カテゴリー: 簿記2級

  • 第127回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.63

    問題演習は「量」だけでなく「質」も大事!考えて問題を解くべし!

    • 投稿者:attacksusanさん
    • 勉強形態:専門学校(通学)
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約8か月

    簿記2級を受験するきっかけ

     仕事におけるスキルアップのためです。3級は学生時代(商学部)に取得しました。現在の職業は公務員です。仕事に直接関係ないと思われるかもしれませんが、財務に関する部署に配属されることになり、お金にかかわる部署にいるのなら最低限、会計の知識として簿記2級が必要だと感じて、受験を決意しました。

    第126回受験「不合格体験記」

    • 勉強形態をどうするか?

     最初、2級の勉強は「独学」を検討していたのですが、テキストを書店でパラパラ読んでみたところ、「工業簿記」という未知なる世界、そして簿記3級を取得したのが5年前だったためブランクがかなりあると勉強が大変になるという不安要素がありました。そのため、早く、確実に合格できることを考えた結果「通学」を選びました。

    • 試験までの流れ

     7月中旬から10月初旬までは基礎講義。週4回でした。私の職場は毎年夏に大きな人事異動があり、その対応に追われたためになかなか勉強の時間がとれないこともありました。授業に出席できない時は、MP3による音声補講を利用していました。ipodにダウンロードして、自習室で聞いていました。とても便利です。

     試験1か月前からは答練。事前にある程度の範囲は発表されますが、なかなか応用力がつかずだいたい50点前後でした。特に第1問の仕訳問題で伸びませんでした。良くて4問。平均で2、3問でした。それでもなんとかふんばり、試験1週間前の模擬試験は66点でした。

    • 本番でまさかの…特殊商品売買

     11月20日、第126回試験本番を迎えました。ご存じのとおり、まさかの「第2問」でした。特殊商品売買を大のニガテ分野としていた私。部分点狙いで一つ一つがんばったのですが、ここでわずか4点…。鬼門の第1問も2問しか正解できず、合計62点で不合格でした。直前でかなり巻き返したんですが、日商簿記検定試験は甘くなかったです。

    第127回受験「合格体験記」

    • リベンジ!

     幸い、出席数が基準を満たしていたため、127回の分は無料で受講できる「合格サポート制度」を使用し、もう1度リベンジすることにしました。あと8点ということを考えるとかなり悔しかったので、もう1度予備校へ通うことに。ただ、基礎講義はかなりスケジュールが消化されていたので、1月中旬から行われる「総まとめ講座」から参加する ことにしました。

    • 勉強を再開する前に

     「なぜ不合格になったのか」を多面的に分析してみました。ただ落ちて「次がんばろう」というのは簡単に言えますが、合格者と不合格者との差は何だったのか?そして自分には何が足りなかったのかが絶対にあるはずなんです。ただやみくもに勉強していると、勉強の本質も見失うんじゃないかと。

     分析のために簿記検定ナビの「合格体験記」をいろいろ拝見しました。たとえば、前回の126回試験についても、確かに第2問は「難問」に分類される問題でしたが、それにもかかわらず合格率は20%を超えていました。逆を言えば、他のところで点を稼いだり、難問でも部分点を積み上げたりして「20%の人は合格点をとった」ということになります。ここに 何かしらのヒントが隠されているんじゃないかと思いました。

     そこでいろいろ分析をしてきてわかったのが以下の4点です。

    • 第1問で失点が多かったこと(わずか2問=8点)
    • 第4問・第5問の工業簿記で安定した点数をとれていること
    • 難問が来てもあきらめず、1つ1つ仕訳をしたこと
    • そもそも、勉強時間が足りなかったこと(1週間で12時間くらいでした)

     特に「仕訳」というものは、第1問だけでなく全ての問題に関わる「基礎」です。 第126回の第2問も、ちゃんと「仕訳」ができていれば10点はとれていたと言われます。「仕訳を制する者は試験を制する」という言葉は、本当に的を射ていると思います。

    • 新たな勉強方法の確立

     第127回へ向けての勉強は、まず第1問の「仕訳」対策中心に取り組みました。過去問+簿記検定ナビの「仕訳問題類題」ができれば仕訳はOKです!答練や模試の第1問のやり直しも行いました。これらだけでも相当な問題数です。繰り返し、繰り返し行った結果、第1問は悪くても12点、平均で16~20点を取ることに成功しました。

     そして、基礎は前回の試験である程度できていたので、模擬試験のような問題をどんどん解くことにしました。予備校の「答練」がペースメー カー代わりとなり、試験と同様の気持ちで取り組みました。直前期、自習をしていく上で重要なのは「時間を測ること」と「計算用紙をチェックする」ということです。

     「時間を測ること」は言わずもがなですが、「計算用紙」というのは簿記において「自分を映しだす鏡」のようなもので、「どこで計算をミスしたか」とか「どこで考え方を間違えたのか」という細かな部分までチェックをすることができます。間違った部分は「間違いノート」を作成し、時間を見つけてはそのノートに目を通していました。

    間違いノート
    間違いノート

     これらの勉強法を毎日行ったことでメキメキと点数が上がっていきました。2月から行われた答練は、6回中5回が合格点、模試は過去最高の「96点」でした。勉強時間のほうですが、平日、予備校のある日はそれを含めると1日4時間くらい、ない日は2時間くらい。土日祝日はお休みでしたので、1日5時間くらい勉強していました。予備校は週2回でしたので、週にすると約24時間くらい。前回平均の倍の時間をかけて勉強していたことになります。

    簿記の勉強を通じて得たモノ

     たしかに簿記2級というのはとてもすばらしい資格だと思うのですが、ただ「とったからこれでいいや」というのでは、資格の「価値」も下がりますし、そもそも受験する意味がないと思うのです。簿記の勉強を通じて、得たものは大きく3つありました。

    • 財務諸表の読み取り

     直接、今の仕事で使うことはないのですが、部署によっては許認可の事務で、企業の財務諸表をチェックするところもあるんです。ダイレクトに仕事の役に立てるというのは非常に大きいと思っています。

    • 数字や会計用語に強くなった

     毎日、問題を見たり電卓をたたいていたので、数字に慣れ、計算も速くなったと思います。仕事柄、見積書や積算資料に目を通すことが多いので、常に数字を読む環境を作ったことは今後の仕事にも生かせると思います。

    • タイムマネジメント

     社会人になると仕事を抱えますから、どうしても時間の制約があります。1日=24時間は全員平等です。でも、その24時間をどう使うのかは1人1人に任されています。時間を作ることの大切さ、そしてどうやった時間を捻出できるかということも、頭をふりしぼりました。両立したおかげで、時間を無駄なく過ごすことができたかなと思っています。

    試験日当日の1日の流れ

    • 7:30 起床
    • 8:00 朝食。トーストとコーヒー。
    • 9:00 自宅を出発。地下鉄内で間違いノートを読む。
    • 10:00 会場である予備校到着。開いている自習室で最後に以下の3つを復習。
    • 答練・模試の第1問で間違った問題をピックアップして再度解きなおし。
    • 第3問は本支店会計をさらっと復習。
    • 工業簿記は間違った問題を復習。
    • 11:30 早めの昼食。コンビニへ。
    • 12:30 試験会場へ。試験時間ぎりぎりまで間違いノートを読む。
    • 13:30 スタート。 今回もなかなか一筋縄ではいかない試験でした。

     第1問は「販売基準」にもかかわらず「割賦仮売上」を書いてしまって不正解となった以外はすべて正解。買収の問題の「商品」をどう扱うか迷いましたが、そのあとこの商品は引き継いで売られるんだろうと考えたら「仕入」に組み込まないといけないのかな?と思い、仕入にしたら正解でした。結果は16点でした。勉強の成果が出ました。

     第2問は、伝票が出るかと思いきや「帳簿組織」でした。「一部当座取引」で2つも二重仕訳が出ていました。1つマークしておらず、現金と受取手形の金額が違っていました。それでも16点確保。

     コメントすべきところは、おそらく第3問の本支店会計だと思います。出題パターンが珍しく「損益勘定」の問題も出題されており、新形式と言わざるを得ません。前回の試験でこの手の問題でやられたので、1つ1つ、コツコツと仕訳をし続けました。わからない部分もありましたが、とにかく部分点をとるつもりで解答したら、ちゃんと14点とれました。

     第4問・第5問の工業簿記は比較的平易な問題でした。第5問でまた標準原価計算が出るとは思いませんでした。最後の問題2つを落としてしまいましたが、ここで40点中36点とれたのは大きかったですね。

    • 15:45 試験終了。
    • 16:30 解答速報で自己採点。82点!

    管理人からattacksusanさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓・教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
     専門学校(大原です)のテキスト以外で使ったのは以下の2つです。

    ★ネットスクール 出題パターンと解き方過去問題集(パタ解き)
    ★ネットスクール 第127回 ラストスパート模試(ラスパ)

     この2冊はお勧めです。特に「ラスパ」はかなり当たります。今回の第5問の標準原価計算を当ててますし。あと、意外にも強力な武器となったのが、専門学校でもらった「第1問対策 宿題プリント」(以下の画像)です。

    仕訳プリント
    仕訳プリント
     今回、通われた専門学校の講座の良かったところ、イマイチだったところを教えてください。
     受講したのは大原の「2級フルセット」です。

     よかったところ…平日、仕事で行けなかったときでも土日で振り替えがあったので、そちらに出席できたこと。直前期、自習室を開放したり、予想問題を数セット用意してくれたり、最後の最後まできめ細かな対策をしてくれたこと。万が一落ちても、出席数が基準を満たしていれば、次回の分を無料で受講できる合格サポート制度があったことです。

     イマイチだったところ…わかりやすい先生と、そうでもない先生との差が大きかったこと。本来は、どの先生が来てもわかりやすいというのが理想なんですが…ざっとこんな感じです。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     1回目、不合格だったのは、明らかに「演習不足」が原因でした。簿記の試験は「たくさん勉強した者が勝つ」試験だと思います。しかし、ただやみくもに問題演習をするのではなく「考える」プロセスも大事です。そうすれば、基礎ができるだけでなく、基礎からさらに応用の部分も鍛えられるので、いざ本番で新形式の問題が出たときに対応することができます。

     「考えて」解く。これは簿記だけでなく、仕事や他の検定試験、そして生活のあらゆる場面でも応用可能なことなので、ぜひ演習するときは意識して取り組んでいただきたいです。 それと、1日5分でも簿記の問題を解いてください。時間がないなと思ったら、第1問の仕訳問題を1問やるだけでも違ってきますよ。

    管理人コメント

     attacksusanさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!第126回試験では惜しくも不合格になってしまったとのことですが、試験後に不合格の要因をきちんと分析して、その分析結果を勉強方法にフィードバックしたことが、第127回試験のリベンジにつながったようです。

     ドラゴン桜の英語教師のモデルになった、竹岡広信先生も「何も考えずに適当に問題を解いても実力は伸びない。もっと一問一問を大切にしてじっくり考えて勉強することが大事なんだ。」とおっしゃっていましたが、これは英語も簿記も同じですので、なんとなく問題演習をしてしまっている方は、「考える勉強」に切り替えてください。

     具体的には…例えば、attacksusanさんもおっしゃっていますが、総合問題を解く際に「時間を測ること」と「計算用紙をチェックする」の2点に気をつけることも「考える勉強」のひとつの形だと思います。ただ漫然と問題を解くのではなく、常に目的意識を持って取り組むように心がけてください。

    attacksusanさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第127回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.62

    簿記の勉強はとにかく手を動かすべし!問題文をしっかり読むことも大事!

    • 投稿者:akkyさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約1か月半

    はじめに

     年末に受験を思い立ち、年明けから勉強を始めました。簿記のイロハから初めて、いきなり2級を受験しました。仕事としては商品開発の業務に携わっていますし、理系なので会計とは無縁の人生を送ってきたのですが、やはり商品開発する上でも簿記の知識の必要性を痛感していましたのでいつか受けようとは前々から思っていました。

     で、本屋で日商2級が2週間で…などと書いてあったので、1ヶ月あれば余裕かなと思って軽い気持ちでテキストを買ったのですが…家に帰って読んでみると全く意味不明の言葉が並んでました。これはやばいと思い、簿記入門書籍と3級のテキストを購入し勉強を始めました。

     正直、これはとんでもない物に手を出したと思いながら、せっぱ詰まった状況に置かれたのが幸いしたのか、1ヶ月半集中がとぎれずなんとか合格できました。簿記検定ナビも大変参考にさせていただきましたので、お礼も兼ねまして私の経験を紹介させていただきます。

    今回購入した教材一覧

    1. すいすい簿記マンガみてGO!日商3級
    2. プラス8点のための問題演習 日商簿記3級
    3. すいすい簿記マンガみてGO!日商2級商業簿記
    4. すいすい簿記マンガみてGO!日商2級工業簿記
    5. サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
    6. サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
    7. プラス8点のための問題演習 日商簿記2級
    8. 日商簿記検定過去問題集2級出題パターンと解き方
    9. ラストスパート模試 日商簿記2級

    • 1月10日 勉強開始
    • 1を通読。書いていることは何とか理解できるものの2をやると手も足も出ない状況。
    • 2の解答を見ながら一通り演習。
    • 再度2をやる。この段階で半分弱程度の正解率。ただ、2回やったことで 2の解き方の道しるべがあればなんとか解けるように。

     解けた問題には○、解けたけどちょっと怪しい問題には△、手が出ない問題には×の 印を付けていく。以下も同様。

    • 1月4週目 2級編に強行突入
    • 3級を受験するつもりはなかったので、3級が中途半端な理解なものの、受験日から逆算して無理矢理2級を始める。
    • まずは3を通読。その後5の基本問題を解いてみる。分からないところはすぐに解答を読んでもう一度解いてみる。で、一通り基本問題が終わらせる。
    • 解答を見ても意味が分からず、3級のテキストまで戻ることもしばしば。
    • 2月1週目
    • 7の商業簿記編に着手。道しるべを読みながら一通り何とか終える。
    • 9にも着手。
    • 2月2週目
    • 4を通読。幸い、業務上知り得た知識で比較的すんなりと理解できた。
    • 6の基本問題に着手。例によって最初はほとんど解答を見ながら何とか一通り終える。
    • 9の商業簿記編も併せて実施。
    • 7の工業簿記編に着手。例によって道しるべを読みながら何とか一通り終える。
    • 2月3週目
    • 8に着手。分からないところは解答解説と7を参考にひたすら問題を解く。
    • このころになると分からないなりに、解法のパターンが分かってきました。
    • 7・8の×印問題を集中的に繰り返す。
    • 9も繰り返す。
    • 最終週
    • 9に絞って演習。 1週間で3周しました。

    特記事項

    • 勉強を始めてからは睡眠・仕事・食事以外は全て勉強しました。大学受験以来の勉強量だったと思います。この間はテレビもいっさい見ていません。
    • 勉強時間は平日2~3時間。土日は8時間程度です。
    • 幸いにも適性は比較的あったのかもしれません。途中から、簿記を理解できること自体が楽しくなって、勉強は苦痛ではなかったです。
    • 仕訳は簿記検定ナビにある勘定科目の省略記述を使うことで飛躍的に速度が上がりました。
    • 筆記具はUNIのクルトガを使用。お勧めです。消しゴムもノック式のものがお勧めです。
    • 分からない問題はすぐに解答・解説を見る。それでも分からない場合のみテキストに 戻る。テキストは基本最初の通読のみ。
    • 勉強のほとんどは問題演習に当てました。1~9はいずれも解答用紙がダウンロード出来るのでひたすら解きました。
    • 間違いノートやまとめノートは作っていません。テキストに○×△を書いて、理解できなかったところは解答解説にマーカーで線を引き、ポストイットを貼っていきました。理解できたところはポストイットを剥がしていきました。

    最後に

     第3問本支店会計で問題を良く読まず、はなから本支店合計を出してしまというミスをしましたが、工業簿記は比較的スムーズに解けました。結果的には工業簿記が満点だったことと、第3問も何とか部分点がもらえたので合格出来ました。長文になりましたが、これから受験される方の少しでも参考になれば幸いです。ちなみに、当方46歳。簿記初学者です。

    試験日当日の1日の流れ

    • 6時:起床 自宅でラストスパート模試の×、△のついている問題を一通り解く。
    • 9時:出発
    • 10時前:試験会場近くのファミレス着 ラストスパート模試を一通り流す。
    • 12時:昼食
    • 12時半:試験会場入り 試験開始まで×のついている問題を繰り返す。
    • 13時半:試験開始

    管理人からakkyさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
     SHARP ELSIMATE EL-S752K。簿記受験を決めてから、近所のディスカウントショップで手に入れました。GTキーがある機種で一番大きなものを選びました。私は手が大きいので、ちょっと大きめが良いかと思って選んだのですがキー操作は問題ないし、表示画面が大きく、角度調整が出来るので画面も見やすかったです。

     ただ、他の機種を使ったことがない(普段は関数電卓使用)なのでベストかどうかの判断は残念ながらできません。また、大きめサイズなので勉強や試験会場の机が小さいと邪魔になるかもしれません。

     今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
     すいすい簿記はお勧めできます。特に実務の経験がない方(私もそうですが)はマンガでイメージを掴むと頭に入りやすいのではないかと思います。ただ、すいすい簿記を一通り読んだらさくっとトレーニングの基本問題をやってみる。これが何となくわかったら、もう過去問へ行くべきだと思います。

     最初は過去問には手も足も出ませんが、ここで折れずにプラス8点のための…から入って、出来るようになったら、出題パターンと解き方を繰り返し、最後の仕上げにラストスパート模試で仕上げる、という形は結果として成功だったと思います。

     akkyさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
     得意な論点は工業簿記です。仕事も技術系ですのでテキストがなくても比較的すんなり理解できました。苦手は期末決算です。克服のためにはひたすら問題を解きました。コレしかないと思います。さらに半分あきらめていたのは委託販売です。仕訳で難しいのが出たらあきらめようと思ってました。

     学習期間は短め(1.5ヶ月)でしたが、不得意な論点の問題は5回以上は繰り返しました。 使用した問題集はいずれも解答用紙がダウンロードできるので、各3枚以上は印刷したと思います。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     すでに他の方も書かれていますが、手を動かし、電卓をたたいてひたすら書く。これしかないと思います。テキストを読むより、ひたすら問題を解く。解答を見ても分からないところだけテキストに戻るのが効率的と思います。テキストを否定するわけではありませんが、テキストを読んだだけでは頭に入りません。問題を解いて、書くことで初めて頭にはいると思います。

     あと、問題をしっかり読む癖をつける方がいいと思います。私はこれで危うく不合格になるところでした。127回の本支店会計で問題をぱっと見た瞬間反射的に本支店合計の計算を始めてしまい、問題は本店の損益勘定を求めているのに目に入らず、本支店合計の勘定を記入してしまいました。工業簿記が満点だったのでなんとか挽回できましたが、冷や汗ものでした。

     あと、初学でいきなり2級にチャレンジされる方もいらっしゃると思いますが、3級の学習ステップは踏んだ方がいいです。私は最初は正直なめてかかって、2級をいきなり始めてから立ち行かなくなり、3級に戻りましたのでこれで数日ロスしました。

     あと、上でも書きましたが、シャーペンはUNIのクルトガが超おすすめです。勉強するときの効率が違います。私は決してUNI社の関係者ではありませんので念のため。消しゴムもノック式で細かいところを消せるやつがいいです。

     それから、簿記検定ナビの勘定科目の省略一覧表も役立ちました。勘定科目ってちゃんと書くと結構時間がかかりますから。

    管理人コメント

     akkyさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!UNIのクルトガをおすすめとのことで、先日、実際に触ってみたんですが、偏減りしないのでとても書きやすかったです。

     簿記の勉強ではシャーペンや消しゴムをよく使うことになりますので、電卓選びと同様に、自分にしっくりくるものを選ぶようにしてください。ちなみに、管理人はPILOTのDr.GRIPシリーズを愛用しています。

     あとは「問題をしっかり読む癖をつける方がいい」という部分も重要です。最近の日商簿記検定2級は、過去問にひとひねり加えられた形で出題されることが多く、問題文をきちんと読まずに解答すると痛い目に遭います。

     例えば、第124回試験の第1問・仕訳問題は現金預金勘定で解答しなければいけないのに、現金勘定・当座預金勘定で解答したがために、それだけでマイナス12点となってしまった方がたくさんいらっしゃいましたが、問題文をきちんと読んでいればこんなミスはありえません。

     問題を解く際は、「解き始める前に、まず問題用紙・解答用紙をチェックすること」「問題文を読んだときに重要だと思ったところには必ず印を付けておくこと」の2点に気をつけるようにしてください。

    akkyさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第126回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.61

    ユーキャンの通信講座をデアゴスティーニばりに徹底解剖!

    • 投稿者:スミコさん
    • 勉強形態:専門学校(通信)
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約5か月半

    はじめに

     会計事務所に勤めて3年になり、1年目に3級を受験しました。その後、慌ただしく日々が過ぎ、2級を受けてみようと思い立ったのは去年の4月頃です。職場にも慣れてきたのと、もう少し積極的に簿記の勉強をしたら視野が広がってもっと仕事が楽しくなるのでは…っと言う思いで受験に至りました。また、通信での体験コメントが少ないようだったので、皆様の参考になればと思い、投稿させていただきます。

    使用したテキスト・電卓

    • ユーキャンの教材(詳しくは下記)
    • サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
    • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト
    • サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
    • CASIO DW-20A

     大原かU-CANか迷ったのですが、教材の安さに負けてユーキャンに…ただ、通信を申し込む前に「サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト」を購入していました。申し込むと約1週間後に教材が届きます。ユーキャンのテキストは4冊です(商業簿記2冊・工業簿記2冊)その他に、練習問題が4冊(商業簿記2冊・工業簿記2冊)と、添削問題集全15回、過去問10回分です。

     ユーキャンでは学習期間を6ヶ月間としてます。テキストの各章が終わると各章ごとに練習問題を解きます。そして各章ごとに添削問題を解き、所定の封筒でユーキャンに郵送します。郵送後10日くらいでユーキャン指導部の方より「はげましコメント」と間違いを訂正・指導されて、解説冊子と一緒に返ってきます。その流れで15回まで進みます。

     ユーキャンのテキストは「サクッとうかる~」よりやや細かく用語解説されて、用語解説の他に例題があります(各章の流れはだいたい同じです)その例題に加え、練習問題が各章ごとにあるので結構なボーリュームでした。仕事終えてから夜勉強していたので、商業・工業簿記ともに2ヶ月ずつ(合計4ヶ月)で進めました。

     添削問題は小テストのようなもので、90分で解くように指示されていましたが30分程で解けます。添削問題には解答が付いていませんので解答をチラ見して郵送するっていうズルは出来ないので、解くたびに緊張感がありました。また、添削問題を解くコトで淡々とした勉強にメリハリが付きました。郵送した後は「よし!第1章終わったぞ!」っと言う不思議な達成感・充実感もあります。勉強していてとても楽しかったです。

    勉強の流れと時間

    • 6月下旬~8月まで商業簿記(3回復習)
    • 8月~10月下旬まで工業簿記(2回復習)
    • 10月下旬~試験日まで過去問など試験対策。

     勉強をはじめたのは6月下旬でした。最初の計画では、3ヶ月半くらいで教材を終えて、残りの1ヵ月半で間違えやすい所の復習と試験対策をゆっくり進める予定で計画表を作っていました。ところが、意外なかたちで試練が…それは風邪です。勉強期間5ヶ月の間に3回風邪を引きました。猛暑の影響で8~9月は特につらく、10月にも風邪を引いてしまい、計画が大きく狂ってしまいました。

     勉強面でモチベーションは下がらなかったのですが、体力面で自己嫌悪でした。こんなに体力がなかったとは…焦ってしまう気持ちを抑え、「確実に勉強しよう」と思い直し勉強方法を変えました。前までは区切りがイイ所まで夜遅くなっても勉強し、疲れを引きずって翌朝出勤していました。

     改善後は毎日2時間は集中して勉強し、今日の疲れを明日に持ち越さないように12時には必ず寝る。どうしようもなく眠くなったらもう寝てしまう。その分、土日休みで挽回しようっという、かたちに変えました。

    勉強方法

     私は応用力がないと思っていました。原因は基本が分かっているようで分かっていないこと。基本ルールをしっかり身に付けて反復しようと思いました。商業簿記を進めるうちに、覚える量が結構あることに気づき、特殊商品売買まで覚えた頃には前に覚えたものがうる覚え状態に…これではダメだと思いまして、自作ノートを作り、今まで何となく覚えていたものを根っこから理解することに努めました。

     「なぜこの仕訳をするのか?」「なぜこの科目を使うの?」っといった感じで、問いかけていったところ理解度がアップしました。理解度がアップした頭で復習をするとテキストに書いてあるコトがよく分かりました。少しでも覚えやすくなるように工夫したことは、とっかかりとして基本的な所を「まず絵(イメージ)で覚える」でした。

     ここで、なぜユーキャンの教材も進めつつ「サクッとうかる~」のテキストを使っていたかと言いますと、ユーキャンのテキストには図はあっても絵がないのです。活字ばかりだとイメージしにくいですよね。「サクッとうかる~」にはキャラクターなどあって、特殊商品売買の時など分かりやすかったのです。

     まず、「サクッとうかる~」を読んでイメージしてから、ユーキャンのテキストで細かい部分を補うといった感じで二度手間でしたが、それしか良い方法が思いつきませんでした。「サクッと~」のテキストをカッターで1Pずつ切り離し、穴を開けてファイリングしてその間に各単元ごとにまとめておいた自作ノートも挟んで、通勤時に見られるようにしていました。

    試験直前

     教材を終えた10月下旬には「これで完璧!合格!」っと自負していたのです。あとは、間違えやすい所を復習して、過去問や予想問題をしようと。そんな時に、簿記検定ナビに出会いました。そして、無料配布されている仕訳問題対策を解いてみると結構間違えてることに気づきました。

     いつも大事なところで詰めが甘い私…「甘く見るな!」って言う簿記の神様の声が聞こえてきました。時間がないことを理由に過去問を解くのとをおざなりにするところでした。過去問を繰り返し解くことの大切さを教えてくれたのは、他でもないこのサイトです。本当にありがとうございました。

     商業簿記は自信があり過去問の第2問、第3問は特に間違っていなかったのですが、意外に第1問の間違いが多かったのです。特に「特殊商品売買」が分からない。特殊商品売買は第2~3問には出てこないので忘れてしまいがちになります。もう一度、テキストと自作ノートで見直しです。

     試験前は仕訳問題をひたすら解き、特殊商品売買の復習と工業簿記の基本的なところを復習しました。工業簿記は得意・不得意があったので不得意をなくしたかったのですが、時間がとれず試験まで1週間を切り、ジタバタしても仕方がないのと、費目計算の間違いが多かったので、材料費・労務費・経費・間接製造費をおさらいしました。ここでは、何が直接製造費で何が間接製造費かしっかり覚えました。

    全体を通して感想

     第1問の仕訳問題は時間をかけて全問解けるようにしておいたほうが良いと思います。こちらのサイトの仕訳問題対策をやっておいて本当に良かったと思いました。そうしなければ、似たパターンがあることも分からなかったし、教材によってさまざまですが、今まで解いてきたものと過去問とでは雰囲気が違うことも分からないままだったと思います。問題に慣れる意味でも仕訳問題対策は絶対解くべきです。

     試験前の追い込みの時期に、5ヶ月間勉強してきた重みもあって、解けない問題に当たると自信をなくしてしまいそうになりました。でも諦めたくはなかったので、何度かチャレンジして分かるまで突き詰めて理解する。その繰り返ししかないと思います。結局、諦めることなく勉強できたのは簿記が好きだったからです。

     試験直前にピリピリしていても「簿記って楽しいな~」っと思うことが何度かありました。難しい問題が解けるようになったときは充実感と達成感があり、とても嬉しかったです。友人からは「よくそこまで勉強するね」っと言われましたが「簿記は楽しいよ」っと素直に言えることが出来たのは私にとって何よりの収穫です。簿記と出会えたことに感謝したいです。

    スミコさんが利用された教材画像

    サクッとうかる教材を自己アレンジ
    サクッとうかる教材を自己アレンジ
    ユーキャンの教材1
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    ユーキャンの教材2
    ユーキャンの教材2

    試験当日の1日の流れ

    • 8:30 起床
    • 9:00 朝食

     過去問の苦手部分見直し。

    • 11:00 試験会場の駅に到着

     近くのお店で昼食。商業簿記・工業簿記テキスト流し読み。

    • 12:50 試験会場着

     自作ノート見直し。

    • 13:30 試験スタート

     1→2→3→4→5の順で解く予定でしたが、落ち着いて第1問を解き終わった後、第2問を見て頭が真っ白に…そのまま解こうとしたのですが、手が震えてどうしようもなかったので、1→3→4→5→2の順で解きました。第3問は当期純利益の額が合ったので見直しは後にして第4~5問へ。

     第4問は直前までに直接製造費と間接製造費を見直していたので、特許権使用料はすぐにわかりました。しかし、売上原価の製品の数字が分からず諦めかけた時に、隣の月次損益の数字が書いてあることに気づきました…緊張し過ぎですいません。

     思っていたよりも早めに解けたので、落ち着きを少し取り戻し第2問へ。問題の意味が分かってきたので、何とか仕訳して回答を埋めました。80分くらいで全問解けたので、また1→3→4→5→2の順で見直し。

    • 15:30 試験終了

     終わった後、いろいろな所で「第2問何?」「あんなのあり~?」「繰りのべるってなに?」などの声が聞こえました。会場の受験者の気持ちが一つになった気がしました。。。

    • 16:30 放心状態で帰宅
    • 21:00 大原の回答速報も見る気がせず就寝

    後日談

     成績証明書の結果、 第1問・16点、第2問・12点、第3~5問各20点で合計88点でした。第1問は問3を間違え、第2問目は3と6の仕訳など間違えました。総評では第2問の形式が新しく出た分、他の問題は易しかったとのことですが、第2問のショックと緊張ですべての問題が難しく思いました。でも、後から見直すとすごく簡単でした。

    管理人からスミコさんへ追加の質問

     ユーキャンの通信講座の点数をつけるとしたら、100点満点中何点になりますか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
     …悩むところですが60点です。正直、他の方におすすめはしません。2級までなら簿記検定ナビで、紹介しているテキストや過去問を繰り返し勉強すれば大丈夫だと思います。

    テキストの量と質>薄いがボリュームがある。解説が分かりやすい…と言いたいけれど工業簿記のテキストで細かく用語解説をしようとして余計分からなくなる部分もあり、思わず覚えないように「×」印をしてしまいました。

    サポート体制>分からないところはFAX・メール・郵便などで質問出来ます。BBSもあり。(私は特に必要なかったので使いませんでした)口コミでは「返信が遅い」などもあるようです。そのおかげでやる気をなくしてしまう方もいるようです。

    物足りないところ>ユーキャンの教材は「試験対策問題」っと言うものがないような気がします。添削問題の最後の15回目は模擬試験ですがかなり簡単でした。多分、自信をつけさせる目的ではないかと思いますが、勘違いの元なのでもっと難しくていいと思います。

     もう少し用語解説などの量を減らして、試験対策に力を入れて欲しいです。もしかしたら、私のように過去問や試験対策が後手後手になってしまう方もいるのではないでしょうか。なので、こちらのサイトの予想問題など非常に助けられました。そう考えると2級ならば独学でもなんら支障はないと思います。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級、税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     今はまだ上位資格をとる気持ちはないです。簿記2級を勉強してもまだまだ会計について分からないことがあり、もっと実務に添ったものを身につけたいと思いますので、全経の税務会計能力検定試験(所得税・法人税・消費税各1~3級)を受けてみようと思います。

    管理人コメント

     スミコさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ユーキャンの通信講座の良いところ、イマイチなところを分かりやすく解説いただきましたので、これから勉強を始めようと考えている方には、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

     さて、早速、合格体験記の中身のほうに入っていきたいと思いますが、受験生の方にぜひ参考にしていただきたいのは、「勉強の流れと時間」の項に書かれている「今日の疲れを明日に持ち越さないように12時には必ず寝る」という点です。一見、当たり前のことのように感じられるかもしれませんが、実際に勉強してみるとなかなか難しいです。

     疲労を蓄積してしまうと、一番がんばらばければいけない直前期に息切れしてしまいますので、疲労を翌日に持ち越さないように規則正しい生活を心がけてください。個人的には夜はなるべく早く眠るようにして、頭がクリアな状態の早朝に集中的に勉強することをおすすめします。

     あと、仕訳対策は簿記検定ナビの仕訳問題対策を使って、なるべく早い時期から行うようにしてください。目安としては、テキストと問題集を1回転させたぐらいのタイミングで始めると良いと思います。

     最初は分からない問題ばかりだと思いますが、勉強が進んでいくにつれて少しずつ分かってきますので心配はいりません。全ての問題を正答できるレベルまでもっていけば、本試験でも最低4問(20点中16点)は取れるはずです。

    スミコさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第126回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.60

    漫画を書いて覚える、見て覚える!新感覚勉強法で一発合格!

    • 投稿者:ふじまさん
    • 勉強形態:独学
    • 受験回数:1回
    • 勉強期間:約4か月

    はじめに

     私が簿記を受けたのは、少しでも就職を有利に進めようとしたのがきっかけです。私は今年3月に大学を卒業し、未だ内定をいただいておりません。事務職希望で、何か能力を身に付けていないと厳しいと思い、簿記に挑戦した次第です。全く0からのスタートで、最初は「就活>バイト>簿記」という優先順位でしたが、本番が近づくにつれ簿記一本に調整していきました。

     本番3日前には風邪をこじらせてしまい、当日も咳が止まらない中必死で問題にくらいつきました。結果は72点(うち、第3問と第5問が満点)、ギリギリの点数でしたが、新傾向の出た今回に一発で合格できたのは本当に幸運だと思っています。今後は資格を強みに就活を再開するつもりです。

    使用テキスト等

    • メイン(4つで税込み4536円)
    • 「20日で合格るぞ!日商簿記2級高速マスターテキスト商業簿記」東京リーガルマインド
    • 「同、工業簿記」(安さとイラストの多さが決め手)
    • 「ドンドン解ける 日商簿記2級過去問題集」成美堂出版(安さとボリュームが決め手、後でもっと安いものを見つけてショックを受ける)
    • 「日商簿記検定 模擬試験問題集2級」実教出版(値段とAmazonのレビューが決め手)
    • サブ(全て無料、補助問題として時々使用)
    • 電卓
    • SHARP COMPET CS-2128(父から貰った年代物、キーロールオーバー無し)

    基礎固め(7月中旬~9月上旬?)ペース:バイトの休み時間、帰宅後、基本気が向き次第

     簿記の知識0だった私は、まず図書館でいくらか入門書を借り、読み漁りました。特に良かったのは「ナマケモノシリーズ(1)ラクしてわかる簿記入門」(ダイエックス出版)、店の創業から決算までの流れが会話とイラストで構成されていてわかりやすかったです。大まかな流れがわかってきたら、テキストの精読を始めました。

     1日の目安は特に決めず、ひたすら読み続けました。また家にいる時は章末の復習テストを解き、ノートにまとめました。勿論それだけでは足りないので、商業簿記は簿記検定ナビの仕訳問題を解いていき、間違えた問題はカードを作成しました(以後、仕訳問題で間違えるたびカードを増やす)

     工業簿記はネットで見つけた無料問題集を解き、難しい問題のみノートにまとめていきました。しかしこの頃は勉強の方向性がまだ見えてませんでした。加えて就活優先、バイトの繁忙期、暑さに負けたという事情?もあり、勉強は後回し気味でした。実力も3級すら解けないくらいだったと思います。

    実践(~10月下旬)ペース:バイトの休み時間、帰宅後、週2日の休日は約8時間

     基礎すら固まっていませんでしたが、本試験形式に慣れるのが先と、休日に過去問を解き始めました。最初はテキストを見ながらたっぷり時間をかけ、答え合わせをしたら過去問専用ノートを用意、間違いノートをつくっていきました。見開きで使い、左に問題文の丸写し、右に解説を書き込み、その上部に解答用紙を張ったものです。

     声を出しながら書くことを心掛け、耳からも覚える工夫をしました。隙間があればイラスト付きで説明を加えます。この作業だけで1回分1日かかりましたが、5回分ほど捌くと傾向もわかってきました。そこで得意のイラストを駆使して漫画を描き、楽しみながら簿記を理解していこうと思い立ちました。

     内容は(1)問題の論点で大事と思うことを提示、(2)その解説(キャラクターが説明して いく形式)、(3)合間に注意点を入れつつ、(4)結論という流れで、新たに気づいたことがあればそのたび台詞を足していきました。この漫画は(1)次のコマを考えながら描くことで解く順序を覚えられる、(2)イラストで見直しがしやすくわかりやすい、(3)自己流に楽しく描けて気晴らしに最適などの利点があってとても役立ちました。

     特に手間のかかる第3問や種類の多い工業簿記には力を入れています(種類は商:精算表・本支店会計・貸借対照表・損益計算書、工:原価計算・工業簿記一巡・損益計算書・仕損品・部門別計算・原価差異 各見開き1~3ページ)。以後、平日は漫画・補助問題・テキスト精読(バイトの休み時間のみ)、休日は主に過去問という構成で勉強を進め、過去問を一通り解いたら もう一度新しい順に解きなおしていきました。

     因みに電卓の便利な使い方(GT機能等)も知っておこうかとは思いました。しかし問題もまだ満足に解けないのにまた覚えるのは大変という訳で、電卓は普通に使い続けました。ブラインドタッチも出来ないままです。そうこうしているうちに、いつしかテキストは見なくなり、ノートの量も減っていきました。基礎固めでやっていた3級の問題も解かなくなりました。そして10月が終る頃には正答率が半分を上回り、解くのが早くなったおかげで過去問を1日2回分解けるまでになりました。

    仕上げ(~本番前日)ペース:週5~6日で1日約8時間

     11月に入り、私は会社にお願いしてバイトを週1日にしてもらい、残りを全て勉強に注ぎ込みました。そして解ける問題の幅を広げるべく、模擬試験問題集を購入しました。1日の流れは模擬試験問題とその答え合わせ→過去問の解きなおしと答え合わせ→時々ノートの作成と問題集付属の補助問題という具合です。

     過去問が済んだら問題集の反復へと移行していきました。但し反復はいずれも1回のみ、回を重ねすぎると答えを覚えてしまうからです。同時に漫画の充実もはかりました。商業簿記は振り返りも兼ねて注意点に重点を置いた改訂版を作成、仕訳もカードだけでは理解しにくい論点のみ漫画化しました(仕訳の論点は損益計上、消費税、繰越利益剰余金配当、買付・売上計算書、企業合併 仕訳は各見 開き0.5~1ページ)

     工業簿記は問題集で新たに登場した論点のみ漫画に、他は既に作った漫画に新発見の事柄をひたすら書き込んでいきました。ところが追い込み迫る試験の3日前から、突如風邪を引いてしまいました。鼻水・咳が止まらない上のどが痛くて声が出せない、とてもつらかったです。

     それでも「これはハンデだ!より速く解く練習だ!!」とばかりに解くスピードを上げ、ついに前日までに手持ちの問題を全て反復し終えました。そしてはやく風邪を治そうと、発症した日から21時には勉強をやめ、22時までに床に就きました。この時点での実力は模擬試験問題で毎回合格点前後が取れる程度です。

    ふじまさんのまとめノート(間違いノート)&漫画紹介こ~な~

     ①ノート(商)…左ページは出典を書き問題文を丸写し、イラストは漫画でのキャラクターに対応。右ページは間違えた問題だけ答えと解説を写す、隙間にイラスト、こちらの上部にぺラッとめくれるように解答用紙を貼り付ける。

     ②ノート(工)…問題文と解答を丸写しし、すぐ下から解説を書き込む、隙間にイラスト、問題によって見開き半ページで済むことも

     ⑨イラスト…精算表に出てくる保険料と原価差異の式がどうしても覚えられず、ノートの表紙に張りました。蛇足ですがキャラクター達は私の大好きな漫画『ONE PIECE』に出てきます。

    商業簿記ノート
    商業簿記ノート
    工業簿記ノート
    工業簿記ノート
    漫画:精算表1
    漫画:精算表1
    漫画:精算表2
    漫画:精算表2
    漫画:精算表3
    漫画:精算表3
    漫画:工業簿記一巡1
    漫画:工業簿記一巡1
    漫画:工業簿記一巡2
    漫画:工業簿記一巡2
    漫画:工業簿記一巡3
    漫画:工業簿記一巡3
    間違いノートの表紙
    間違いノートの表紙

    試験日当日の1日の流れ

     症状は軽くなったものの、風邪は治りませんでした。試験は午後からなので、鼻にティッシュを詰めながら家で簿記検定ナビの仕訳問題をやっていました。問題の中でも以前間違えた問題だけをひたすら解き、解けた問題のカードを抜いていくとそこでもうお昼です。会場に着いてからは、トローチを噛みながら漫画と朝抜き取らなかった仕訳カードを何度も見直していました。

     本番でまず取り掛かったのは第1問、取引は単純でも科目をどう選ぶかが鍵という印象を受けました。特に5は借方を広告宣伝費にするか支店にするか最後まで悩みました。普段なら次に第2問をしますが、見慣れない形式だったので先に工業簿記をしました。

     第4問は製造間接費勘定を埋めきったものの、仕掛品勘定の完成高の出し方に戸惑い、後回しにしてしまいました。後で売上原価勘定を見て、貸方=借方という大原則を思い出し、大慌てでそこからさかのぼっていって全ての勘定を埋めきりました。本番中とはいえかなり恥ずかしかったです。

     第5問もまた当月着手だけ実際原価とわかっていても、緊張のあまりそれ以外を埋められずに飛ばしてしまいました。それでも戻ってきた時は「ホラ、原価差異!○○(←キャラクター名)の漫画たい!パーシャルだから当月以外は標準原価!でも労務費と製造間接費は進捗度に気をつけて…」などと心の中で確認しながら落ち着いて解きました。

     次は新傾向の第2問、「何これ!?ふざけんな!!」と叫びたくなりました。まだ緊張ほぐれぬままかなり大雑把に資料2の取引を仕訳し、やはり大雑把に解答して第3問へ手をつけました。

     第3問は得意の精算表、思ったより問題が素直でおかげで緊張もほぐれました。私は精算表を解く上で「修正記入を完璧に埋めきってから損益・貸借欄を埋める」ことに気をつけています。以前は得点につなげたい思いで、横一列を埋めきることに重点を置いていました。ところが記入漏れが多く、なかなか一番下の合計欄が左右で合いません。

     それに回を重ねるにつれ、横にこだわらなくても時間内に捌けるようになったので、その方法はやめました。本番では一発でどの合計欄も釣り合いました。そして解きながら「今回は第2問で落とすハラだろうから、第3問から後ろは完璧にしよう」と意気込み、先述のように綺麗に捌き切りました。

     再び第2問に戻り、今度はいくらか字も丁寧に書き、落ち着いて計算用紙に仕訳をし直しました。仕訳に間違いが無いことを確認したら、正解に自信のある科目や1回しか登場していない科目を優先に解答し直しました。計算用紙のほうではわからないところはそのままにしておき、その部分に関わらない科目と取引を二重線で次々と消していきます。そして資料1も見ながら何が済んでいないかを注意深く確かめていきました。

     残り30分で全問空欄を埋め切り、あとは見直しと第2問の追及に費やしました。しかし6は委託販売の増減(積送品売上で増加、現金回収で減少)を見抜けませんでした。7の割賦販売にいたってはノーマークだったので全く出来ませんでした。当然損益計算書は全滅です。解いた順序は1→4(半分)→5(4分の1)→2(大雑把)→3→4→5→2、試験終了後も第2問が気がかりで仕方ありませんでした。

    管理人からふじまさんへ追加の質問

     教材の選び方について、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     テキストは書店で見て使いやすいと感じたものでいいと思います。過去問はわざと解説が少ないものを選ぶのも手かもしれません。例えば問題を解いた後に答えだけを見て、違ったところは何故違うか再び考えます。考え抜いた答えが正しければ、自分の解法が正しいと判断できるので、それを次に生かしていけます。もし再び間違えれば、最小限の解説を見ながらきっとこうだからこうなるのだろうと考えながらノートに詳しくまとめていけます。いわば解説は自分でつくっていくことになるので、最初から詳しい解説を丸写しするよりは身に付くのが早いのではないでしょうか。

     そして問題集は模擬試験問題集をお薦めします。演習問題ばかりを解くよりも、模擬試験をこなした方が本試験の感覚が身に付きます。それに問題集には補助問題もついてるので、時間の無い時はそれで対処できます。本試験と同じ~上級レベルで模擬問題の多いものが最良です。

     勉強方法について、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     段階に分けて勉強すると効率がいいと思います。私の勉強方法を元に下に例を挙げてみました。

     基礎固め:あまり時間をかけないこと、私はここでだらだらし過ぎて問題への取り掛が遅れました。

     実践①:過去問をします。はじめは時間をかけ過ぎても、テキストを見ながらでもいいと思います。この段階の目標は本試験形式とその難易度に慣れ、問題の本質を見極めることだからです。一番大事なのは復習です。仕訳は間違えた問題はカードにしていきます。たまってきたらカードの問題を一通り解きなおしてみて、解けたらカードを抜いていき、新たに間違えたら足す、解けたら抜く、この繰り返しだけでも仕訳を解く力が上がると思います。

     また第2問以降は間違いノートを是非作るべきです。私はノートは自分の成長記録だと思っています。ノートに問題文と解説を写し気づいたことを書く、問題を解いた当日はここまででいいです。問題をドンドン解いてノートの中身を増やす中で似た問題に出会ったとき、新たに気づいたことがあれば以前書いたページに戻ってそれを書き足す。この繰り返しでノートを充実させていけば、自然と間違いは減っていくでしょう。私の場合漫画を描くという形でも復習をしてきましたが、やっぱり手を動かすのは大事です。出来合いの解説を読むよりも、手書きの解説のほうが頭に入っていきます。

     実践②:過去問を一通りやったら模擬問題をやって欲しいです。一日にやる分を「過去問(ノートをたっぷりとる)→過去問2回目&模擬問題一回目→模擬問題1回目&模擬問題2回目」の順に消化していくと無駄がありません。半端な時間は補助問題と復習に当てるといいでしょう。

     仕上げ:個人的には仕訳に重点を置くといいかなと思っています。仕訳は全ての問題の根本ですし、出来なければ他の問題にも響きます。もう一度今まで解いてきた仕訳問題を全て解きなおし、改めてきちんと身についているか確認し、苦手分野はテキストに戻って解き方を見直すといいのではないでしょうか。

     その際は簿記検定ナビの仕訳問題がとても役立ちます。私は仕上げの時間が殆ど無く、漫画に熱を入れすぎて仕訳は後回し気味でした。案の定本番では第1問は5問中2、3問しか出来てませんし、第2問も完璧な仕訳は出来ませんでした。…あとは楽しんで勉強できればもっと身に付くのが早くなると思います。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     資格は現在は就活での強みとして生かしていきたいです。投稿文にも書いたとおり、私は学生時代から事務職志望で就活をして参りました。事務職は時として簿記の知識も求められます。今回試験に合格したことで自分に自信がつきましたし、アピールポイントにもなると考えています。勿論晴れて就職が決まれば実務で大いに発揮していきたいです。

     上位資格を目指す予定は今のところありません。私はあくまでも就活に弾みをつけようとして挑戦したので2級で満足しています。強いて言えば本番で8割は得点したかったなとは思っています。

    管理人コメント

     ふじまさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!自作の漫画の画像を見せていただいたときは、正直「やりすぎ!」と思いましたが(笑)、漫画形式で覚えていくとストーリーの流れで各論点を記憶出来るので、勉強時間に余裕のある方には一考の余地があ…いや、費用対効果を考えるとやっぱり「やりすぎ」だと思います(笑)

     漫画についてはひとまず置いておくとして、ふじまさんの勉強スタイルでぜひ見習っていただきたいのは、間違いノートを作る際に「声を出しながら書くことを心掛け、耳からも覚える工夫をしました。」という部分です。目・耳・口を使うことによって記憶の定着率が上がると言われていますので、間違いノートはぶつぶつ呟きながら作ると良いと思います。

     簿記試験レベルで間違いノートは必要ない、過去問の重要性は近年下がってきた…という意見もありますが、個人的には「日商簿記検定は、過去問対策と間違いノート作りは必須」だと思っています。短期合格・一発合格する人ほど、この2つを着実にこなしていますので、受験生の方にはぜひ見習っていただきたいポイントです。

    ふじまさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 第126回日商簿記検定 簿記2級 合格体験記 No.59

    やっぱり過去問対策は大事!間違いノートは作り方にも気をつけよう!

    • 投稿者:janさん
    • 勉強形態:独学+学校
    • 受験回数:2回
    • 勉強期間:約10か月

    衝撃

     第123回3級合格。合格さえすればいいと考えていたので、一緒に受験した知人が満点で合格した時の衝撃・敗北感は忘れられません。払拭するには2級合格しかないと思いました。5ヶ月半勉強し第125回2級を受験、けっこうやったつもりが「わかってなかった」ってことで、試験当日に不合格(58点)を確信。

     7月から126回に向けてまた猛勉強再開しました。2回目の受験ということで、多少は余裕があるのと次は絶対受からなきゃというプレッシャーがないまぜの日々でした。記憶がうすれる前に体験記に残したいと思います。

    計画

     計画は必要ですが、綿密なものは計画倒れしかねないので、大雑把にいつまでにこれを終わらせる、その程度でした。

    勉強時間

     夜遅くが苦手で昼型。仕事の合間に勉強ができる環境の中で仕訳、帰宅してからほぼ毎日2~4時間過去問に費やしました。休日は8時間ぐらい。集中力が切れると以前解いた問題もミス、そのダメージのほうが大きかったので、思い切って休憩しました。そうすると自然にまたやろうという気がおきました。

    苦手科目克服

     休日など時間がある時は、仕訳以外の苦手な科目をひとつひとつ退治すような気持で取り組みました。テキストにのっている簡単な問題から始め応用が理解できるまでしつこく。苦手なものは克服できると得意なものに化ける可能性大です。

    • 克服出来たもの…本店支店会計の内部利益・伝票記入・差異分析
    • 克服出来なかったもの…特殊商品売買(委託販売・委託買付)

    慣れた頃が要注意

     簡単な問題をど忘れしたり、月初月末のちがいで計算ミスしたり、有価証券の端数利息の計算を固定資産の売却や購入の問題に取り入れて不正解。期間の計算が伴う問題は下書きが不可欠、省略すると凡ミスを招きました。卸減耗と商品評価損のBOXと標準原価計算の差異分析のBOXの形のちがいをはっきりさせるまで混乱していました。「あれ?」と思ったら即効調べた方がのちのち楽です。

    期間別勉強方法

    • 7~9月 ひたすら仕訳と過去問

     仕訳は1問4点と点数が高いので出来不出来で明暗が分かれると125回で実感したため、まずはひたすら仕訳をすることにしました。簿記検定ナビでダウンロードした第100~124回の仕訳問題を千本ノックのように、繰り返しやりました。これでもかってくらい。

     不要になったコピー用紙A4を半分に折りミニノートを手作りし、三分の一あたりで横線を引き、下は計算に使用。必ず採点し、まちがった箇所には赤字で大きく正解を書きました。問題用紙にも印をつけ、一周し戻り正解すると進歩している実感がわいてきます。何周しても同じまちがいをしてしまう問題があったので、間違いノートをつくり、その都度テキストに戻って確認しました。

     さくっと受かるシリーズは125回時に購入。とっつきやすく、要点を押えているため最初に取り組むのに適していると思います。ダイエックスのまるごと過去問題集は第110~124回とたっぷり掲載。始めるといかに問題慣れしていなかったことに気づきました。最初は時間を計ってやるレベルに達していませんでした。落ちるのも当然です。

     過去問をなぞった学習の仕方に難を示す商工会議所のコメントがありましたが、時間内に問題を解くことに慣れるためには、過去問が一番だと思います(そのしっぺ返しが126回の第2問目に)

    • 9~10月 過去問 2時間以内

     時間を計ると一人でやっていても緊張感があり効果的で、慣れると解く時間が短くなってきました。簡単な採点表を作成し、日付と問題別の点数・合計点を記録しました。ラストスパート予想問題を購入。ちらちらのぞいては「まだ早い」としばらく暖めました。

    • 10~11月 予想問題

     勉強の仕方はこれでいいのか、選んだ教材はこれで良かったのか、迷いが生じ、そんな時は仕訳問題に没頭することにしました。ラストスパートに挑戦。合格点には達するものの、初めて取り組む問題は投げ出したくなるような点数で、途中でギブアップした問題もありました。

     125回時に通っていた学校経由で受験を申し込むと、直前ゼミや模擬試験に参加でき、10回分の直前ゼミ問題集をもらいました。その頃には過去問に慣れ学校の問題集が難しく感じました。各スクールには教え方に特色があると何かで読みました。

     10月最後の日曜日から学校のセミナー、直前ゼミに参加しました。同じ受験者からの刺激や情報、先生のアドバイスは貴重ですが、仕事終わりで週2回3時間、体力的にきついことを知っていたので体調を考慮しながら参加しました。風邪をひいている人もいるのでマスクをするなど体調管理も大事です。

     本番2週間前に模擬試験を受験。他に簿記検定ナビで本試験予想問題をゲット。ほぼ同じ予想。今回は簡単なのかも……これが当れば満点合格も夢ではない!しかーし、自分が本試験の出題者なら、そうはいくかと絶対に思います。出回っている予想が当ればだれも苦労はしません。

    試験日当日の1日の流れ

    • 9時頃:起床

     いつもと同じような行動でしたが、何度もトイレに通いました。家族にまだやるの?とちゃかされながらも残された時間はまたもや仕訳に費やしました。もはや精神安定の処方ですらありました。

    • 11時頃:昼食

     頭を使うために食事は絶対必要。菓子パンとバナナ、チョコレート。そしてトイレ。

    • 12時過ぎ:会場到着

     早すぎたかも、と思いきや先に来ていた人たちが必死に勉強していました。他人の電卓の音・咳払い・消すときに出る音などに過敏なタイプですが、3回目ともなると日頃からそれを想定してやっていました。

     ですが、そこの会場はとにかく机が小さい。3回目となってもイラッとしました。トイレに行ってから席についても仕訳のみ。ぎりぎりまで必死にやっている人もいましたが、自分は試験官が教室に入ってからは全部しまいじっとその時を待ちました。

    • 13時:試験開始

     パッと見ただけでも予想問題とはちがう事がわかり、解く順番を1→3→4→5→2変更してみるが、実際は解けるところを手当たり次第行ったり来たりという感じでした。


    • 第1問

     一見簡単そうでしたが、心臓がバクバクしている状況ではけっこう手ごわかったです。ここだけは1問も落としたくなかったので必死でした。手形の更改は新手形に利息を含む問題が圧倒的だったので、支払利息を思い出すまで時間を要しました。火災の問題では平成8年4月に取得、平成22年8月31日火災とあり、ターンテーブルを刻んでいて「長すぎ!」とキレ、22-8=からやり直し。


    • 第3問

     精算表が簡単だったことでやや気を取り直しました。


    • 第4問

     これも過去問にはなかったと思います。ラッキーだったのは、学校の直ゼミに参加した際に「外注加工費と特許権使用料は直接経費!」という先生の言葉が耳に残っていたことです。


    • 第5問

     標準原価計算は差異分析に重点を置いていただけに拍子抜け、逆に凡ミスしました。前期繰越も標準でやっちゃいました。連動しているため、結果8点落としました。パターン化したものも吟味しないで通り過ぎると痛い目に合う悪い見本です。なぜ本番に吟味しなかったのか?悔やんでも悔やみきれませんでした。「もうダメ、落ちた」と思いつつも時間いっぱいまで粘りました。何問かはそれで助かったと思います。


    • 第2問

     変な問題に当たったことに打ちのめされました。過去問にこんな変なのあったなと後で調べると第112回の社債発行、買入償還、購入の問題以来です。克服しきれず危惧していた特殊商品売買が満載。苦手な人も多いと思います。

     簿記検定ナビのクイズは何回も挑戦したのでなんとかなりそうと思っていたのに、残高試算表まで出てきて難易度を上げていました。勘定科目も冷静になればわかることがどれも始めて見るような気がしました。意地悪すぎる。部分点を拾うことで精一杯です。これをスラスラ解いた人はいるのでしょうか?

    試験を終えて

     猛勉強したわりには力を出し切れずまたもや敗北感。知人が満点合格した時の比ではありませんでした。基本は仕訳。問題数をこなす。問題をよく読む。冷静でいられない本番では、当たり前のことができなくなってしまうことを実感。合格とわかり、これで開放される!さっそく勉強道具を押入れにしまいました。が、どこか物足りない、寂しい気さえしています。

    管理人からjanさんへ追加の質問

     今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
     おすすめします。さくっと~の基本問題は数字のケタが小さくて、同じ内容でも理解しやすいと思います。過去問題集はクリアすると自信がついてくるのでかかせないと思います。

     1回目の受験が不合格だった原因は、過去問題を知らなすぎたことでした。15回分を繰り返しやっていると重要な箇所が見えてきました。電卓については、無駄のない計算をするには機能が少ないためおすすめしません。

     ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
     自分なりのルールを作ること。それを早めにみつけることは大事だなと思いました。仕事をしながらは無理とか新しいことを覚えるにはちょっと年齢が…関係ありませんでした。やる気次第ということがわかりました。同じように思っている方々にがんばって取ってほしいです。

     勉強が嫌になった時も、短くてもいいからとりあえず毎日かかさず簿記にふれることで一歩前進、昨日より今日、今日より明日と根気良く積み重ねてほしいと思います。

     それと独学の人はとくに簿記検定ナビをフル活用してほしいです。私の場合、1回目の受験時は学校に通っていたことで、他に頼らなくても別に…と変に意地を張ってしまいました。このたびは本当にお世話になり、管理人さんありがとうございました。

     2回目の受験勉強で後悔したのは、せっかく作った間違いノートが、見直したい箇所がすぐにみつけられなくなってしまったことです。あとからも書き込めるようなスペースを空けノートをケチらないこと、探しやすいような工夫をすること(見出しシールなど)が大事だと思います。

     今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
     これまでも見よう見真似で職場の財務諸表を作成していましたが、今年からは理解したうえで作成に臨みたいと思っています。11月21日試験が終わってから勉強をしていません。今、問題が解けるかどうか疑問です。覚えるのは大変だけど忘れるのは簡単だな~さらなる上はおいそれとは手が出ません。

    管理人コメント

     janさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!まずはリベンジおめでとうございます!社会人の方が平日2~4時間、休日8時間の勉強時間を確保するのはかなり大変だと思いますが、janさんは強い精神力で乗り越えられたとのことで…社会人受験生の方に大きな勇気を与えてくれたと思います。

     過去問についてですが、以前に比べて重要性が落ちた…という話しも耳にしますが、個人的には昔も今もこれからも「日商簿記検定3級&2級は、過去問重視の勉強方法で全く問題ない」と思います。第2問で新形式の問題が出題されて大騒ぎになった第126回試験も、第3問・第5問などは過去問対策をきちんとやっていれば短時間で満点(40点)取れる問題でしたし、第1問の仕訳も最低3問(12点)は取るはずですので、残り40点のうち18点取れば合格できたわけです。

     新形式の問題が出てきたときは、とにかく最後まで諦めずに部分点狙いに徹するようにしてください。今回の第2問の特殊商品売買の仕訳も、個々の難易度的には第1問の過去問と大差はなかったはずです(一部を除いて)問題を見て、「もうダメだ…」と思った瞬間に終わりですので、「自分だけでなく周りも面食らっているはずだ。完答する必要はないから、部分点を狙っていこう」と咄嗟に頭を切り替えることが大事だと思います。

    janさんが使われた教材や電卓のまとめ