カテゴリー: 簿記2級

  • 第123回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.23

    教材も恋愛も「浮気」は良くない!自分の選択を最後まで信じよう!

    • 投稿者:まー蔵さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月

    日商簿記検定2級を受験するきっかけ

     第122回の3級受験時から合否に関わらず受験することを決めていました、理由は3つあります。

    • 実務上の最低かつ妥当レベルであること
    • 3級の知識が十分活かせること
    • 解答に至るプロセスが面白いこと

    選んだ教材とその理由について

    • テキスト

    LEC出版の「20日で合格る!日商簿記2級最速マスター 工業簿記、商業簿記」を選びました。このテキストを選んだ理由は、20日という明確なペースメーカーがあり、計画を立てやすいと考えたからです。工業簿記が加わり商業も内容が深くなるため、間際に慌てない様に計画的に進められるものを基準にしました。

    • 問題集

    TAC出版の「日商簿記2級問題演習」を選びました。この問題集を選んだ理由は、謳い文句通り、授業で問題の解き方を教わっている様な解説と量に重点がおかれていたことと、随所にあるワンポイントが解法や電卓の使い方など的確な内容だったからです。2級ともなるとさすがに難しくなるので、疑問点をすぐ解決できる様の解説の充実さにこだわりました。

    • 電卓

    「Canon LS121TUL」を選びました。この電卓を選んだ理由は、3級受験時から使っており、手になじんでいたからです。

    合格にいたる学習プロセス

    • 計画(開始時)

     テキストの20日(商・工)と問題集の章立てを考慮して、受験日までに日々の目標と月ごとの目標を設定しました。立案の方針は下記の通りです。

    • 1週間単位…商業2日、工業2日、復習1日、週末は問題集にあて、1日はその週の遅れた分を取り返す日としました。つまり日々の目標をクリアするとご褒美で休み、クリアできなければ勉強ということになります。
    • 1か月単位…4か月でテキストを3回転、残りは問題集の2回転が完了することを念頭においたスケジュールとしました。
    • 実行(1か月目~4か月目)

     平日は当然まとまった時間はとれないため、テキストの読込みは寝る前でした。その他は隙間時間の利用です。このテキストは、1日単位で基本問題があったので、翌朝に前日の読込んだ箇所とさっと眺め、基本問題を解くというパターンを繰返しました。3級と大きく異なるのは、ボリュームが倍以上になることで、テキストや問題集が厚くなり、持ち歩くのがどうしても億劫になることです。そこで次の工夫をしました。

    • 単語カード…今は様々なものが売っており、3級で使ったものより大きめのものを買い、苦手な仕訳や取引を書出しておき、常にポケットに忍ばせては「眺め」ました。
    • 演習用紙(裏紙、ルーズリーフ)※画像あり…復習や問題演習でひっかかるところをキーワードや、解法を書き留めておき、必要なものだけ持ち歩き、これも「眺め」ていました。
    演習用紙の一部
    演習用紙の一部
    • テスト(4か月目~試験月)

     1冊の問題集をマスターするのが王道ということで、実行時に1回終わっているので、この時期に2回転するように配分をしました。全ての問題を均等に行うのは効率が悪いので、理解度のレベルをつけておき、解法が思い浮かばないもの、間違いやすいものを優先しました。

     また、今回使った問題集は、1問毎に解答時間があったため、これを意識して解きました。この時も解答は単語カードや演習用紙に書いておき、持ち歩けるようにしていました。

    • 仕上げ

     このようなプロセスを踏むと、おのずと苦手な分野がわかってきます。これを克服する時期ですが、過去の出題傾向を考慮し、頻度が低かったりするものは思い切って諦める取捨選択も行いました。つまり何度も覚え直し、なかなか身につかないものに時間をかけるより、理解していることの精度を上げる方を優先しました。

     また、この簿記検定ナビ仕訳問題対策があることに、この時期に気づき試験当日に全ての問題を解き、総仕上げを行いました。非常にこれは有効でした。知らない勘定科目がでてきましたが、この時期に覚えるべきでないと考え、潔く捨てました。

    試験日当日の1日の流れ

    • 午前

     2級は午後なので、時間的な余裕があったものの、いつも通り6時に起床し、得意分野の問題演習と苦手分野の再チェックを行いました。苦手分野の問題演習は自信喪失につながると思い、眺めてふ~ん、という程度にとどめました。前日の仕訳問題対策で間違えた箇所もチェックしました。

    • 午後

     30分前に試験会場に到着。余裕のある行動は鉄則です。3級受験時と同様に、単語カード+演習用紙のみ、テキスト類は一切持ち込みませんでした。試験官が入場・説明を聞きながら瞑想し、気持ちを静めました。

     試験開始とともに問題をざっと眺め、まずは1問目から入り、時間のかかりそうな3問は飛ばし、5問目に取り掛かりました。2級工業は原価計算がポイントであることを聞いていたので、見た瞬間ニンマリとしましたが、半製品というこれまでのパターンにない算出方法だったので、かなりあせりました。

     できるところまで進み、次に移りました。他の問題を解いているうちに、ふと第5問の解法がひらめき、中断して続きをやることにしました。時間のロスであることはわかっていましたが、何かの思し召しと考え、最後まで解くことができました。案の定、時間がなくなり、最後に回した第3問を時間ギリギリまでかかりました。

     見直す時間は一切なく、一番点取り問題にしなければならない仕訳で間違いに気づいたものの後の祭りです。全体的には模擬試験よりも手応えはあったので、それ程不安はありませんでした。帰宅後の自己採点では8割とれていましが、やはり一抹の不安は拭えませんでした。

     不合格に備え、せっかく覚えたことを忘れないように単語カードなどを時々眺めて、その不安を打ち消す日々が続きました。結果は合格、ホっと胸をなでおろす瞬間でした。

    管理人からまー蔵さんへ追加の質問

     今回、利用された教材や電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     テキストは若干、子供じみた感は否めないものの、学習項目が日単位で分かれており、計画が立てやすかったです。問題集は謳い文句どおり、ワンポイントや解説が充実した上、わかりやすく丁寧です。いずれもオススメできる教材です。

     電卓に関しては3級受験時に購入したものを継続利用しました。特に2級だから、といった不便さはありませんでした。

     まー蔵さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    • 得意な論点

     商業簿記は、精算表です。3級受験時に徹底的に反復練習したことが活かせ、躓くことなく解答できました。一方、工業簿記は標準原価計算です。学生自分から図形問題が好きで、図による解法はスっと入りました。

    • 苦手な論点

     商業簿記は社債です。償還(満期、買入)の相違による仕訳の違い、満期保有証券の決算がとにかく苦手で何回も間違えました。克服するために、理解することはあきらめ、典型的なパターンのみを繰り返し暗記しました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     教材は、決めたものをトコトンやりきることが重要だと思います。巷に出回っている勉強法でも紹介されているように、少しづつでも繰り返すことで定着します。私はこれを「3歩進んで2歩下がる」勉強法と呼んでいます。3日新しいことをやったら、初めの2日分をざっと復習する、これを毎日継続しました。

     反省点としては、原価計算などで、解法はあってるのに計算ミスや電卓ミスで数字が異なると、再計算することが多々あったこと。これは非効率ではと今更ながら感じます。適当に切り上げる潔さが必要だったかなぁ。と思います。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級・税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     3級から順調にこれたこと、会計学への興味が大きくなったこともあり、折角なので1級に取り組むことにしました。将来税理士にもチャレンジするつもりです。

    管理人コメント

     まー蔵さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!丁寧に書いていただいたので、とても分かりやすい合格体験記に仕上がっていると思います。

     まー蔵さんの勉強方法でぜひ見習っていただきたいのは「決めたものをトコトンやりきる」という点です。独学で勉強していますとどうしても不安になってしまい、いろんな教材に手を伸ばしてしまいがちですが、十分なリサーチをして教材を決めた後は、もう一蓮托生という感じでわき目をふらずに勉強したほうがいいです。

     ですから、事前の情報収集にはきちんと時間を割いて、納得のいく教材を探すことが大事になってきます。適当に教材を選ぶのは楽ですし、あれこれ悩んでいる時間はもったいないように感じるかもしれませんが、最初の準備を怠ると後になって響いてきますのでご注意ください。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたまー蔵さんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    まー蔵さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第123回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.22

    最後まで諦めずに粘り強く挑戦することが大事!

    • 投稿者:あやめさん
    • 勉強形態:専門学校(通学)
    • 受験回数:3回
    • 勉強期間:約8か月

    日商簿記検定を受験することになったきっかけ

     会社で経理のような仕事をする事になったため、勉強をすることにしました。この会社に入った時に3級を勉強するように、と簿記学校へ派遣され、5日間(前日)の講習を受け、ひたすら問題集を解いて満点合格しました。この時に、2級も引き続き勉強して受験をしたのですが、40点代での不合格でした。

     その後、仕事が忙しく、いったん勉強をやめてしまいました。この時から10年のブランクがある状態だった事、会社ではあまりお目にかかることのない工業簿記に苦手意識があったため、簿記学校へ行くことにしました。選んだのは3級の時に派遣されたのと同じ大原です。

    2回目の挑戦も…

     だいたい週2~4の夜の講座でしたが、仕事を持っているため、途中、出られない講座もありました。(ビデオ補講をしました)また、10年のブランクは思っていたよりも重く、勘定科目・計算方法等の変更が多く感じられました。2,3年のブランクは簿記学校でも想定していて、その分については講義中に説明がありましたので、助かった感があります。

     問題集は大原でもらったテキスト・問題集・試験直前の総まとめ・直前答練・模擬試験のみを使用しました。第122回試験前は問題集を1.5回、総まとめはあまり解けていませんでした。第122回試験ではまだ仕訳が苦手で、とうとう本試験までひきずってしまいました。そのため工業簿記で点をかせいでも68点…惜しい不合格でした。

    三度目の正直

     第122回試験の後、簿記学校の特典で、次回試験までの基礎講座と直前対策まで全てもう一度受けられる、ということで、この特典を活用しました。得意科目の工業簿記については基礎講座に出席せず、苦手科目の商業簿記は全て出席しました。ほとんどが前回試験の時に出席できず、ビデオ補講をした部分でした。

     最初に苦手意識のあった工業簿記については、自分の解いている位置を確認することで随分楽になりました。こんな事が分からなかったのかな?と思うくらいでした。反対に、商業簿記は仕訳から始まり、伝票問題も苦手でした。伝票問題については慣れる事でスピードも速くなり、また正解率も飛躍的に高くなりましたが、最後まで仕訳が苦手でした。

     とにかく「考えながら解く」の繰り返しだったように思います。第123回試験前は総まとめも解けるようになりました。試験1か月前に直前対策という形で授業がありますが、こちらは酷い時は40点台、よくて50点台、模擬試験のみ70点を取りました。あとはひたすらこの解き直しに徹しました…が、仕事が建て続いたりしたため、この大切な時期にほとんど勉強は出来ていません。

     解き直しも第3問はできないままでした。簿記の勉強に関しては、一度始めたら、時間をあけない事が重要な気がします。2年程度ならともかく、5年以上経つと色々と変更点があるようで、そこを直していく勉強のほうがまっさらの状態より重い気がします。

    試験日当日の1日の流れ

     試験当日は、普通通りに起床して軽く朝を食べ後に受験会場へ行きました。試験開始1時間前だったので、会場付近のカフェでカフェオレを飲みました。少しお腹が空いていましたが、むしろ食べてしまうと集中できない感じがします。

     試験開始と同時に問題をざっと見て、【第4問→第5問→第1問→第2問→第3問】という順番で解きました。第4問は簡単で、第5問も何も考えずに解き、第1問に気が急いていたのでしょう、第1問を丁寧に解きました。第2問は楽勝になっていました。第3問も無事に埋められて、残り10分。

     見直してみると第5問が、何かおかしい。あれ?っと解き直しました。さらに第3問を見るとかなり間抜けなミスを発見、そこを訂正したところで…タイムアウトでした。第5問と第3問に不安が生じたため、今回もだめかな?と思いましたが、 前回のハガキ通知とは違う形で送られてきて驚きました。合格証も一緒に発送なんですね。解き直しが効いたのか、結果は86点でした。

    管理人から~さんへ追加の質問

     今回、利用された資格の大原の講座や、使用された電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     大原の講座はオススメでした。特に、数年のブランクがある場合には、色々と変更点があるので、そこを全部独学で見落とさずに勉強していくのは結構大変です…。あとは、ちょっとしたコツを教えてもらえるところでしょうか。

     2級講座の場合は合格サポート制度という特典があり、一定の出席をしていれば、初回の受験で不合格でも次回受験までは全ての講義(基礎、総まとめ、模擬試験)がもう一度受けることが出来ました。社会人で全てに出席できなくても、この制度を使うと結果的には全て通うことが出来ました。また、1回目で不得意科目がわかるので、その部分だけを潰す余裕もできます。

     電卓は、会社で支給された物でカシオのJ-20のエコタイプです。学校で売っているのも購入しましたが、いまいちしっくりこなかったので、購入した電卓を会社用に変えたくらいです(笑)3級の時はそんなに感じなかったのですが、2級になると、計算量が増えるので、慣れたもの(出来れば電卓見なくても打てるくらいに慣れているもの)が良いように感じました。

     あやめさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意だったのは工業簿記です。何故かCVPが少し苦手でしたが、これ以外はほとんどが得意でした。反対に苦手なのは商業簿記。当初苦手だった伝票はとにかく慣れることで得意になりました。

     最後まで苦手だったのは、仕訳問題のうち、社債の償還や特殊商品売買。一見、「なんて初歩的な!」と思われるかもしれませんが、10年前のおぼろげな知識とかなり変わっており、この計算法を理解して定着させるのに時間がかかりました。一旦納得して、そのことを定着させることで、試験前1週間前に得意になりました。

     とにかく工業簿記は自分の解いている立ち位置、商業簿記はきちんと仕訳が出来る事が重要かと思います。仕訳が出来ないと全ての問題に響きますから…。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     社会人の場合は、かなり勉強時間が限られているので、いかに効率よく勉強できるかが大きいと思います。3級と比べると2級は、問題集を解くだけでも2倍以上の時間が必要だと感じました。通学の場合なのか、大原の場合なのかは分かりかねるのですが、2級では支給されたテキストと問題集、これだけで十分でした。

     あと、私は10年の間に変更された勘定科目を自分なりに整理するために、大原から出されている仕訳問題集を購入しました。これは仕訳が苦手な人には良いように思います。書店で他から出ている仕訳帳も見たのですが、個人的に見やすかったのと、電卓がなくても計算できる内容でまとめられていたので。少しだけ暗算が速くなるという副産物もつきました。出張や年度末に全く勉強の出来ない時期は、焦らず、この仕訳問題集だけでも頭の片隅で思い出すのが重要かと思います。

     後は、分からなくなったらとことん反復。テキストを読んで理解して問題を解く、でしょうか。大原では問題集を3巡解くように、と言われましたが、年度末の忙しい時期には、これは不可能でした。なので1.5巡(笑)残りの0.5巡がまさに商業簿記の特殊商品のところにあたり、その事を考えると2巡は必要だと思いました。

     中には分かっているはずなのに、何故か混乱していて答えられない場合がありますが、テキストを読んで、問題の回答を読んで、しばらく全然違う問題を解く事で、一旦置くと自然と整理され、不思議なように解ける事が何度かありました。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級・税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     会社では2級程度で大丈夫だと思いましたが、若干特殊な会社でもあるのと、年に3か月だけ、社内監査に関わっていることから、会計に興味を持ち始めました。

     少しのインターバルを置いて、今年夏から1級に向けて勉強をしたいと思っています。(春は年度末と年度初めの仕事に追われるため、ほとんど勉強どころか通学も不可能に近いので…)可能なら、税理士試験も視野に入れて勉強したいと思っています。

    管理人コメント

     あやめさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました。仕事と簿記の勉強の両立は本当に大変だったと思いますが、最後まで諦めずに挑戦することで合格を勝ち取られた精神力はさすがだと思います。

     個人的にいいなと思ったのは、「考えながら解く」ことを常に意識して問題演習をこなされた点です。試験勉強も終盤になりますと、どうしても機械的な勉強になってしまいがちですが、特に工業簿記を解く際は「何を計算しているのか?」「今の計算はどの段階なのか?」ということを意識してやると力が付くと思います。

     今回の工業簿記も「半製品」というあまり見かけないワードが出てきてびっくりされた方も多かったと思いますが、最近は少し捻られた問題が出題される傾向にありますので、なんとなく計算問題を解くのではなく、目的意識を持って取り組むようにしてください。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたあやめさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    あやめさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • 教材:資格の大原の講座を受講
    • 電卓:CASIO J-20
  • 第123回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.21

    通信講座の添削をペースメーカーとして上手に利用!

    • 投稿者:にゃんこさん
    • 勉強形態:専門学校(通信)
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月

    日商簿記検定とのつながり

     平成21年5月に日商簿記検定2級を受けようと思い、会社で補助の出るテキスト(産業能率大学)を注文し、6月より勉強を始め、11月の試験に合格しました。(ちなみに3級は20年ほど前…高校時代に取ってます。5月は思い出しの期間に使いました。)

     自分では一回目で合格…と思ってるのですが、正直に言うと受験したのは2回目です(^-^;。以前は7年程前で、当時の仕事にもなれ、毎日に刺激がなく、自己啓発活動?の様な気分で、簿記2級でも受けてみようかな~って感じで受けたので、今思えば、意気込みも準備も全く合格時と違うものでした。

     今回、簿記検定を受けようと思ったのには、明確な目標がありました。「税理士を目指す」と言う目標です。現在37歳。今から税理士を目指すのですから、あまり時間に余裕はありません。簿記検定2級くらいさっさと取ってしまわないと…と言う思いが自分の中にありました。

     10kmマラソンなら、5kmあたりで苦しくなるかも知れませんが、42.195kmを走るつもりなら、5kmで苦しかったら話にならんっ!何がなんでもっ!と言う気持ちですね(^-^)。合格出来た理由を一言で言うならこの「気持ち」だと思います。

    序盤・中盤の勉強方法

     さて、具体的な計画としましては、11月15日が試験日。過去問を繰り返し解く時間を1.5ヶ月と見て、9月末にはテキスト、問題集すべて終了しておくこと。と言う予定を立てました。私の使った教材は通信教育の形になってまして、4回の提出物がありましたので、一ヶ月1 回分の提出を予定として勉強を始めました。(商業簿記2回分、工業簿記1回分、総合問題1回分)

     ある程度、小さく目安を区切るのは勉強の進み具合をチェックするのに有効だと思います♪ その間にはパターン化した覚え方ではなく、仕組みを理解することを優先しました。また、自分は何処が分からないのかを分かることも重要なポイントだと思います。実際は、予定よりも早く事を終えられ、繰り返し過去問を解く時間が2ヶ月程取れましたので、これでもかっ!と言うくらい2ヶ月間過去問を解きました。

     …と言っても、そんなに沢山の過去問があるわけでもないので、5回分の過去問と4回分の模擬問題を2回ずつくらいやった感じ。なので、ある程度勉強を終えた後の2ヶ月間は、毎日簿記には触れますが、そうそう必死に…と言う感じではありませんでした。

     大体週3日くらいは時間を計って過去問をし、点数を見ると言う感じで、試験前最後の3日間のみ毎日過去問を解く(と言ってもこの時点ですでに一度やった問題になってますから、コツを忘れない様に…と言う感じですが)

    終盤の勉強方法

     試験1週間前には「90%合格する自信」がありました。ここまでやったんだし受かる筈。過去問も90点以上出てましたし、時間も1時間半くらいで全問こなせ、見直し時間30分とれてましたから(何回も言いますがこの時点で一 度やった問題ばかりになってますので、当たり前と言えば当たり前… (^-^;)

     テキストをやりきるまでの毎日の平均勉強時間としては1.5時間くらいかな…仕事と家事をしながらですので、勉強できない(しない?(^-^;)日もありましたし、ノッて来た時は、3時間くらい平気で出来ました。つまづいた箇所も、不安になった時もありましたが、苦しかったとか辛かったとか思うことは全くないです。自分の決めた事だからでしょうね。

    試験を終えて

     現在は6月の1級の試験に向けて勉強しています。会計事務所経験もないので、1級とらないと税理士試験受けられないから…まだまだ道の途中ですが、楽しんで頑張ります(^-^)

     最後に…今回の簿記検定を受けるにあたり簿記検定ナビには大変お世話になりました。会社での空き時間、仕事をするふりをしながら仕訳問題を解く…と言うような感じで時間を有効に使わせて頂きましてありがとうございました(あまり公に言える事ではないかもしれませんが…(^-^;)

    試験日当日の1日の流れ

     2級の試験は、午後1時半からでしたので、人間の脳は起きてから5時間後くらいが一番活発に働く…とどこかで聞いた覚えがありまして、起床時間8時半にしました。あまり寝すぎても頭がボケるので、前日は12時頃の就寝にしました。

     ちなみに朝爽快におきられて、頭がスッキリするサプリメントを寝る前1本、朝起床後に1本飲みました(笑)おまじないの様なものです。当日は、家では簿記の勉強は何もしないと決めてましたので、早めに試験の用意を済ませ、その後は普段どおりに午前中を過ごしました。

     13時に会場へ着くように出発し、会場へは教科書等は持っていかず、簿記検定ナビにも書かれていた様に、自分で作ったノートのみを持参し、最後の30分だけノートを見直し、自分の間違えやすいポイントを確認し、試験に挑みました。

     さほど緊張したつもりはなかったのですが、「試験」と言う物が久しぶりだった為、スタートの合図と共に皆さんの紙をめくる音、電卓の音、 書き込む音等が案外気になり、手が震えたりして(笑)少しの間集中力を欠きましたが、問題が分からない訳ではないので、すぐにペースをつかむ事ができました。

     いつもどおり、1時間半くらいで大方片付いたのですが、問題2の数字がどうしても合わず、見直し時間の大半をそこにとりました。(試験の進め方としては、一つの問題に拘らず、分からなかったり、合わなかったりしたらとりあえず、ほって次へ進みました。)

     結局時間内に原因を突き止められず、数字が合わないまま時間切れとなってしまいましたが、結果、その問題の2が10点引き、他は満点で合格することが出来ました。(見直し時間の少しを使って、メモ用紙に自分の解答をそこそこメモしておきました。帰ってからの速報との照らし合わせ様に)

     3時半に試験が終わり帰宅し、夕飯の準備等そこそこ済ませてから、解答速報を見ようと思い、ネットを繋いだのですが、何処もいっぱいのようで、なかなか回答速報にたどり着けませんでした。しばらく時間を置いて、やっと確認出来たのが6時頃。自己採点で、最高でも94点、最低でも84点と勝手に判断し、合格を確信しました(笑)その夜は久々にお酒を飲んで、気持ちよく眠れました(^-^)

    管理人からにゃんこさんへ追加の質問

     今回、利用された産業能率大学の教材や電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     教材はお勧めしたいですね(^-^)図や絵も沢山使用されて分かりやすかったと思います。単元分けも分かりやすかったし、勉強の予定を立てやすかったです。課題提出があり、提出した課題は、講師の方々が丁寧に見てくださってる感じで返却されてきまして、目に付いた箇所毎にコメントを下さってまして、間違えた箇所の見直しもスムーズに出来ました。

     また質問用の用紙もあり、分からない所は、講師の方にどうやったら分からない論点が伝わるか考えながら文章を作成してるうちに、質問しようとしてた事が分かってきたりしたので、分からない所を「書く」⇒「まとまる」と言う点で良かったのかなと思いました。お値段的には¥16,800でしたのでそう高い出費ではないかな…と。

     私の持論として、「ある程度痛いくらいのお金をかけないと身につかない」と言うのがあります(苦笑)元を取ってやるという気持ちが絶対受かるの決意につながるようです(^-^;

     電卓については…私自身あまり拘ってなくて、家にあったものを使用しました。CASIOのNZ-12でしたが、最低限欲しい機能としてのM+、M-、バックスペースが合ったので私にとっては問題ありませんでした。ただ、メモリー機能を使うとオールクリアキーでも消えなくなり、MRCキーを2度押しして、画面左に出る「M」の文字が消えた事を確認しないといけなかったので、慣れるまで計算が混ざったりして二度手間になった事が多々ありました。慣れたら問題なかったかな…と。

     にゃんこさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     商業簿記で得意なのは、減価償却や、売買目的有価証券売却、購入時の利息計算でした。苦手なのは、伝票会計や帳簿組織。商業簿記の2問目に出題される物が苦手でした。意味、仕組みは分かるのですが、私はどうも決まりごと(暗記物)が苦手で「書き方」が分からなくなる事が多いので、徹底的に問題を解く(書く)事が克服方法でした。が…結局123回の試験では、結構ひねり気味の出題で、そこで点数を落としたのですが…試験終了時に、数字が合いませんでしたから…(–;

     仕訳では、特殊商品売買が苦手でした。特に委託~、受託~。いろんなパターンがありすぎて理解しようとしてては間に合わなかったので、仕訳パターン丸暗記方をとりました。これは試験時点ではOKですが、すぐ忘れるので、今後、理解していきたいと思います。

     本支店会計の内部利益の算出や考え方で最初結構つまづいたのですが、一度パターンを理解すると、得意な箇所に変わりました(^-^)これも結局は、問題を解きまくることで、一つはっきりここが分からないという所(期首商品に内部利益が含まれてる場合の処理)を発見でき、質問を書いてる間に自己完結して理解しました(笑)

     あと、試験には出ないと思いますが、当座預金の通帳残高と帳簿高を合わせる表の記入が未だに苦手です…仕訳はOKだし、表は試験にあまり出ないようなので、優先順位を下の方にした事もあると思いますが(^-^;

     工業簿記ではとりあげて得意と言うのはなく、最初は分からないとこだらけでしたが、一度理解すると、商業簿記より得意になりました♪理屈が分かれば応用のしやすい計算問題がほとんどなので。

     苦手だったのは一番最初の仕訳問題。賃金給料の発生時と、それを間接費として配賦してる時が分かりにくく、何回やっても同じ箇所を間違えたりしてました。これの克服方法としては実際の一ヶ月の流れを想像して、理解する事と繰り返して覚える事の両方でした。

     あとは、総合原価計算の月末仕掛品の算出の理解に時間がかかりました。なんとなく分かる気はするのですが、先入先出法と平均法、材料費と労務費、仕損などを総合的に考えなければならないので、分かってるつもりでも途中で混乱したりしました。克服法は2日くらいその問題ばっかり集中的にやりたおすことでした。色々な問題をするのではなく、とにかくそれだけを2日くらいやってたら、見えて来るものがありました。

     差異分析も同じ様な感じでした。考慮材料が沢山あるので、理解&パターンで覚えるの両方と問題をこなす量でした。結局、克服法って特別な物ではなく、数こなす事…なんですよね(^-^;ただ、苦手な所は、集中してその問題ばかりやると言うのが、理解の近道だと感じました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     勉強し始めの頃は分からない所でつまづき、そこからなかなか進めなかったりして、勉強の予定がくるって来たりしたのですが、全て網羅してから、「全部を通すことで分かる事もいっぱいあった」と思ったので、分からなくても1回目は予定通りのペースで進めて、 全体を見てみるのが良いかと思います。

     その際、自分が「分かってない」と認識する所には目印をつけて、2回目に何処を重点的に勉強するかを把握しておくとよいと思います。分からなかった箇所をテキストから探す…と言う二度手間を踏んでしまいましたので(^-^;

     2度目にテキストを見るときは、丸暗記しようとせず、意味を理解すると応用問題にも対応する事が出来る様になると思います。人間が、知恵と工夫で分かりやすくしようとして作った仕組みですから、「分かるはず」だと思って勉強しました。

     あと、私は語句を覚えるのが苦手だったので、一度出てきて説明されてる語句が後の単元で出てきたとき、語句の意味を探しにまたテキストを繰る…と言うような事があったので、聞きなれない語句(洗換法、切替法とか・・)はノートに書き出し、意味まで書かなくてもいいので、テキストの何ページかメモされておくと見たいときにすぐ見れるかなと思います。

     問題集は繰り返しするので、何度も消しゴムで消す作業をしました。(その為に最初から薄く書きました)消しゴム1個は完全消費しました…小学校でもそんなに使わなかったんじゃ…(^-^;)

     主人に話すとトレーシングペーパーを使うと良いとアドバイスを受けましたが、買いに行くと少々お高めでしたので、私は断念したのですが(苦笑)消す手間を省くには良いかと思います。

     現在は簿記1級の勉強をされていると思いますが、前回の勉強と比べて工夫していることはありますか?
     現在1級の勉強中でして、上に書いてしまったのですが以下のことを工夫しています。

     ①分からない箇所にマーク。
     ②語句の書き出し

     ②はA6くらいのルーズリーフ状の手帳を買って隙間時間の勉強材料にしていこうと思っています。1級は理論があるので、2級以上に「覚える」事が多くなりそう…(上に書いた様に苦手)心してかかろうと思ってます。

     まだ、テキストの1/6程しか進んでませんが、そう難しいとは感じてません。でも1級は難しいと色々なサイトでも見るので、次回6月の試験だとしても余裕の時間があるとは言えないのだろうと思っています。しっかり勉強時間を取ることは自分との戦いだと思いますので、細かく勉強の予定を区切って進捗度を管理して行こうと思ってます。

     自作のノートを作られたとのことですが、画像などを見せていただくことは可能でしょうか?
     携帯で撮ったものなので、あまり鮮明ではないかもしれませんが…雰囲気だけ掴んでいただけたら…と。私が使ったテキストの1単元1ページとして、エクセルでまとめてとりあえず大まかなノートを作り、その後、気がついた事を手書きで足しこんで行きました。

     最後の最後に覚えられる様に、苦手な仕訳パターン、差異分析の図、CVP分析の公式とかも書いておきました。A4・6枚両面印刷・計12ページにまとまりました。あまり書くことのない単元は写真の様にほとんど余白…でも、どの単元のものか整理する為、1単元1ページにしておきました。

    にゃんこさんの自作ノート

    にゃんこさんの自作ノート1
    にゃんこさんの自作ノート1
    にゃんこさんの自作ノート2
    にゃんこさんの自作ノート2
    にゃんこさんの自作ノート3
    にゃんこさんの自作ノート3
    にゃんこさんの自作ノート4
    にゃんこさんの自作ノート4

    管理人コメント

     合格体験記のご投稿ありがとうございました、にゃんこさん。文字の分量も多く、まとめノートの画像も公開していただきましたので、かなり中身の濃い合格体験記に仕上がっていると思います。

     にゃんこさんは、産業能率大学の通信を利用して勉強されたとのことですが、提出物の提出時期をうまく使って勉強の進み具合をチェックされています。独学で勉強していますと、どうしても「ムラ」が出来てしまい、なかなかペースを掴めないまま本試験…というケースが多く見受けられますので、通信講座のご利用を考えていらっしゃる方はぜひ参考にしてください。

     また追加の質問のほうでお答えいただいていますが、質問用の用紙を使って質問をされる際に「分からないところを書く→どこが分からないのかはっきりする」という点もぜひ見習っていただきたいポイントです。これは独学で勉強される方にも使える方法で、簿記検定ナビの質問掲示板などに書き込みいただく前に、問題(論点)のどこが分からないのか?ということを実際に書き出していただいて、質問箇所を明確にする作業を行うようにしてください。

     たまに、何をお聞きになりたいのか分からない抽象的な質問をいただいて困ってしまうことがありますが、多くの場合はこの作業を行わずに、質問者自体も「何が分からないのか分からない」状態になってしまっているのだと思います。質問箇所を明確にすることは、質問者にとっても回答者にとってもメリットがありますので、質問をする際はぜひ一度試してみてください。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたにゃんこさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    にゃんこさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • 教材:産業能率大学の教材
    • 電卓:CASIO NZ-12
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第123回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.20

    暗記よりも理解を重視し、とにかく問題をたくさん解こう!

    • 投稿者:勇気さん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回

     予てからの目標であった、第123回日商簿記検定2級に独学で合格することが出来ました。

    日商簿記検定を受験するきっかけ

     過去に3級も独学で勉強して一発で合格したことや、経理の仕事に就きたいと考えていることが切っ掛けとなり、今回の2級に挑戦することとなりました。

    テキスト&問題集と電卓

    • スッキリわかる日商簿記2級 商業・工業簿記(TAC)
    • 合格する為の過去問題集(TAC)
    • 電卓(CASIOの12桁 製番は不明)

     スッキリ分かるシリーズは、3級のときもこれで勉強したので迷わず選びました。また、同じ専門学校の教材で統一したほうが効率的であると考え、過去問もTACの教材を選択。

     電卓に関しては「メモリ機能」「00キー」が付いている物を選びました。この二つが有ると無いでは、計算の速度や精度は倍以上違うと感じてます。

    具体的な勉強方法

    • 基礎期(商業簿記)

     3級の知識があったので、先ずは商業簿記のテキストから勉強を始めました。但し、3級の部分で知識が曖昧な論点に関しては、3級のテキストに戻り、基礎の部分を確実に固めて勉強を進めていきました。私が問題を解く上で心がけていたのは、以下の3点です。

    • 分からない問題があった場合、時間制限を設ける
    • 制限時間内に終らない問題はそれ以上考えず答えや解説を見る
    • 解説をよく読み理解したうえで、もう一度同じ問題を解く

     日商簿記検定2級の問題には仕訳を始め、精算表や本支店会計などの総合問題がありましたが、“仕訳が簿記の基本である”と言う考えが根底にあったので、勉強を始めてから約一ヶ月は只管仕訳の問題を解いて各論点で出てくる会計処理の知識の定着に充てていました。

    • 基礎期(工業簿記)

     商業簿記の知識がある程度定着したところで、同時並行で工業簿記の勉強も始めました。問題を解く上で心がけていたことは商業簿記と何ら変わりませんが、工業簿記は勘定の連絡を理解することが重要であると情報収集の段階で分かっていたので、勉強している間は勘定連絡図を常に頭の中で浮かべながら、各論点を勉強していきました。

     巷では難しいと囁かれる工業簿記ですが、勘定連絡図など全体を俯瞰しながら知識を定着して行こうと心がけていたら、意外に越えられる壁だと自信が湧いてきました。

    • 応用期

     上で書いた基礎期での勉強がある程度終ったところで、過去問を購入してきて本試験の問題に挑戦していきました。ある程度早い段階で過去問に着手したこともあり、過去問は3周程度回しました。1周目は回数ごとに問題を解いていきました。過去問を解く上で気をつけていたのは以下の4点です。

    • 時間を計って解く(試験時間と同じ2時間)
    • 分からない問題があれば時間制限を設け、時間を過ぎたら次の問題に着手
    • 問題を解く際に最低限の下書きで解答する
    • 全て解き終わったら見直す

     過去問を解き尽した後、自分の取った得点のデータでは、全て合格点を取ることが出来ており、基礎は出来ているなと実感はありましたが、違うパターンで問題を出されたら解答できるのかと、自分の中で不安が出てきた時でもありました。

     そこで、次は論点ごとに横断的に行って、論点の知識の定着を図るべきであると思い至りました。今回は点数は関係なく、どの論点が自分の弱点かを見極めながら、弱点である部分に関しては、3日間程度時間を取って、集中的に問題を解きました。その甲斐あってか、自分が苦手であると感じる論点は全て潰すことができました。

     論点ごとの問題解答が終わったら、1周目と同じように回数ごとに問題を解いてきました。2周目で行った論点ごとの問題演習が功を奏したのか、全てに於いて90点以上を取ることが出来ました。

    • 直前期

     試験1ヶ月前になると、殆ど問題を解き尽くしてモチベーションが下降気味であったので、基本に立ち返るという意味でテキストを流し読みして、基本的な問題を解いていきました。基礎期と違うところは、10分以内に問題を解くなど、時間制限を設けて演習を行ったことです。制限を設けたことでだらだらと問題を解くことが無くなり、最短距離で解答を叩き出す訓練を何度も行うことができました。

     また、過去問も次の試験に出そうな論点の問題演習を行いました(所謂、ヤマ張り)電卓に関しても、仕訳問題等で何度も叩いてきたので、知らぬ内にキーのブラインドタッチが出来るようになっていたことが新たな発見でした。

     さらに同時並行で、簿記検定ナビの2級・仕訳問題対策を毎日1回分欠かさずしたり、同じく「簿記クイズ」で自分の仕訳の理解度を試したりしてました。

    試験日当日の1日の流れ

    • 午前

     朝はいつも通り起床し、朝食後に以下の二つをしました。

    • 仕訳問題対策122回の問題を解答
    • 精算表の総合問題を解答

     午前中にやった勉強は上記の二つだけで、後は昂る不安を抑えることに尽力した。あと、試験で脳をフル回転させるためにチョコレートを食べたことを覚えてます。

    • 午後

     昼食を食べた後、試験会場に20分ぐらい前に着くよう家を出発。私が受験する会場は最寄り駅から徒歩で20分以上掛かるとても辺鄙な場所にあったので、事前にルートを確認して良かったと今でも思う。不安材料は一つでも無くすべきであると。会場に到着し席に着いた後、少し時間があったので、工業簿記の問題をさらっと解答している途中で、試験官が問題を配り始めたので、過去問を仕舞って準備万端。

     13時30分、愈々試験がスタート。私が解答した順番は以下の通り。

    • 第1問→第5問→第4問→第2問→第3問(→第5問)

     因みに、第5問は工程別原価計算の問題だったので、簡単だろうと判断し問題を解いたのだが、半製品と言う聞き慣れない単語に惑わされ、暫く頭を悩ませていた。時間の無駄なので一旦次の問題に進もうと判断。第2問~第4問に関しては、特に梃子摺ることも無く、第5問に帰ってきた頃には、残り30分ぐらいだっただろうか。

     問題を何度も読み返していると、ふと閃きが自分の頭に降りてきて、この後はスラスラと問題に解答することができ、答案用紙の仕掛品勘定も時間ギリギリで埋めることに成功。見直しは、仕訳問題の第1問をしただけで終了。そのため、仕訳問題は自信が有ったが、他の問題、特に第5問に関しては答えに少々不安アリ。

    合格発表

     試験が終ったあと、全部見直すことが出来なかったので、“些細なケアレスミスをしてないだろうか”といった不安を戦いながら、合格発表日に商工会議所のHPを見てみると、何と自分の受験番号が載っている!私のこれまでの努力が報われた瞬間でした。

     商工会議所にて照会した点数は98点。 自分でもこんな高得点を取れるとは思っていなかったので、実力を遺憾なく発揮できたんだと自信が付きました。

    管理人から勇気さんへ追加の質問

     勇気さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は、商業簿記で言えば伝票会計や精算表、工業簿記で言えば、総合原価計算や標準原価計算です。集計するものや、図を描いて解答する問題が好きなので、何度も演習を行って自分の得意科目にしました。いずれの論点も、何度も繰り返し問題を解くことで対処していけると思っています。

     苦手な論点は、帳簿組織でした。過去問を解き始めた頃は、特に試算表作成が苦手で帳簿組織の試算表が出た回の第2問は解答時間も長くなり、平均点が他の問題に比べると低かったです。原因は何かを探っていると、二重仕訳の取引の知識が曖昧であり、さらに下書きも3級と同じようにTフォームで集計していたことが、計算間違いを誘発し、延いては時間が掛かる原因でした。

     すると、簿記検定ナビの過去問分析のページに下書きの書き方が載っていました。ただ、その方法が仕訳を一々取引ごとに書いていくものだったので、逆に時間が掛かるんじゃないかと考えたこともありました。併し、仕訳を書いていくことで、どの取引が二重仕訳かが一目瞭然となり、曖昧な知識が確実なものになって行きました。また、何度も仕訳を書いていくうちに、自分なりの下書きの書き方を確立して行き、過去問の試算表問題が10~15分程度で解けるようになりました。

     スッキリシリーズの教材を選ばれたとのことですが、使ってみた感じはいかがでしたか?他の方にもおすすめ出来ますか?
     結論から言うと、とても分かり易いですので、テキスト選びに迷っている人には是非お薦めです。取引ごとに、どのような仕訳を切ればよいかが強調されており、吹き出しで補足事項もあって、どのような会計処理をすればよいかが、分かるようになっています。

     また、巻末には問題も付いていて一つの論点が終わる毎に、その論点がどの問題に対応しているかも分かりやすく示してあり、一通り読み終えたら問題演習し、分からない場合はまた戻るといった繰り返し演習することが出来るのがとてもいいと感じています。

     基礎期での知識の確立は勿論、直前期に基本に立ち返って知識を確認するには打って付けのテキストだと私は思っています。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     勉強期間中は以下の三点を、いつも自分に言い聞かせていました。なので、これから勉強する人には実践してみても良いのではと考えます。

    • 仕訳を固めろ
    • 演習を何度も繰り返せ
    • パターンを覚えず理解しろ

     私が一番に言いたいのは「先ず仕訳を固めろ!」です。家に例えるならば仕訳は土台の部分。土台がしっかりしていないと家が崩れるのと同じように、仕訳ができなければ検定問題の第1問は勿論、第2問や第3問…にも全く対応できないと言うことになってしまいます。

     それから、同じ問題を何度も解くことを実践して欲しいです。私は過去問を3回程度回しましたが、3回目に突入したときは、仕訳の問題は5分以内で解ける回もありました。最短距離で正解を叩き出せるようになるまで、何度も繰り返すべきです。

     また、過去問を解く際に注意しなければならないのは、解答を覚えているだけでは対応できないということです。パターンを覚えているだけだと、問題の言い回しが変わっただけで、狼狽してしまいます。本試験はただでさえ緊張しているのに、緊張を更に増大させる要因にもなります。対策としては、やはり暗記ではなく理解するべきだと考えます。

     今後は簿記2級をどのように活かすつもりでしょうか?
     経理の仕事に就きたいと思っているので、簿記2級の知識をそのまま仕事に活かせればと思っています。

    管理人コメント

     勇気さん、詳細な合格体験記のご投稿、ありがとうございました!

     勇気さんの合格体験記でまず参考にしていただきたいのは「とにかく仕訳を固めよう!」という一文です。仕訳は簿記の基礎中の基礎ですし、仕訳のスピードを上げることが出来れば第2問や第3問の解答時間の短縮にもつながりますので、簿記検定ナビの仕訳問題対策などを使って十分な対策をとるようにしてください。

     また、教材に関してですが、スッキリシリーズは勇気さんだけでなく簿記検定ナビを利用していただいている他の方々からも好評の教材ですので、教材を選ぶ際はぜひ一度チェックしてみてください。合格テキストシリーズがオーソドックスな内容なのに対して、スッキリシリーズは図解を多用した構成になっており、値段もお手ごろです。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいた勇気さんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    勇気さんが使われた教材や電卓のまとめ

    • テキスト:スッキリわかる日商簿記2級 商業・工業簿記(TAC)
    • 過去問:合格する為の過去問題集(TAC)
    • 電卓:CASIOの12桁(製番は不明)
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。
  • 第123回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.19

    細切れの時間を有効活用し、簿記検定の過去問を解きまくろう!

    • 投稿者:まるこさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:2回

     去年の今頃から勉強を始め、第121回試験で3級合格、第122回試験で2級不合格となり、第123回試験に再チャレンジしました。

    使ったテキスト・問題集と参考資料

    • LEC最速マスターテキスト・問題集【商業簿記】
    • 大原の完全合格テキスト、TAC合格トレーニング【工業簿記】
    • 合格するための過去問題集(TAC)
    • 日商簿記2級問題演習(TAC)

    工業簿記の勉強方法

     前回の不合格をふまえて、今回は、試験範囲の全範囲をまんべんなく網羅して、少しでも苦手部分をなくしていこうという事を重点的に取り組みました。まずは、配点40点、しかも一箇所の配点が大きい工業簿記の学習(復習)から始めました。大原の合格テキストとtacの合格トレーニングを使用しました。

     大原のテキストは、図解がとても分かりやすく、tacの問題集は、問題数の量が多く、かつレベル別学習がしやすく、魅力的でした。テキストと問題集のメーカーが違いますが、大原の解き方、tacの解き方、それぞれの解き方を参考にする事ができて良かったと思います(どちらも参考にして、自分流の解き方を完成する事ができたので)

    商業簿記の勉強方法と仕訳問題対策

     商業簿記は、LECの最速マスターテキストで要点をひととおり勉強した後、tacの問題演習に入りました。ここでの解法パターンを参考に、自分だったらこう解いていくというパターンを決めていきました。合わせて、tacの過去問題集も学習し、試験の時の事をイメージしながら解いていきました。(出題傾向の研究も含め対策しました)

     過去問題集の使い方としては、自分が解いてみる事も大事ですが、解答用紙と解説の部分から裏返して、一つ一つ確認をしていきました。そして、試験直前には、配点がつくであろうと思われる部分をポイントを解答用紙で確認(特に第2問、第3問)、要点学習に比重を置きました。

     簿記検定ナビの仕訳問題対策は、PDFファイルをダウンロード・プリントアウトして、毎日5問でも10問でも学習できるように心がけました。少しずつの積み重ねが非常に重要でした。特に、試験前は、毎日 10問~20問、特に苦手な部分の仕訳を復習するようにしていました。

    試験日当日の1日の流れ

    • 試験1週間前
    • 仕訳対策を重点的にやる。(一日10問~20問)一つの論点をまとめ解きする方法も有効です。苦手な論点をなくす事に重点を置く。
    • 過去問題を時間をはかって解く。ポイントを押さえて解いていく事を心がける。自分がどんなふうに解答用紙を完成させていくのかシュミレーションをする。
    • 試験前日
    • 仕訳対策・重点(苦手論点の確認、解き方のポイント確認)
    • 工業簿記で出そうな所を復習(もしくは、苦手な論点を復習)
    • 試験当日

     試験30分前、会場到着。席についてテキストを眺めみるが、落ち着かない。神様、あの問題が出ますように!という思いで試験を迎える。問題の内容からすると、第1問→第2問→第4問→第5問→第3問という流れで進めることに決める。

     第1問で、苦手だった社債の問題が出たので、ラッキーである。その後、第2問伝票を解く。内容量が結構多いので、何分で解けるのか気にしてしまったが、とにかく解きあげて第4問、第5問にいくことにした。

     工業簿記は、直接原価計算、標準原価計算、個別原価計算を重点的に勉強していたため、全然予想当たってないなと若干あせってしまいましたが、部門別の問題は見たことのある問題だったので、なんとかセーフでした。

     そして、第5問。半製品にはとまどう。自分の思った答えが正解なのかは不安なところでしたが、最後の大門、第3問へ行ってしまう。本支店は出るとは思っていましたが、繰越内部利益の推定を出す部分で、つまづく。

     とにかく、できるところを確実に埋めて、配点になるであろう部分を押さえて、試験を終えることにしました。やっぱり、緊張のせいか試験ではいつもいっぱいいっぱいになってしまいました。とりあえず、試験は終わったという事で、ほっと帰路につきました。

     帰宅後、解答速報にて自己採点をしましたが、大原72点、tac74点、ネットスクール76点というきわどい結果になってしまいましたので、合格発表日までドキドキでしたが無事に合格していました。

    試験勉強を振り返って

     簿記検定ナビでは、過去問分析、仕訳問題対策、掲示板等々、ありとあらゆる活用をさせて頂きました。独学であったため、不安な受験勉強ではありましたが、簿記検定ナビでサポートを受けることができ、力添えになって下さいましたこと、有難く思います。今後とも、利用させていただきます。

    管理人からまるこさんへ追加の質問

     今回の試験勉強で電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     カシオのDW-20Aです。なかなか押しやすい電卓だと思います。机に置いても、かさばらずおすすめです。
     まるこさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
    • 得意な論点…商業簿記に関しては、伝票・本支店会計。工業簿記に関しては、しいていえば標準原価計算です。
    • 苦手な論点…工業簿記全般。まずは、苦手意識をなくす事からはじめました。テキストは、何度も読みました。問題集は、最初のうちは、何も分からないので、とにかく解説から入り、そこで書いてある手順をそのまま紙に写し書いて、そこで自分で悩みながら、解き方を学んでいきました。

       自分で考えようとする力がつくまでが本当に大変ですが、分かるようになるまで、何度も繰り返しやってみるということが大事です。苦しい作業でもありますが、これを乗り越えて自分流の解き方があみだせるようになれれば、自信がついていきます!(そして、忘れにくくもなります!)

       基本は、やはりBOX図であったと思います。BOX図を何度も紙に書いておぼえ習得していくことで、苦手な部分が少しずつ取れていくと思います。標準原価計算の製造間接費の差異分析の図についても、工業簿記の論点の中で一番苦手だろうとしていた所ですが、先入観でした。何度も分析図を書いてみる、BOX図を使ってみるという手段でなんとか克服できました。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     受験生にとっては、一体どの程度勉強をしたら合格するのか?と思うところがあります。私の場合、平日の勉強時間は実質少なかったです。仕事の後は疲労してしまい、なかなかまとまった時間が取れませんでした。そこで、ほんの空き時間15分でも30分でも限られた時間をとって勉強する時間を作ってみるようにしました。

     朝食後の30分、仕事前の15分、お昼休みの30分、寝る前の30分といったようにして、かせぎました。その短時間というのは、簿記検定ナビの仕訳問題対策を利用させて頂きました。この仕訳問題は15分、30分といった時間が丁度良かったです。

     間違えた論点は、その次の日に必ずまた解いたり、その類題もまとめ解いてみたりしました。仕事をしていると土日メインの勉強スケジュールになってしまい少々不安ですが、平日でもなんとか時間をかせごうと思えば、ポイントでかせげます。

     過去問題集は、できるだけ早くから取りかかりました。前回122回の試験を受けると決めた時点(今年の3月)で購入をしました。最初のうちは、全く分からなかったので解説とにらめっこする日々が続きましたが、何度も何度も繰り返しやっていると、過去問題のパターン、解答の仕方など、様々な分析ができるので、一つの安心材料ができます。なので、受験を決めたら、過去問題集をとりあえず買っておくことをおすすめします。

     今後は簿記2級をどのように活かすつもりでしょうか?
     最上級の簿記1級取得に心ひかれます。まずは、1級に受験できるよう土台づくりです。合格は夢みたいなものですので、1級にチャレンジできるように頑張りたいです。

    管理人コメント

     合格体験記のご投稿、ありがとうございました!

     まるこさんの勉強方法で皆様に参考にしていただきたい点は、「ほんの空き時間15分でも30分でも限られた時間をとって勉強する時間を作ってみるようにしました」という点です。特に社会人受験生の中には、勉強時間の捻出に頭を悩ませている方がたくさんいらっしゃるとは思いますが、そういう方こそまるこさんのように「細切れの時間を有効活用する」よいうことを意識するようにしてください。

     就寝前、起床後、食前、食後、通勤時間…などなど、細切れの時間は意外と多くありますので、持ち歩きの量を調整できる仕訳問題対策などを使って、貪欲に勉強するようにしてください。なお仕訳問題対策は、その場で理解しようとするのではなく、とにかく何度も何度も回転させて読み込んでいれば、いつの間にか頭に入ってくると思います。勉強期間中は、1秒でも多く簿記に触れるようにしてください。

     あとは「過去問題集は、できるだけ早くから取りかかりました。」という点もぜひ参考にしてください。日商簿記検定は過去問の重要性が高い試験ですので、なるべく早い段階(一通りのインプット・アウトプットが終わったぐらい)から少しずつ解くようにするといいと思います。

     過去問については、最初から満点を取る必要は全くありませんが、「必ず時間を計ってやること」「なるべく少ない下書きで正解が導き出せるように工夫すること」の2点に気をつけてください具体的には、計測したタイムは解答用紙に記入しておき、回数を重ねるごとに短縮できているかチェックするようにし、下書き用紙については捨てずに解答用紙に挟んでおき、前回のものと比べられるようにしておいてください。

     とても参考になる合格体験記を投稿していただいたまるこさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

    まるこさんが使われた教材や電卓のまとめ

    • テキスト:LEC最速マスター、大原の完全合格テキスト、TAC合格トレーニング
    • 問題集:日商簿記2級問題演習
    • 過去問:合格するための過去問題集
    • 電卓:CASIO DW-20A
    • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。