社会人でも、勉強期間3か月で簿記3級&2級のダブル合格可能です!

  • 投稿者:chigusaさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 こんばんは(打っているのが夜なので)、勤続1*年の会社員です。このごろ会社以外の活動もありかもと思い始め(会社の将来も心配^^;)、やっぱりまず簿記ができないと!というようなノリで勉強しようと思いました。

 無謀にも、一気に2級までとってしまおうと考え、大変でしたが、勉強時間が圧倒的に足りない状態で、1回で運良く合格できて、ほっとしています。勉強時間が取れない方でも、なんとかなると思っていただけるならと思い、投稿いたしました。

勉強時間(勉強期間)について

 勉強期間は3ヶ月間で、平日は1時間程度、土・日・GWは半日くらいでしょうか。その間、4月には事務所の引っ越し、その後、風邪を引いたり、さらに直前2週間は後述のとおりあまり勉強できず、前日に1日かけて復習したくらいです。

 5月中旬から1ヶ月、過去問と予想問題を解く期間に充てましたが、全然追いつきませんでした。勉強時間が取れない場合は、テキストやトレーニング問題はさらっと一通りだけやって、過去問をこなすのを2ヶ月かけたほうがいいと感じました。3ヶ月ではちょっと厳しかったです。4ヶ月あると多少のトラブルがあっても余裕があり、だいぶ楽になるかなと思います。

学習教材について(番号は手をつけた順番です。)

  • 簿記3級
  1. なるほど合格塾日商簿記3級(中央経済社)/3月
  2. サクッとうかる日商3級商業簿記トレーニング/3月~4月
  3. サクッとうかる日商3級商業簿記テキスト(買い足し)
  4. ラストスパート模試/5月下旬

 ①は、仕訳の理解にはとても良かったのですが、帳簿の解説が少なくて、新たにテキストを買い足しました。②は、簿記検定ナビおすすめテキスト&問題集のページやアマゾンの書評を参考に、店頭で確認して購入。ひととおり解いてみました。テキストを読んだ直後にする問題としては良かったと思いました。

 ③は、トレーニング問題を解いていてよくわからないところが出てきたら読むという使い方をしました。④については、4回分、時間をはかって一度だけ解いてみました。3級は過去問をする時間はとれませんでしたが、この模試がそこそこできたので、大丈夫かなと思い、気にしないことにしました。

  • 簿記2級
  1. すいすい簿記マンガみてGO!日商2級商業簿記/4月
  2. サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング/4月~5月上旬
  3. すいすい簿記マンガみてGO!日商2級工業簿記/4月
  4. サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング/5月上旬
  5. 出題パターンでマスター過去問題集(TAC)/5月中旬~6月
  6. ラストスパート模試/5月下旬~6月

 ①は、電車の中で読むのにちょうどいいサイズ・内容でした。マンガとなっていますが、マンガは一部で、簡潔に、必要な内容はひととおり入っています。②は、ひととおりだけ解いてみました。このあたりで少々くじけそうになる気配もありましたが、持ちこたえました。③は、通勤の友(?)でした。でも、マンガだけ見てたような気もします…。

 ④は、GWを利用して一通り解いてみました。このときには工業簿記の方が楽、と思っていたのですが…。⑤は、直前までかかってようやくだいたい一通り終えました。もっと早くに手をつけるべきでした。出そうなところで不得意なところから、重要度を考えながらやっていきました。⑥は、2回分は2時間で全部を解いてみましたが、あとは苦手な問題と仕訳だけやってみました。

 なお、上記の他に、2級はネットスクールの「とおるテキスト」を念のため用意しましたが、気になるところだけ読んだだけでした。

勉強方法について

 経理部門ではないのですが、仕入担当で仕入伝票を起票したり、輸入の船荷証券も扱っていました。個々の原価を合計して商品単価を出したりもしていましたので、テキストの内容はわりと理解しやすかったように思います。勉強時間はありませんでしたが、実務経験は、学生さんにはないアドバンテージかと思います。

 2級のトレーニングをひととおり、5月GW明けに終了しました。工業簿記が難しいと聞いていましたが、工業簿記の方が好きでこの時点では順調だと感じていました。しかし、GW明けに大原であった2級の無料模試はまったくできず、ショックでした。元々実力がない上に、試験の雰囲気に焦ってしまい、落ち着いて解くことができませんでした。自己採点で50点に届かなかったかと思います。

 慌てて、過去問を始めたのですが、これがまたなかなか量をこなせず、もう1ヶ月前に勉強を始めれば良かったと後悔しました。直前2週間前には、初めて経験するほどの重度の肩こり(慣れない勉強のせい?)で、頭が痛くなり、試験を受けることも難しいのではというくらい、うつむくのもつらい状態でしたが、整形外科で注射を打ってなんとか試験を受けました。(これは社会人のビハインドなところでしょうか!?)

 結局、過去問は試験に出そうにないところをとばしてそれでも一通りしかできませんでした。ただ、間違えたところは、小さいノートに記入して、試験前日と当日に見直すようにしました。こんな状態でしたので、3級は、時間がなくて過去問はいっさいせず、ラストスパート模試を時間を計ってやっただけ。2級のラストスパート模試は、2回分しかこなせず、後は苦手な問題だけをひろってやるので精一杯でした。

 最後は、割り切って、無理に手を広げず、70点取れたらいいのだからと、気楽に考えました。こんな状態で受かったのは、2級の試験が前回よりも易しかったのと、出題予想がおよそ当たっていたおかげです。簿記検定ナビもいろいろ参考にさせていただいていました。ありがとうございました。

試験日当日の1日の流れ

  • 簿記3級

 30分前に会場の高校に到着。大雨で窓を閉め切っていましたが、エアコンがない!のでとても蒸し暑かったです(会場を選べる方は、エアコンの有無を調べておいた方がいいかと思います…)気分転換で、音楽を聞きながらまとめたノートや仕訳の確認をしていました。「ラストスパート模試」で、3級は時間に余裕があることがわかっていたので、落ち着いて受けることができました。

 解く順番は、1→2→4→5→3にしました。第二問は、「え、締め切りってどう書くんだろ」と思いましたが、満点である必要はないと考えました。第4問、国債の利札の扱い。これは勉強していないので、勘でとりあえず書いてみましたが、見事に玉砕。配点が8点で良かった…。

 第5問は、比較的容易に貸借が合ったので、ほっとして第3問。財務諸表(損益計算書/ 貸借対照表)を作成する問題で、3級ではあまりないようですが、2級で財務諸表の過去問をしていたので、大丈夫でした。一度見直ししても時間が余りましたが、退出するのはもったいないと思い、何度か見直しして時間をめいっぱい使いました。

  • 簿記2級

 2級を受ける前に、会場の近くのレストランでご飯を食べながら、ノートや過去問の見直しをしていました。やはり30分前に教室に入って、音楽を聴きながら最後の見直しをしてました。しかし、2級は「ラストスパート模試」で時間が足りないのがわかっているせいで、焦りました。ざっと問題を見て、 解く順番は、1→4→5→2→3、予定通りにしました。

 第1問、仕訳、焦って思ったより時間がかかりましたが、なんとか解いて(実はケアレスで1問落としていました)、第4問、工業簿記の仕訳と簡単な予算差異の問題。標準原価計算はチェックしていたので、焦っていたわりには、ここは満点で、第5問、よし、好きな総合原価計算だ!しかし、包装材Tの処理を間違っていて、最後端数が出てしまいまいた。時間がないので、部分点にはなるかと思い、いったんあきらめて、第2問へ。

 見たことのある形式の問題で、手応えをつかんで最後の問題、第3問、しかし、時間が既にあと30分強しかありませんでした。出題されそうと思って取り組んでいたものの、苦手な本支店会計の問題。ただ、推定ではないので助かったと思いました。繰り延べ内部利益の数字にまず丸をつけて、試験終了10分前になんとか解き終わり、第5問を見直しましたが、時間切れでした。

 今思えば、仕訳を見直せば、簡単な計算ミスが容易に発見できたのに、と後悔しました。自己採点では、なんとなく、大丈夫そう!とは言っても、見直す余裕もなかったので、ほんとに数字が合っているのか、少々不安でした。結果は、ほぼ自己採点通り、3級は90点、2級は86点でした。2級は見直しもできなかったのに、ケアレスミスが1カ所だけで済んで、助かりました。

管理人からchigusaさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 当初使っていたのが、カシオのJW10-C(かなり古いもの)で、使いづらく、10桁だったこともあり、新しく購入しました。簿記検定ナビで勧めていただいていたのを買いたかったのですが、近所で販売していたのが類似のCanon HS-1210TUCだったので、こちらを購入しました。

 大きいのと、千、万のキーがあるのが便利でした。大きくなっただけで、正確さが全然違ってきました。メモリー機能は、カシオのから変わって覚えている余裕がないので、使いませんでした。

 chigusaさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意というほどのものはないんですが、しいていえば、商業簿記は未着品販売・委託販売などの仕訳と伝票会計は、仕入業務や貿易実務を少々やっていることも あり、理解しやすかったです。工業簿記は、総合原価計算が好きでした。

 苦手なものは、実は、今回出題予想にあがっていた、本支店会計の、とくに推定問題が苦手でした。過去問を集中的に解いたりしましたが、推定はやっぱり苦手です。これは独学でコツがつかめなかったせいなのかもしれません。

 あと、標準原価計算は、解き方を覚えてなんとかしました。帳簿組織も最初は苦手でした。そういった、苦手でかつ、試験に出そうなジャンルから勉強するようにしていました。もっとも、実際の試験の出来は、本支店会計のほうが満点で、総合原価計算は部分点で逆になってしまいましたので、何が得意で何が苦手なのかという感じなんですが…。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 社会人の方はできれば余裕を持った日程にしたほうがいいと思います。特に、過去問を解く期間は自分が思うより長めにしておいたほうがいいです。時間がなくて、過去問を一回転すらできないのは、精神衛生上も実力上もあまりよくないです。教材は、簿記検定ナビや書評を調べて評判のいいものの中から自分に合うものを店頭で見て選ぶのがいいかと思います。

 問題を解く量は少なくても、質をあげるために、間違えたところ、なかなか解けなかったところは、簿記検定ナビでもおすすめされているように、ノートにまとめると後から見直すのにも便利でいいかな、と思います。

 最後は、ある程度割り切っても大丈夫かと思います。例えば、3級の国債の利札がわからないだけで不合格になるようなことはありませんし、配点の大きい重要な問題をまず解けるようになることを目指して、完璧はあえて目指さないというのも精神衛生上ありなのではと感じています。

 今後は簿記3級&2級をどのように活かす予定ですか?簿記2級・1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 元々、2級がとれたらいいと考えていました。今年は当初の予定どおり後半は、今までの業務に関連した他の資格の勉強をしようと考えています。ただ、簿記は自分にはあまり向いていなくて大変だったのですが、興味も出てきてここでやめるのもなんだかもったいないような気がして、来年、まだ勉強する気力があれば、検討するかもしれません。

管理人コメント

 chigusaさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!かなり詳しく書いていただきましたので、中身の濃い合格体験記に仕上がっていると思います。

 chigusaさんの勉強スタイルで参考にしていただきたいのは、多くの教材を入手し、その中から取捨選択をされている点です。教材が自分に合うのか合わないのかは一見しただけでは分かりませんので、一度じっくり腰を据えて取り組んでから「合っている」「合っていない」の判断するのが一番確実だと思います。

 たまに「昔の教材をもらったんですけど、これで勉強しても大丈夫ですか?」というchigusaさんの勉強スタイルと正反対の質問をいただきますが、個人的にはおすすめできません。短期合格を目指すのであれば、最新版の教材をきちんと揃えて集中的に勉強するようにしてください。

 最後に…勉強期間3か月でダブル合格されたchigusaさんは、かなり頭の良い方だと思います。普通レベルの方が同じような勉強期間で同じような勉強をした場合、どっちも中途半端になってダブル不合格になってしまうことも考えられますのでお気をつけください。自分の実力を客観的に評価することも重要です。

chigusaさんが使われた教材&電卓のまとめ

  • 教材:「学習教材について」の項をご覧ください。
  • 電卓:Canon HS-1210TUC
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