。2週半くらい解きましたが、時間の関係で今回は出ないだろうと予測した本支店や標準原価は飛ばしました。

  • 資格の大原の最新過去問

 毎回買うのはもったいないので、これを取り寄せました。無料なのでおすすめです。

  • ラストスパート模試(ネットスクール)

 動画も無料で配信してくれる良心的な会社なので、前回に引き続き購入。今回も結構的中していました。

  • 電卓

 カシオのJS-200W。丁度いい大きさで、画面も大きく使いやすかったです。割と静かです。

結果と今後

 商工会議所が合格発表日として公表している日より2日早く結果通知の葉書が届きました。恐る恐る確認すると98点でほっとしました。時間がたつと、2点が足りなかったことが悔やまれます(問3が18点でした)比較的に簡単だったことも運が良かったです。

 何かと言い訳にした子供(1歳・3歳)がもう少し大きくなったら、自分を試すためにさらに難関に挑戦したいと思います。実務経験者から言わせて頂くと、勤務先では難関の会計系の資格(一級、税理士、CPAなど)を持った人もいますが、無資格でも経験豊富で実務がすばらしくできる人がいっぱいいます。

 そういう人は、誰からも頼りにされ、経理部門では欠かせない人物です。やはり社会では経験が大事だと言いたいです。でも簿記の資格はアピールするためには効果大だと思います。

試験日の1日の流れ

  • 7:00 起床

 早起きして最後のあがきを考えましたが、今回はやることはやっており、逆にリズムが狂うのも良くないので十分に睡眠を取ることにし、通常通り起床。体調は問題なし。

  • 9:00 日曜参観

 試験日当日は、長男の幼稚園の参観日に妻と共に参加。休んで子供に不憫な思いをさせたくないので参加。一緒に工作をする。しかし、頭の中は試験と時間のことが気になっていました。12時前に終わり、パンを購入しバスへ駆け込む。

  • 13:00 試験会場到着

 今回は、専門学校で教室もこじんまりとしていました。開始まで30分しかなかったが、頭と手を活性化させるつもりで、ラスパに書かれている通り、過去問(問3)を解くことを実践しました。この時、ケアレスミスをしてしまい少し焦ったが、本番では気をつけようと自分に言い聞かせ、逆に落ち着くことができたように思います。

  • 13:30 試験開始

 回答用紙に受験番号と氏名を書き込む時に、問2が伝票(推定)で、問3が精算表であることを確認。今回は十分準備していたのでちょっと安心しました。試験が始まり、問題を開いてざっと確認すると、0点になりそうな問題は無さそうだと確信しました。今回は本支店と標準原価はあまり対策をしていなかったので、出ていないことを確認するまでドキドキでした。

 解く順番は、「1→4→5→2→3」と決めていたので、その通りに。第1問の仕訳はすんなりできました。受託販売の問題で一瞬手が止まったが、落ち着いて考えたら解答仕訳を導けました。第4問は、きちんと製品#ごとに下書きをし難なく解けました。とても簡単でした。

 第5問の等級は、月末仕掛品原価と完成品原価は難なく出ましたが、各製品の単価がどうしても導き出せず後回しに。第2問の伝票もちょっと時間は掛かった気はしましたが、空欄も埋まり、仕訳日記帳もバランスしました。

 第3問は精算表。今までは下書きに仕訳を書いていましたが、時間が40分前後掛かってしまうためこれを止め、事前にトレーニングしていた通り、修正仕訳欄に直接書きながら解いていったので30分弱でできました。

 問題が簡単に感じたこともあり、残り20分も時間が余っていました。まずは、第5問の出来ていない問をじっくり考え、問題をよく読みました。そうしたらきれいに数字が揃いました。やはり、余裕を残すことは大事だと思いました。

管理人からしゅんあかさんへ追加の質問

 しゅんあかさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 私の場合3回目の受験でしたので、極端に苦手な論点というのはありませんでした。敢えて言うなら、工簿の標準原価でしょうか。答えにならないかもしれませんが、簿記は次の試験でどの論点が出るかは確実ではありませんが、ある程度の予想ができます(簿記ナビや予想問題集等で)

 例えば、本支店などは一回置きに出ていますので、(テキストで一通りの理解をしたことを前提として)自分が受ける回に自分が得意とする論点が出題される可能性が高ければ、問題集と過去問を徹底的に解きました(このような偏った勉強は簿記ナビではお勧めされていませんが…)

 しかし、ただ解くだけではだめで、解き終わった後に何を問われどのようなプロセスで解いたかを理解するよう心掛けました。苦手とするものが出る可能性が高ければやらざるを得ないので、テキスト・問題集をわかるまで理解するよう心がけました。

 もし、どうしてもわからなければ、テキスト・問題集を変えるのも手かもしれません。私の場合は途中に購入した、「合格トレーニング」が良かったです。時間が限られていたのでこの様なやり方をしましたが、万遍無くするのが良いと思います。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 過去自分のやり方で今まで結果を出したことがあれば、自分のスタイルでコツコツすれば良いと思います。私も一発合格とはいきませんでしたが、大学受験の時も浪人し、自分なりのペースがあったため自分流で勉強しました。

 ここで言うことができることとしては、独学の場合、テキスト・問題集は色々でていますが、自分にあった物を選ぶことが重要だと思います。万人が良いと言っても、必ずしもそれがベストだとは限りません。

 後は、しっかりとした学習計画(試験日前日を最終日とした進捗、過去問を解く時期・回数・時間など)だと思います。これが予定通りいかず、最後まで挽回できなかったら、経験上、試験は危ないと思います。

 仕事と子育てと勉強を両立させるために、気をつけたことや工夫したことはありますか?
 我が家の場合は、妻に全て育児を任せて勉強するのは難しかったので、平日帰宅後や土日は子供の相手をしながらの勉強でした。資格の取得はスキルアップでありますが、趣味の域だと思っています。その為に育児を全て妻に押し付けることはできませんでした。

 そんな環境下でわかったことは、朝の勉強は特にお勧めです。早起きしようとすると早く寝なければならないので健康にも良いです。私は今、大学院に行くことを計画していますが、このような状況になると、本当にもっと若いときに勉強しなかったことが悔やまれます。

管理人コメント

 しゅんあかさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 しゅんあかさんは、朝早起きして勉強することをおすすめされていますが、これはもう本当に大賛成です。朝は頭がクリアな状態になっていますし、テレビなどの誘惑も少ないですし、勉強できる時間が限られているのでダラダラ勉強することがない…など、いいことだらけです。

 よって、なかなか勉強時間を捻出できなくて困っている方は、ぜひ朝の1時間勉強にチャレンジしてみてください。慣れるまでは辛いかもしれませんが、習慣化すると毎日きちんと勉強時間を確保できるようになります。

 あと、テキストや問題集はなるべく実物をチェックしてから購入するようにしてください。しゅんあかさんもおっしゃっていますが、必ずしも「人気のある教材=自分に合う教材」ではありませんので、実際に比較して自分に合う教材を選ぶようにしてください。電卓も同様です。

 なお、資格の大原では最新回の全問題と解答および解説を一冊にした「問題・解答集」を、無料で自宅に郵送してくれるサービスを行っていますので、賢く利用すると良いと思います。無料請求したからといって、営業の電話がかかってくることはありませんのでご安心ください。

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