無理に自分のスタイルを変える必要はない!自然体で勉強に臨むべし!

  • 投稿者:えみこさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約2か月

はじめに

 今回の受験に際し、簿記検定ナビには大変お世話になりました。ありがとうございました。『勉強期間10日!1発合格!!』などの輝かしい体験記に比べ、泥臭い内容かと思いますが、私と同じように1度ダメでもまた頑張ろうとしている方の励みになれば幸いです。

勉強に使用したもの

  • 本格的な学習の前に参考にした書籍
  • 「続ける」技術
  • はじめての人の簿記入門塾
  • 学習に使用した書籍
  • サクッとうかる日商3級商業簿記 テキスト
  • サクッとうかる日商3級商業簿記 トレーニング
  • サクッとうかる日商簿記3級厳選過去問ナビ

1度目(126回)不合格について

 正直、完全になめてました。高校生でも合格できるし、ネットで見れば10日で合格って書いてあるし、数字は弱い方じゃないし。まぁ大丈夫だろうと思って、本当に試験10日前からサクッとシリーズを始めました。

 3日坊主の壁と、独学でわからないことを消化できない壁にぶつかり、だんだん嫌になって、過去問も一度しかやらず、簡単な仕訳しかできない状態で受験しました。もちろん撃沈。

 恥ずかしくて点数を聞くこともできませんでした。通常なら、2月の127回を受験するところですが、飽きっぽい性格や「不合格」という現実から逃げ、もう簿記はいいや…と思うようになり、簿記試験自体を避けてしまいました。

2度目(128回)受験決意に至るまで

 3月に東日本大震災で被災しました(宮城県の沿岸部に住んでいます)…と言っても、私自身も家族も無事。住む家もあります。

 他県からの支援やボランティアの方々に支えられ、徐々に生まれ育った地域が復興していく中で、「自分は何をやってるんだろう」と漠然と思うようになりました。生活が落ち着き、中途半端だった自分を変える第1歩として、避けていた簿記受験を決意しました。

学習スタイル

 自分の飽きっぽい性格や前回受験の失敗経験から、このまま前回と同じように学習しても続かないのが目に見えたので、まず、会社にあった「「続ける」技術」という本を読みました。(簿記には関係ないですがけっこう役立ちました。)

 会社での空き時間や休憩時間はネットを活用しました。具体的にはこちらの「簿記検定ナビ」で情報収集をしたり仕訳問題をやったり。あとは外部サイトですが「日商簿記3級仕訳問題 きおっくす装置」というのをひたすらやりました。

 家では、それまでベッドでゴロゴロしながらテレビを見ていた時間に、テキストを開くようにしました。禁じ手とされる「ながら勉強」です。複数の事を同時にできる女性ならではの学習スタイルなのかもしれませんが、「勉強するぞ!」と意気込まないことで、私の場合は継続学習することが出来たのだと思います。

 6月中旬の試験に向けて、受験申し込みをしたGWから上記スタイルで学習を始めました。最初の2週間でテキストを読み、練習問題を解きました。その後の2週間はひたすら過去問ナビの過去問6回分を解きました。

 1日1回分、テレビは点けっ放しですが、きちんと時間も計りました。間違えた問題は理解できるまで解説を読む。わからなければネットで検索したり掲示板に投稿したり。使えるものはなんでも利用させてもらいました。

 受験直前でも休日でも、このスタイルは変えませんでした。1日1回分。時間を計って解く。赤ペンを持ってきちんと採点をし、間違った問題や自信がなかった問題は解説を読む。

 幸い時間は余り気味で見直しの時間も取れましたが、なんせ早く集中してテレビが見たかったので見直しはしませんでした。(本番では、見直ししようと心に決めておりましたw)

 まとめノートや間違いノートなどは作りませんでしたが、過去問やネットの演習問題をくりかえす中で、自分の弱点は把握できていたので特に必要性も感じませんでした。試験前日もいつも通りに1回分の過去問を解き、持ち物チェックをして普通に就寝。

さいごに

 「簿記3級なんて簡単!!」という人がたくさんいます。これを否定はしませんが、私としては「簿記3級はちゃんと勉強すれば合格する。」という印象です。合格率が3割程度なのは、学校や会社から半強制的に受験させられてる人が多いからだと思っています。

 簿記に限らず、私のような飽きっぽい怠けものに「独学」は厳しいものです。飽きっぽい性格の他に、独学で大変だったのは「情報がないこと」でした。このテキストは本当に試験範囲を網羅しているのか、解答にカンマはつけた方がいいのか、など通信や通学ならすぐに解決できそうな不安が次々に巡ってきます。

 でも簿記検定ナビを利用させてもらったり、自分で調べることでこんな私が独学で合格することができました(サイトによっては、いい加減なところもあったので、自分自身で良サイトを見極める目が必要です。)本当にありがとうございました。

試験日の1日の流れ

  • 7時 起床

 普段通りにご飯を食べて、身支度。持ち物を再度確認。

  • 8時15分 家を出る

 試験会場までは車で10分程度なのでちょっと早いかなと思いましたが、駐車スペースが数台分しかないので早めに行きました。駐車場に停められなくて焦ってしまうと試験に集中できないことが予想されたので…。

  • 8時25分 会場到着

 目の前に海がある試験会場は、津波により冠水。会場自体は、商工会議所の職員の方々や地域の方の努力できれいになっていましたが、周囲には瓦礫や泥まみれの車がまだ残っていました。駐車スペースは半分くらいまだ空いていたので無事に駐車できました。

  • 8時30分 着席

 規模の小さな試験会場なので、自分の席はすぐに見つかりました。ひとつの会議机に2人掛けで受験をする形式。お隣さんはまだ来ていません。受験票、運転免許、筆記用具、電卓を机に並べテキストをパラパラ眺めます。

 通路を挟んだ隣の女性は、緊張しているのかミュールの足がずっとブラブラと動いているのが視界に入ります。電卓を叩くのに、異様な大きな音を発する人もいます。試験中もこのままだったら気が散るかも!!と思いましたが、注意も出来ず時は過ぎ…

  • 9時 問題用紙・解答用紙が配られる

 試験監督の方が受験番号と氏名、生年月日を書くよう促します。後方の席だったので俯瞰して辺りを見ると、実受験者は7割くらい。女性が若干多いかなという印象。

  • 9時8分 試験開始

 同じ机のお隣さんは来ませんでした。正直、ラッキーです。どうしても消しゴムを使うときとか、お互いに気を使いますからね…解答順序は、素直に1→2→3→4→5の順にしようと決めていました。

 初見の過去問でも時間が足りないことは無かったし、1→3→5→2→4を試したときに、余計テンパってしまったので。ちなみに同様の理由から、精算表も自分の解き方(基本的に上から下に解答)で受験しました。

 横(左から右)に解答した方が得点につながる可能性が高いのは知ってたのですが、試したところ「抜け」が多くなってしまったので。勉強当初から左から右へ解答するようにクセづけしていれば良かったのかもしれません。

 30分くらい余ったので、予定通り「見直し」に充てました。試算表の貸借の合計額は、残念ながら最後まで一致しませんでしたが、苦手だった第2問と第4問で思ったより手ごたえを感じられました。

 また、精算表の問題では「売上原価」を使用するのが初めてで間違えてしまいましたが、まぁしょうがないかと、素直に受け止められました。

  • 11時8分 試験終了

 途中退室する方がほとんどいませんでした。(前回はけっこういたのに…)試験前に気になっていた通路を挟んだ隣の方の脚のブラブラは全く気になりませんでした。

 電卓の音がうるさい人も「どんなに電卓を早く叩けたって、この人だって同じ3級受験」と思えば気になることもなく。総じて、前回よりはできたかなという印象でした。

 なお、いろんなサイトの解答速報は見ましたが、自分の答えをメモってなかったので、きちんとした自己採点はできませんでした。確実に間違ったところだけははっきりとわかりましたが…。

管理人からえみこさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 「サクッとうかるテキスト&トレーニング」については90点。非常にわかりやすいし読みやすかったのですが、 この2冊だけで合格まではいけない印象なので10点マイナスです。同シリーズの過去問ナビをつけて95点!!

 ネットスクールでは上記3冊+「ラスパ」を推していましたが、本当に4冊も必要か??と思いました。教材自体はどれもおすすめ出来ます。

 今回、勉強に使われた電卓は、他の方にもおすすめ出来ますか?
 あまりこだわりなく近所のスーパーで間に合わせ程度に購入したのですが、結果的にいい買い物でした。桁数はモノ足りませんが、簿記3級に必要な機能は全て備わっています。(手が小さいので)大きさもちょうどいい感じですし、見た目がシンプルなので女性におすすめです。
 得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 強いて言えば、「現金過不足の仕訳」や「訂正仕訳」が好みでした。理論ではなく、感覚的に物事をとらえる方なので苦手はたくさんありました。

①為替手形
②消耗品と消耗品費
③繰越や繰延
④第2問、第4問全般

 ①「引き受けた=支払手形」と「問題文に『かねてから買掛金のある』があれば買掛金を減らす」と暗記。無謀なので、おススメしません。

 ②はじめのころは貸借を逆にしてしまうことが多かったのですが、「『消耗品』は『モノ』、『消耗品費』は『カネ(費用)』」と考えるようになったら、なぜか間違うことがなくなりました。(感覚的ですみません)

 ③未払・前払・未収・前受…などが最初はゴチャゴチャでした。演習を繰り返し、問題文の場面を妄想(ではなく想像)することで、なんとかわかるようになりました。

 ④いまだに???なものも多いです。試験では問題に恵まれました。とにかく「仕訳」ができれば点の半分は取れる!!と考え、あとは想像力でカバーしようと、完璧を目指さなかったのがよかったかな…

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 自他共に認めるテレビっ子で、勉強時でも常にテレビがついていました。もちろん、皆さんにはおススメしません…が、日常の行動を大きく変えてまで勉強しようとすると、私のような怠け者には継続できません。

 社会人になってからの勉強は全て自己責任。常識や周囲の目がどうであろうと、自分がいいと思えばそれでいいのだと、肩の力を抜くことが大切だなと思います。

 簿記3級は、勘定科目を覚えたりいろんなルールがあったり『基本』が多すぎ…と思いがちですが、私の頭の中は「現金が増えたら左側」それだけが『基本』でした。だいたいの問題は、この基本を応用するだけでなんとかなります。(これも感覚的ですね…)

管理人コメント

 えみこさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!震災を乗り越え、見事2回目の挑戦で合格されたえみこさんの合格体験記には、良い意味での「リアルっぽさ」が出ていると思いますので、勉強する際の参考にしてください。

 管理人が3級・2級を独学で勉強した頃(10年ちょっと前)は、ネットで情報収集なんて全く考えられませんでしたが、今は本当にたくさんの簿記サイトがありますので、積極的に活用すると良いと思います。ちなみに、管理人がおすすめする「簿記・会計サイト」は以下の3つです。

 真ん中のサイトは、絵がとってもかわいいので、気分転換がてらに目を通すと良いと思います。また一番下のブログは、3級レベルの知識ではちょっと難しいと思いますが、上の級を勉強する際にはかなり役に立つと思います。

えみこさんが使われた教材や電卓のまとめ